第46回午前第43問の類似問題

第47回午前:第45問

認知機能障害の強い統合失調症患者に対する作業指導で工夫する点はどれか。  

1: 言語説明を増やす。

2: 工程見本を増やす。

3: 作業工程を増やす。

4: 作業時間を増やす。

5: 道具の種類を増やす。

第44回午前:第32問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。  

1: 余暇活動

2: 集団内行動

3: 金銭管理能力

4: 作業遂行能力

5: 交通機関の利用

第55回午後:第19問

28歳の男性。統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。この患者の現在の状況において適切な入院形態はどれか。  

1: 任意入院

2: 応急入院

3: 医療保護入院

4: 緊急措置入院

5: 医療観察法による入院

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自傷他害行為がなく、本人の同意が得られないが家族の同意が得られる状況であるため、医療保護入院が適切な入院形態となります。
  • 任意入院は、入院を必要とする精神障害者で、入院について本人の同意がある者が対象となる。この患者は、本人の同意が得られないため、適応外である。
  • 応急入院は、入院を必要とする精神障害者で、任意入院を行う状態になく、急速を要し、家族等の同意が得られない者が対象となる。この患者の家族は、患者に治療を勧めていることから、家族等の同意は得られると考えられるため、適応外である。
  • 医療保護入院は、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないが、任意入院を行う状態にない者が対象となる。精神保健指定医(または特定医師)の診察と家族等のうちのいずれかの者の同意が必要である。この患者は、自傷他害のおそれがなく、入院に対する本人の同意は得られないが、家族などの同意が得られると考えられるため、医療保護入院の適応となる。
  • 緊急措置入院は、入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者が対象となる。急速な入院の必要性があることが条件で、指定医の診察は1名でよいが、入院期間は72時間以内に制限される。この患者は、自傷他害のおそれがないため、適応外である。
  • 医療観察法による入院は、心神喪失または心神耗弱の状態で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害)を行った者が対象である。この患者は、重大な他害行為は行っていないため、適応外である。
  • 科目:統合失調症
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第39回午前:第84問

思考障害のある統合失調症患者の作業活動で適切でないのはどれか。  

1: 見本があるもの

2: 手順の明確なもの

3: 自由度の高いもの

4: 時間に融通性があるもの

5: 目的が明確なもの

第34回午前:第77問

精神科作業療法での初回面接で適切でないのはどれか。  

1: 作業療法士の自己紹介をする。

2: 作業療法参加の意志を確認する。

3: 現在の状態を聞く。

4: 入院前の生活状況を聞く。

5: 発病時の様子を聞く。

第53回午後:第45問

うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴はどれか。2つ選べ。  

1: 多幸的である。

2: 社交的に振る舞う。

3: 物忘れがみられる。

4: 精神運動抑制がみられる。

5: 能力低下に無関心である。

  • 答え:3 ・4
  • 解説:仮性認知症は、うつ状態にある高齢者が認知症の検査に答えるのに時間がかかるなど、あたかも認知症のように見える状態です。うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴として、物忘れがみられる(選択3)と精神運動抑制がみられる(選択4)が正しい選択肢です。
  • 選択1は間違いです。うつ病による仮性認知症患者ではうつ症状があるため、多幸的な様子はみられません。心理検査では投げやりな様子がみられることがあります。
  • 選択2は間違いです。うつ症状のある高齢者は、不安・焦燥感が強いうえ、心気的になりやすく、身体的愁訴が多いため、社交的に振る舞うことはありません。貧困・罪業・心気妄想や被害妄想などの精神病症状を伴うこともあります。
  • 選択3は正しいです。うつ病による仮性認知症では、記憶障害や遂行機能障害をみとめることがあります。これは、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択4は正しいです。うつ症状による情報処理の速度低下により、一時的に応答時間が遅くなることがあります。これは精神運動抑制の症状の一つであり、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択5は間違いです。仮性認知症は、認知症とは異なり、自らの能力に対する認識が著しく低下していることはありません。むしろ、うつ状態により、能力低下を憂いていることがある。認知検査の時は「わかりません」「ああ、こんなこともわからなくなった」といった発言のように、能力低下を自覚できます。
  • 科目:気分障害
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第55回午後:第50問

統合失調症の家族心理教育において適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 家族を精神疾患の原因ととらえる。

2: 精神分析理論に基づいて行われる。

3: 家族の対処能力が向上することを目指す。

4: 再発防止効果についての科学的根拠がある。

5: EE〈expressed emotion〉を高める指導を行う。

  • 答え:3 ・4
  • 解説:統合失調症の家族心理教育では、家族の対処能力を向上させることを目指し、再発防止効果についての科学的根拠がある。家族心理教育では、EE(expressed emotion)を低下させることを目指す。
  • 家族を精神疾患の原因と捉えるのは適切ではない。家族心理教育では、家族の対処能力を向上させることを目指す。
  • 精神分析理論に基づいて行われるのではなく、家族心理教育では、家族の対処能力を向上させることを目指す。
  • 家族の対処能力が向上することを目指すのは、統合失調症の家族心理教育において適切な方法である。
  • 再発防止効果についての科学的根拠があるのは、統合失調症の家族心理教育において適切な方法である。
  • EE(expressed emotion)を高める指導を行うのではなく、家族心理教育ではEEを低下させることを目指す。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午前:第32問

