第47回午後第96問の類似問題

第49回午後:第98問

アルコールによる精神障害について正しいのはどれか。  

1: 振戦せん妄は酩酊中に生じる。

2: Wernicke脳症はビタミンB12の欠乏による。

3: 急性中毒は長期のアルコール摂取により生じる。

4: アルコール依存症の治療には集団療法が有効である。

5: アルコール摂取を続けると、少量の酒でも酔いやすくなる。

第44回午前:第81問

アルコール依存症で正しいのはどれか。  

1: 身体依存はない。

2: 慢性硬膜下血腫を生じやすい。

3: 離脱症状は断酒後3時間で生じる。

4: Korsakoff症候群では遠隔記憶が障害される。

5: 夫婦がアルコール依存になることを共依存と呼ぶ。

第53回午前:第48問

我が国のアルコール関連問題について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 成人の飲酒者の割合は、男性よりも女性が多い。

2: アルコール依存症は、自殺のリスクを高める。

3: 女性のアルコール依存症の有病率は、減少傾向にある。

4: 妊娠している女性の飲酒は、胎児性アルコール症候群の危険因子である。

5: 未成年者への学校でのアルコール教育は、三次予防としての取り組みである。

  • 答え:2 ・4
  • 解説:この問題では、日本のアルコール関連問題について正しい選択肢を2つ選ぶ必要があります。正しい選択肢は2と4です。
  • 選択肢1は間違いです。成人の飲酒者の割合は、男性の方が女性よりも多いです。
  • 選択肢2は正しいです。アルコール依存症とうつ病は高い割合で合併し、自殺のリスクが高まります。アルコール依存症の治療やサポートが重要です。
  • 選択肢3は間違いです。女性のアルコール依存症の有病率は、増加傾向にある。女性の社会進出に伴い、ストレスや飲酒の機会が増えているため、有病率が増加しています。
  • 選択肢4は正しいです。妊娠している女性の飲酒は、胎児性アルコール症候群の危険因子です。アルコール依存症女性から出生した児の発生は約3分の1であり、飲酒は胎児性アルコール症候群の危険因子であることが分かります。
  • 選択肢5は間違いです。未成年者への学校でのアルコール教育は、一次予防としての取り組みです。一次予防は、生活習慣の改善や生活環境の改善、健康教育による健康増進を図ることを目的としています。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第56回午前:第44問

アルコール依存症の作業療法を行うにあたって、適切でないのはどれか。  

1: 酒害教育と並行して行う。

2: 退薬症候群が遷延しているか把握する。

3: 家族が健康になるよう支援する視点をもつ。

4: 本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入する。

5: 回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要である。

  • 答え:4
  • 解説:アルコール依存症の作業療法では、酒害教育や家族の支援、症状の観察などが重要です。しかし、本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入することは、治療意志を阻害してしまうため適切ではありません。
  • 酒害教育はアルコール依存症の治療の根幹であり、作業療法と並行して行うことが適切です。
  • 退薬症候群の状況を把握することは、作業療法を行う上で重要であり、適切な対応です。
  • アルコール依存症は家族にも影響を及ぼすため、家族の健康を支援する視点を持つことは適切です。
  • 本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入することは、治療意志を阻害してしまうため適切ではありません。
  • 回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要であり、アルコール依存症者の心理特性を考慮した関わりが適切です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第55回午前:第44問

アルコール依存症に合併しやすい症状とそれに対する治療との組合せで正しいのはどれか。  

1: アルコール幻覚症――抗不安薬の投与

2: Wernicke脳症――――ビタミンDの投与

3: 再飲酒―――――――断酒会

4: 振戦せん妄―――――抗酒薬の投与

5: 人格変化――――――修正型電気けいれん療法

  • 答え:3
  • 解説:アルコール依存症に合併しやすい症状とそれに対する治療の組合せについて問う問題です。正しい組合せは再飲酒と断酒会です。
  • アルコール幻覚症はアルコール依存症に合併しやすい症状の一つですが、抗不安薬の投与ではなく、抗精神病薬の投与が適切な治療となります。
  • Wernicke脳症はアルコール依存症に合併しやすい症状ですが、ビタミンDの投与ではなく、ビタミンB1(チアミン)の投与が適切な治療となります。
  • 再飲酒はアルコール依存症に合併しやすい症状であり、断酒会はその治療として適切です。断酒会では、アルコール依存症の患者が互いに支え合いながら、アルコールを断つことができます。
  • 振戦せん妄はアルコール依存症に合併しやすい症状ですが、抗酒薬の投与ではなく、抗精神病薬や抗不安薬の投与が適切な治療となります。
  • 人格変化はアルコール依存症に合併しやすい症状の一つですが、修正型電気けいれん療法(m-ECT)はうつ病や統合失調症などの難治性の精神疾患に対して適応となる治療であり、アルコール依存症に対する直接的な治療ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第57回午後:第43問

