第37回午前第18問の類似問題

第49回午前:第3問

70歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し搬送された。発症後2か月の頭部MRI示す。この画像で認められる脳梗塞の部位はどれか。 

49_0_3

1: 視床

2: 内包

3: 被殻

4: 尾状核

5: 放線冠

第34回午前:第63問

脳血管障害による右大脳半球損傷の症状で頻度の少ないのはどれか。  

1: 間違った袖に手を通す。

2: 食事をお膳の片側半分残す。

3: 麻痺のあることが分からない。

4: 急須でお茶を入れる手順を混乱する。

5: 閉眼したままにという指示に開眼してしまう。

第48回午前:第18問

70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。金属支柱付き短下肢装具とT字杖とで病院内歩行が自立した。退院に向けたADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 屋内では短下肢装具を使用しない。

2: 浴槽への出入りは座位移動で行う。

3: 自宅トイレに手すりを設置する。

4: ズボンは立位のまま着脱する。

5: 洗顔は立位で行う。

第42回午前:第67問

ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。  

1: 四肢の弛緩性麻痺を生じる。

2: 重症では呼吸筋麻痺をきたす。

3: 初期に軽い感覚障害を生じる。

4: 軸索型は脱髄型より予後が良好である。

5: 肢節近位部から遠位部に向けて回復する。

第36回午前:第20問

50歳の女性。球麻痺症状で発症した筋萎縮性側索硬化症。発症後1年経過。自営業世帯の主婦で、病前は家業の経理を行っていた。現在、筋力は上肢近位筋群3(Fair)、上肢遠位筋群2(Poor)、下肢筋群4(Good)である。最近、肺炎を2回起こしている。現時点での評価項目で適切でないのはどれか。  

1: 筋萎縮の部位、程度

2: 会話明瞭度

3: 食事動作

4: 簿記、計算力

5: 浴室、トイレの構造

第41回午前:第39問

45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。WAIS-RはVIQ 110、PIQ 90。訓練アプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.絵カードの呼称イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第41回午前:第28問

60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。 

41_0_28

1: 体重の減量を勧める。

2: 杖の使用を検討する。

3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。

4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。

5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。

第49回午前:第7問

72歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞による左片麻痺。立位時に左下肢の外旋と足部内反が著明であり、歩行時に装具を装着している。最も適応となりにくいのはどれか。  

1: ツイスター

2: 非麻痺側補高

3: 逆Thomasヒール

4: 外側フレアヒール

5: 内側Yストラップ

第52回午前:第16問

46歳の男性。前日夜に冷たい風に当たり、翌朝目が覚めると右顔面の腫れぼったさを感じた。昼食時に食事が口からこぼれることに気が付き、近くの神経内科を受診した。開眼安静時の顔面の状態を図に示す。この患者で正常に保たれる運動はどれか。 

