22歳の男性。頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。車椅子は床から390 mmの座面に100 mmの低反発素材のクッションを使用している。移乗は、車椅子から前・後方移動で自立し、ADLは環境整備の上で自立が見込めるようになった。1人暮らしを目的にした住宅改修を図に示す。正しいのはどれか。
1: ①入口のスロープ傾斜を1/8とした。
2: ②便器の高さを床から400 mmとした。
3: ③移乗の車椅子操作のために回転半径を600 mm確保した。
4: ④浴槽のふちの高さを洗い場から150 mmとした。
5: ⑤テラスへの出入り口は埋め込みレールとした。
図の車椅子の実用的使用が可能な最も高位の機能残存レベルはどれか。
1: 第4頸髄節機能残存
2: 第6頸髄節機能残存
3: 第8頸髄節機能残存
4: 第6胸髄節機能残存
5: 第12胸髄節機能残存
脊髄損傷で正しいのはどれか。
1: 脊髄円錐部損傷では排尿障害の予後は良好である。
2: 馬尾損傷では痙性対麻痺を生じる。
3: 後脊髄症候群では深部感覚障害に比べ温痛覚障害が主体となる。
4: 前脊髄症候群では深部感覚障害に比べ運動機能の予後が悪い。
5: ブラウン・セカール症候群では損傷部以下の同側の温痛覚障害がある。
胸髄損傷(第12胸髄節まで機能残存)患者が主婦として車椅子で家庭復帰する際の家屋改造上の留意点として誤っているのはどれか。
1: 玄関の段差は2 cm以下にする。
2: 室内の扉は引き戸にする。
3: 廊下の幅は最低90 cmにする。
4: 台所の流し台の下の空間は、床から30 cmの高さにする。
5: 食器などの収納は床から30~130 cmの高さで行えるようにする。
28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
1: BADS
2: SLTA
3: SPTA
4: VPTA
5: CBS〈Catherine bergego scale〉
図は脊髄損傷患者が車椅子上でプッシュアップを行なう動作を示したものである。損傷レベルの上位から下位への組合せで正しいのはどれか。
1: A-B-C-D
2: B-D-A-C
3: C-A-B-D
4: D-A-C-B
5: B-A-D-C
頸髄完全損傷者における残存髄節レベルと感覚残存部位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: C4 ― 肩峰
2: C5 ― 腋窩
3: C6 ― 母指球
4: C7 ― 乳頭
5: C8 ― 胸骨剣状突起
27歳の男性。オートバイ事故による頸髄損傷。Zancolliの頸髄損傷分類で右C6B1、左C6A。関節可動域に制限はない。体幹を前傾させると上肢で支持することは困難である。動作の写真を別に示す。上肢による支持を可能にするために強化が必要な筋はどれか。2つ選べ。
1: 上腕筋
2: 棘下筋
3: 肩甲下筋
4: 三角筋前部線維
5: 僧帽筋上部線維
24歳の男性。受傷後3か月の頸髄完全損傷。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類はC6B1。手関節の可動域制限はない。把持動作獲得のための装具として適切なのはどれか。
脊髄損傷の機能残存レベルと筋力増強訓練との組合せで適切でないのはどれか。
1: 第1腰髄節─骨盤挙上
2: 第2腰髄節─股関節屈曲
3: 第3腰髄節-股関節外転
4: 第4腰髄節─膝関節伸展
5: 第5腰髄節─膝関節屈曲
38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
正しいのはどれか。
1: 頸髄損傷者(第4頸髄節まで機能残存)の移乗-ベルトタイプの吊り具
2: 片麻痺者(上下肢とも共同運動レベル)の入浴-片手に洗体用ミトン
3: 両上腕切断者の排便-洗浄器付き便座
4: アテトーゼ型脳性麻痺者の食事-スプリング・バランサー
5: 失調症者の更衣-リーチャー
脊髄後索の損傷によって生じるのはどれか。2つ選べ。
1: 部位覚障害
2: 位置覚障害
3: 温痛覚解離
4: 振動覚障害
5: Babinski徴候
脊髄損傷の合併症とその対策との組合せで適切でないのはどれか。
1: 拘 縮-他動運動
2: 褥 瘡-体位交換
3: 異所性骨化-電気刺激
4: 自律神経過反射-血圧測定
5: 起立性低血圧-腹帯装着
22歳の男性。外傷性頸髄損傷後6か月経過。ダニエルスらの徒手筋テストは、肘関節屈曲5、肘関節伸展2、手関節屈曲1、手関節伸展4、手内筋0、下肢0。ベッドへの移乗が自立したので、図の車椅子に患者を座らせて、屋内で使用する車椅子を検討した。適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 背もたれを肘台と同じ高さまで低くした。
2: 駆動輪の車軸を20 cm後方に移した。
3: 駆動輪を14インチに変更した。
4: 足台をスウィングアウト式に変更した。
5: ブレーキをトグル式に変更した。
脊髄損傷患者の車椅子上での除圧動作を図に示す。損傷レベルの上位から下位への順序で正しいのはどれか。
1: B → C → D → A
2: B → D → C → A
3: C → B → A → D
4: D → B → A → C
5: D → C → B → A
図は脊髄損傷患者が車椅子上でプッシュアップを行う動作を示している。損傷レベルの上位から下位への順序で正しいのはどれか。
1: A-B-C-D
2: B-D-A-C
3: C-A-B-D
4: D-A-C-B
5: B-A-D-C
30歳の男性。頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄まで機能残存)。上腕三頭筋の筋力検査を行う場面を図に示す。代償運動が出現しないように作業療法士が最も抑制すべき運動はどれか。
1: 体幹屈曲
2: 肩関節屈曲
3: 肩関節外転
4: 肩関節外旋
5: 前腕回内