Brunnstrom法ステージの検査において、ステージと可能な随意運動の組合せで正しいのはどれか。
1: 手指Ⅲ――座位で不十分な全指伸展
2: 上肢Ⅲ――座位で肩関節内転・肘関節伸展・前腕回内
3: 下肢Ⅲ――座位で膝関節屈曲位で踵を床につけたまま足関節背屈
4: 下肢Ⅳ――立位で股関節伸展位での膝関節屈曲
5: 下肢Ⅴ――立位で股関節外転
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。発症10日目に数分の端座位保持が可能となったが、立位保持は介助でかろうじて可能であった。この時点で適切な治療計画はどれか。2つ選べ。
1: 頸部右回旋位を徒手的に矯正する。
2: 左上肢を意識させる。
3: 左下肢をナイトブレースで固定する。
4: 左下肢への荷重を促す。
5: 電動車椅子操作の訓練を行う。
疾患と歩行指導との組合せで適切でないのはどれか。
1: 痙直型両麻痺-ロフストランド杖
2: 脊髄小脳変性症-松葉杖
3: デュシェンヌ型筋ジストロフィー-バネ付き長下肢装具
4: シャルコー・マリー・トゥース病-短下肢装具
5: 慢性関節リウマチ-四輪型歩行器
50歳の女性。慢性関節リウマチでスタインブロッカーのステージIII、クラスII。発症後2年経過。両膝に外反変形、両外反母趾がある。両手関節の痛みは強く、腫脹もあるが、平行棒内での歩行は可能。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 関節保護
2: 靴インサートの製作
3: 体幹伸筋群を中心とした筋力増強
4: 低い椅子からの立ち上がり訓練
5: 歩行器での歩行訓練
85歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77歳の妻。左手でT字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
1: 寝室をB(客室)に変更する。
2: ベッドの頭の向きを逆にする。
3: トイレの扉を内開きに変更する。
4: 屋外スロープは1 cmの立ち上がりをつける。
5: 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
ブルンストローム法ステージが上肢、手指ともにIVの片麻痺患者に対する分離運動の促進を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
1: 外転方向へのサンディング
2: 低い位置での両手によるスタンプ押し
3: 両手による籐のかご編み
4: 横つまみを使ったペグ移動
5: 肘伸展位でのブロック移動
Brunnstrom法ステージと可能な運動との組合せで正しいのはどれか。
1: 上肢ステージIII-肘関節屈曲位で前腕回内回外
2: 上肢ステージIV-肘関節伸展位で肩関節外転
3: 手指ステージIV-指腹つまみ
4: 下肢ステージIII-背臥位で下肢伸展挙上
5: 下肢ステージIV-座位で膝関節屈曲
85歳の女性。多発性脳梗塞。2年前大腿骨転子間骨折。T字杖歩行をしていたが、最近、転倒がみられるようになった。また、痴呆が出現し声かけをしないと歩行をしなくなり、ベッドに臥床することが多くなった。介護者である嫁の要請があり訪問による理学療法を開始した。理学療法および指導で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の等尺性筋力強化訓練
2: 介助歩行とその指導
3: 廊下に手すりを設置
4: ポータブルトイレへの移乗訓練
5: 屋外用車椅子の貸与
86歳の女性。脳梗塞による左片麻痺、発症後1年半が経過した。ADLは介助すればおかゆなどの調理食を食べる以外は全介助、ドーナツ型の枕を使用してベッド上で臥床している。全身の筋萎縮、筋短縮と関節拘縮を著明に認める。退院時に介護保険を利用してベッドやマットを準備したが、体圧分散マットのような特殊マットは利用していない。作業療法士が自宅訪問したときのベッド上での肢位を示す。褥瘡予防と姿勢保持のために背臥位でポジショニングを行う。クッションを置く部位で正しいのはどれか。
1: 後頸部
2: 肩甲骨背面
3: 腰背部
4: 右大転子部
5: 両大腿内側
65歳の女性。左片麻痺。短下肢装具と杖で歩行が可能。発症後6か月経過し自宅に帰ることになった。家屋改造で適切でないのはどれか。
1: ①:玄関の上がりかまちに踏み台を置く。
2: ②:便器に向かって左側に手すりを設置する。
3: ③:浴室出入り口の右側に手すりを設置する。
4: ④:浴槽の向かって左側にトランスファーボードを置く。
5: ⑤:自室の出入り口を引き戸にする。
17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。
2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。
3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。
4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。
5: 外泊訓練を試みる。
28歳の男性。脊髄完全損傷。両側に長下肢装具を使用し、平行棒内歩行練習を行っている。歩行パターンを図に示す。機能残存レベルはどれか。
1: Th1
2: Th6
3: Th12
4: L4
5: S1
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
22歳の男性。外傷性頸髄損傷後6か月経過。ダニエルスらの徒手筋テストは、肘関節屈曲5、肘関節伸展2、手関節屈曲1、手関節伸展4、手内筋0、下肢0。ベッドへの移乗が自立したので、図の車椅子に患者を座らせて、屋内で使用する車椅子を検討した。適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 背もたれを肘台と同じ高さまで低くした。
2: 駆動輪の車軸を20 cm後方に移した。
3: 駆動輪を14インチに変更した。
4: 足台をスウィングアウト式に変更した。
5: ブレーキをトグル式に変更した。
45歳の女性。遠位型ミオパチー。下肢筋力低下が徐々に進行し両側の下垂足を認める。最近つまずいて転倒することや捻挫することが多くなり装具を検討し歩行の改善を目指すことになった。下肢筋力を表に示す。最も適切な装具はどれか。
1: PTB短下肢装具
2: 足関節軟性装具
3: スウェーデン式膝装具
4: 金属支柱付き長下肢装具
5: プラスチック短下肢装具
34歳の男性。交通事故による脳外傷。救急入院後10日目。頭部MRI検査でびまん性軸索損傷および左前頭部の脳挫傷を認める。JCS(Japan coma scale)は、現在は20に回復しているが、呼吸状態は不安定。左上下肢には随意運動を認めるが、四肢に著しい痙縮を認め、上肢は屈曲位、下肢は伸展位の姿勢をとることが多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: 脳卒中右片麻痺と同様の回復を示すと予測する。
2: 尖足予防のため夜間装具を用いる。
3: 訓練前に意識状態、呼吸状態を確認する。
4: 体位を調整して四肢筋緊張の緩和を図る。
5: 立位訓練を進める。
Brunnstrom法ステージと評価との組合せで誤っているのはどれか。
1: 上肢ステージIV-手を腰の後ろへ回すことが可能
2: 上肢ステージV-腕を頭上まで挙上可能
3: 手指ステージV-球にぎりが可能
4: 下肢ステージIV-座位でかかとを床につけたまま、足関節の背屈可能
5: 下肢ステージV-座位で足を床上に滑らせながら、膝屈曲90゚以上可能
左片麻痺患者。Brunnstrom法ステージ下肢V。正常な反応を引き出す方法として適切なのはどれか。2つ選べ。
6歳の痙直型両麻痺児。平行棒内での歩行を練習中。注意すれば踵を接地して歩けるが、足部外反扁平位と膝関節屈曲位とになりやすい。短下肢装具の処方で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 外側ストラップを付ける。
2: アーチサポートを付ける。
3: 半長靴にする。
4: 外側フレアヒールを用いる。
5: 踵を補高する。