32歳の女性。躁うつ病。18歳で発病。24歳で結婚し、2児をもうけ、スーパーで仕事をしていた。長男が小学校へ入学し、PTAの役員を引き受けた頃から仕事も忙しくなり、気分が高揚し外出や買い物が頻繁となった。心配した夫とともに受診し、入院となった。入院2週目、高揚気分は徐々に治まり、本人から「手芸がしたい」という希望があり、作業療法が開始された。1か月後に集団作業療法を行うことになった。面接で「子供たちのために早く退院したい」と希望を述べた。このときの評価すべき内容で適切でないのはどれか。  

1: 疲労度

2: 集中力

3: 感情のコントロール

4: 対人関係

5: 就労能力

第51回午後:第42問

身体表現性障害の患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか。  

1: 現実検討能力を高める。

2: 不安な気持ちを解釈する。

3: 集団作業療法を基本とする。

4: 対人関係能力の向上を図る。

5: 感情表現を促す活動を提供する。

第38回午後:第71問

精神分裂病(統合失調症)で予後不良に関連する因子はどれか。  

1: 発病年齢が早い。

2: 急性に発病する。

3: 明らかな誘因がある。

4: 社交的な性格である。

5: 緊張病症状を示す。

第44回午前:第91問

身体表現性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 現実検討能力を高める。

2: 不安な気持ちを解釈する。

3: 集団作業療法を基本とする。

4: 対人関係能力の向上を図る。

5: 感情表現を促す活動を提供する。

第42回午前:第29問

60歳の男性。統合失調症。21歳時に発症し、過去に5回の入院歴があった。35歳時に被害妄想が再燃し、6回目の入院となって以来、父親との折り合いが悪く退院先が決まらないまま25年間入院していた。父親が亡くなったことを契機に、一人暮らしとなった84歳の母親と本人の希望により、自宅退院に向けた支援を行うことになった。この時期の作業療法の目的で適切でないのはどれか。  

1: 服薬管理

2: 金銭管理

3: 外出体験

4: 対人関係の改善

5: 自宅での役割の検討

第34回午前:第78問

精神科作業療法の初回評価で適切なのはどれか。  

1: 複数の種目を同時に行う。

2: 複雑な種目で行う。

3: 種目は一定の設定場面で行う。

4: 患者が希望した種目で行う。

5: 退院後の希望にそった種目を行う。

第56回午前:第41問

統合失調症の急性期において、治療効果をみるのに最も適切なのはどれか。  

1: GHQ〈General Health Questionnaire〉

2: LSP〈Life Skills Profile〉

3: PANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉

4: QLS〈Quality of Life Scale〉

5: SFS〈Social Functioning Scale〉

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の急性期において治療効果をみるのに最も適切なのはPANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉である。これは、精神医学的評価であり、陽性症状と陰性症状の精神病理学との関係を推定する薬物感受性指標であり、統合失調症の急性期において薬物療法を含む治療効果をみることができる。
  • GHQ〈General Health Questionnaire〉は、心理健康状態の尺度であり、1970年代にGoldbergによって開発された。質問票はもともと60項目で開発されたが、その後に短縮版の質問票が利用可能である。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • LSP〈Life Skills Profile〉は、基本的なライフスキルに関する消費者の能力を評価するために、オーストラリアの臨床研究グループによって開発された。その焦点は、臨床症状ではなく、消費者の一般的な機能と障害である。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • PANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉は、精神医学的評価であり、陽性症状と陰性症状の精神病理学との関係を推定する薬物感受性指標である。統合失調症の急性期において薬物療法を含む治療効果をみることができる。PANSSは陽性(P)、陰性(N)、および認知または一般精神病理学(G)の3つの要素で構成されている。このため、選択肢3が正しい。
  • QLS〈Quality of Life Scale〉は、統合失調症の患者の生活の質を評価するために、1984年にHeinrichs、Hanlon and Carpenterによって開発された。過去4週間以内に統合失調症患者の症候群を測定できる。半構造化された21項目のインタビューで構成され、各項目は0から6で評価する。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • SFS〈Social Functioning Scale〉は社会機能の評価ツールである。SFSは、19項目の質問に選択的に答えることで評価値が得られ、専門的な知識をほとんど必要とせず、患者とその家族より聴取することができる。統合失調症の社会活動を支援する時期には評価として用いることができるが、急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • 科目:統合失調症
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第57回午前:第45問

