70歳の女性。上腕骨近位端骨折後の肩関節拘縮に対して作業療法を開始した。訓練の翌日に「昨夜は肩が痛くて眠れませんでした」と訴えた。作業療法士の対応で共感的態度はどれか。
1: 「私の治療法が悪かったとお考えなのですか」
2: 「肩の炎症が痛みの原因であると考えられますね」
3: 「昨日が訓練の初日だったから痛かったのでしょう」
4: 「痛みで眠れないということは大変つらかったでしょうね」
5: 「痛み止めの薬を出してもらえるよう医師に相談しますね」
上腕骨顆上骨折後の作業療法で正しいのはどれか。
1: 固定期は、固定関節以外も安静に保つ。
2: 固定期は、上肢下垂位のポジショニングに努める。
3: 固定除去直後は、前腕の重さを利用して肘関節の可動域訓練を行う。
4: 固定除去2週後から、2 kgの重錘を用いて肘関節の持続伸張を行う。
5: 固定除去4週目で肘関節拘縮が残存する場合は、強い矯正を加える。
62歳の女性。転倒により骨折した。固定期間中に非固定部の関節可動域訓練を行う際、適切でないのはどれか。
1: 固定後早期から開始する。
2: 可動域検査は上肢全体を行う。
3: 自動運動を原則とする。
4: 骨折部を固定して行う。
5: 骨折部の痛みがあっても続ける。
20歳の男性。交通事故による大腿骨骨幹部骨折。キュンチャー釘による内固定術後1週目である。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 大腿部の筋リラクセーション
2: 極超短波による温熱療法
3: 足関節自動運動
4: 大腿四頭筋の等尺性収縮
5: 健側に行うPNF
25歳の男性。交通事故による大腿骨骨幹部骨折で閉鎖髄内釘による骨接合術を受けた。2週間経過したが患部に痛みがある。痛みに対する物理療法で適切でないのはどれか。
1: バイブラバス
2: ホットパック
3: アイスパック
4: 極超短波
5: 超音波
左肩関節脱臼骨折後3か月の患者の両手の写真を示す。左手に、他動的に動かされると増強する強い疼痛がある。この患者への対応で適切でないのはどれか。
1: 低出力レーザー照射
2: 間欠的機械的圧迫
3: 温冷交代浴
4: 超短波照射
5: 渦流浴
65歳の男性。右大腿骨骨幹部骨折。プレート固定術後3週経過。右股関節拘縮がみられる。可動域増大を目的として超音波療法を施行した。誤っているのはどれか。
1: 1MHzの周波数を使用する。
2: 導子の速度は1~2 cm/秒である。
3: 照射面積は導子面積の約4倍である。
4: 2W/cm2の強度で行う。
5: 治療面に対し導子を垂直に当てる。
55歳の女性。関節リウマチ。発症後3年。Steinbrocker(スタインブロッカー)のステージIII、クラス3、環軸椎間に亜脱臼がある。両肩肘の可動域制限は著明である。両手関節に運動時疼痛がある。作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 関節可動域訓練は関節炎があるときも通常量で継続する。
2: 手関節可動域訓練は訓練後疼痛が残らない程度に行う。
3: 頭頸部の屈筋の筋力強化を行う。
4: 等尺性収縮を利用した運動で上肢の筋力維持を図る。
5: 革細工のカービングで手指の巧緻性を高める。
25歳の男性。交通事故による脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。頸椎脱臼骨折の観血整復固定術後4日目。多発性肋骨骨折を合併し呼吸管理を行っている。早期理学療法で誤っているのはどれか。
1: タッピングによる排痰訓練を行う。
2: 肩関節の自動介助運動を行う。
3: 肩関節の可動域訓練は屈曲90°までに留める。
4: ベッドアップでの頭部挙上訓練を行う。
5: 下肢の他動運動を行う。
35歳の男性。生来健康であった。転倒し右肘頭骨折を受傷した。術後のエックス線写真(A、B)を示す。骨折部や全身の状態は良好である。この患者の作業療法で最も注意すべき合併症はどれか。
1: 偽関節
2: 変形治癒
3: 遷延治癒
4: 異所性骨化
5: Sudeck骨萎縮
20歳の男性。肩関節の疼痛を訴えている。図に示した状態から手背を腰部から離すように指示したところ、離すことができなかった。筋力低下が疑われるのはどれか。
1: 棘下筋
2: 棘上筋
