55歳の男性。突然のめまいを自覚し、歩行困難を呈したため搬送された。頭部MRIのTI強調像を示す。みられる所見はどれか。
1: JCSⅢ-100
2: 左顔面の痛覚低下
3: 左上肢の小脳失調
4: 右上肢の運動麻痺
5: 左下肢の深部感覚低下
発症早期の多系統萎縮症で頻度が低いのはどれか。
1: 認知症
2: 尿失禁
3: 動作緩慢
4: 起立性低血圧
5: 姿勢反射障害
26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。
1: 余暇活動
2: 集団内行動
3: 金銭管理能力
4: 作業遂行能力
5: 交通機関の利用
46歳の女性。知的障害。IQは75。23歳で結婚したが数か月で離婚。実家に戻ったが家出を繰り返し、家では易刺激的、多量に飲水をするようになり入院。退院後も大量服薬したり、相手かまわず電話をする。また、1日に40~50本喫煙し、ボヤを起こし再入院した。入院後2か月目に社会性の向上を目的に作業療法が処方された。作業中10~20分ごとにタバコを吸う。自分のタバコがなくなると他患者にねだり作業が進まない。このときの対応で適切なのはどれか。
1: 喫煙を全面禁止する。
2: 他患者から苦情がきたら禁煙する。
3: 持ってくるタバコの本数を増やす。
4: 吸う本数を他患者の前で決める。
5: 作業療法士の前で喫煙を許可する。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。意識は清明。Brunnstrom法ステージは上下肢、手指いずれもIである。飲水でひどくむせている。この時期に行う作業療法で適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 嚥下障害に対して間接訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
45歳の男性。統合失調症。自宅で単身生活をしている。精神症状は安定しているが、買い物に行くときを除き自宅に引きこもっている。週3回のヘルパーによる食事のサービスと惣菜による食事摂取をしている。偏食と間食が多く、身長167 cm、体重92 kgと肥満である。最近の血液検査の結果、脂質異常症と診断された。訪問作業療法における健康管理支援として適切なのはどれか。
1: 自炊を目指した調理訓練を提案する。
2: 抗精神病薬の変更を主治医に提案する。
3: 入院による生活リズムの改善を提案する。
4: 買い物はスタッフが代行することを提案する。
5: 散歩やストレッチなどの運動を取り入れることを提案する。
70代の女性。Alzheimer型認知症の診断を受けデイケアを利用しながら自宅で生活を続けている。独歩での移動は可能であるが、屋外では道に迷う。IADLは全介助である。感情のコントロールができなくなり、デイケア施設職員に文句を言ったり介護に抵抗することもある。この患者に特徴的にみられる症状や障害で正しいのはどれか。
1: 幻 視
2: 人格変化
3: 意識混濁
4: 不全片麻痺
5: 視空間認知の障害
45歳の男性。統合失調症。25年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。
1: ICFモデル
2: 作業適応モデル
3: 人間作業モデル
4: ストレングスモデル
5: CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉
75歳の男性。糖尿病でインスリン療法中。胸部不快感で受診した。半年前と今回の心電図を示す。今回発症したと考えられる病態はどれか。
1: 狭心症
2: 心筋梗塞
3: 心房細動
4: 房室ブロック
5: 心室性期外収縮
46歳の男性。アルコール依存症。以前から大酒家で、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)及び肝機能障害を指摘されていた。出張先で連続飲酒状態になり、家族と会社嘱託医師の勧めでアルコール専門病棟に初めて入院した。離脱症状が治まって1週後、作業療法を開始することになった。作業療法参加時の観察事項として適切でないのはどれか。
1: 飲酒要求による無断外出
2: 睡眠不足による注意力散漫
3: 肝機能障害による易疲労感
4: フラッシュバックによる幻覚
5: 末梢神経障害による歩行障害
63歳の男性。健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた。職場で突然倒れ病院に搬送された。重度構音障害と重度左片麻痺とが認められた。発症2日目のMRIを写真に示す。意識状態は徐々に改善し、左上下肢の動きも出現した。2週後にワルファリンカリウムの投与が開始された。この患者の心電図として可能性の高いのは①~⑤のどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
45歳の男性。統合失調症。20年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認・文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。
1: ICFモデル
2: 人間作業モデル
3: ストレングスモデル
4: 脆弱性-ストレスモデル
5: CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉
85歳の女性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。入院後、意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を示す。今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。
1: 拮抗失行
2: 左右失認
3: 運動性失語
4: 社会的行動障害
5: 左半側空間無視
64歳の女性。右利き。脳梗塞。約1か月前に左大脳に発症。現在は聴覚理解に問題はないが、発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少なく、発語の際には多大な努力を要している。四肢の麻痺はみられない。この患者への対応として正しいのはどれか。
1: 患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する。
2: 患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。
3: 医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える。
4: コミュニケーションエイドを導入する。
5: 患者にメモをとるように指導する。
45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 運動保続
2: 失読失書
3: 地誌的失見当
4: 半側空間無視
5: 道具の強迫的使用
40歳の男性。うつ病。会社員。管理職に昇進後、父方のいとこがうつ状態で自殺したのを契機に、約3か月前から不眠、食欲不振、自信喪失および抑うつ気分を呈し、「仕事をする意欲がわかない。みんなに申し訳ない。」と言い、希死念慮が認められ入院となった。入院後1か月で症状が改善し、退院を目的に作業療法が処方された。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 簡単で繰り返しのある構成的作業から導入する。
2: 導入時はグループ活動は避ける。
3: 作業量の少ない種目から導入する。
4: 自信をもつよう励ます。
5: 作品完成の目標について話し合う。
65歳の女性。左被殻出血。発症後4日。ベッドサイドでの作業療法が開始された。JCS(Japan Coma Scale)はⅠ‐1だが問いかけに対する返答に間違いが多い。初回の作業療法評価として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: STEF
2: 関節可動域測定
3: 三宅式記銘力検査
4: カナダ作業遂行測定(COPM)
5: Brunnstrom法による運動検査
70歳の男性。身長170 cm、体重54 kg。肺気腫による慢性呼吸不全で在宅酸素療法を行っている。自宅での生活指導として正しいのはどれか。
1: 下肢の筋力強化を行う。
2: 体重を増やさないように食事制限を行う。
3: 息切れがない時は酸素投与の必要はない。
4: 息を吸いながら階段を昇り、息を吐く時には立ち止まる。
5: 1日のエネルギー消費量を減らす。
75歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し救急車で搬入された。発症翌日に症状の悪化を認めた。発症3日目の頭部MRIの拡散強調像を示す。最も出現しやすい症状はどれか。
1: 片麻痺
2: 失語症
3: 運動失調
4: 嚥下障害
5: 視野障害
68歳の女性。右脳梗塞発症7日目。重度の左片麻痺を認めた。意識は清明。高次脳機能障害は認めない。3 ccの水飲みテストで呼吸切迫がみられた。嚥下造影検査で、嚥下時に軽度の不顕性誤嚥と嚥下後の左咽頭残留を認めた。食事自立に向けた摂食・嚥下の直接訓練で正しいのはどれか。
1: 水から始める。
2: むせを誤嚥の指標とする。
3: 座位姿勢は垂直座位で始める。
4: 頭部を伸展位に保持する。
5: 頸部を左回旋位とする。