52_0_16

1: 額にしわを寄せる。

2: 眉をひそめる。

3: まぶたを閉じる。

4: 奥歯を噛む。

5: 口唇を閉じ突き出す。

第50回午前:第24問

脊髄小脳変性症に比べて多発性硬化症に特徴的なのはどれか。  

1: 痙縮

2: 運動失調

3: 嚥下障害

4: 構音障害

5: 有痛性けいれん

第54回午後:第75問

疾患と病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。  

1: Parkinson病――大脳白質の変性

2: 多発性硬化症――中枢神経の脱髄

3: Lewy小体型認知症――大脳白質の虚血

4: 筋萎縮性側索硬化症――脊髄後索の変性

5: Guillain-Barré症候群――脊髄前角の変性

  • 答え:2
  • 解説:この問題では、疾患と病理学的変化の組み合わせが正しいものを選ぶ必要があります。正しい組み合わせは、多発性硬化症と中枢神経の脱髄です。
  • Parkinson病は神経変性疾患であり、黒質や青斑核、迷走神経背側核などの神経細胞が脱落することで運動障害や自律神経障害が生じます。大脳白質の変性はParkinson病ではなく、大脳白質変性症で見られるため、この組み合わせは正しくありません。
  • 多発性硬化症は中枢神経の自己免疫性脱髄疾患であり、脳室周囲や視神経、視交叉、脳幹部、脊髄などで多発性の境界明瞭な脱髄斑の病巣を形成します。この組み合わせは正しいです。
  • Lewy小体型認知症は神経変性疾患であり、マイネルト核や扁桃核、側頭葉や帯状回、島葉などにLewy小体が出現します。大脳白質の虚血はこの疾患とは関連がなく、脳卒中や認知機能障害の発症リスクが高い脳室周囲高信号域(PVH)と関連しています。この組み合わせは正しくありません。
  • 筋萎縮性側索硬化症は、中心前回のBetz巨細胞と錐体路からなる上位運動ニューロンと脊髄前角と前根から構成される下位運動ニューロンが選択的に脱落し、障害されます。脊髄後索の変性はこの疾患とは関連がなく、ビタミンB12欠乏による亜急性連合性脊髄変性症などで見られます。この組み合わせは正しくありません。
  • Guillain-Barré症候群は、先行感染後に病原体に対して産生された抗体が髄鞘を標的とした自己抗体となって脱髄を生じ、末梢神経障害を引き起こします。脊髄前角の変性はこの疾患とは関連がなく、筋萎縮性側索硬化症などで見られます。この組み合わせは正しくありません。
  • 科目:臨床医学総論(病理学)
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第56回午後:第16問

55歳の男性。営業部の部長職に就いていたが、物や人の名前や地名が出てこないことを自覚し、その後は部下を同伴して仕事を継続していた。好きな日曜大工で使用していた工具を目の前にしてもそれを呼称できなくなり妻同伴で物忘れ外来を受診した。WAIS-IIIでは言語性IQが79、動作性IQは131、全検査IQは103であった。その後も徐々に言いたいことが言葉にならず、仕事で著しく疲弊するようになり退職した。徐々に誰に対してもなれなれしくなり、節度を失うような人格変化も認められるようになった。この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位はどこか。  

1: 側頭葉内側部

2: 前頭葉眼窩面

3: 頭頂連合野

4: 側頭葉前部

5: 後頭葉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は固有名称の失語と人格変化が見られるため、受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位は側頭葉前部である。側頭葉前部は言語の意味処理に強く関与しており、この患者の症状に適合する。
  • 側頭葉内側部には海馬があり、近時(短期)記憶を貯蔵して長期記憶に加工する機能がある。しかし、この患者の症状には短期記憶の障害は見られないため、選択肢1は正しくない。
  • 前頭葉眼窩面には行動の意思決定に際して、前後の脈絡から社会的価値を判断する機能がある。眼窩面が障害されると人格変化を生じることがあるが、この患者の初期症状は固有名詞を失語していることから、当初のMRI画像に萎縮が描出されることは想定しにくい。選択肢2は正しくない。
  • 頭頂連合野は高次感覚野領域で、体性感覚情報や視覚情報などが統合される。頭頂連合野が障害されると失行や半側無視、到達運動や把握運動、視線制御や注意などの障害がみられるが、この患者の症状とは一致しないため、選択肢3は正しくない。
  • 側頭葉前部では言語の意味処理に強く関与しており、この患者の症状である固有名称の失語に適合する。受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位は側頭葉前部であるため、選択肢4が正しい。
  • 後頭葉は視覚認識をさせる機能があるが、この患者の症状とは関連性が低いため、選択肢5は正しくない。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第43回午前:第11問

78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真(別冊No. 3A)とMRI(別冊No. 3B)とを別に示す。この患者の病態で適切なのはどれか。2つ選べ。 