3: 肩甲下筋
4: 小円筋
5: 上腕二頭筋
8歳の男児。転んで左手をつき、橈骨遠位部の若木骨折と診断され、副子による3週間の外固定が行われた。固定除去時のエックス線写真(A、B)を示す。手関節には可動域制限が残存している。この時点で行う物理療法で適切でないのはどれか。
1: 渦流浴
2: 赤外線
3: 超音波
4: ホットパック
5: パラフィン浴
18歳の男性。事故による第6頸椎脱臼骨折。受傷後3か月経過。筋力は、肩関節屈曲・伸展・外転筋ともにほぼ5(Normal)、肘関節屈筋5(Normal)、肘関節伸筋4(Good)であったが、手指屈筋・伸筋ほぼ0、体幹筋0、下肢筋0であった。感覚は体幹・下肢で脱失していた。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: 第4頸髄節
2: 第5頸髄節
3: 第6頸髄節
4: 第7頸髄節
5: 第8頸髄節
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重が可能となっているが、足関節の背屈制限が残存している。関節可動域訓練前の物理療法で適切でないのはどれか。
1: ホットパック
2: パラフィン浴
3: 極超短波
4: 渦流浴
5: 超音波
18歳の男性。事故による第6頸椎脱臼骨折。受傷後3か月経過。筋力は、肩関節屈曲・伸展・外転筋ともにほぼ5(Normal)、肘関節屈筋5(Normal)、肘関節伸筋4(Good)であったが、手指屈筋・伸筋ほぼ0、体幹筋0、下肢筋0であった。感覚は体幹・下肢で脱失していた。この患者で誤っているのはどれか。
1: 不全四肢麻痺である。
2: 自律神経過反射が起きやすい。
3: コップの把持は可能である。
4: 自己導尿は可能と予測される。
5: 車椅子とベッド間の移乗は自立可能と予測される。
75歳の女性。右大腿骨頸部骨折による人工関節置換術後2週で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。初回訓練時での作業療法士の発言で適切でないのはどれか。
1: 「こんにちは。○○花子さんですか。担当する作業療法士の◇◇太郎と申します」
2: 「ご自宅で転んで右脚の付け根の骨を骨折して、大きな手術を受けられたと聞きましたが、本当に大変でしたね」
3: 「手術を受けてから2週間が過ぎましたが、右股関節拘縮と筋力低下のために歩行障害を起こしているのですね」
4: 「今日は右足の力を強くして、バランスをよくするために立ち上がりと輪投げを行います。関節に痛みを感じたりお疲れになりましたら、遠慮せずにおっしゃってください」
5: 「今日はこのくらいで終了といたします。明日はもう少し楽しくできる種目を考えようと思いますので、ご趣味などについてお聞かせください」
20歳の男性。大学生。バイク事故を起こし、脛骨骨幹部開放骨折を受傷。3週後髄内釘による骨接合術を受けた。3か月後、創は治癒したが、骨折部に痛みがあり、遷延癒合の状態である。スニーカーで通学するための部分荷重ができる装具で適切なのはどれか。
橈骨遠位端骨折の作業療法で正しいのはどれか。
1: 固定中は肩関節の自動運動を行う。
2: 手指の自動運動は固定除去後に開始する。
3: 骨癒合後早期にスポーツを訓練課題に取り入れる。
4: 浮腫がある場合は上肢を動かさないように指導する。
5: 固定除去後の手関節の自動運動は1日に1回1時間行う。
35歳の女性。右上腕切断・標準断端。受傷後2か月経過。仮義手による肘継手操作訓練中、ロックがかかり難い現象がみられた。原因を解明するための評価項目で適切でないのはどれか。 ア.ロック、アンロック操作時の肩の運動イ.ソケットの適合ウ.肘コントロールケーブルの走行エ.ベースプレートの取りつけ位置オ.操作効率
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重となっているが、背屈制限が著しく、外果周囲に組織の肥厚と癒着がある。他動的関節可動域訓練前の物理療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: アイシング
2: 水温36℃の渦流浴
3: 連続波で1 MHzの超音波療法
4: 2,450 MHzの極超短波療法
5: 51℃のパラフィン浴