第51回午後第42問の類似問題

第45回午前:第16問

30歳の男性。統合失調症。高校時代から体調不良を訴えるようになり、自宅に引きこもっていた。5年前に幻覚妄想状態のため入院し作業療法を継続していたが、最近、「退院したい」と意欲を見せ始めた。作業療法種目を変更した3日後に患者が身体的不調を訴え始めた。対応で適切なのはどれか。  

1: 休憩の時間を増やす。

2: 以前の作業種目に戻す。

3: 直ちに作業療法を中止する。

4: 他の作業療法士が担当する。

5: 就労意欲を高める種目に変更する。

第55回午後:第46問

心理的な外傷体験後の早期介入法として適切なのはどれか。  

1: デブリーフィング

2: 心理的応急処置

3: 集団精神療法

4: 生活技能訓練

5: 精神分析療法

  • 答え:2
  • 解説:心理的な外傷体験後の早期介入法として適切なのは心理的応急処置である。これは、外傷体験を受けた人々に対して、直後の感情や反応を適切に処理し、回復を促すための支援を行う方法である。
  • デブリーフィングは、外傷体験後に行われるグループベースのインターベンションであるが、研究によっては効果が不確かであり、場合によっては悪影響を及ぼすことがあるため、早期介入法としては適切ではない。
  • 心理的応急処置は、外傷体験後の早期介入法として適切である。これは、外傷体験を受けた人々に対して、直後の感情や反応を適切に処理し、回復を促すための支援を行う方法である。
  • 集団精神療法は、複数の人々が一緒に治療を受ける方法であるが、心理的な外傷体験後の早期介入法としては適切ではない。なぜなら、集団療法は個々の状況に対応できないことがあり、早期介入には個別の対応が求められるためである。
  • 生活技能訓練は、社会生活に困難を抱える対象者に対し、ソーシャルスキル(社会技能)と呼ばれるコミュニケーション技術を向上させ解決しようとするものであるが、心理的な外傷体験後の早期介入法としては適切ではない。
  • 精神分析療法は、無意識の中に無理に抑え込まれた欲動が精神症状として現れると想定し、自由連想法を用いてその葛藤を明らかにすることで、症状の改善を目指す方法であるが、心理的な外傷体験後の早期介入法としては適切ではない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第34回午前:第96問

アルコール依存症における作業療法で誤っているのはどれか。  

1: 種目の選択は患者に任せる。

2: 体力の回復を図る。

3: 仲間をつくる。

4: ストレスへの耐性を高める。

5: 自己能力を確認する。

第36回午前:第98問

精神科作業療法における就労援助で必要がないのはどれか。  

1: 働く意志の確認

2: 働く目的の明確化

3: 基礎的技能の評価

4: 基礎的体力の評価

5: 特定の職業訓練

第53回午後:第45問

うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴はどれか。2つ選べ。  

1: 多幸的である。

2: 社交的に振る舞う。

3: 物忘れがみられる。

4: 精神運動抑制がみられる。

5: 能力低下に無関心である。

  • 答え:3 ・4
  • 解説:仮性認知症は、うつ状態にある高齢者が認知症の検査に答えるのに時間がかかるなど、あたかも認知症のように見える状態です。うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴として、物忘れがみられる(選択3)と精神運動抑制がみられる(選択4)が正しい選択肢です。
  • 選択1は間違いです。うつ病による仮性認知症患者ではうつ症状があるため、多幸的な様子はみられません。心理検査では投げやりな様子がみられることがあります。
  • 選択2は間違いです。うつ症状のある高齢者は、不安・焦燥感が強いうえ、心気的になりやすく、身体的愁訴が多いため、社交的に振る舞うことはありません。貧困・罪業・心気妄想や被害妄想などの精神病症状を伴うこともあります。
  • 選択3は正しいです。うつ病による仮性認知症では、記憶障害や遂行機能障害をみとめることがあります。これは、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択4は正しいです。うつ症状による情報処理の速度低下により、一時的に応答時間が遅くなることがあります。これは精神運動抑制の症状の一つであり、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択5は間違いです。仮性認知症は、認知症とは異なり、自らの能力に対する認識が著しく低下していることはありません。むしろ、うつ状態により、能力低下を憂いていることがある。認知検査の時は「わかりません」「ああ、こんなこともわからなくなった」といった発言のように、能力低下を自覚できます。
  • 科目:気分障害
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第49回午後:第26問

