26歳の男性。C6レベルの頸髄損傷完全麻痺。仕事中の事故により受傷し入院。翌日からリハビリテーションが開始され継続している。受傷後1か月での徒手筋力テストの結果を表に示す。受傷後2か月で到達可能と予測される動作はどれか。
1: 更 衣
2: 自己導尿
3: プッシュアップ
4: 万能カフを用いた食事
5: ベッドから車椅子への移乗
小児の精神障害で正しいのはどれか。
1: 多動性障害は女児よりも男児に多い。
2: 選択性緘黙は言語理解の障害を伴う。
3: 吃音は複雑性音声チックに分類される。
4: 乳児期の虐待は自閉症の原因となる。
5: 周産期の脳損傷はDown(ダウン)症の原因となる。
66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。
1: Creutzfeldt-Jakob病
2: Alzheimer型認知症
3: Lewy小体型認知症
4: 意味性認知症
5: 正常圧水頭症
脊髄小脳変性症の症状と対処との組合せで誤っているのはどれか。
1: 嚥下障害-とろみ調整食品
2: 起立性低血圧-弾性包帯
3: 脊髄後索障害-視覚代償
4: 四肢失調症-PNF
5: 睡眠時無呼吸症候群-口すぼめ呼吸
76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。
1: 些細なことで泣き出す。
2: 他人の物を勝手に持っていこうとする。
3: 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。
4: わからない質問に対し言い繕って答える。
5: 日によって意識レベルの低下度合いが異なる。
72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3週。平行棒内立位訓練で図のような姿勢を呈する。この症状を改善するための理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 歩隔を広くして支持基底面を大きくさせる。
2: 右手で平行棒を引っ張るよう指示する。
3: 理学療法士が骨盤を左側から健側方向に押す。
4: 前方に鏡を置いて不良姿勢を認識させる。
5: レイミステ現象を利用して臥位で患側の股関節内転筋を強化する。
脳卒中片麻痺による痙性歩行の患肢の特徴で誤っているのはどれか。
1: 立脚期の短縮
2: 遊脚期の股関節内旋
3: 尖 足
4: 足部の内反
5: 反張膝
62歳の男性。脳出血による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。左下肢のブルンストローム法ステージはIII。平行棒内にて片脚立位で図のような肢位を認めた。健側下肢の前方振り出し動作の指導過程を順番に示した。適切でないのはどれか。
1: 患脚前で両脚均等に体重をかけて立つ。
2: 患側膝関節は軽度屈曲位にする。
3: 体重を患側に移動する。
4: 上体を患側に回旋する。
5: 重心を残して患側片脚立位になる。
68歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月時、腰掛座位において図のように右上下肢で接触面を強く押して左側に転倒する現象を認めた。座位バランス獲得のための理学療法で適切でないのはどれか。
1: 鏡で姿勢の傾きを認知させる。
2: 座面を上げて両下肢を浮かせる。
3: 治療者が左側から繰り返し押し返す。
4: 右上肢を前方のテーブルに載せる。
5: 点滴棒など垂直指標に体幹を合わせる。
53歳の女性。脳出血による右片麻痺で、発症後6週経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。両足をそろえた位置から理学療法士を両上肢で押しながら図のように左足を一歩前に出す運動を行っている。この目的として誤っているのはどれか。
1: 歩幅の拡大
2: 歩隔の拡大
3: 右側の殿筋強化
4: 右側の下腿三頭筋の強化
5: 右側上肢肩甲帯の安定化
脳梗塞の発生部位と出現する症状の組合せで正しいのはどれか。
1: Broca領域 ── 遂行機能障害
2: 右小脳半球 ── 左上下肢の運動失調
3: 右内包後脚 ── 左上下肢の運動麻痺
4: 左前頭葉 ── 左半側空間無視
5: 左放線冠 ── 感覚性失語
第5頸髄不全四肢麻痺〈ASIA C〉患者の図の矢印の部分に褥瘡ができた。見直すべき動作で考えられるのはどれか。
1: 移乗
2: 座位保持
3: 立ち上がり
4: 起き上がり
5: プッシュアップ
Duchenne型筋ジストロフィーにみられる症状はどれか。
1: 踵足変形
2: 視力低下
3: 深部感覚障害
4: Babinski反射陽性
5: 下腿三頭筋仮性肥大
34歳の男性。交通事故による脳外傷。救急入院後10日目。頭部MRI検査でびまん性軸索損傷および左前頭部の脳挫傷を認める。JCS(Japan coma scale)は、現在は20に回復しているが、呼吸状態は不安定。左上下肢には随意運動を認めるが、四肢に著しい痙縮を認め、上肢は屈曲位、下肢は伸展位の姿勢をとることが多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: 脳卒中右片麻痺と同様の回復を示すと予測する。
2: 尖足予防のため夜間装具を用いる。
3: 訓練前に意識状態、呼吸状態を確認する。
4: 体位を調整して四肢筋緊張の緩和を図る。
5: 立位訓練を進める。
4歳の男児。顕在性二分脊椎症による脊髄髄膜瘤の術後。Sharrard(シェラード)の分類ではⅠで、尖足を認める。その他の変形や中枢神経系の合併症はみられない。この児の移動訓練に必要なのはどれか。2つ選べ。
1: 交互歩行装具(RGO)
2: 長下肢装具
3: 短下肢装具
4: 車椅子
5: T字杖
小脳梗塞の患者にみられる徴候で正しいのはどれか。
1: 指鼻試験陰性
2: 踵膝試験陰性
3: 筋トーヌス亢進
4: Babinski反射陽性
5: Romberg試験陰性
正常児の姿勢反射・反応で正しいのはどれか。
1: ランドウ反応は生後2か月から出現する。
2: 陽性支持反応は生後3か月から出現する。
3: 側方パラシュート反応は生後4か月から出現する。
4: 背臥位での傾斜反応は生後7か月から出現する。
5: 非対称性緊張性頸反射の姿勢は生後8か月まで出現する。
68歳の女性。発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ。上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。肘伸展を誘発するための作業療法で適切でないのはどれか。
65歳の男性。Parkinson病。両上肢の振戦、全身のこわばり及びすくみ足現象がある。入院中の薬物療法と運動療法によって室内歩行が可能になったが、転倒の危険がある。退院前指導として適切でないのはどれか。
1: 便所に手すりを設置する。
2: 掛け布団を軽いものに変える。
3: 歩行開始前に柔軟体操を行う。
4: 便座の高さを膝の位置よりも高くする。
5: 床のじゅうたんを柔らかいものに変える。
ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。
1: 四肢の弛緩性麻痺を生じる。
2: 重症では呼吸筋麻痺をきたす。
3: 初期に軽い感覚障害を生じる。
4: 軸索型は脱髄型より予後が良好である。
5: 肢節近位部から遠位部に向けて回復する。