65歳の女性。アルツハイマー型認知症。2年前から物忘れがひどくなった。散歩に行って自宅に帰れなくなってから、抑うつ的となり自宅から出たがらなくなった。日中の臥床傾向が強く、夜中に徘徊するようになったため入院となった。昼夜逆転はなくなり介助で食事がとれるようになり、退院することになった。退院後の支援で適切でないのはどれか。
1: 通所介護(デイサービス)の利用
2: 訪問看護の利用
3: 介護老人保健施設への入所
4: 訪問介護(ホームヘルプサービス)の利用
5: 福祉ホームへの入所
大腿骨頸部骨折に対して後方アプローチにて人工骨頭置換術を施行した患者のADL指導で正しいのはどれか。
1: 和式トイレで排泄する。
2: 割り座で足の爪を切る。
3: あぐら座位で靴下をはく。
4: 患側下肢から階段を昇る。
5: 椅子に座って床の物を拾う。
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。この患者の調理動作訓練で適切でないのはどれか。
1: ゆでざるでめん類を茹でる。
2: 調理用ハサミで野菜を切る。
3: 台ふきんで調理台を拭く。
4: 皮むき器で大根の皮をむく。
5: 電子レンジで食品を温める。
87歳の女性。脳卒中による重度の右片麻痺。回復期リハビリテーション病棟に入院中。座位での基本動作は自立。認知機能は保たれている。短下肢装具と4点杖で5 mまでは自力での歩行が可能。介助があればT字杖で20 m程度の歩行は可能。ここ2か月は状態に大きな変化はみられない。最近、介護老人保健施設への退院が決まった。退院後の生活上の移動手段で実用的なのはどれか。
1: T字杖を使用した介助歩行
2: 4点杖を使用した自力歩行
3: 4点杖を使用した介助歩行
4: 手すりを利用した自力歩行
5: 車椅子
65歳の男性。頸髄不全損傷。現在のADLは次のとおりである。整容は自立。食事は普通食を柄つきスプーンで自立。着替え、トイレ動作は部分介助。入浴は全介助。臥位から自力で起き上がり端座位をとれるが、車椅子への移乗は全介助。移動は車椅子で自立。排便・排尿は時々失禁がある。Barthel indexは何点か。
1: 35点
2: 40点
3: 45点
4: 50点
5: 55点
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1: 詩吟
2: 洋裁
3: 計算ドリル
4: 献立づくり
5: 立体パズル
75歳の女性。変形性股関節症に対する人工関節全置換術後2週経過。この時期のADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.寝返りイ.座位保持ウ.足の爪切りエ.靴下着脱オ.T字杖歩行
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。
1: 背臥位でのストレッチ
2: 眼球運動による前庭刺激運動
3: 立位での下肢筋力増強
4: 外的リズムに合わせた平地歩行
5: T字杖を使用した応用歩行
29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが、検査では異常は認められなかった。紹介されて精神科外来を受診し、入院することとなった。手足がふるえ、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自己洞察を促す。
2: 自己表現の機会を増やす。
3: 身体症状に対して対応する。
4: 自己中心的な依存は禁止する。
5: 集団活動で役割を担ってもらう。
75歳の女性。日常の買物は独歩で外出していたが、階段で転倒し歩行不能になった。大腿骨頸部内側骨折と診断され、骨セメントを使用した人工骨頭置換術が施行された。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 術直後の関節可動域訓練は股関節内転を避ける。
2: 術翌日から大腿四頭筋の等尺性筋力増強訓練を行う。
3: 合併症がなければ術後1週以内に立位訓練を開始する。
4: 部分荷重1/3開始と同時に階段昇降訓練を開始する。
5: 術前後を通して呼吸機能の維持・向上を図る。
66歳の女性。左変形性股関節症。後方アプローチによる人工股関節全置換術を受けた。全荷重で術後リハビリテーション中である。退院後の生活指導として正しいのはどれか。
1: 和式トイレを使用する。
2: 椅子に座る際には足を組む。
3: 椅子は通常よりも低いものを選ぶ。
4: 床のものを拾うときには非術側を前に出す。
5: 端座位で靴にかかとを入れるときは外側から手を伸ばす。
85歳の女性。ADLに一部介助が必要だが、屋内歩行はつたい歩きで自立している。3か月前に机に手をついて床から立ち上がろうとした際に転倒したが、骨折には至らなかった。自宅の住環境に関する助言として適切なのはどれか。
1: 敷居の段差に同系色のテープを貼る。
2: 階段や浴室に滑り止めマットを敷く。
3: 夜間の照明は視線の高さに設置する。
4: トイレの開き戸をカーテンに変更する。
5: 必要な物は手の届く範囲の床上に置く。
60歳の独居女性。慢性関節リウマチを発症し15年経過。両股関節は人工関節置換術を行っているが屋内歩行は自立している。手指の変形が著しく、関節痛が強い。在宅における日常生活・環境整備の指導で適切でないのはどれか。
1: ドアノブ用自助具を利用する。
2: 居室の段差を解消する。
3: 自動洗浄便座を設置する。
4: 買い物に電動車椅子を利用する。
5: 浴室にリフターを設置する。
60歳の男性。統合失調症。21歳時に発症し、過去に5回の入院歴があった。35歳時に被害妄想が再燃し、6回目の入院となって以来、父親との折り合いが悪く退院先が決まらないまま25年間入院していた。父親が亡くなったことを契機に、一人暮らしとなった84歳の母親と本人の希望により、自宅退院に向けた支援を行うことになった。この患者が退院後に利用する生活支援サービスとして適切でないのはどれか。
1: 訪問看護
2: デイケア
3: 通院患者リハビリテーション事業
4: 地域生活支援センター
5: ホームヘルプサービス
68歳の男性。歩行中に転倒して歩けなくなり救急搬送された。上下肢に麻痺を認めたが骨傷はみられず、中心性頸髄損傷の診断を受けた。受傷5日後のADLは全介助であった。6か月後にFIMでADLを評価したときに、最も自立度が低いと予想される項目はどれか。
1: 更衣(上半身)
2: 排尿管理
3: トイレ移乗
4: 歩行
5: 階段昇降
70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。FIMの点数はどれか。
1: 100
2: 112
3: 120
4: 124
5: 126
回復期リハビリテーション病棟入院中の脳血管障害患者の在宅復帰支援において適切なのはどれか。
1: 入院早期から家屋評価を行う。
2: 介護保険を利用し、福祉用具をレンタルして外泊訓練を行う。
3: 在宅ケアスタッフへの情報提供は、簡潔にするためになるべく略語を用いる。
4: 訪問リハビリテーションスタッフに、病院で行っているリハビリテーション内容を継続するよう申し送る。
5: 生活行為向上マネジメント〈MTDLP:management tool for daily life performance〉を用いて入院生活環境のアセスメントを行う。
76歳の女性。右大腿骨頸部骨折を受傷し、後方進入による人工骨頭置換術を受けた。術後3週に実施する動作で安全性が高いのはどれか。
45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、時に転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。
1: 杖歩行
2: 片脚起立訓練
3: 下肢のスクワット訓練
4: 職場での車椅子の使用
5: リズムに合わせた歩行訓練