38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。臨床所見として認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 企図振戦
2: 膝踵試験異常
3: Romberg徴候
4: Lhermitte徴候
5: ミオトニア現象
認知障害がみられるのはどれか。
1: 重症筋無力症
2: 筋萎縮性側索硬化症
3: Guillain-Barré症候群
4: 筋強直性ジストロフィー
5: 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)
55歳の女性。8年前に多発性硬化症と診断され、再発や寛解を繰り返し、2回の入院歴がある。現在は症状が落ち着いており、訪問理学療法で屋外歩行練習が実施されている。その際、理学療法士は運動強度を軽度から中等度とし、かつ、外気温の高い時間帯を避けて実施するなどに留意している。この理由として関係するのはどれか。
1: Barré徴候
2: Horner徴候
3: Lhermitte徴候
4: Tinel徴候
5: Uhthoff徴候
42歳の女性。多発性神経炎。手袋靴下型感覚障害がある。筋力は上肢近位筋群4(Good)、手指筋群4(Good)である。この患者が行う作業種目で適切でないのはどれか。
40歳の男性。2週間前から腰痛と右殿部から大腿前面にかけてのしびれが生じ、徐々に右下肢の筋力低下を自覚するようになってきた。この患者に行う検査として適切なのはどれか。
38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。MRI(写真①~⑤)を示す。この症例はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
臨床所見と末梢神経障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 環指橈側の掌側の触覚低下 − 正中神経麻痺
2: 母指指腹の痛覚低下 − 後骨間神経麻痺
3: Froment徴候陽性 − 尺骨神経麻痺
4: Phalen徴候陽性 − 橈骨神経麻痺
5: 手関節伸展不能 − 前骨間神経麻痺
50歳の女性。左椎骨動脈解離によるWallenberg症候群で3週経過した。四肢に麻痺と高次脳機能障害はないが、摂食嚥下障害があり経鼻経管栄養が開始された。嚥下造影では咽頭収縮不良による左側咽頭通過障害を認め、唾液を常にティッシュで拭っている状態である。発熱はなく、呼吸状態は安定している。この患者への対応で正しいのはどれか。
1: 間接訓練は禁忌である。
2: 頸部左回旋して嚥下する。
3: 間欠的経管栄養の適応はない。
4: 垂直座位で唾液の誤嚥を防ぐ。
5: 頸部の筋力訓練は禁忌である。
52歳の女性。右手根管症候群。右上肢に感覚障害と運動麻痺を認める。この患者が図のような手の形を示した。母指の運動を行っている筋はどれか。2つ選べ。
1: 母指内転筋
2: 母指対立筋
3: 長母指屈筋
4: 長母指外転筋
5: 第1背側骨間筋
62歳の女性。転倒後、四肢麻痺が出現した。上肢の筋力は2、手指内在筋は0~1、下肢は4であった。受傷時の頸部CT(写真A、B)と頸部MRI(写真C)を示す。画像から得られる所見で正しいのはどれか。2つ選べ。ア.CTで第3~5頸椎間に後縦靱帯骨化がみられる。イ.CTで第4・5頸椎部に骨折がみられる。ウ.CTで第5・6頸椎間に脱臼がみられる。エ.MRIで脊髄の圧迫はみられない。オ.MRIで第5頸椎後方の脊髄に高輝度の変化がある。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
48歳の女性。多発性筋炎。一般状態が落ち着いて理学療法が開始された。筋力は体幹筋4、上肢近位筋群3~4、下肢近位筋群3~4。院内独歩が可能。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 血中CK値推移の確認
2: 他動的可動域訓練
3: デローム法による筋力増強訓練
4: 万歩計による運動量の確認
5: 自覚的疲労度の確認
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。Danielsらの徒手筋力テストでは上肢近位部3+、遠位部4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 木工作業で本棚を作る。
2: 七宝焼きでピアスを作る。
3: ざる編みで籐カゴを作る。
4: 卓上編み機でマフラーを編む。
5: 小さな刻印で革に模様をつける。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
ギラン・バレー症候群について誤っているのはどれか。
1: 表在感覚脱失
2: 四肢筋力低下
3: 神経原性筋電図所見
4: 呼吸筋障害
5: 髄液の異常所見
神経・筋変性疾患のリハビリテーションで誤っているのはどれか。
1: Guillain–Barré 症候群では訓練中の不整脈に注意する。
2: Parkinson病では視覚刺激を運動発動に利用する。
3: 脊髄小脳変性症では早期から補助具を導入する。
4: 筋萎縮性側索硬化症の車椅子利用者では褥瘡の発生に注意する。
5: 筋ジストロフィーの運動訓練では過負荷に注意する。
脳卒中後の肩手症候群について正しいのはどれか。
1: 患側の手に冷感がみられる。
2: 麻痺が重度の場合に発症しやすい。
3: 星状神経節ブロックは無効である。
4: 脳卒中発症後3週以内に生じやすい。
5: 自動的な関節可動域運動は症状を悪化させる。
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
65歳の女性。右利き。右被殻出血による左片麻痺。発症後4か月が経過した。Brunnstrom法ステージは左上肢IV、左手指IV、左下肢VI。両手で可能な動作はどれか。
1: 網戸を取り外す。
2: 掃除機をかける。
3: 天井の蛍光灯を変える。
4: 豆腐を手掌の上で切る。
5: エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ。
58歳の女性。12年前発症の関節リウマチ。突然指が伸展できなくなり受診した。受診時の手の写真を示す。障害されたのはどれか。
1: 橈骨神経
2: 長橈側手根伸筋
3: (総)指伸筋
4: 固有示指伸筋
5: 尺側手根伸筋
47歳の右利きの女性。脳出血発症後2か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。麻痺側の感覚障害を認めた。図に発症時の出血部位(出血部位:網かけ)を示す。脳の他の部位には萎縮や低吸収域を認めなかった。患側上肢の分離運動を促通するための作業で適切でないのはどれか。