50歳の女性。球麻痺症状で発症した筋萎縮性側索硬化症。発症後1年経過。自営業世帯の主婦で、病前は家業の経理を行っていた。現在、筋力は上肢近位筋群3(Fair)、上肢遠位筋群2(Poor)、下肢筋群4(Good)である。最近、肺炎を2回起こしている。この患者への対応で緊急度が低いのはどれか。
1: コミュニケーションエイドの検討
2: 呼吸体操の指導
3: 飲み込みやすい食品の紹介
4: 不安や恐れへの相談
5: 移乗介助用リフターの導入
78歳の男性。58歳時に肺気腫、60歳時に高血圧を指摘されている。70歳時に脳梗塞による左片麻痺。現在、独歩可能で降圧薬を服用し、経皮的酸素飽和度(SpO2)をモニターし、自宅で生活している。訪問リハビリテーション時の血圧は158/88 mmHg、心拍数は70/分であった。日常生活指導で適切でないのはどれか。
1: 運動時の心拍数の上限は80/分とする。
2: 運動中にSpO2が85%に下がったら安静にする。
3: 収縮期血圧が190 mmHgを越えたら安静にする。
4: 昼食後は1時間の休憩をとる。
5: 口すぼめ呼吸を指導する。
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
46歳の女性。BMIは29である。両側の変形性股関節症で、股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 杖を用いた歩行訓練
2: 水中歩行による有酸素運動
3: 階段昇降による筋力増強訓練
4: 背臥位での下肢筋のストレッチ
5: 自転車エルゴメーターでの筋持久性訓練
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 口 唇
3: 呼 気
4: 手 指
5: 外眼筋
60歳の男性。50歳で筋萎縮性側索硬化症を発症し、自宅療養中である。舌を含めた全身に筋萎縮があり、上肢筋の萎縮は高度である。Danielsらの徒手筋力テストで肘・股・膝関節周囲筋3〜4、他は頸部・体幹を含め2。起き上がり動作と歩行とに介助を必要としている。自宅内での適切な移動方法はどれか。
1: 四つ這い移動
2: 標準型車椅子での移動
3: 肘をついてのいざり移動
4: ピックアップ歩行器歩行
5: 杖と装具とを使用した歩行
20歳の男性。大学でラグビーの練習中に頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)となった。受傷後1か月の呼吸理学療法で適切でないのはどれか。
1: 排痰の促進
2: 胸郭可動性の確保
3: 横隔膜の筋力強化
4: 肋間筋の筋力強化
5: インセンティブ・スパイロメトリーを用いた呼吸訓練
新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎後の患者に呼吸機能検査を行ったところ、努力性肺活量は5.00 Lで、1秒率は80%であった。年齢、性別、体格をもとに計算した1秒量の予測値が3.46 Lであるとき、%一秒量(%FEV 1)で正しいのはどれか。
1: 76%
2: 86%
3: 96%
4: 106%
5: 116%
72歳の男性。肺機能検査の結果を図に示す。正しいのはどれか。
1: フローボリューム曲線である。
2: 1回換気量は約2.8リットルである。
3: 予備吸気量は約2.2リットルである。
4: 肺活量は減少している。
5: 1秒率は低下している。
70歳の男性。パーキンソン病。ヤールの重症度分類ステージIV。椅子からの立ち上がり動作が図のようになり、上手にできないことが多い。立ち上がり動作の訓練として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 足関節を底屈させて床を蹴るようにする。
2: 体幹を前屈させてお辞儀をするようにする。
3: 両上肢を前方へ出すようにする。
4: 殿部が座面を離れると同時に膝関節を伸展する。
5: 座面を膝の位置より低いものにする。
20歳の男性。Duchenne型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)。両上肢筋力は肩関節2−、肘関節2−、手関節2、手指3。握力は測定不能だが、右手を利き手として使っている。体幹筋力1。自力端座位は困難だが、車椅子では体幹サポートがあるため座位保持が可能で、右手でジョイスティックを用いて自操している。この患者がコップで飲水する動作を示す。コップを持ち上げる動作の説明で正しいのはどれか。
1: 対称性緊張性頸反射
2: 前腕を支点としたてこ
3: 体幹前屈による慣性運動
4: コップの重さによる感覚フィードバック
5: 上肢の屈曲−回内−内旋による神経筋促通
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
55歳の男性。搬送された病院で急性心筋梗塞と診断された。初期治療として、左冠動脈に対して経皮的冠動脈形成術が施行された。発症後1か月の検査所見では右冠動脈に75%の狭窄が認められ、心肺運動負荷試験中に胸部不快感が認められた。心肺運動負荷試験の結果に基づいて運動処方をする際に最も参考にすべき指標はどれか。
1: 最大換気量
2: 最大酸素摂取量
3: 血圧の変化量
4: 心拍数の変化量
5: 症状出現時の運動強度
45歳の女性。2~3年前から上肢の筋力低下の進行と嚥下障害が認められ、筋萎縮性側索硬化症と診断された。現在、上肢の筋力はMMTで肩関節周囲2-、手指筋2、頸部・体幹筋と下肢は3。移動は車椅子介助、車椅子への移乗も軽介助を必要とする。食事はポータブルスプリングバランサーを使用して自立しており、その他のADLは全介助となっている。発声によるコミュニケーションは可能だが、呼吸機能は徐々に低下している。この患者に今後導入が予想されるコミュニケーション機器はどれか。2つ選べ。
25歳の男性。外傷性頸髄損傷。現在は図のような動作で食事を行っている。この患者に対して急性期に行った呼吸理学療法で誤っているのはどれか。
1: 胸郭モビライゼーション
2: 肋間筋強化
3: 息こらえ練習
4: 介助咳嗽練習
5: 体位排痰法
健常者の安静時呼吸について正しいのはどれか。
1: 呼吸数は25 /分程度である。
2: 呼気時の気道内圧は陽圧である。
3: 呼気時の胸腔内圧は陽圧である。
4: 呼気時に外肋間筋の収縮がみられる。
5: 呼気時に胸鎖乳突筋の収縮がみられる。
46歳の女性。BMIは29.0である。両側の変形性股関節症で、股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 杖を用いた歩行練習
2: 水中歩行による有酸素運動
3: 背臥位での下肢筋のストレッチ
4: 階段昇降による筋力増強トレーニング
5: 自転車エルゴメーターでの筋持久性トレーニング
56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。
1: リズム音を用いた歩行訓練
2: 体幹筋のストレッチ訓練
3: 呼吸リハビリテーション
4: 下肢の筋力増強訓練
5: 環境整備
在宅酸素療法が導入された慢性呼吸不全患者の生活指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 洗髪は、座位で両上肢によって行う。
2: 更衣は、立位でかぶり型上衣で行う。
3: 洗顔は、座位で息を吐きながら行う。
4: 用便は、息を吐きながら腹圧をかけて行う。
5: 歩行は、背筋を反らせて大きく息を吸いながら行う。
誤っている組合せはどれか。 ア.拘束性障害-%肺活量が90%イ.閉塞性障害-%1秒率が80%ウ.低酸素血症-PaO2が50 mmHgエ.呼吸性アシドーシス-PaCO2が上昇オ.代謝性アルカローシス-呼吸数が低下
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