躁状態の患者への作業療法を行っているときの特徴として誤っているのはどれか。
1: 集中力に乏しい。
2: 依存心が高まる。
3: 関心が拡散する。
4: 干渉が多い。
5: 脱線しやすい。
68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。開始時の作業活動で適切なのはどれか。
1: 籐細工
2: 園 芸
3: 音楽鑑賞
4: 絵 画
5: 文化刺繍
統合失調症の作業療法で、患者が最も混乱しやすいのはどれか。
1: 担当者の識別
2: 作業の手順
3: 活動の時間
4: 作業の場所
5: 道具の用途
20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。
1: 身体表現性障害
2: 気分変調性障害
3: 統合失調感情障害
4: 演技性パーソナリティ障害
5: 境界性パーソナリティ障害
36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
18歳の女性。統合失調症。高校入学後成績が低下して不登校となり、自室に閉居しがちとなったため入院した。入院後3か月経過。時折、院内を徘徊しているが、日中は自室に閉じこもりがちである。この時点で作業療法が処方された。導入期に利用する作業種目で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.簡単な構成的作業イ.軽い身体運動ウ.創造的作業エ.肉体労働的作業オ.ゲーム・競争的作業
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
せん妄に関して誤っているのはどれか。
1: 意識障害である。
2: 日内変動がある。
3: 健忘症状を伴う。
4: 非可逆的である。
5: 睡眠障害を伴う。
統合失調症の回復期前期における作業療法の目的で適切なのはどれか。
1: 服薬自己管理の援助
2: 身辺処理能力の回復
3: 対人交流技能の改善
4: 就労に向けた援助
5: 社会資源利用の援助
26歳の女性。躁病。雑誌の編集員。昼夜が逆転し、職場では同僚や上司に無遠慮な言動が目立ち始めた。日常行動もまとまりに欠けてきたので入院した。入院後1か月で落ち着き始め、職場復帰に向けて作業療法が開始された。開始時の評価内容で適切でないのはどれか。
1: 集中力の程度
2: 自我機能
3: 疲労度
4: 対人関係のパターン
5: 集団適応力
統合失調症患者の退院直後の訪問時評価で優先度が高いのはどれか。
1: 服薬管理
2: 行動範囲
3: 対人交流
4: 金銭管理
5: 余暇活動
40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この症例に出現しない症状はどれか。2つ選べ。
1: 精神運動抑制
2: 観念奔逸
3: 連合弛緩
4: 罪業妄想
5: 希死念慮
統合失調症の回復期前期での目標について適切なのはどれか。
1: 現実生活への移行
2: 施設内生活の自立
3: 生活の質の向上
4: 生活技能の改善
5: 社会への参加
作業療法中にみられるてんかん患者の発作症状でないのはどれか。
1: 虚空を注視する。
2: 強い執着性を示す。
3: 眼球が共同偏向する。
4: 突然に会話を停止する。
5: 急に立ち上がって歩きまわる。
高齢患者の特徴で誤っているのはどれか。
1: 症状が非定型的である。
2: 精神症候を伴いやすい。
3: 合併症を伴いやすい。
4: 検査所見での個人差が少ない。
5: 予後に心理社会的要因が影響しやすい。
せん妄について正しいのはどれか。
1: 急性に発症する。
2: 日内変動を伴わない。
3: 若年者が発症しやすい。
4: 重度の意識混濁を伴う。
5: 環境因子の影響を受けない。
メタボリックシンドロームの改善を目的とした統合失調症患者の評価で優先すべきなのはどれか。
1: 睡眠状態
2: 対人関係
3: 入浴状況
4: 認知機能
5: 服薬内容
統合失調症回復期前期の作業療法で優先して考慮するのはどれか。
1: 社会性
2: 疲労度
3: 就労準備性
4: 対人依存性
5: 作品の完成度
65歳の女性。元来、几帳面な性格だが友人も多く活動的に過ごしていた。3か月前に、自宅のリフォームを契機に、早朝覚醒、食思不振、抑うつ気分や意欲低下が生じ、友人とも会わないようになった。自宅で自殺を企図したが未遂に終わり、1か月前に家族が精神科を受診させ、即日医療保護入院となった。単独散歩はまだ許可されていないが、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあり、病棟での軽い体操プログラムへの参加を看護師から勧められて、初めて参加した。この時点での患者に対する作業療法士の関わりで適切でないのはどれか。
1: 必要に応じて不安を受け止める。
2: 過刺激を避けながら短時間で行う。
3: 具体的体験により現実感の回復を促す。
4: 参加各回の達成目標を明確にして本人と共有する。
5: 薬物療法の副作用が生じていないかアセスメントする。
32歳の女性。統合失調症。デイケアに通所しているが、いつも人を避けるように過ごしていることが多い。スタッフが面談の中でその理由を尋ねると「会話をしていると、途中から何を話しているのか分からなくなります。それが恐くて人と話をする自信がないです」と訴えた。この患者の症状の評価で最も適切なのはどれか。
1: GAF
2: BADS
3: WCST
4: Rehab
5: BACS-J
疾患と治療法との組合せで適切なのはどれか。
1: 認知症 - 催眠療法
2: 人格障害 - 森田療法
3: 統合失調症 - 回想法
4: 気分障害 - 認知行動療法
5: 発達障害 - 自律訓練法