43_0_11

1: 骨粗鬆症

2: 脊椎分離症

3: 脊柱管狭窄症

4: 脊椎椎体圧迫骨折

5: 椎間板ヘルニア

第39回午後:第85問

アルツハイマー病に関して正しいのはどれか。  

1: 老年期の痴呆の80%を占める。

2: 発症に男女差はない。

3: 症状は階段状に悪化する。

4: 記憶障害が初期からみられる。

5: CTで大脳白質の低吸収域病巣が散在する。

第53回午後:第9問

35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 上腕部のアイシング

2: 手関節背屈の抵抗運動

3: Engen型把持装具の使用

4: 手指・手関節の他動伸展運動

5: コックアップ・スプリントの使用

  • 答え:4 ・5
  • 解説:この問題では、橈骨神経麻痺を持つ患者に対する適切な治療法を選択することが求められています。橈骨神経麻痺では、手関節背屈および手指伸展の自動運動が困難であり、感覚低下があるため、他動伸展運動やコックアップ・スプリントの使用が適切です。
  • 上腕部のアイシングは、神経回復を遅延させる危険があるため、この患者には適切ではありません。代わりに、ビタミン剤の投与や保温による血行改善が行われるべきです。
  • 手関節背屈の抵抗運動は、筋力が重力に抗して関節を運動できる状態でなければできません。この患者は受傷4日後であり、手関節背屈の自動運動が困難であるため、他動運動を行うべきです。
  • Engen型把持装具は、手指屈曲が不可能な場合に、手関節背屈によりテノデーシス・アクションのように手指屈曲を補助する装具です。この患者は、手関節背屈の自動運動ができないため、この装具は適していません。
  • 手関節背屈と手指伸展の自動運動が困難であることから、自動運動を促すために他動伸展運動を実施することが望ましい。この選択肢は正しいです。
  • 橈骨神経麻痺では下垂手となるため、コックアップ・スプリントを使用し、手関節軽度背屈位で機能的肢位を保持する。この選択肢は正しいです。
  • 科目:整形外科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第51回午後:第2問

82歳の女性。右利き。脳梗塞を発症して1か月が経過した。頭部CTを示す。この患者にみられる症状で正しいのはどれか。 

51_1_2

1: Broca失語

2: 他人の手徴候

3: 半側空間無視

4: Gerstmann症候群

5: 超皮質性感覚性失語

第42回午前:第52問

麻痺のない大脳半球損傷患者の病態と検査所見との組合せで適切なのはどれか。  

1: 観念運動失行-お茶を入れるまねができない。

2: 観念失行-他者の指の形を模倣できない。

3: 運動維持困難-閉眼で舌を出させると目が開いてしまう。

4: 運動消去現象-感覚刺激に反応して片手を挙上できない。

5: 着衣失行-衣類のボタンやポケットの意味が分からない。

第50回午後:第25問

右延髄背外側部の脳梗塞による障害で認められるのはどれか。  

1: 左内反足

2: 右下垂足

3: 右の痛覚脱失

4: 左の深部感覚障害

5: 右下肢の運動失調

第49回午後:第8問

60歳の男性。Parkinson病。3年前に右手の振戦で発症し、2年前から左足と左手の振戦を認めている。最近、前かがみが強くなり、腹部が締めつけられるような感覚を生じることがある。独歩は可能。事務仕事を継続している。外来時の指導で適切なのはどれか。  

1: 呼吸法

2: 毎日10分間の散歩

3: 体幹コルセットの装着

4: 四肢の高負荷筋力トレーニング

5: 肩甲帯と体幹を大きく動かす運動

第54回午後:第11問

30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。  

1: 受傷前の職場を訪問させる。

2: 包丁を用いた調理訓練を行う。

3: 作業の工程リストを作らせる。

4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。

5: 怒り出したときには厳格に注意する。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は頭部外傷により企図振戦や注意の持続性低下、易怒性などの前頭葉症状があります。作業療法の指導では、患者の症状に配慮し、効果的な方法を選択することが重要です。
  • 受傷後4か月でまだ回復の見込みがあり、前頭葉症状や企図振戦が残存しているため、現時点で職場を訪問すると悪い評価を受ける可能性があります。職場の訪問は復職の目処が立ってから行うべきです。
  • 患者には企図振戦があるため、包丁の使用は危険です。また、現時点では調理訓練を行う必要性は低いため、この選択肢は正しくありません。
  • 患者の記銘力は保たれているため、工程リストを作成することで作業に復帰しやすくなり、他者からの口頭での促しの頻度も減少できます。この選択肢が正しいです。
  • 注意の持続性が低下している患者に対して、ラジオを聞かせながら作業を行わせると注意がさらに散漫になる可能性が高いため、この選択肢は適切ではありません。
  • 患者の易怒性は頭部外傷によるものであり、厳格に注意しても感情制御の改善は期待できません。感情抑制ができるようになるまで許容的に待つか、怒った場所や状況から距離をとらせて傾聴する対応が望ましいです。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する