45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体重の減量を勧める。
2: 杖の使用を検討する。
3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。
4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。
5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。
40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 痙性歩行の改善
2: 下肢の筋力増強
3: 胸部絞扼感の軽減
4: 上肢の感覚障害の改善
5: 骨盤底筋群の筋力増強
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
60歳の男性。脳梗塞後、5か月。右片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢IV・手指IV。座位は安定している。麻痺側上肢の作業療法で適切なのはどれか。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
85歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後8か月。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIII。短下肢装具を自立装着し、T字杖で室内移動は自立。入浴は浴室内移動介助。この患者の福祉用具・住環境指導で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: ベッドは健側を壁側にくるように設置
2: ベッドに立ちあがりバーを設置
3: 浴室内に手すりを設置
4: 浴槽内にバスリフトを設置
5: 玄関に手すりを設置
75歳の男性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。右短下肢装具を装着し四脚杖を使用して介助なく20 mまでの歩行が可能である。食事は左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない。歩行と食事のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。
1: 歩行6点 ― 食事5点
2: 歩行6点 ― 食事6点
3: 歩行5点 ― 食事6点
4: 歩行5点 ― 食事7点
5: 歩行4点 ― 食事7点
58歳の男性。パーキンソン病でヤールの重症度分類はステージIII。運動に対する意欲は強い。運動療法で適切でないのはどれか。
1: 棒体操
2: メトロノームで足踏み練習
3: 歩行率を高めた歩行練習
4: マット上での寝返り練習
5: 目印に沿った歩行練習
21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。
1: Creutzfeldt-Jakob病
2: Alzheimer型認知症
3: Lewy小体型認知症
4: 意味性認知症
5: 正常圧水頭症
29歳の男性。バイク転倒事故による右前頭葉脳挫傷および外傷性くも膜下出血。事故から2週間後に意識清明となり、作業療法が開始された。運動麻痺と感覚障害はない。礼節やコミュニケーション能力は保たれているが、感情表出は少なく、ぼんやりとしていることが多い。既知の物品操作方法は覚えているが、事故後の出来事に関する情報は忘れやすい。作業療法開始時間までに支度を整えることが難しく、しばしば時間に遅れる。この患者の状態を評価するために適切と考えられる評価法はどれか。2つ選べ。
1: BADS
2: RBMT
3: SLTA
4: SPTA
5: VPTA
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
55歳の男性。慢性腎不全。高血圧症を合併。外来にて3年間、週2回前腕シャントによる人工透析を受けていた。日常生活で強い倦怠感を覚え独歩にて来院した。基礎体力改善のための運動療法で適切でないのはどれか。
1: 血圧はシャントのない側で測る。
2: 転倒に注意する。
3: 筋力強化は等尺性運動で行う。
4: ヘモグロビン値に注意する。
5: 運動指標として心拍数を利用する。
70歳の女性。脳出血による右片麻痺。発症3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。認知や感覚機能に障害はない。この患者の患側上肢の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 座位での患側を用いた机の雑巾がけ
2: 立位での患側を用いたズボンの引き上げ
3: ループ付きタオルを用いた洗体動作
4: 両手を用いたタオルたたみ
5: 銅版打ち出しで患側を用いた木槌の使用
57歳の男性。視床出血後に表在感覚と深部感覚との障害を認める。運動麻痺は認めない。この患者に行う知覚再教育で誤っているのはどれか。
1: 開眼で代償させる。
2: 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。
3: 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。
4: 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。
5: 書字の際に、筆記具と手との接触個所で筆記具の特徴を感じさせる。
50歳の男性。生来健康であったが、大量飲酒で泥酔した翌朝から右下垂足を呈するようになった。この神経麻痺に対して低周波治療を行う際の運動点はどれか。
35歳の男性。急性心筋梗塞で入院中。合併症はなく、現在、室内で2分程度ゆっくり歩くことを許可されている。この時期の患者の活動で適切でないのはどれか。
1: 入浴する。
2: 室内便器を利用する。
3: 立位で体重測定を行う。
4: ソファーで新聞を読む。
5: 近親者と短時間面会する。
70歳の男性。肺癌末期だが意識は清明で四肢筋力も保たれている。感覚障害や四肢の浮腫もない。最近徐々に嗄声が出現した。原因として最も考えられるのはどれか。
1: 反回神経麻痺
2: Raynaud現象
3: Pancoast腫瘍
4: 上大静脈症候群
5: Lambert-Eaton症候群
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