87歳の女性。脳卒中による重度の右片麻痺。回復期リハビリテーション病棟に入院中。座位での基本動作は自立。認知機能は保たれている。短下肢装具と4点杖で5 mまでは自力での歩行が可能。介助があればT字杖で20 m程度の歩行は可能。ここ2か月は状態に大きな変化はみられない。最近、介護老人保健施設への退院が決まった。退院後の生活上の移動手段で実用的なのはどれか。
1: T字杖を使用した介助歩行
2: 4点杖を使用した自力歩行
3: 4点杖を使用した介助歩行
4: 手すりを利用した自力歩行
5: 車椅子
72歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞による左片麻痺。立位時に左下肢の外旋と足部内反が著明であり、歩行時に装具を装着している。最も適応となりにくいのはどれか。
1: ツイスター
2: 非麻痺側補高
3: 逆Thomasヒール
4: 外側フレアヒール
5: 内側Yストラップ
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
1: 踵部の補高
2: 短下肢装具の使用
3: 膝屈曲位での立位保持練習
4: 前脛骨筋の治療的電気刺激
5: 下腿三頭筋へのタッピング
85歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77歳の妻。左手でT字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
1: 寝室をB(客室)に変更する。
2: ベッドの頭の向きを逆にする。
3: トイレの扉を内開きに変更する。
4: 屋外スロープは1 cmの立ち上がりをつける。
5: 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
78歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。20 cmの段差であれば、手すりを使用し2足1段で昇段し、後ろ向きに2足1段で降段することが可能となり、自宅に退院することとなった。自宅の玄関の様子を図に示す。この患者に適している家屋改造案はどれか。ただし、上りかまちは36 cmとする。
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 物品呼称の訓練
2: 左方注意の習慣化
3: 構成課題の訓練
4: 口頭での行為確認の習慣化
5: 衣服への目印の付加
63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
70歳の独居女性。脳梗塞による右片麻痺。発症から3か月入院しリハビリテーションを受け、退院後2年経過。ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにIII。屋内は短下肢装具、屋外は短下肢装具と杖とを使用して歩行。コミュニケーションは良好。在宅における指導で適切でないのはどれか。
1: 分離運動の獲得
2: 関節可動域の維持
3: 歩行能力の向上
4: 生活リズムの確立
5: 生活環境の整備
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ベッドサイドでの作業療法の評価として適切でないのはどれか。
1: 起座時には血圧を測定する。
2: 病棟でのADLについて情報を得る。
3: 端座位の保持は左側から介助する。
4: 言語機能のスクリーニングを行う。
5: 左手の物品操作能力を確認する。
65歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月。1か月前から平行棒内で歩行練習を行っている。現在の歩行パターンを図に示した。この症例の一歩行周期における二重支持期の時間で正しいのはどれか。ただし、図の数値は経過時間を示す。
1: 0.6秒
2: 1.0秒
3: 1.6秒
4: 2.0秒
5: 2.7秒
68歳の男性。妻と2人暮らし。脳血管障害による右片麻痺。発症後11か月経過。軽度の失語症と全身の持久力低下とがみられる。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指II、下肢III。短下肢装具装着で介助歩行が可能である。住居は平屋の日本家屋である。家庭復帰を目的とした作業療法を実施することとなった。適切でないのはどれか。
1: 床からの立ち上がり動作の介助指導
2: ポータブルトイレへの移乗動作訓練
3: 下肢装具の着脱訓練
4: 上肢の自動介助運動の指導
5: 右手でのボタン着脱訓練
64歳の女性。右利き。脳梗塞。約1か月前に左大脳に発症。現在は聴覚理解に問題はないが、発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少なく、発語の際には多大な努力を要している。四肢の麻痺はみられない。この患者への対応として正しいのはどれか。
1: 患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する。
2: 患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。
3: 医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える。
4: コミュニケーションエイドを導入する。
5: 患者にメモをとるように指導する。
70代の女性。右利き。脳出血による重度の右片麻痺。長男の家族と同居している。発症後7か月で訪問による作業療法が開始された。初回評価のCOPMの結果を表に示す。適切なのはどれか。
1: 介入後に遂行度と満足度とを再評価する。
2: ADLである入浴から介入を開始する。
3: 麻痺側上肢での調理を実施する。
4: すべて12段階で評価する。
5: 猫の世話は家族に任せる。
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
1: 荷重応答期
2: 立脚中期
3: 立脚後期
4: 遊脚中期
5: 遊脚後期
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者の病巣部位はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
80歳の女性。5年前に発症した脳梗塞による右片麻痺がある。Brunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢でⅢである。全失語を認める。FIMでは、ベッドへの移乗項目は3点で、車椅子での移動項目は3点である。訪問リハビリテーションを導入する際、目標として適切なのはどれか。
1: 屋外杖歩行の自立
2: 屋内杖なし歩行の獲得
3: 移乗動作の安定性の改善
4: 右手指機能の改善
5: 失語症の改善
50歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIであり、ベッド上座位保持が5分間可能となった。この時期のADLとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: トイレでの排泄を誘導する。
2: 食事の際、右手で食器を押さえる。
3: 日中は離床し車椅子に座る。
4: ズボン着脱は背臥位で介助する。
5: 左手で右手の清拭を行う。
75歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し救急車で搬入された。発症翌日に症状の悪化を認めた。発症3日目の頭部MRIの拡散強調像を示す。最も出現しやすい症状はどれか。
1: 片麻痺
2: 失語症
3: 運動失調
4: 嚥下障害
5: 視野障害
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。この障害への対応として適切でないのはどれか。
1: 食事場面で患側にある食物を意識させる。
2: 体幹は健側方向への回旋を意識させる。
3: 理学療法士は患側に立って治療を行う。
4: 車椅子での集団風船バレーに参加させる。
5: 車椅子の患側のブレーキレバーに目印をつける。