第38回午前第82問の類似問題

第50回午前:第17問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。この患者の回復指標として適切なのはどれか。  

1: 億却さを訴える。

2: 発語が減少する。

3: 退屈感を訴える。

4: 異常体験を訴える。

5: 作業手順が混乱する。

第54回午後:第96問

統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。  

1: 考想伝播

2: 作為体験

3: 妄想気分

4: 妄想知覚

5: 連合弛緩

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状は、妄想気分です。妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。
  • 考想伝播は、自分の考えが他人に伝わると感じるもので、作為思考の一つです。この症状では、患者は自分の考えが他人に知られていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 作為体験は、自我意識の能動性が障害され、自分の思考・感情・行動が他人や外部の作用により支配されていると認識する症状です。患者は自分の行動が他者によって操作されていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。この症状は、統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状で正しい選択肢です。
  • 妄想知覚は、正常な知覚がある場合に、それに対して突然了解不可能な特別な意味付けがなされ、それが強く確信されるものです。この症状では、患者は特定の知覚に対して異常な意味を見出しますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 連合弛緩は、患者の話はだいたいわかるがまとまりがない状態で、思考を構成する概念の間に関連性が乏しい症状です。この症状では、患者の話が支離滅裂になりますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第31問

40歳の男性。うつ病。会社員。管理職に昇進後、父方のいとこがうつ状態で自殺したのを契機に、約3か月前から不眠、食欲不振、自信喪失および抑うつ気分を呈し、「仕事をする意欲がわかない。みんなに申し訳ない。」と言い、希死念慮が認められ入院となった。入院後1か月で症状が改善し、退院を目的に作業療法が処方された。作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 簡単で繰り返しのある構成的作業から導入する。

2: 導入時はグループ活動は避ける。

3: 作業量の少ない種目から導入する。

4: 自信をもつよう励ます。

5: 作品完成の目標について話し合う。

第53回午後:第45問

うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴はどれか。2つ選べ。  

1: 多幸的である。

2: 社交的に振る舞う。

3: 物忘れがみられる。

4: 精神運動抑制がみられる。

5: 能力低下に無関心である。

  • 答え:3 ・4
  • 解説:仮性認知症は、うつ状態にある高齢者が認知症の検査に答えるのに時間がかかるなど、あたかも認知症のように見える状態です。うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴として、物忘れがみられる(選択3)と精神運動抑制がみられる(選択4)が正しい選択肢です。
  • 選択1は間違いです。うつ病による仮性認知症患者ではうつ症状があるため、多幸的な様子はみられません。心理検査では投げやりな様子がみられることがあります。
  • 選択2は間違いです。うつ症状のある高齢者は、不安・焦燥感が強いうえ、心気的になりやすく、身体的愁訴が多いため、社交的に振る舞うことはありません。貧困・罪業・心気妄想や被害妄想などの精神病症状を伴うこともあります。
  • 選択3は正しいです。うつ病による仮性認知症では、記憶障害や遂行機能障害をみとめることがあります。これは、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択4は正しいです。うつ症状による情報処理の速度低下により、一時的に応答時間が遅くなることがあります。これは精神運動抑制の症状の一つであり、うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴の一つです。
  • 選択5は間違いです。仮性認知症は、認知症とは異なり、自らの能力に対する認識が著しく低下していることはありません。むしろ、うつ状態により、能力低下を憂いていることがある。認知検査の時は「わかりません」「ああ、こんなこともわからなくなった」といった発言のように、能力低下を自覚できます。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第92問

境界型人格障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 個別面接は患者の要求に応じて随時行う。

2: 作品作りを通して依存欲求を満たす。

3: 自傷行為がみられたら担当者を交代する。

4: 攻撃行動がみられたら解釈して患者に説明する。

5: 表現活動を通し衝動発散を促す。

第48回午前:第47問

神経症性障害の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 集団行動を優先する。

2: 感情表現の機会をもつ。

3: 症状出現の理由を言語化させる。

4: アンビバレンツな言動を指摘する。

5: 身体化症状が増える場合は中止する。

第50回午後:第40問

うつ状態の患者の作業療法中にみられる訴えはどれか。  

1: 「考えが次々に浮かんできます」

2: 「考えが声になって聴こえます」

3: 「考えが他人に知られます」

4: 「考えが全く浮かびません」

5: 「考えが急に止められます」

第41回午前:第91問

神経症性障害患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 心気症を示す患者では、レクリエーションや運動を促す。

