40歳の女性。長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。離脱症状が治まり、作業療法が開始された。作業療法士の支援で適切なのはどれか。
1: SSTを実施する。
2: 他者との協調行動を促す。
3: 酒害に関する心理教育を行う。
4: 作業療法士への依存は容認する。
5: 作業に対する頑張りを強化する。
45歳の男性。アルコール依存症。最近連続飲酒となり、今回、極度の疲労感を自覚し、希望により入院した。入院後、離脱症状を示した。離脱症状で誤っているのはどれか。
1: 睡眠障害
2: 幻視
3: 昏迷
4: 手指振戦
5: 発汗
39歳の男性。アルコール依存症。前回退院後に連続飲酒状態となり、妻からの依頼で2回目の入院となった。入院の際、妻からお酒をやめないと離婚すると告げられた。離脱症状が治まるのを待って作業療法が開始された。用意されたプログラムには自ら欠かさず参加し、特に運動プログラムでは休むことなく身体を動かしていた。妻には「飲酒による問題はもう起こさないので大丈夫」と話している。この患者に対する作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。
1: 運動プログラムを増やす。
2: さらに努力を続けるよう伝える。
3: 支持的に接し、不安が示されたら受け止める。
4: 離婚されないためということを動機付けに用いる。
5: 過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおく。
45歳の男性。アルコール依存症。家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい、翌日に強い罪悪感を覚えることが増えている。反省して飲酒を減らそうとしたがうまくいかなかった。このままではいけないと思い、精神科を受診した。患者は妻の強い希望を受け入れて、しぶしぶ入院治療を受けることにした。治療プログラムの1つとして作業療法が処方された。初回の面接で、患者は、断酒しなければならないのはわかるが、コントロールして飲みたいという気持ちもあると述べた。治療への動機付けの目的で、面接の中で取り上げるべき話題として最も適切なのはどれか。
1: 妻との関係
2: 作業療法の必要性
3: 飲酒による身体的な問題
4: 断酒について迷っている気持ち
5: ストレス発散のための飲酒の必要性
老年期アルコール依存症の作業療法導入時の留意点で適切でないのはどれか。
1: 身体機能の評価を行う。
2: 記銘力障害の有無を確認する。
3: 合併症の有無を確認する。
4: 疲れやすい作業は避ける。
5: 工程の細かな作業を導入する。
アルコール関連問題に対する二次予防はどれか。
1: 入院による治療
2: 中学校や高等学校でのアルコール教育
3: 未成年が酒類を入手しづらくする環境作り
4: 病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見
5: 断酒会やAA〈Alcoholics Anonymous〉などの自助グループへの参加推奨
アルコール依存症の治療について正しいのはどれか。
1: 本人や家族に対する心理教育が有効である。
2: 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。
3: Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。
4: 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。
5: 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。
アルコール依存症の離脱症状として誤っているのはどれか。
1: 微小妄想
2: 睡眠障害
3: けいれん発作
4: 発汗
5: 幻視
50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。この患者の行動で予想されるのはどれか。
1: 円滑な対人関係
2: 共感的な感情表出
3: 柔軟な判断
4: 高い目標設定
5: 熟慮した上での行動
50歳の男性。アルコール依存症。大学を卒業後、就職したころから飲酒が始まる。転勤で一人暮らしになってから飲酒量が増加し、仕事もやめ昼夜問わずに飲み続けるようになった。その後、精神科病院を受診し入退院を繰り返す。主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた。作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが、退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう。何とかしてほしい」と話す。この患者の心理状態として最も適切なのはどれか。
1: 否 認
2: 共依存
3: 両価性
4: 自己中心
5: 刹那主義
アルコール依存症患者の自助グループ活動で適切なのはどれか。
1: 体験を共有する。
2: 半年間で終了する。
3: 身体機能訓練に主眼を置く。
4: 医師の指導の下で行われる。
5: 週1回の参加が決められている。
アルコール依存症患者との関わりで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 本人の行動には指示的に接する。
2: 焦燥感の表出には受容的に接する。
3: 身体機能の評価を行う。
4: 個人的な要求を優先する。
5: 作業量の調節は本人に任せる。
アルコールによる精神障害に関連がないのはどれか。
1: 幻覚
2: 妄想
3: せん妄
4: 健忘
5: 解離
離脱症状が消退して間もないアルコール依存症の患者に対する作業療法で最も優先される目標はどれか。
1: 家族関係の改善
2: 基礎体力の回復
3: 対人技能の獲得
4: 自助グループへの参加
5: ストレス対処行動の獲得
アルコール依存症に対する作業療法評価で適切でないのはどれか。
1: 身体機能
2: 巣症状
3: ストレス耐性
4: 対人行動パターン
5: 作業遂行能力
57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。退院前の作業療法施行時に、泣き出すなど情緒不安定になった。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: 支持的な態度で患者の訴えを聴いた。
2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。
3: 作業終了後、情緒不安定になった事を主治医に報告した。
4: 退院後の生活への不安が情緒不安定の原因と本人に告げた。
5: 今後も患者の行動に注意することを他のスタッフと確認した。
50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。当面の身体活動の負荷量で適切なのはどれか。
1: 2 METs
2: 4 METs
3: 6 METs
4: 8 METs
5: 10 METs
アルコール依存症に関連した症状でないのはどれか。 ア.観念奔逸イ.作話ウ.振戦せん妄エ.けいれん発作オ.強迫行為
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
36歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒をしていた。昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、薬物療法と作業療法で症状は安定した。主治医から退院を勧められた後、作業療法場面で泣き出すなど情緒不安定になった。この患者への対応で適切でないのはどれか。
1: 支持的な態度で患者の訴えを聞いた。
2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。
3: 情緒不安定になったことを作業終了後に主治医へ報告した。
4: 作業療法終了後も行動観察をした。
5: 作業療法の実施回数を増やした。
精神作用物質使用による精神障害について正しいのはどれか。
1: 幻覚が必発する。
2: アルコールは耐性を生じない。
3: モルヒネは身体依存を生じる。
4: 医薬品によるものは含まれない。
5: 急激な精神作用物質の摂取で離脱症状が生じる。