アルコール依存症の治療について正しいのはどれか。  

1: 本人や家族に対する心理教育が有効である。

2: 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。

3: Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。

4: 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。

5: 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。

  • 答え:1
  • 解説:アルコール依存症の治療には、患者本人や家族に対する心理教育が有効であり、共依存が形成されやすい家族にも対応することが重要です。また、作業療法や薬物療法も適切な時期に行われることが大切です。
  • 本人や家族に対する心理教育が有効である。アルコール依存症は患者本人だけでなく、共依存が形成されやすい家族への心理教育が有効とされる。家族が患者の状況を理解し、適切なサポートができるようになることが重要です。
  • 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。これは間違いで、作業療法は離脱期を過ぎてから開始される。離脱期には、患者の症状が安定するまで待つことが適切です。
  • Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。これは間違いで、ウェルニッケ脳症の予防にはビタミンB1が投与される。ビタミンB1はアルコール依存症患者に不足しがちであり、ウェルニッケ脳症の予防に重要です。
  • 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。これは間違いで、離脱症状にはベンゾジアゼピン系薬物を投与して予防する。ベンゾジアゼピン系薬物は、不安や緊張を緩和し、離脱症状を軽減する効果があります。
  • 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。これは間違いで、患者に対して拒否的な家族には、自助グループの参加を促すことや、心理教育により家族が患者に協力できるように支援する。家族の理解と協力が治療の成功に大きく寄与します。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第43回午後:第94問

アルコール依存に関連が少ないのはどれか。  

1: ペラグラ脳症

2: Wernicke(ウェルニッケ)脳症

3: Liepmann(リープマン)現象

4: Korsakoff(コルサコフ)症候群

5: ミュンヒハウゼン症候群

第44回午後:第95問

アルコール依存症患者が急激に断酒したときに起こりやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: せん妄

2: 躁状態

3: 嫉妬妄想

4: けいれん発作

5: 被害関係妄想

第46回午前:第15問

50歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた。遅刻や欠勤を繰り返し、2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった。妻に付き添われて精神科を受診し、アルコール専門病棟へ入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。回復期の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 家族同伴の心理教育を行う。

2: 集団内の仲間意識を育てる。

3: 自助グループへの参加を促す。

4: 医療機関の利用終了を目指す。

5: 退院後の生活について助言する。

第57回午後:第14問

43歳の女性。アルコール依存症。高校卒業後、就職。20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった。40歳ころから酒量が増え、二日酔いのまま出勤するようになった。上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり、最近、泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった。離脱症状が落ち着いた後、作業療法が処方された。この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか。  

1: 基礎体力

2: 対人関係技能

3: 断酒への意志

4: 復職への意欲

5: 問題解決能力

  • 答え:1
  • 解説:アルコール依存症患者は、飲酒を続けている間に栄養のある食物をあまり摂取していないことがあり、その場合は低栄養状態にある。また、生活が不規則になって休息が足りず、肝機能の低下や体力低下が生じていることがある。このアルコール依存症患者は、離脱症状が落ち着いた状態であり、まだ体力の回復が十分なされていないと推察される。
  • 入院前の不規則な生活や低栄養がある場合、体力が低下しているので、この時期に最も重要度が高いのは基礎体力の回復である。基礎体力を回復させることで、患者は他の治療やリハビリテーションにも取り組むことができるようになる。
  • 対人技能の獲得は、回復前期に行われる。再飲酒を避けられるように、職場で飲酒の誘いを断るなど、対人関係技能の練習がある。しかし、この時点ではまだ体力の回復が最優先であるため、重要度は基礎体力に次ぐものとなる。
  • 断酒には、患者本人の強い意思決定が重要である。断酒へのアプローチは患者の気力と体力が十分に回復した後に行われる。この時点ではまだ体力の回復が最優先であるため、重要度は基礎体力に次ぐものとなる。
  • 復職への意欲は患者の社会生活維持に重要である。この患者の飲酒の引き金は「職場の緊張感」であることから、離脱症状が落ち着いたばかりの状態では患者に心理負担や再飲酒の欲求を再燃させることになる。このため、復職への意欲は重要ではあるが、この時点では基礎体力の回復が最優先となる。
  • 問題解決能力は重要であるが、体力を回復させることが先決。患者が冷静に自分の社会状況を判断するために、知識の応用能力の回復(意思決定など)の支援が行われる。しかし、この時点ではまだ体力の回復が最優先であるため、重要度は基礎体力に次ぐものとなる。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第52回午前:第14問

32歳の女性。アルコール依存症。美容師として働く兼業主婦。25歳ごろから飲酒量が増えた。現時点では、仕事や家事に大きな支障はない。このまま飲酒を続けていると大変なことになると思い、飲酒量を減らそうと努力しているが、飲み始めるといつも深酒してしまう。1人の力では断酒できないと悩み、自ら精神科病院を受診して入院治療を受けることになった。回復を目的とした作業療法の評価で最も重要度が高いのはどれか。  

