56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎エックス線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。頸椎・頸髄の病変について誤っているのはどれか。
1: 前縦靭帯の骨化
2: 後縦靭帯の骨化
3: 頸椎の脱臼骨折
4: 頸髄内の損傷像
5: 椎体の骨棘形成
78歳の女性。脳梗塞の右片麻痺。発症後3か月経過。右上肢のBrunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ。感覚障害はない。徐々に上肢の関節拘縮が進んできた。患者の車椅子座位の写真を示す。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 手関節屈筋にTENSを行う。
2: 速い他動運動で筋の伸張を行う。
3: 肘屈曲型アームスリングを装着する。
4: 上腕二頭筋に温熱を加えて伸張する。
5: 手関節伸展用の動的スプリントを装着する。
55歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、在宅療養中。現在、座位時間は1日4~5時間。車椅子の駆動はかろうじて可能。夫と息子は自宅の一角で自営業を営んでいる。仕事の忙しい時間帯はヘルパーを頼んでいる。患者の話す声は、かろうじて聞き取れる程度である。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 四肢の関節可動域訓練
2: モビールを吹く呼吸筋強化
3: ブロックでつまみ動作の訓練
4: 治療用パテで手指の筋力維持
5: 紙ヤスリで感覚再教育訓練
78歳の女性。自宅玄関で転倒してから起立歩行不能となり救急搬送された。来院時の単純エックス線画像を示す。最も考えられるのはどれか。
1: 股関節脱臼
2: 大腿骨頸部骨折
3: 大腿骨骨頭骨折
4: 大腿骨転子下骨折
5: 大腿骨転子部骨折
75歳の女性。交通事故により受傷。救急搬送時のエックス線写真を示す。遠位骨片を短縮転位させる主な筋はどれか。
1: 中殿筋
2: 小殿筋
3: 腸腰筋
4: 上双子筋
5: 大腿直筋
生後4か月の乳児。健診で股関節の異常を指摘された。来院時に右股関節の開排制限を認めたため、股関節のエックス線単純検査を行った。股関節の図を示す。臼蓋角はどれか。
1: a
2: b
3: c
4: d
5: e
30歳の女性。断端長25%残存の左前腕切断。肘関節が屈曲30°に制限されている。屈曲運動を補い、腹部前面での両手動作を可能にするため能動義手を作製する。ソケットと肘継手の組合せで正しいのはどれか。
1: 差し込み式前腕ソケット ――――― 倍動肘ヒンジ継手
2: 前腕用スプリットソケット ―――― 倍動肘ヒンジ継手
3: ノースウエスタン式前腕ソケット ― 能動単軸肘ヒンジ継手
4: ミュンスター式前腕ソケット ――― 軟性たわみ式継手
5: ミュンスター式前腕ソケット ――― 能動単軸肘ブロック継手
86歳の女性。軽度の左変形性膝関節症のため杖歩行であったが、ADLは自立していた。突然の右上下肢筋力低下と構音障害とが出現し、歩行不能となったため発症後1時間で緊急入院した。意識は清明で軽度の筋力低下を認めた。入院後2時間で筋力は徐々に元の状態まで改善し、発語も正常となった。頭部MRIとMRAとに明らかな異常を認めなかった。抗凝固薬の調整のため入院を継続した。この患者への介入方針で適切なのはどれか。
1: 入院後3日間はベッド上安静とする。
2: 嚥下障害が疑われるので禁食とする。
3: 両下肢筋力増強訓練が必要である。
4: 歩行訓練は7日目から開始する。
5: 持久性トレーニングは14日目から開始する。
頸髄損傷者(第6頸髄節まで機能残存)が肘での体重支持を練習している姿勢の写真(別冊No. 5)を別に示す。この練習の目的動作はどれか。2つ選べ。ア.寝返りイ.上着の着脱ウ.足上げ動作エ.ズボンの着脱オ.ベッド上での移動
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
75歳の女性。日常の買物は独歩で外出していたが、階段で転倒し歩行不能になった。大腿骨頸部内側骨折と診断され、骨セメントを使用した人工骨頭置換術が施行された。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 術直後の関節可動域訓練は股関節内転を避ける。
2: 術翌日から大腿四頭筋の等尺性筋力増強訓練を行う。
3: 合併症がなければ術後1週以内に立位訓練を開始する。
4: 部分荷重1/3開始と同時に階段昇降訓練を開始する。
5: 術前後を通して呼吸機能の維持・向上を図る。
70歳の女性。左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時、手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した。理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 右膝関節の自動屈伸訓練
2: 左膝関節の他動屈伸訓練
3: 両足関節の自動底背屈訓練
4: 右大腿四頭筋の等張性収縮訓練
5: 左下肢伸展位挙上訓練(SLR訓練)
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と基本軸の組合せで正しいのはどれか。
1: 肩甲帯挙上 ― 肩峰を通る床への垂直線
2: 肩側方挙上 ― 両側の肩峰を結ぶ線
3: 肩水平伸展 ― 肘を通る前額面への垂直線
4: 肘屈曲 ― 肘を通る床への垂直線
5: 手掌屈 ― 橈 骨
22歳の男性。外傷性頸髄損傷後6か月経過。ダニエルスらの徒手筋テストは、肘関節屈曲5、肘関節伸展2、手関節屈曲1、手関節伸展4、手内筋0、下肢0。ベッドへの移乗が自立したので、図の車椅子に患者を座らせて、屋内で使用する車椅子を検討した。適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 背もたれを肘台と同じ高さまで低くした。
2: 駆動輪の車軸を20 cm後方に移した。
3: 駆動輪を14インチに変更した。
4: 足台をスウィングアウト式に変更した。
5: ブレーキをトグル式に変更した。
56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。
1: リズム音を用いた歩行訓練
2: 体幹筋のストレッチ訓練
3: 呼吸リハビリテーション
4: 下肢の筋力増強訓練
5: 環境整備
56歳の女性。関節リウマチ。足部の写真を示す。この写真にみられる変形はどれか。2つ選べ。
1: スワンネック変形
2: ボタンホール変形
3: Z状変形
4: 内反小趾
5: 外反母趾
50歳の女性。外傷性頸髄損傷。筋力は左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋4、長橈側手根伸筋4、橈側手根屈筋1、手指伸筋4、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0であった。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: 第5頸髄節
2: 第6頸髄節
3: 第7頸髄節
4: 第8頸髄節
5: 第1胸髄節
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。最近、「箸が使いにくい」と訴えるようになった。上肢機能の維持を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 陶芸の菊ねりによる上肢筋力の維持
2: 機織りの整経による上肢可動域の維持
3: 銅板細工による協調運動の維持
4: 革細工のカービングによる手指筋力の維持
5: クロスステッチ刺繍による手指巧緻性の維持
68歳の女性。発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ。上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。肘伸展を誘発するための作業療法で適切でないのはどれか。
30歳の男性。スキーで転倒して受傷した。エックス線写真を示す。肩脱臼整復後に肩関節内転・内旋位で固定されたが、上腕の外側上部に感覚鈍麻を訴えた。合併症の神経麻痺はどれか。
1: 腋窩神経
2: 肩甲上神経
3: 肩甲下神経
4: 尺骨神経
5: 正中神経
30歳の女性。左上腕切断(短断端)。図のような能動義手を選択した。この義手を使用して可能な動作はどれか。
1: ドアノブを回す。
2: 綿棒で耳かきをする。
3: 30 kgの米袋を持ち上げる。
4: エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ。
5: 包丁操作のときに野菜を押さえる。