精神分裂病(統合失調症)の陰性症状はどれか。
1: 体感幻覚
2: 思考化声
3: 被害妄想
4: 感情鈍麻
5: 作為体験
43歳の女性。うつ病。半年前に子供が1人暮らしを始めてから気分が落ち込み、布団で寝たままでいることが増えた。家事を夫が行うようになると、「夫に迷惑をかけている自分は生きている価値がない」と口にするようになり、夫に連れられ精神科クリニックを受診した。服薬治療が開始され、症状が改善してきたため外来作業療法が処方された。導入時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
1: スケジュール表に従った参加を促す。
2: 枠組みのある構成的作業を導入する。
3: 患者が作製した作品について賞賛する。
4: 意欲の低下が認められても作業遂行を促す。
5: 体調とともに気分も改善するため心配ないと励ます。
50歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 退職を勧める。
2: 気晴らしを勧める。
3: 十分な休息を勧める。
4: 自信回復のために激励する。
5: 集団認知行動療法を導入する。
45歳の男性。左上下肢のしびれで初発し、視力障害・呼吸困難・四肢麻痺など多彩な症状の寛解と増悪を繰り返した。MRI画像で脳脊髄の白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 関節可動域運動
2: 呼吸理学療法
3: 筋力増強
4: ハバードタンク浴
5: 車椅子指導
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
35歳の男性。急性心筋梗塞で入院中。合併症はなく、現在、室内で2分程度ゆっくり歩くことを許可されている。この時期の患者の活動で適切でないのはどれか。
1: 入浴する。
2: 室内便器を利用する。
3: 立位で体重測定を行う。
4: ソファーで新聞を読む。
5: 近親者と短時間面会する。
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
78歳の女性。左片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅲ及び下肢Ⅳ。高次脳機能障害あり。要介護2。娘と2人暮らしであるが、日中、自宅で1人で過ごす時間があるため、回復期リハビリテーション病棟退院後、通所リハビリテーションを受けることとなった。通所リハビリテーションの目標として優先順位が低いのはどれか。
1: 家事動作の自立
2: 着衣動作の自立
3: 歩行能力の改善
4: 排泄動作の自立
5: 立位保持能力の改善
アルツハイマー型認知症患者の作業療法場面でみられないのはどれか。
1: 語間代によるコミュニケーションの低下
2: まだら認知症による作業能力の低下
3: 記銘力低下による作業手順の混乱
4: 失見当識による作業時間の間違い
5: 人格変化による孤立化
28歳の女性。精神科クリニックで境界型人格障害と診断され精神療法と薬物療法を受けていた。母親と口論となり睡眠薬を大量に摂取して自殺を図った。意識回復後、希死念慮を認めるために精神科に入院となった。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: パラレルな場での個人作業療法を行う。
2: 参加する時間帯を自由にする。
3: 刃物やはさみの使用を禁止する。
4: 家族関係について聞く。
5: 自信が持てる作業を行わせる。
75歳の女性。1か月前に脳梗塞右片麻痺を発症した。ブルンストローム法ステージは上肢II・手指II・下肢III。現在のADLは次のとおりである。整容は自立。食事、着替え、車椅子・ベッド間の移乗、トイレ動作、歩行は部分介助。排便、排尿とも失禁はない。階段昇降と入浴は全介助である。Barthel indexは何点か。
1: 15点
2: 30点
3: 45点
4: 60点
5: 75点
47歳の男性。幼少期からクラスメートとの喧嘩が絶えず、しばしば担任から注意を受けていた。中学校卒業後、暴行と傷害とで少年院に2回の入院歴、刑務所に4回の服役歴がある。最後の出所後、クリーニング工場に勤めたが、同僚への暴言によるトラブルをきっかけに飲酒量が増加し、飲食店で他の客と口論になって刃物を持ち出して逮捕された。その後、連続飲酒状態を繰り返すようになり、アルコール依存症と肝障害との診断を受けて入院した。作業療法では他の患者の発言に反応して威圧的な態度をとることが多く、指摘しても問題を感じている様子がない。合併するパーソナリティ障害として考えられるのはどれか。
1: 強迫性パーソナリティ障害
2: 境界性パーソナリティ障害
3: 回避性パーソナリティ障害
4: 自己愛性パーソナリティ障害
5: 反社会性パーソナリティ障害
87歳の女性。脳卒中による重度の右片麻痺。回復期リハビリテーション病棟に入院中。座位での基本動作は自立。認知機能は保たれている。短下肢装具と4点杖で5 mまでは自力での歩行が可能。介助があればT字杖で20 m程度の歩行は可能。ここ2か月は状態に大きな変化はみられない。最近、介護老人保健施設への退院が決まった。退院後の生活上の移動手段で実用的なのはどれか。
1: T字杖を使用した介助歩行
2: 4点杖を使用した自力歩行
3: 4点杖を使用した介助歩行
4: 手すりを利用した自力歩行
5: 車椅子
67歳の男性。脳卒中による左片麻痺。発症後3か月経過。下肢のブルンストローム法ステージはIII。分離運動を促通するパターンとして適切なのはどれか。
80歳の女性。脳血管障害発症後5年、要介護2。杖歩行は自立しているが、転倒予防を目的に通所リハビリテーションでの理学療法が開始された。転倒リスクの評価として適切なのはどれか。
1: FBS
2: KPS〈Karnofsky performance scale〉
3: PGCモラールスケール
4: SIAS
5: WCST
被害妄想が持続し自宅に閉じこもることで安定している慢性期の統合失調症患者に対する訪問作業療法として適切な支援はどれか。
1: 外出の促し
2: 家事行為の指導
3: 近所づきあいの指導
4: 本人が困っていることの傾聴
5: 内服薬の種類についての話し合い
85歳の女性。多発性脳梗塞。2年前大腿骨転子間骨折。T字杖歩行をしていたが、最近、転倒がみられるようになった。また、痴呆が出現し声かけをしないと歩行をしなくなり、ベッドに臥床することが多くなった。介護者である嫁の要請があり訪問による理学療法を開始した。理学療法および指導で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の等尺性筋力強化訓練
2: 介助歩行とその指導
3: 廊下に手すりを設置
4: ポータブルトイレへの移乗訓練
5: 屋外用車椅子の貸与
52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での目標で優先度の低いのはどれか。
1: 自ら作業療法士に相談することができる。
2: 他患の作業に協力することができる。
3: 大グループに参加することができる。
4: 身体的回復を優先することができる。
5: 欠席の理由を伝えることができる。