筋萎縮性側索硬化症患者の状態とADL上の工夫との組合せで誤っているのはどれか。
1: 気管切開-透明文字盤
2: 発声の低下-家人を呼ぶためのチャイム
3: 手指筋力低下-ワンスイッチ入力
4: 歩行障害-骨盤帯付長下肢装具
5: 下肢の痙性麻痺-回転移乗盤による移乗
重度の片麻痺を生じた脳梗塞患者に対する急性期の理学療法で正しいのはどれか。
1: 立位練習には装具を用いない。
2: 非麻痺側の筋力増強運動は行わない。
3: 神経症候の増悪がなければ離床練習を開始する。
4: 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない。
5: 安静時に収縮期血圧が140 mmHgを超えている場合は実施しない。
28歳の女性。頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。車椅子とベッド間の移乗は前・後方移動で自立し、ADLは自助具や環境整備で自立の見込みを得た。住宅改修を図に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。
1: ①の廊下幅は歩行者とのすれ違いのために140 cmにした。
2: ②のポーチの幅は車椅子を回転させるために100 cmにした。
3: ③の廊下と居室の開口部通過の幅は90 cmにした。
4: ④のシャワーフックの位置の高さは150 cmにした。
5: ⑤の屋外スロープの勾配は1/4にした。
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 物品呼称の訓練
2: 左方注意の習慣化
3: 構成課題の訓練
4: 口頭での行為確認の習慣化
5: 衣服への目印の付加
GMFCSレベルⅡの痙直型脳性麻痺児に対する運動指導で最も適しているのはどれか。
1: 車椅子の駆動練習
2: 割り座での座位練習
3: 歩行補助具なしでの歩行練習
4: バニーホッピングによる四つ這い移動練習
5: スタンディングボードを用いての立位練習
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 手指
3: 口唇
4: 呼気
5: 外眼筋
56歳の男性。左片麻痺。脳梗塞発症後3 か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指III、下肢IV。認知や感覚に問題はない。この患者の動作指導で適切でないのはどれか。
1: 寝返りでの肩甲帯の前方突出と肩関節内転
2: 前開きシャツの袖通しでの肘伸展
3: ファスナー開閉での母指と示指での側腹つまみ
4: 食事中のテーブル上での上肢保持
5: 小物入れ保持での肩内旋・肘屈曲
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
1: 踵部の補高
2: 短下肢装具の使用
3: 膝屈曲位での立位保持練習
4: 前脛骨筋の治療的電気刺激
5: 下腿三頭筋へのタッピング
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状とアプローチとの組合せで適切でないのはどれか。
1: 定頸不良-腹臥位での頭部挙上
2: 体幹過伸展-座面の高い椅子での座位訓練
3: 動的バランス不良-セラピーボールでのバランス訓練
4: 手指の過伸展-ビンの蓋の開け閉め
5: 目と手の協調障害-ペグ差しの練習
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。
70歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。車椅子からベッドへの移乗は介助バーを使用して1人で何とか可能である。初回評価時の車椅子からベッドへの移乗場面において、ベッド、車椅子、介助バー及び作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
1: 荷重応答期
2: 立脚中期
3: 立脚後期
4: 遊脚中期
5: 遊脚後期
65歳の男性。脳卒中左片麻痺。発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにII。左肩関節には1横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。座位は不安定で、体幹は患側前方へ傾く。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 患側下肢の随意運動の促通
2: 患側片肘立ちからの起き上がり練習
3: 座位での健側上肢体重支持の練習
4: 座位で両側への重心移動練習
5: 長下肢装具を用いた平行棒内立位練習
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
70歳の女性。脳出血による右片麻痺。発症3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。認知や感覚機能に障害はない。この患者の患側上肢の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 座位での患側を用いた机の雑巾がけ
2: 立位での患側を用いたズボンの引き上げ
3: ループ付きタオルを用いた洗体動作
4: 両手を用いたタオルたたみ
5: 銅版打ち出しで患側を用いた木槌の使用
FIMの評定で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 浴槽移乗7点:浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ。浴槽内でしゃがみ、立てる。
2: 食事6点:ホルダー付きスプーンを介助者に装着してもらい、食事動作は自立している。
3: 記憶5点:メモリーノートを用いて自立し、問題を生じていない。
4: トイレ動作4点:服を上げるのが不十分で介助者の口頭指示を必要とする。
5: 更衣(上半身)2点:前開きシャツで非麻痺側の袖通しはできるが、他は介助を要する。
脊髄損傷の機能残存レベルとADL指導との組合せで適切でないのはどれか。
1: 第5頸髄節-自助具使用による食事動作
2: 第6頸髄節-滑り止めハンドリム付き車椅子の駆動
3: 第7頸髄節-改造自動車の運転
4: 第6胸髄節-長下肢装具装着による松葉杖歩行
5: 第4腰髄節-短下肢装具装着による一本杖歩行
脳卒中患者の症状と障害との組合せで誤っているのはどれか。
1: 知っている人なのに声を聞かないとわからない。 — 相貌失認
2: 閉眼と挺舌の動作を同時にできない。 — 運動維持困難
3: 移動時、左側の物によくぶつかる。 — 左半側空間無視
4: 指示による敬礼のまねができない。 — 観念失行
5: 上着の左右を間違えて袖を通す。 — 着衣失行
脳卒中片麻痺の間接的嚥下訓練で食道入口部を広げる効果があるのはどれか。
1: 舌の運動
2: 発音の練習
3: Shaker(シャキア)法
4: 喉のアイスマッサージ
5: 顔面頸部のマッサージ
6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児が使用する椅子で適切でないのはどれか。
1: 座面は両足底が床につく高さにする。
2: 座面に内転防止のパッドをつける。
3: 背もたれにヘッドレストをつける。
4: 体幹側屈防止のパッドをつける。
5: アームレストで前腕支持を助ける。