70歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは下肢Ⅲ。関節可動域制限はない。ダブルクレンザック足継手付き両側金属支柱型短下肢装具を用いて歩行練習を実施している。足継手を背屈0~20度で可動するように設定すると左立脚中期に膝折れが出現した。装具の調整で正しいのはどれか。
1: 足継手の可動範囲を背屈0~5度に設定する。
2: スウェーデン式膝装具を併用する。
3: Tストラップを追加する。
4: 外側ウェッジを入れる。
5: 装具の踵を高くする。
Bell麻痺の理学療法で正しいのはどれか。
1: 前頭筋には行わない。
2: 顔面の感覚再教育を行う。
3: 咬筋の筋力増強を中心に行う。
4: 舌運動の非対称性を改善する。
5: Synkinesis(随伴運動)を抑制する。
6歳の男児。痙直型両麻痺。右股関節を他動的に屈曲すると、左膝関節は伸展した。この図でみられる反射・反応はどれか。
1: 伸張反射
2: 緊張性迷路反射
3: 交叉性伸展反射
4: 連合反応
5: 陽性支持反応
患者がある方向へ運動しようとする際に、運動を行う直前に理学療法士が反対方向へ徒手的な刺激を加えることで、目的とする運動が誘導されやすくなる。この現象に関与しているのはどれか。
1: 相反抑制
2: 伸張反射
3: 屈曲反射
4: 遠心性模写
5: 作用・反作用の法則
脳卒中片麻痺患者の肩関節亜脱臼に対する対策で適切でないのはどれか。
1: 車椅子へのアームトレイ設置
2: 麻痺筋への機能的電気刺激(FES)
3: EMGバイオフィードバック
4: アームスリングの装着
5: 上肢の体幹固定
脳性麻痺で正しい組合せはどれか。
1: 痙直型-内反尖足
2: アテトーゼ型-円背姿勢
3: 固縮型-姿勢時振戦
4: 弛緩型-後弓反張
5: 失調型-トレンデレンブルグ歩行
片麻痺の患側立脚相での膝関節過伸展に注意すべき項目で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力低下
2: 足関節底屈筋の筋力低下
3: 尖足拘縮
4: 固有感覚障害
5: 骨盤の後退
歩行訓練で正しいのはどれか。
1: 脳性麻痺では四つ這いが可能となってから開始する。
2: 関節リウマチの歩行浴は免荷のため頸下浸水とする。
3: 脊髄小脳変性症の失調症では足部へ重錘を負荷する。
4: 脳卒中片麻痺では症状が固定してから下肢装具を使用する。
5: 二分脊椎で機能レベルがL5の場合はRGO(reciprocating gait orthosis)が適応となる。
急性期脳卒中片麻痺の合併症とその対策との組合せで適切でないのはどれか。
1: 浮腫-弾性包帯
2: 尖足-関節可動域訓練
3: 肺炎-体位排痰法
4: 誤嚥-飲水による嚥下訓練
5: 起立性低血圧-傾斜台
片麻痺患者への動作指導で正しいのはどれか。
1: 患側を下にして寝返りをする。
2: 起き上がりの介助ではまず頭部を起こす。
3: ベッドからの立ち上がりでは健側下肢は前方におく。
4: ベッドから車椅子への移乗は患側下肢を軸に回転する。
5: 車椅子は健側上肢と患側下肢とで駆動する。
脳卒中による片麻痺患者に対する両側支柱付短下肢装具で正しいのはどれか。
1: 急性期には適応とならない。
2: 痙縮の強い尖足には適応となる。
3: 重度の感覚障害は適応とならない。
4: 内反防止には内側にTストラップを用いる。
5: クレンザック継手の背屈角度は5°刻みで調整する。
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導
2: 麻痺側の自動介助運動の指導
3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導
4: 非麻痺手による物品操作の指導
5: 食事動作の指導
40歳の男性。右橈骨神経麻痺で長橈側手根伸筋の徒手筋力テストは1(Trace)。EMGバイオフィードバック療法で誤っているのはどれか。
1: 治療法の原理を十分説明する。
2: 静かな室内で実施する。
3: 前腕肢位を中間位で行う。
4: 記録電極を前腕尺側に設置する。
5: 筋電波形の閾値設定は細かく調節する。
脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)患者の四肢麻痺治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 肩関節周囲筋に対する最大等尺性運動
2: 手指伸筋に対する自動介助運動
3: 大腿四頭筋筋力改善目的の電気治療
4: ハムストリングスへの持続的伸張運動
5: 上腕二頭筋の痙性への温熱療法
図は痙直型両麻痺を示す脳性麻痺児(GMFCSレベルⅢ)の長座位姿勢である。後方に倒れるのを防ぐため上体を起こそうと全身の筋緊張を強め努力している。その際に上肢に起こる連合反応として適切なのはどれか。
1: 肩甲骨の挙上
2: 肩関節の外転
3: 肘関節の伸展
4: 前腕の回外
5: 手関節の背屈
二分脊椎の理学療法の目的として適切でないのはどれか。
1: 移動能力の獲得
2: 残存機能の向上
3: 麻痺の回復
4: 拘縮の予防
5: 補装具の使用
関節可動域運動で正しいのはどれか。
1: 筋収縮を伴ってはならない。
2: 意識障害がある場合は行わない。
3: 運動麻痺の改善を目的として行う。
4: 拘縮の予防・改善を目的として行う。
5: 深部感覚障害がある場合は行わない。
脊髄小脳変性症の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 四肢近位部への弾性緊縛帯
2: 四肢遠位部への重錘負荷
3: 膝固定装具装着での歩行訓練
4: rhythmic stabilization
5: バルーンを用いての座位訓練
34歳の男性。交通事故による脳外傷。救急入院後10日目。頭部MRI検査でびまん性軸索損傷および左前頭部の脳挫傷を認める。JCS(Japan coma scale)は、現在は20に回復しているが、呼吸状態は不安定。左上下肢には随意運動を認めるが、四肢に著しい痙縮を認め、上肢は屈曲位、下肢は伸展位の姿勢をとることが多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: 脳卒中右片麻痺と同様の回復を示すと予測する。
2: 尖足予防のため夜間装具を用いる。
3: 訓練前に意識状態、呼吸状態を確認する。
4: 体位を調整して四肢筋緊張の緩和を図る。
5: 立位訓練を進める。
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか。
1: 定頸不良 — 背臥位で下肢を挙上する。
2: 体幹過伸展 — 座面の高い椅子で座位を保持する。
3: 手指の過伸展 — 豆をつまむ。
4: 目と手の協調障害 — ボールプールで遊ぶ。
5: 動的バランス不良 — セラピーボールに乗って揺らす。