49歳の男性。くも膜下出血後、高次脳機能障害の診断を受けた。現在は妻が車で送迎し、通院リハビリテーション治療と作業所への通所を行っている。WAIS-Ⅲは言語性IQ77点、動作性IQ70点、全検査IQ72点。三宅式記銘力検査で、有関係対語5-7-8、無関係対語0-1-1、TMTで、A84秒、B99秒。妻がフルタイムで復職するため、通院や通所への対応が必要となった。本人は自分で車を運転しての通院・通所を希望している。対応として正しいのはどれか。
1: 通院や通所を中止する。
2: 運転免許証を返納させる。
3: バスを利用しての外出訓練を行う。
4: 自分で車を運転しての外出訓練を行う。
5: ケアマネジャーと一緒の外出訓練を行う。
45歳の男性。3年前に受傷した頸髄損傷による完全四肢麻痺。在宅での訪問リハビリテーションの訓練中に突然激しい頭痛と著明な発汗とを認めた。取るべき対応で適切でないのはどれか。
1: 血圧を測定する。
2: 麻痺部の有害刺激の有無をみる。
3: 膀胱が充満しているかをみる。
4: 下肢を挙上して経過を観察する。
5: 関連する医療機関に連絡する。
70歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。車椅子からベッドへの移乗は介助バーを使用して1人で何とか可能である。初回評価時の車椅子からベッドへの移乗場面において、ベッド、車椅子、介助バー及び作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
56歳の男性。発症時に明らかな運動麻痺はないが、歩くとすぐによろけて物につかまっていないと立っていられなくなり、頭部CT検査で脳出血と診断された。頭部CT画像を示す。この患者の頭部CT画像として最も可能性が高いのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
65歳の男性。脳卒中左片麻痺。発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにII。左肩関節には1横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。座位は不安定で、体幹は患側前方へ傾く。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 患側下肢の随意運動の促通
2: 患側片肘立ちからの起き上がり練習
3: 座位での健側上肢体重支持の練習
4: 座位で両側への重心移動練習
5: 長下肢装具を用いた平行棒内立位練習
64歳の女性。右利き。脳梗塞。約1か月前に左大脳に発症。現在は聴覚理解に問題はないが、発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少なく、発語の際には多大な努力を要している。四肢の麻痺はみられない。この患者への対応として正しいのはどれか。
1: 患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する。
2: 患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。
3: 医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える。
4: コミュニケーションエイドを導入する。
5: 患者にメモをとるように指導する。
45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.計算ドリルの練習イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。この時点で行う管理で誤っているのはどれか。
1: 座位耐久性訓練
2: 肩関節の可動域訓練
3: 2時間毎の体位変換
4: 下腿三頭筋のストレッチ
5: 下腿に弾性ストッキング装着
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。
74歳の女性。6か月前に左被殻出血を発症して、軽度の右片麻痺を呈している。くしを歯ブラシのように使おうとしたり、スプーンの柄に食物を乗せようとする行動がみられた。この患者の症状はどれか。
1: 観念失行
2: 構成失行
3: 着衣失行
4: 観念運動失行
5: 肢節運動失行
48歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺。発症から5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。T字杖で屋内歩行は自立しているが、疲労しやすく、すぐに椅子に腰掛ける。遠近感が分かりづらく、平地でつまずくことがある。自宅退院に向けた浴室の環境整備案を図に示す。設置する手すりとして必要でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
79歳の女性。左視床出血1週後、理学療法を開始した。JCS(Japan coma scale)は2点、喚語困難がみられる。Brunnstrom法ステージは上肢V、手指IV、下肢V。上下肢の関節覚は重度の低下。座位保持は1分程度可能であるが易疲労性。立位保持は軽度の介助で短時間であれば可能である。この患者に対する理学療法で適切なのはどれか。
1: 立位での二重課題
2: 交互型歩行器での歩行運動
3: 麻痺側下肢に対する筋力増強
4: 座位での麻痺側手指の巧緻運動
5: 視覚代償による麻痺側下肢の感覚再教育
20歳の男性。大学生。3か月前、オートバイ事故にあい、びまん性軸索損傷と診断された。2か月後、意識は清明となり、セルフケアは促せばできるようになったが、外界には無関心であった。WAIS-Rでは全IQ 90。訓練時間に合わせて来室できなかった。視覚的注意検査や視野検査は正常であった。この患者の問題の発見に適した検査はどれか。
1: BIT(行動性無視検査)
2: Barthel index
3: WCST(ウィスコンシン・カード・ソーティング・テスト)
4: 長谷川式簡易知能診査スケール
5: Zungの自己評価式うつスケール
50歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIであり、ベッド上座位保持が5分間可能となった。この時期のADLとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: トイレでの排泄を誘導する。
2: 食事の際、右手で食器を押さえる。
3: 日中は離床し車椅子に座る。
4: ズボン着脱は背臥位で介助する。
5: 左手で右手の清拭を行う。
73歳の女性。脳出血による右片麻痺がある。Mobergのピックアップ検査の結果を示す。ただし、検査結果はそれぞれ2回計測した所要時間の平均である。この結果から考えられる問題点はどれか。
1: 関節拘縮
2: 知覚障害
3: 物体失認
4: 視覚性失調
5: 肢節運動失行
57歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。分回し歩行で歩行時に内反尖足と反張膝とがみられる。足関節は他動的に背屈すると、かろうじて0゚まで矯正可能である。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 患側膝軽度屈曲位での体重支持訓練
2: 前脛骨筋のバイオフィードバック療法
3: 下腿三頭筋のストレッチング
4: ハムストリングスの促通
5: 下肢の伸展・内転・外旋PNFパターンの使用
23歳の男性。スノーボードで転倒し受傷。術前と術後のエックス線写真(別冊No. 1A、B)を別に示す。合併する感覚障害の領域で正しいのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
59歳の女性。脳梗塞発症2週目。左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢III・手指IV・下肢III。重度の感覚障害と左半側空間無視を認める。上肢の分離運動がわずかに出現してきたが、左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた。理学療法では、立位と歩行訓練が開始された。この時期の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 左上肢の疼痛に対してホットパック
2: 左上肢の随意性向上のためのサンディング
3: 歩行訓練時のアームスリング装着指導
4: プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5: 左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
87歳の女性。脳卒中による重度の右片麻痺。回復期リハビリテーション病棟に入院中。座位での基本動作は自立。認知機能は保たれている。短下肢装具と4点杖で5 mまでは自力での歩行が可能。介助があればT字杖で20 m程度の歩行は可能。ここ2か月は状態に大きな変化はみられない。最近、介護老人保健施設への退院が決まった。退院後の生活上の移動手段で実用的なのはどれか。
1: T字杖を使用した介助歩行
2: 4点杖を使用した自力歩行
3: 4点杖を使用した介助歩行
4: 手すりを利用した自力歩行
5: 車椅子
78歳の女性。脳梗塞発症後に中等度の左片麻痺を呈した。回復期リハビリテーション病棟を経て自宅での生活に戻っている。現在、家族の促しがあれば1 kmの歩行が可能であるが、日常生活ではあまり外出しない。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: トレッドミル歩行
2: 電動車椅子の導入
3: 屋外での歩行練習
4: 左片麻痺の回復促進
5: 不整地でのバランス練習