認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。  

1: 徘徊するため、着席を求めた。

2: 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。

3: 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。

4: 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。

5: ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。

第54回午前:第43問

統合失調症患者。会話の内容がずれ、自分の考えに偏った一方的な発言ばかりで、相手の立場になって考えることができない。障害が疑われるのはどれか。  

1: 遂行機能

2: 行動制御

3: 社会的認知

4: 注意の選択性

5: プライミング

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、統合失調症患者の症状からどの障害が疑われるかを問うています。選択肢の中で社会的認知が他者の意図や性質を理解する能力を含む精神活動であり、統合失調症患者で障害されやすいため、正解は3となります。
  • 遂行機能は、計画を立てたり、それを実行したり、修正したりという複雑な過程を含む機能で、注意や記憶、言語、行為などを統合させて前頭葉を中心に働かせる機能です。しかし、この患者の症状は遂行機能の障害とは関係がありません。
  • 行動制御は、ある目標のために自己の行動を制御する機能です。この患者の症状は行動制御の障害とは直接関係がないため、正解ではありません。
  • 社会的認知は、他者の意図や性質を理解する人間としての能力を含む、対人関係の基礎となる精神活動であり、統合失調症患者で障害されやすい。この患者は、相手の立場になって考えられず、自分の考えに偏った一方的な発言をしていることから、社会的認知の障害が疑われるため、正解は3です。
  • 注意の選択性は、複数の刺激の中からターゲットのみを選択する能力です。この患者の症状は注意の選択性の障害とは関係がないため、正解ではありません。
  • プライミングは、先行した学習や記憶課題が後続の別の学習や記憶課題の成績に無意識的に影響を与えることです。この患者の症状はプライミングの障害とは関係がないため、正解ではありません。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午後:第35問

生活行為向上マネジメントで正しいのはどれか。  

1: アメリカで開発された評価法である。

2: 作業療法士の臨床思考過程を分析して開発された。

3: 心身機能の回復に関するプログラムは含まれない。

4: 作業療法士が重要と判断した作業に焦点を当てアセスメントする。

5: アセスメント項目に心身機能・身体構造に関する予後予測は含まれない。

第36回午前:第80問

作業療法における慢性期精神分裂病(統合失調症)患者の特徴でないのはどれか。  

1: 持続力に乏しい。

2: リズムに乗りにくい。

3: とっさの判断に戸惑う。

4: 周囲の患者に干渉しやすい。

5: 作業手順に慣れるのに時間がかかる。

第53回午前:第24問

人間作業モデルについて正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 人の習慣を評価する。

2: 認知症の人には用いない。

3: 作業に対する有能感を評価する。

4: 作業の満足度を10段階で評価する。

5: 運動技能とプロセス技能で構成されている。

  • 答え:1 ・3
  • 解説:人間作業モデルは、人の作業能力や作業に対する態度を評価するためのモデルであり、習慣や有能感を評価することができます。選択肢1と3が正しいです。
  • 正解。人間作業モデルは、人の習慣を評価することができます。習慣は、日常生活や作業において繰り返し行われる行動や態度であり、作業能力や作業環境に影響を与える重要な要素です。
  • 間違い。人間作業モデルは、認知症の人にも用いることができます。認知症の人の作業能力や作業に対する態度を評価し、適切な支援や介入を提供するために使用されます。
  • 正解。人間作業モデルは、作業に対する有能感を評価することができます。有能感は、自分が作業を達成できるという自信や信念であり、作業への取り組みや作業成果に影響を与える重要な要素です。
  • 間違い。人間作業モデルでは、作業の満足度を10段階で評価することはありません。作業の満足度は、作業に対する態度や感情を反映する指標であり、評価方法は様々ですが、必ずしも10段階で評価するわけではありません。
  • 間違い。運動技能とプロセス技能で構成されているのは、Assessment of Motor and Process Skills(AMPS)という評価ツールです。人間作業モデルとは異なります。
  • 科目:基礎作業療法学・作業療法管理学
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第77問