2: 不安発作を示すときは、作業の中断を考慮する。

3: 過剰な不安を抱くときは、作業量を増やす。

4: 身体表現性障害では、身体機能改善を優先する。

5: 自己評価が低いときは、達成しやすい作業に変更する。

第46回午後:第18問

22歳の男性。統合失調症。作業療法の開始後、しばらくして「周りの人が自分の悪口を言っている気がする」と訴えてきた。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 訴えを助長しないよう聞き流す。

2: 個室に移動させ、作業を継続させる。

3: 休憩を取り入れ、周りの人たちの様子を観察させる。

4: 勘違いであることを説明し、気にしないよう説得する。

5: 周りの人たちに、悪口を言ったかどうかを1人ずつ確認する。

第37回午前:第89問

器質性精神障害患者の作業療法で適切なのはどれか。  

1: 他の患者との交流は避ける。

2: 変化のある作業種目を選択する。

3: 誤った言動は理論的に正す。

4: 作業の誤りはまとめて訂正する。

5: 楽しみの要素を取り入れる。

第52回午後:第45問

うつ病患者の作業療法で適切な作業活動はどれか。  

1: 中断が容易なもの

2: 疲労感を自覚しにくいもの

3: 他者との優劣が分かりやすいもの

4: 複雑で完成すると達成感が得られるもの

5: 病前に到達していた水準と現在を比較できるもの

第45回午前:第44問

他の世代のうつ病に比べ、老年期うつ病に特徴的なのはどれか。  

1: 焦燥感

2: 意欲減退

3: 易刺激性

4: 日内変動

5: 精神運動制止

第40回午前:第89問

神経性無食欲症患者の作業療法場面でみられないのはどれか。  

1: 過活動

2: 過剰適応

3: 強迫的なこだわり

4: 対人交流の希薄さ

5: 評価に対する無関心

第42回午前:第87問

気分障害(うつ病)の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 工程がはっきりとした作業

2: 短時間で完成できる作業

3: 非競争的な作業

4: 病前に得意だった作業

5: 受身的な作業

第40回午前:第87問

不潔恐怖のある強迫性障害患者が作業療法場面で見せる特徴で適切でないのはどれか。  

1: 予定通り行われることにこだわる。

2: 他の人が触れたものを避ける。

3: 手順に間違いがないか確認する。

4: 作業療法士に手洗いを要求する。

5: 自分のこだわりに無自覚である。

第36回午前:第99問

神経症性障害の作業療法場面でみられないのはどれか。  

1: 注意転導

2: 過換気症候群

3: 解離症状

4: 演技的行動

5: 強迫行為

第46回午後:第39問

神経症性障害患者の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 心気症状への傾聴が重要となる。

2: 転換症状がある場合は行わない。

3: 強迫症状に対しては反復作業を用いる。

4: 不安発作が完全に消失するまで行わない。

5: 離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。

第45回午前:第83問

障害受容に至る心理状態で誤っているのはどれか。  

1: 否定

2: 保続

3: 後悔

4: 悲嘆

5: 葛藤

第50回午後:第49問

心因性のけいれん発作を繰り返す患者への対応で適切なのはどれか。  

1: 叱咤激励する。

2: 心理検査を提案する。

3: 作業療法への参加を中止する。

4: その都度プログラムを変更する。

5: ストレス状況について話し合う。

第45回午後:第44問

うつ病患者の作業療法でみられやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: 1. 責任感の低下

2: 2. 評価への無関心

3: 3. 几帳面な取り組み

4: 4. 手順と段取りの混乱

5: 5. 仕上がりへのこだわり