45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。
1: 背臥位でのストレッチ
2: 眼球運動による前庭刺激運動
3: 立位での下肢筋力増強
4: 外的リズムに合わせた平地歩行
5: T字杖を使用した応用歩行
6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児が使用する椅子で適切でないのはどれか。
1: 座面は両足底が床につく高さにする。
2: 座面に内転防止のパッドをつける。
3: 背もたれにヘッドレストをつける。
4: 体幹側屈防止のパッドをつける。
5: アームレストで前腕支持を助ける。
脳卒中の早期理学療法で誤っているのはどれか。
1: 上下肢の他動運動は発症当日から可能である。
2: 意識障害がなければ徐々に頭部挙上訓練を行う。
3: 収縮期血圧は100 mmHgを超えないようにする。
4: 脈拍は100/分以下に保つようにする。
5: 悪心などの自覚症状の出現で直ちに中止する。
30歳の女性。外傷性脳損傷。3か月前の追突事故による前頭葉症状が主症状である。運動麻痺は軽微である。簡単な日常会話は可能であるが概念操作などの抽象思考が障害されている。この患者に構成行為評価のためブロックデザイン検査を行った。作業療法導入期としてこの患者に適した治療的活動はどれか。
1: 調理訓練の献立作成
2: 頭文字記憶法を使ってスーパーマーケットで買い物練習
3: 100ピースのジグソーパズル作り
4: 左端に印しを付けた文章の模写
5: トランプのマークによる分類
片麻痺患者の椅子からの立ち上がり訓練で誤っているのはどれか。2つ選べ。 ア.訓練初期には座面の低い椅子を用いる。イ.椅子に深く腰掛けて行う。ウ.体幹の前屈から動作を始める。エ.健側の足を手前に引いてから立ち上がる。オ.立位からゆっくり座ることを行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
球麻痺から発症した筋萎縮性側索硬化症で歩行が可能な患者への対応で正しいのはどれか。
1: 胸郭のストレッチを指導する。
2: 呼吸機能評価を1年に1回行う。
3: 栄養指導は誤嚥を認めてから行う。
4: 早期からプラスチック短下肢装具を導入する。
5: 鉄アレイを用いた上肢筋力トレーニングを指導する。
65歳の男性。Parkinson病。両上肢の振戦、全身のこわばり及びすくみ足現象がある。入院中の薬物療法と運動療法によって室内歩行が可能になったが、転倒の危険がある。退院前指導として適切でないのはどれか。
1: 便所に手すりを設置する。
2: 掛け布団を軽いものに変える。
3: 歩行開始前に柔軟体操を行う。
4: 便座の高さを膝の位置よりも高くする。
5: 床のじゅうたんを柔らかいものに変える。
25歳の男性。20日前にオートバイ事故で搬入され、びまん性軸索損傷と診断された。意識は清明。物事の優先順位をつけて行動できず、1つの事にこだわってしまう。この患者に対する作業療法の活動内容で適切なのはどれか。
1: 工程が反復する活動
2: 他者と行う集団活動
3: 工程が少なく展開が明確な活動
4: 完成まで時間がかかる創作活動
5: 多人数で役割を選択できる活動
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。意識は清明。Brunnstrom法ステージは上下肢、手指いずれもIである。飲水でひどくむせている。この時期に行う作業療法で適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 嚥下障害に対して間接訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
発症後1週経過した脳卒中患者(ブルンストローム法ステージは上肢III、手指IV、下肢IV)の評価で適切でないのはどれか。
1: 病前の機能レベルは機能予後に重要である。
2: 脳圧亢進は生命予後に関連する。
3: 意識障害は高次脳機能症状を分かりにくくする。
4: 移動の予後は車椅子が中心となる。
5: 上肢の機能予後は補助手以上となる。
脳卒中片麻痺の機能障害(impairment)に対する理学療法はどれか。
1: 歩行訓練
2: 関節拘縮の改善
3: 利き手の交換
4: 補装具の使用
5: 環境の改善
脊髄小脳変性症患者で、運動範囲が小さく動作が緩慢な状態に対する運動療法として適切なのはどれか。
1: Frenkel体操
2: 重錘負荷を用いたバランス練習
3: 外的リズム刺激による歩行練習
4: 弾性緊縛帯を装着した協調運動
5: PNFを用いた同時筋収縮の促通
麻痺のない大脳半球損傷患者の病態と検査所見との組合せで適切なのはどれか。
1: 観念運動失行-お茶を入れるまねができない。
2: 観念失行-他者の指の形を模倣できない。
3: 運動維持困難-閉眼で舌を出させると目が開いてしまう。
4: 運動消去現象-感覚刺激に反応して片手を挙上できない。
5: 着衣失行-衣類のボタンやポケットの意味が分からない。
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。
1: 健側上肢を拘束する。
2: 慢性期例は適応とならない。
3: 理学療法士の近位監視下で行う。
4: 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom 法ステージⅡで適応となる。
頸髄損傷(第7頸髄節まで機能残存)患者の車椅子動作で自立困難なのはどれか。
1: ベッドからの側方移乗
2: ベッドからの前方移乗
3: 洋式便器からの移乗
4: 床からの移乗
5: 乗用車からの移乗
46歳の男性。脊髄小脳変性症。最近、歩行が不安定となり、壁を伝うことが多くなってきた。片脚起立は困難。複視と眼振が強く、日常生活でも気分不良となる。理学療法として適切なのはどれか。
1: 継ぎ足歩行
2: Frenkel体操
3: 号令を用いた歩行
4: バランスボードを用いた起立訓練
5: リズミック・スタビリゼーション
痙直型両麻痺児の理学療法において促通すべき運動・反射はどれか。2つ選べ。 ア.背臥位で股関節内転運動イ.座位で股関節内旋運動ウ.座位で骨盤前傾運動エ.立位で下肢相反運動オ.立位で陽性支持反射
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
てんかん患者の作業療法で誤っているのはどれか。
1: 生活技能訓練を行う。
2: 役割に応じた責任を持たせる。
3: 休息のタイミングを習得させる。
4: 視覚刺激の強い作業を導入する。
5: 発作の予兆を把握する。
呼吸器疾患患者へのADL指導で正しいのはどれか。
1: 食事動作:食事台を高くする。
2: 歯磨き動作:肩関節外転位の姿勢を保つ。
3: 上衣の更衣動作:前開きよりもかぶり型の衣服を選択する。
4: 下肢の洗体動作:長柄のブラシを使用する。
5: 洗髪動作:前かがみで洗う。
頸髄損傷完全麻痺者(第6頸髄節まで機能残存)が肘での体重支持を練習している図を示す。この練習の目的動作はどれか。
1: 導尿カテーテル操作
2: ベッド上での移動
3: 足上げ動作
4: 上着の着脱
5: 寝返り