第40回午前第8問の類似問題

第40回午前:第9問

20歳の男性。大学生。3か月前、オートバイ事故にあい、びまん性軸索損傷と診断された。2か月後、意識は清明となり、セルフケアは促せばできるようになったが、外界には無関心であった。WAIS-Rでは全IQ 90。訓練時間に合わせて来室できなかった。視覚的注意検査や視野検査は正常であった。この患者の作業療法として適切なのはどれか。  

1: 塗り絵

2: 絵カードで呼称

3: マッチ棒図形の模倣

4: 鏡に映した自分の顔の写生

5: スケジュール表の導入

第45回午後:第10問

25歳の男性。20日前にオートバイ事故で搬入され、びまん性軸索損傷と診断された。意識は清明。物事の優先順位をつけて行動できず、1つの事にこだわってしまう。この患者の状態を適切に評価できるのはどれか。  

1: 標準高次視知覚検査(VPTA)

2: BIT(Bihavioral Inattention Test)

3: 改訂版標準高次動作性検査(SPTA-R)

4: WCST(Wisconsin Card Sorting Test)

5: AMPS(Assessment of Motor and Process Skills)

第54回午前:第6問

49歳の男性。くも膜下出血後、高次脳機能障害の診断を受けた。現在は妻が車で送迎し、通院リハビリテーション治療と作業所への通所を行っている。WAIS-Ⅲは言語性IQ77点、動作性IQ70点、全検査IQ72点。三宅式記銘力検査で、有関係対語5-7-8、無関係対語0-1-1、TMTで、A84秒、B99秒。妻がフルタイムで復職するため、通院や通所への対応が必要となった。本人は自分で車を運転しての通院・通所を希望している。対応として正しいのはどれか。  

1: 通院や通所を中止する。

2: 運転免許証を返納させる。

3: バスを利用しての外出訓練を行う。

4: 自分で車を運転しての外出訓練を行う。

5: ケアマネジャーと一緒の外出訓練を行う。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は高次脳機能障害があり、IQと記憶力が低いため、車の運転は危険と判断される。そのため、バスを利用した外出訓練が適切な対応となる。
  • 妻がフルタイムで復職するとしても、通院や通所を中止してよい理由はない。患者のリハビリテーション治療や作業所への通所は継続するべきである。
  • 運転免許証の返納は、作業療法士が最終判断することはできない。認知症やてんかんなど、運転に支障がある場合、医師が都道府県の公安委員会に連絡する届け出制度がある。
  • この患者はWAIS-Ⅲにおける全検査IQが72点であり、三宅式記銘力検査の結果から記憶機能の低下があることもわかる。車の運転は危険と判断し、バスを利用した外出訓練を行うとよい。
  • この患者はIQと記憶力が低い。また、妻もフルタイムで復職するため、患者の運転する車への同乗が困難であり、車の運転は危険である。自分で車を運転しての外出訓練は適切ではない。
  • 外出訓練はケアマネジャーの業務ではない。外出訓練は作業療法士や理学療法士と行ったほうがよい。ケアマネジャーと一緒の外出訓練は適切ではない。
  • 科目:高次脳機能障害
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第57回午前:第8問

25歳の女性。交通事故による外傷性脳損傷(右前頭葉)。職場復帰を希望している。WAIS-Ⅲでは言語性IQが76、動作性IQが106、全検査IQが89。RBMTが19点、TMT-Aが81秒、TMT-Bが90秒、BADSが104点、FIMが120点。対人交流は良好である。2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習として適切なのはどれか。  

1: 電話の受付

2: 企画書の作成

3: 書類の片付け

4: 会議の要約報告

5: 金銭の会計処理

  • 答え:3
  • 解説:この患者は言語障害があり、動作とADLには問題がない。遂行機能は標準的で、視覚性探査能力がやや劣る。事務職への職場復帰を目標とする場合、この患者に可能な事務作業を優先する。
  • 対人交流は良好であるため、練習の必要性は低い。
  • 企画書の作成は文字や文章の技術を要するため、練習として難易度が高い。言語能力の詳細が不明であるが、2か月後に事務職に復帰したとしても、企画書を作成する役割を果たせるとは判断できず、練習の適切性は高くできない。
  • 動作は保たれており、書類の片付け動作はできると予想される。しかし、TMT-Aの20歳代平均66±15秒と比較して正常域の下限にあたる。書類の片付けをする際に、順序や手順に時間がかかることが懸念されるため、この練習は適切。
  • 言語性IQの低下があるため、会議の要約をすることは困難。2か月の練習を積んだとしても、実用レベルに達する見通しは判断できない。
  • 簡単な計算をする場合でも、数字の順序や区別をする工程がある。この患者のTMTの結果から処理時間がかかっている。金銭の会計処理は、事務職として重要な業務であり、復職して直ぐに従事するには無理があり、練習として取り組む優先性は低い。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第39問