1: 見当識

2: 基礎体力

3: 金銭管理

4: 自己評価

5: 日常生活能力

第43回午前:第27問

47歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事のストレスのために飲酒量が増え、40歳ころから高脂血症と肝機能障害とがある。年末年始に連続飲酒の状態となり、妻と両親に付き添われて精神科を受診した。アルコール専門病棟へ入院し、2週目に作業療法が開始された。導入時の評価で重要度の高いのはどれか。2つ選べ。  

1: 離脱症状

2: 飲酒状況

3: 基礎体力

4: 就労経験

5: 家族関係

第50回午後:第96問

アルコール依存症に関連が少ないのはどれか。  

1: ペラグラ脳症

2: Cotard症候群

3: Wernicke脳症

4: Liepmann現象

5: Korsakoff症候群

第41回午前:第81問

アルコール依存症の特徴で誤っているのはどれか。  

1: 慢性化しやすい。

2: 身体依存を示す。

3: 初期から精神依存を自覚できる。

4: 家族には共依存が生じる。

5: 耐性が獲得される。

第52回午後:第40問

アルコール依存症の患者の離脱症状を示す発言はどれか。  

1: 「自分は飲酒量を減らさなければならない」

2: 「二日酔いで子供の運動会に行けなかった」

3: 「飲酒した晩の翌朝、迎え酒をすると汗がおさまる」

4: 「妻が自分の飲酒についてあれこれ言うのが不愉快だ」

5: 「自分は昔に比べて、ずいぶん酒が強くなったと思う」

第54回午前:第97問

アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。  

1: 生命への危険性は低い。

2: 羽ばたき振戦がみられる。

3: 抗酒薬を速やかに投与する。

4: 飲酒停止後72~96時間に多くみられる。

5: アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。

  • 答え:4
  • 解説:アルコール離脱せん妄は、アルコール依存症の患者が飲酒を停止した後に起こる症状で、幻覚や運動不安を伴う振戦せん妄が特徴的です。飲酒停止後72~96時間に多く見られ、生命への危険性もあるため注意が必要です。
  • 選択肢1は間違いです。アルコール離脱せん妄は生命への危険性があり、重篤な合併症で死亡することも稀にあるため、注意が必要です。
  • 選択肢2は間違いです。羽ばたき振戦は重篤な肝疾患患者の切迫昏睡時に見られることが多いですが、アルコール離脱せん妄では振戦せん妄が特徴的です。
  • 選択肢3は間違いです。抗酒薬はアルコール依存症の治療に用いられますが、振戦せん妄が生じている際には抗酒薬を投与すべきではありません。代わりに、ベンゾジアゼピンなどの薬物が用いられることがあります。
  • 選択肢4は正しいです。アルコール離脱症候群における振戦せん妄は、飲酒停止後72~96時間頃に生じることが多く、後期症候群(大離脱)と呼ばれます。
  • 選択肢5は間違いです。アルコール離脱せん妄は、アルコールによる身体依存の結果として生じるものであり、アルコール血中濃度の上昇に伴って生じるわけではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第34回午前:第96問

アルコール依存症における作業療法で誤っているのはどれか。  

1: 種目の選択は患者に任せる。

2: 体力の回復を図る。

3: 仲間をつくる。

4: ストレスへの耐性を高める。

5: 自己能力を確認する。

第45回午後:第14問

52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この時期にみられやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: 過度な頑張り

2: 感情の平板化

3: 自己評価の低下

4: 基礎体力の低下

5: 主体的な役割行動

第54回午後:第48問

アルコール関連問題に対する二次予防はどれか。  

1: 入院による治療

2: 中学校や高等学校でのアルコール教育

3: 未成年が酒類を入手しづらくする環境作り

4: 病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見

5: 断酒会やAA〈Alcoholics Anonymous〉などの自助グループへの参加推奨

  • 答え:4
  • 解説:二次予防は、既にアルコール関連問題が発生している状況で、その悪化や拡大を防ぐための対策を指します。病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見は、二次予防に該当します。
  • 入院による治療は、すでにアルコール依存症が発症し、症状の悪化を防ぐための対策であり、三次予防に該当します。
  • 中学校や高等学校でのアルコール教育は、アルコール関連問題が発生する前に、正しい知識を伝えることで予防を図るため、一次予防に該当します。
  • 未成年が酒類を入手しづらくする環境作りは、アルコール関連問題が発生する前に、アクセスを制限することで予防を図るため、一次予防に該当します。
  • 病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見は、既にアルコール関連問題が発生している状況で、その悪化や拡大を防ぐための対策であり、二次予防に該当します。
  • 断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)などの自助グループへの参加推奨は、アルコール依存症の再発を防ぐための対策であり、三次予防に該当します。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第37回午前:第34問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。 ア.断酒の決意について聞く。イ.夫との関係について聞く。ウ.趣味について聞く。エ.作業種目について希望を聞く。オ.病室での一日の過ごし方を聞く。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