25歳の男性。交通事故による頚髄損傷。受傷後8か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋 4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋0、手関節背屈筋4(Good)、手関節屈筋0、下肢筋群0であった。この患者の移乗動作の自立を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
75歳の男性。糖尿病により右下腿切断。義足歩行練習時に右膝の膝折れを起こしそうな不安定感を訴えた。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 初期屈曲角が過大である。
2: 初期内転角が不足している。
3: 右股関節の屈曲可動域制限がある。
4: 右膝関節の伸展筋力が低下している。
5: ソケットが足部に対し後方に位置しすぎている。
40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 痙性歩行の改善
2: 下肢の筋力増強
3: 胸部絞扼感の軽減
4: 上肢の感覚障害の改善
5: 骨盤底筋群の筋力増強
筋萎縮性側索硬化症でみられる機能障害はどれか。2つ選べ。
1: 知能障害
2: 視野障害
3: 嚥下障害
4: 呼吸障害
5: 感覚障害
56歳の女性。10年前に多発性硬化症と診断され、3回の入院歴がある。1年前からベッド上で生活している。1週前から、飲み込みの悪さ、左下肢の脱力感およびしびれの増強を感じるようになった。夕方になると軽度の発熱がある。2週に1度の在宅理学療法で訪問した際に優先すべき対応はどれか。
1: 全身の保温を促す。
2: 腹式呼吸の指導を行う。
3: 下肢の筋力増強訓練を行う。
4: 直接嚥下訓練を家族に指導する。
5: 現状を把握し主治医に連絡する。
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。
59歳の女性。脳梗塞発症2週目。左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢III・手指IV・下肢III。重度の感覚障害と左半側空間無視を認める。上肢の分離運動がわずかに出現してきたが、左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた。理学療法では、立位と歩行訓練が開始された。この時期の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 左上肢の疼痛に対してホットパック
2: 左上肢の随意性向上のためのサンディング
3: 歩行訓練時のアームスリング装着指導
4: プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5: 左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢筋力はMMTで近位筋4、遠位筋3である。下肢は内反尖足位であるが歩行可能。最近、手指の疲労があり食事がしにくくなったと訴えている。この患者の食事での対応で適切なのはどれか。
1: 吸口付コップを用いる。
2: 食事支援ロボットを用いる。
3: ユニバーサルカフを用いる。
4: 食器をターンテーブルに置く。
5: ポータブルスプリングバランサーを用いる。
50歳の女性。左椎骨動脈解離によるWallenberg症候群で3週経過した。四肢に麻痺と高次脳機能障害はないが、摂食嚥下障害があり経鼻経管栄養が開始された。嚥下造影では咽頭収縮不良による左側咽頭通過障害を認め、唾液を常にティッシュで拭っている状態である。発熱はなく、呼吸状態は安定している。この患者への対応で正しいのはどれか。
1: 間接訓練は禁忌である。
2: 頸部左回旋して嚥下する。
3: 間欠的経管栄養の適応はない。
4: 垂直座位で唾液の誤嚥を防ぐ。
5: 頸部の筋力訓練は禁忌である。
20歳の男性。運動時に膝関節痛を訴える。実施した検査を図に示す。この検査で陽性となった。疑うべき病態はどれか。
1: 外側側副靱帯損傷
2: 後十字靱帯損傷
3: 前十字靱帯損傷
4: 内側側副靱帯損傷
5: 半月板損傷
58歳の男性。歩行時のふらつきを訴えて受診した。歩隔はやや広いが左右方向は安定しており、前後方向への振り子様の歩容がみられる。検査結果を表に示す。協調運動改善のための理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによるペダリング運動
2: rhythmic stabilization
3: 下肢筋群の持続的伸張
4: Frenkel体操
5: Epley法
35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 上腕部のアイシング
2: 手関節背屈の抵抗運動
3: Engen型把持装具の使用
4: 手指・手関節の他動伸展運動
5: コックアップ・スプリントの使用
筋萎縮性側索硬化症にみられるのはどれか。
1: 筋固縮
2: 痛覚脱失
3: 測定異常
4: 線維束攣縮
5: 筋の仮性肥大
20歳の男性。第4・5腰椎椎間板ヘルニア。L5神経根障害により筋力低下を示す筋と図に示す感覚障害領域との組合せで正しいのはどれか。
1: 前脛骨筋-A
2: 長指伸筋-B
3: 腓腹筋-B
4: 前脛骨筋-C
5: 長指伸筋-C
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
63歳の男性。健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた。職場で突然倒れ病院に搬送された。重度構音障害と重度左片麻痺とが認められた。発症2日目のMRIを写真に示す。意識状態は徐々に改善し、左上下肢の動きも出現した。2週後にワルファリンカリウムの投与が開始された。この患者の心電図として可能性の高いのは①~⑤のどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
75歳の男性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部MRIを示す。この患者で認められないと考えられるのはどれか。
1: 嚥下障害
2: 感情失禁
3: 小刻み歩行
4: 認知機能低下
5: 左側弛緩性麻痺
44歳の女性。1か月前から腰痛および左下肢痛を訴える。腰椎MRIの矢状断像(A)と水平断像(B)とを示す。なお、水平断像は矢状断像で最も所見がある椎体間の高位のものである。この患者にみられる所見はどれか。
1: 左下腿内側の感覚障害
2: 左足部の感覚障害
3: 左大腿四頭筋の筋力低下
4: 右下腿外側の感覚障害
5: 右長母指伸筋の筋力低下
50歳の男性。多発性硬化症の再燃で入院加療中。四肢の痙性麻痺と運動失調とがみられる。立位保持は可能だが、Romberg徴候は陽性。神経症状が安定したため理学療法が開始された。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: 筋のストレッチングを行う。
2: 早期に歩行補助具を作製する。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 運動失調に対して重錘を負荷する。
5: 筋力低下に対して1RMで筋力増強を行う。
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、下肢Ⅳ。座位にて、肘関節伸展位で肩関節90°屈曲運動を指示したところ、屈曲共同運動パターンがみられた。この患者で促通すべき筋はどれか。
1: 棘下筋
2: 広背筋
3: 大菱形筋
4: 上腕二頭筋
5: 上腕三頭筋