45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。WAIS-RはVIQ 110、PIQ 90。訓練アプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.絵カードの呼称イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第35回午前:第20問

26歳の男性。オートバイ事故によるびまん性軸索損傷。2週間意識不明であった。受傷後2か月経過。病棟からの情報では、食事、整容は粗雑だが自立。車椅子への移乗は不安定で、ひとりでベッドから乗り移って転倒する。車椅子での自立走行は可能。自分の部屋を間違える。作業療法の開始時の評価項目で適切でないのはどれか。  

1: 認知機能

2: 記憶

3: 運動・感覚機能

4: ADL

5: IADL

第56回午後:第16問

55歳の男性。営業部の部長職に就いていたが、物や人の名前や地名が出てこないことを自覚し、その後は部下を同伴して仕事を継続していた。好きな日曜大工で使用していた工具を目の前にしてもそれを呼称できなくなり妻同伴で物忘れ外来を受診した。WAIS-IIIでは言語性IQが79、動作性IQは131、全検査IQは103であった。その後も徐々に言いたいことが言葉にならず、仕事で著しく疲弊するようになり退職した。徐々に誰に対してもなれなれしくなり、節度を失うような人格変化も認められるようになった。この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位はどこか。  

1: 側頭葉内側部

2: 前頭葉眼窩面

3: 頭頂連合野

4: 側頭葉前部

5: 後頭葉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は固有名称の失語と人格変化が見られるため、受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位は側頭葉前部である。側頭葉前部は言語の意味処理に強く関与しており、この患者の症状に適合する。
  • 側頭葉内側部には海馬があり、近時(短期)記憶を貯蔵して長期記憶に加工する機能がある。しかし、この患者の症状には短期記憶の障害は見られないため、選択肢1は正しくない。
  • 前頭葉眼窩面には行動の意思決定に際して、前後の脈絡から社会的価値を判断する機能がある。眼窩面が障害されると人格変化を生じることがあるが、この患者の初期症状は固有名詞を失語していることから、当初のMRI画像に萎縮が描出されることは想定しにくい。選択肢2は正しくない。
  • 頭頂連合野は高次感覚野領域で、体性感覚情報や視覚情報などが統合される。頭頂連合野が障害されると失行や半側無視、到達運動や把握運動、視線制御や注意などの障害がみられるが、この患者の症状とは一致しないため、選択肢3は正しくない。
  • 側頭葉前部では言語の意味処理に強く関与しており、この患者の症状である固有名称の失語に適合する。受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位は側頭葉前部であるため、選択肢4が正しい。
  • 後頭葉は視覚認識をさせる機能があるが、この患者の症状とは関連性が低いため、選択肢5は正しくない。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午後:第11問

25歳の男性。20日前にオートバイ事故で搬入され、びまん性軸索損傷と診断された。意識は清明。物事の優先順位をつけて行動できず、1つの事にこだわってしまう。この患者に対する作業療法の活動内容で適切なのはどれか。  

1: 工程が反復する活動

2: 他者と行う集団活動

3: 工程が少なく展開が明確な活動

4: 完成まで時間がかかる創作活動

5: 多人数で役割を選択できる活動

第53回午後:第6問

21歳の男性。交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。意識は清明で運動麻痺はない。新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。この患者に対する適切なアプローチはどれか。  

1: 毎日異なる課題を与える。

2: 記憶の外的補助手段を使う。

3: 試行錯誤が必要な課題を行う。

4: 複数の学習課題を同時に行う。

5: 日課は本人のペースで柔軟に変更する。

  • 答え:2
  • 解説:この問題では、記憶障害がある患者に対する適切なアプローチを選択することが求められています。記憶障害のある患者には、外的補助手段を使って記憶を補助する方法が適切です。
  • 毎日異なる課題を与えるのは負荷が大きく、十分な練習効果が得られないため、この方法は適切ではありません。
  • 記憶の外的補助手段を使うことで、日々行うことや注意すべきことをノートに健忘録のように記録しておき、これを見ながら行動することで、記憶障害による困難さを補助できるため、この方法が適切です。
  • 試行錯誤が必要な課題を行わせると、誤ったことも記憶できず、誤りを繰り返すことが多いため、この方法は適切ではありません。
  • 複数の学習課題を同時に行うと、進行状況の把握が困難になり、混乱しやすいため、この方法は適切ではありません。
  • 日課が本人のペースで進むことは良いですが、日課を変更することで、手続き記憶のように、一度修得したことを利用して行動することが困難になる可能性があるため、この方法は適切ではありません。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第38問