精神分裂病(統合失調症)患者の作業療法導入時の評価項目として適切でないのはどれか。  

1: 指示理解の程度

2: 家族関係

3: 興味・関心の内容

4: 交友関係の範囲

5: 病的体験の内容

第46回午後:第42問

統合失調症の作業療法で、患者が最も混乱しやすいのはどれか。  

1: 担当者の識別

2: 作業の手順

3: 活動の時間

4: 作業の場所

5: 道具の用途

第37回午前:第82問

アルコール依存症に対する作業療法評価で適切でないのはどれか。  

1: 身体機能

2: 巣症状

3: ストレス耐性

4: 対人行動パターン

5: 作業遂行能力

第49回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学に進学後1人暮らしをしていたが、4年生になっても就職先が決まらず、不眠と焦燥感が出現した。その後、他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め、アパートに閉じこもるようになった。母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった。外来受診を継続し1か月半が経過したところで、外来での作業療法が処方された。この患者に対する作業療法計画の留意点として適切なのはどれか。  

1: 復学の時期を決める。

2: 職業適性を評価する。

3: 集団活動の利用を重視する。

4: 日常生活の行動目標を話し合う。

5: 実施作業種目は作業療法士が選択する。

第34回午前:第86問

慢性精神分裂病(統合失調症)患者と知的障害患者への作業の教え方として共通でないのはどれか。  

1: 作業時の道具の配置

2: 短い指示

3: 一つの指示に一つの動作

4: 先に進む前に教えた技法の確認

5: 成功した場合の強化

第52回午後:第24問

作業療法評価に理論とモデルを用いる目的で誤っているのはどれか。  

1: 疾病を診断する。

2: 治療方針を示す。

3: 治療の妥当性を示す。

4: 守備範囲を明確にする。

5: 治療効果の正当性を示す。

第48回午前:第46問

作業療法中に「隣の人に触れるのが汚い」と言い、プログラムを中断してしまった。この患者にみられる障害はどれか。  

1: 解離性障害

2: 強迫性障害

3: 身体表現性障害

4: 妄想性パーソナリティ障害

5: 非社会性パーソナリティ障害

第54回午後:第49問

精神科リハビリテーション活動の説明で正しいのはどれか。  

1: ACTは重症精神障害者の地域生活を支援する。

2: SSTは精神科病院内での生活技能の向上を目指す。

3: 認知リハビリテーションは集団形式で実施することは避ける。

4: ケアマネジメントは支援機関中心に必要なサービスを検討し利用者に提供する。

5: 心理教育は、援助する者とされる者とを明確に区分した構造的な治療関係の中で実施する。

  • 答え:1
  • 解説:精神科リハビリテーション活動は、精神障害者の自立支援や社会復帰を目的とした様々なアプローチが含まれています。選択肢1のACT(Assertive Community Treatment)は、重症精神障害者の地域生活を支援するためのアプローチであり、正しい説明です。
  • ACT(Assertive Community Treatment)は、重症精神障害者の地域生活を支援するためのアプローチであり、専門家チームが総合的なケアを提供することで、地域での生活を継続することを目指します。これは正しい説明です。
  • SST(Social Skills Training)は、社会生活を送る慢性精神障害者の自立支援を目的に開発されたもので、精神科病院内だけでなく、地域生活を送る障害者の生活技能の向上を目指すものです。したがって、この選択肢は誤りです。
  • 認知リハビリテーションは、個別や集団形式で実施されることがあります。集団形式では、他の参加者との相互作用を通じて、認知機能の向上や社会的スキルの習得が促されることがあります。この選択肢は誤りです。
  • ケアマネジメントは、利用者本人とケアマネジャー、支援者との共同作業で進められ、利用者本人の意思でサービスを選択していくことが重要です。支援機関中心ではなく、利用者本人のニーズに応じたサービス提供が求められるため、この選択肢は誤りです。
  • 心理教育は、患者や家族に対して病気の性質や治療法、対処方法などの正確な知識や情報を提供することを目的としています。支え合う相互作用の関係が重要視され、援助する者とされる者とを明確に区分した構造的な治療関係ではなく、協力的な関係が求められます。この選択肢は誤りです。
  • 科目:その他の精神障害
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第35回午前:第83問

痴呆老人の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.作業導入の説明は細かくする。イ.患者のペースに合わせてゆっくり話す。ウ.感情面での疎通性を大事にして接する。エ.変化のある作業を提示する。オ.その都度細かく指示する。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第47回午後:第91問

広汎性発達障害で認めにくいのはどれか。  

1: 姿勢異常

2: 精神遅滞

3: 限局した反復行動

4: コミュニケーション障害

5: 相互的な社会的関係の異常