50歳の男性。多発性硬化症の再燃で入院加療中。四肢の痙性麻痺と運動失調とがみられる。立位保持は可能だが、Romberg徴候は陽性。神経症状が安定したため理学療法が開始された。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: 筋のストレッチングを行う。
2: 早期に歩行補助具を作製する。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 運動失調に対して重錘を負荷する。
5: 筋力低下に対して1RMで筋力増強を行う。
70歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。車椅子からベッドへの移乗は介助バーを使用して1人で何とか可能である。初回評価時の車椅子からベッドへの移乗場面において、ベッド、車椅子、介助バー及び作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
70歳の男性。15年前の脳出血による右痙性片麻痺。右尖足に対して機能的電気刺激を行うこととした。刺激部位として適切なのはどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルの脊髄損傷で四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位の保持と手すりを使用した立ち上がり動作は可能。食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守りが必要。衣服の着脱は介助があれば行える。自宅内は手すり歩行で移動し、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
我が国の外傷性脊髄損傷で誤っているのはどれか。
1: 女性より男性に多い。
2: 年齢分布は2峰性を示す。
3: 交通事故が最大の原因である。
4: 若年者の場合、5年生存率は50%程度である。
5: 高齢者では対麻痺より四肢麻痺が多い。
17歳の女子。転換性障害。高校1年の2学期終了前にボーイフレンドと別れてから欠席がちとなり、頭痛、肩こり、無気力を訴えた。進級後も欠席が多く大学病院を受診したが、症状の改善がみられず2か月入院した。入院中に手首を切ったことがある。その後、復学したが教室で頻回に倒れ再入院となった。復学を目的に作業療法が処方された。作業に気乗りしないと頭痛を訴え、難しいと依存的になる。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 訴えを聞き作業を休ませる。
2: 復学を条件に作業を続ける。
3: 難しいところは療法士が手伝う。
4: 患者とルールを決めて作業を行う。
5: 患者の希望した作業を行う。
脳卒中後の左片麻痺患者の生活環境を整えることとした。ベッドとポータブルトイレの位置で適切なのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
重度の片麻痺を生じた脳梗塞患者に対する急性期の理学療法で正しいのはどれか。
1: 立位練習には装具を用いない。
2: 非麻痺側の筋力増強運動は行わない。
3: 神経症候の増悪がなければ離床練習を開始する。
4: 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない。
5: 安静時に収縮期血圧が140 mmHgを超えている場合は実施しない。
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で適切でないのはどれか。
1: 前開きシャツは健側肢から着る。
2: 導入時にはニットのかぶり型上衣を用いる。
3: 長めのループ付きタオルで背中を洗う。
4: トイレ横壁のL字型手すりを使って移乗する。
5: 車椅子を健側上下肢で操作する。
65歳の男性。脊髄小脳変性症。四肢の企図振戦があり、起立および歩行は可能であるが、方向転換ではバランスを崩しやすい。適切な運動療法はどれか。
1: 棒体操
2: ロフストランド杖による4点歩行
3: 手拍子のリズムに合わせた歩行
4: ボール上座位バランス
5: モンキーウォーク
25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者への作業療法で適切でないのはどれか。
1: 社会的な役割の体験
2: 試行錯誤の作業体験
3: 作業援助を受ける体験
4: 作業活動による成功体験
5: 自己肯定感を高める体験
25歳の男性。20日前にオートバイ事故で搬入され、びまん性軸索損傷と診断された。意識は清明。物事の優先順位をつけて行動できず、1つの事にこだわってしまう。この患者の状態を適切に評価できるのはどれか。
1: 標準高次視知覚検査(VPTA)
2: BIT(Bihavioral Inattention Test)
3: 改訂版標準高次動作性検査(SPTA-R)
4: WCST(Wisconsin Card Sorting Test)
5: AMPS(Assessment of Motor and Process Skills)
右延髄外側の脳梗塞で認められるのはどれか。
1: 右顔面の温痛覚障害
2: 右顔面神経麻痺
3: 右上斜筋麻痺
4: 右片麻痺
5: 左小脳性運動失調
歩行障害がある患者の頭部MRIのT1強調冠状断像を示す。腰椎穿刺を行い髄液を排出させたところ、歩行障害が改善した。最も考えられるのはどれか。
1: Parkinson病
2: 正常圧水頭症
3: 脳梗塞
4: 脳出血
5: 慢性硬膜下血腫
60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
実用性歩行が可能な脳卒中患者に対する維持期理学療法で最も期待できる効果はどれか。
1: 麻痺の重症度の改善
2: 下肢痙縮の改善
3: 感覚障害の改善
4: 持久力の向上
5: 認知症の改善
62歳の女性。脳梗塞発症後3日目。早期の離床とADL獲得を目標に作業療法が開始された。初回の訪室時、目を閉じていたが呼びかけると開眼した。発語は聞き取れるが内容に一貫性がみられない。運動の指示に応じた動きは見られず、四肢は屈曲する傾向がある。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍は98/分、不整脈は認めず、血圧140/98 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%であった。問いかけへの返答があいまいで自覚症状を十分に聴取できなかったため、主治医に確認した上で、リハビリテーションの中止基準(日本リハビリテーション医学会による)を遵守することを前提に離床させることとなった。作業療法開始後、中止する必要があるのはどれか。2つ選べ。
1: 脈拍が140/分を超えたとき
2: 不整脈が出現したとき
3: 拡張期血圧が110 mmHgとなったとき
4: 収縮期血圧が170 mmHgとなったとき
5: SpO2が95%になったとき
81歳の女性。多発性脳梗塞と心不全を併発したため入院した。日中に家族がいるときはしっかりしているが、夜間には「大きな声を出す」、「窓から外に出ようとする」、「服を脱ぐ」などの行為が見られるようになった。この患者の病態で考えられるのはどれか。
1: 昏迷
2: せん妄
3: 多幸症
4: 不安発作
5: 抑うつ状態
脳卒中片麻痺患者にみられる症状で転倒と関連が少ないのはどれか。
1: 痴呆
2: 深部感覚障害
3: 夜間せん妄
4: 視空間失認
5: 失語症
23歳の女性。交通事故による頸髄損傷。受傷後6か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋3(Fair)、手関節背屈筋3(Fair)、手関節屈筋0、体幹筋0、下肢筋群0であった。この患者の車椅子動作で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