躁病相の初期評価時に得るべき情報として適切でないのはどれか。  

1: 問題行動に対する本人の捉え方

2: 本人が社会で担ってきた役割

3: 処方されている薬物

4: 睡眠の状態

5: 併存疾患

  • 答え:1
  • 解説:躁病相の初期評価では、患者の社会的役割、処方されている薬物、睡眠状態、併存疾患などの情報が重要です。しかし、問題行動に対する本人の捉え方は、躁状態の初期では現実検討の不足が見られるため、適切な評価項目ではありません。
  • 問題行動に対する本人の捉え方は、躁状態の初期では現実検討の不足が見られ、現実と照合して隔たりがあるため、初期評価には適切ではありません。症状が落ち着き、回復期に進んだところで問題行動への振り返りを行うことが望ましい。
  • 本人が社会で担ってきた役割は、家庭や社会での役割が患者の病態の背景を知る上で重要であり、初期の評価項目として適切です。
  • 処方されている薬物についての情報は、薬物療法が初期に行われることがあるため、効用を確認するために重要であり、初期評価項目として適切です。
  • 睡眠の状態は、躁病相の初期では休息を取ることや患者自身で行動をコントロールできることを目標とされるため、初期の情報収集項目として適切です。
  • 併存疾患についての情報は、躁病相とともに疾患が併存することがあるため、治療経過を追うためにも初期に情報を得ておくことが望ましいです。
  • 科目:気分障害
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第47回午前:第16問

26歳の女性。感情が不安定でリストカットを繰り返している。これまでいくつも職歴があるが、いずれも対人的なトラブルが原因で辞めている。大量服薬をしたため精神科病院に入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 実施時間を明確に決める。

2: 特定の担当者を決めない。

3: 集団で協力する活動を導入する。

4: 目標は複数回参加した後で決める。

5: 実施頻度は本人の要求に応じて変更する。

第54回午前:第43問

統合失調症患者。会話の内容がずれ、自分の考えに偏った一方的な発言ばかりで、相手の立場になって考えることができない。障害が疑われるのはどれか。  

1: 遂行機能

2: 行動制御

3: 社会的認知

4: 注意の選択性

5: プライミング

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、統合失調症患者の症状からどの障害が疑われるかを問うています。選択肢の中で社会的認知が他者の意図や性質を理解する能力を含む精神活動であり、統合失調症患者で障害されやすいため、正解は3となります。
  • 遂行機能は、計画を立てたり、それを実行したり、修正したりという複雑な過程を含む機能で、注意や記憶、言語、行為などを統合させて前頭葉を中心に働かせる機能です。しかし、この患者の症状は遂行機能の障害とは関係がありません。
  • 行動制御は、ある目標のために自己の行動を制御する機能です。この患者の症状は行動制御の障害とは直接関係がないため、正解ではありません。
  • 社会的認知は、他者の意図や性質を理解する人間としての能力を含む、対人関係の基礎となる精神活動であり、統合失調症患者で障害されやすい。この患者は、相手の立場になって考えられず、自分の考えに偏った一方的な発言をしていることから、社会的認知の障害が疑われるため、正解は3です。
  • 注意の選択性は、複数の刺激の中からターゲットのみを選択する能力です。この患者の症状は注意の選択性の障害とは関係がないため、正解ではありません。
  • プライミングは、先行した学習や記憶課題が後続の別の学習や記憶課題の成績に無意識的に影響を与えることです。この患者の症状はプライミングの障害とは関係がないため、正解ではありません。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第54回午後:第96問

統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。  

1: 考想伝播

2: 作為体験

3: 妄想気分

4: 妄想知覚

5: 連合弛緩

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状は、妄想気分です。妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。
  • 考想伝播は、自分の考えが他人に伝わると感じるもので、作為思考の一つです。この症状では、患者は自分の考えが他人に知られていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 作為体験は、自我意識の能動性が障害され、自分の思考・感情・行動が他人や外部の作用により支配されていると認識する症状です。患者は自分の行動が他者によって操作されていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。この症状は、統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状で正しい選択肢です。
  • 妄想知覚は、正常な知覚がある場合に、それに対して突然了解不可能な特別な意味付けがなされ、それが強く確信されるものです。この症状では、患者は特定の知覚に対して異常な意味を見出しますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 連合弛緩は、患者の話はだいたいわかるがまとまりがない状態で、思考を構成する概念の間に関連性が乏しい症状です。この症状では、患者の話が支離滅裂になりますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第28問

36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第46回午前:第48問

うつ状態の作業療法における留意点で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 生活に関連する活動を行う。

2: 気分転換の方法を検討する。

3: 社会適応のための耐性を高める。

4: 病前に得意だったことを優先する。

5: 他者との競争を作業に取り入れる。