19歳の男性。てんかん。IQ 70。養護学校卒業後にクリーニング店に就職した。仕事ののみ込みが悪いと店主に注意されたことがきっかけで仕事に行けなくなり、家に引きこもりがちとなった。時々家族に暴力を振るうようになり、家族が主治医に相談した結果、外来作業療法が処方された。本人、家族とも「仕事ができれば」と希望を語っている。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.作業内容は患者に選択させる。イ.運動能力を高める作業を行う。ウ.自己表現の練習を行う。エ.対人技能の訓練を行う。オ.集中力を高める作業を行う。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第34回午前:第21問

24歳の男性。会社員。オートバイによる自損事故で外傷性脳損傷となった。受傷後2か月経過。抗てんかん薬を内服中。意識は清明。易怒的である。左不全片麻痺と軽度失調症とを認める。歩行は短下肢技装具で自立。ADLはほぼ自立しているが、病室を間違えたり、他患者とけんかするなどの問題があった。社会復帰の準備を始めるにあたり誤っているのはどれか。  

1: 病前の教育歴、社会歴を調べる。

2: 記憶、情動制御など高次脳機能を評価する。

3: IADL能力を把握する。

4: 現状での作業能力を検査する。

5: 会社の上司に復職準備を依頼する。

第41回午前:第45問

適切でない組合せはどれか。  

1: Barthel index-日常生活活動

2: Fugl-Meyer scale-意識障害

3: BIT(Behavioral Inattention Test)-半側空間無視

4: STEF-上肢機能

5: WAIS-R-知能

第52回午前:第4問

28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。  

1: BADS

2: SLTA

3: SPTA

4: VPTA

5: CBS〈Catherine bergego scale〉

第50回午前:第5問

31歳の男性。バイク事故にて脳挫傷を受傷。受傷直後から意識障害が1週間持続した。受傷後1か月経過し高次脳機能障害の検査を行ったところ、かな拾い検査は正解数15、見落とし数27%、TMT(trail making test)はA56秒、B125秒であった。最も考えられる症状はどれか。  

1: モリア

2: アパシー

3: 注意障害

4: 類推の障害

5: 抽象思考の障害

第39回午前:第13問

34歳の男性。交通事故による脳外傷。救急入院後10日目。頭部MRI検査でびまん性軸索損傷および左前頭部の脳挫傷を認める。JCS(Japan coma scale)は、現在は20に回復しているが、呼吸状態は不安定。左上下肢には随意運動を認めるが、四肢に著しい痙縮を認め、上肢は屈曲位、下肢は伸展位の姿勢をとることが多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: 脳卒中右片麻痺と同様の回復を示すと予測する。

2: 尖足予防のため夜間装具を用いる。

3: 訓練前に意識状態、呼吸状態を確認する。

4: 体位を調整して四肢筋緊張の緩和を図る。

5: 立位訓練を進める。

第49回午前:第4問

30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。この患者に行う評価で必要性が低いのはどれか。  

1: RBMT

2: 前頭葉機能検査(FAB)

3: Trail making test(TMT)

4: 標準高次動作性検査(SPTA)

5: Mini mental state examination(MMSE)

第42回午前:第8問

48歳の女性。外傷性脳損傷後1か月経過。意識は清明。麻痺は認めない。ミニメンタルステート検査(MMSE)は30点。三宅式記銘力検査の正答は有関係対語10-10-10、無関係対語2-3-7。ベントン視覚記銘検査即時再生で正確数10・誤謬数0、15秒後の再生で正確数7・誤謬数3。この患者への新しい作業活動の選択で適切なのはどれか。  

1: 季節感のあるグループ活動

2: 多くの口頭指示を必要とする活動

3: マニュアルがある活動

4: 絵パズルを用いた構成課題

5: 買物に必要な計算課題

第40回午前:第37問

25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。  

1: 状況対応力の低さ

2: 過度の緊張

3: 不安の発現

4: 複雑部分発作の前兆

5: 注意集中の困難

第41回午前:第39問

19歳の男性。てんかん。IQ 70。養護学校卒業後にクリーニング店に就職した。仕事ののみ込みが悪いと店主に注意されたことがきっかけで仕事に行けなくなり、家に引きこもりがちとなった。時々家族に暴力を振るうようになり、家族が主治医に相談した結果、外来作業療法が処方された。本人、家族とも「仕事ができれば」と希望を語っている。この患者の就労支援で適切でないのはどれか。 ア.障害者職業センターで評価を受ける。イ.援護寮を見学する。ウ.作業療法士が就職先を紹介する。エ.通院患者リハビリテーション事業を紹介する。オ.ハローワークの障害者窓口で相談する。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第34回午前:第5問

17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。

2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。

3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。

4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。

5: 外泊訓練を試みる。