第52回午前第20問の類似問題

第37回午前:第56問

脳卒中片麻痺患者の発症後初期の安静臥床時における患側上肢の肢位で誤っているのはどれか。 ア.側臥位では患側を上にする。イ.背臥位では肩の下に枕を置く。ウ.肘は90゚屈曲位に置く。エ.手は心臓より低い位置に置く。オ.母指は対立位に置く。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第57回午後:第33問

脳卒中による片麻痺Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳの患者における治療について正しいのはどれか。  

1: 緊張性頸反射を利用する。

2: 立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。

3: 長下肢装具使用による歩行訓練を行う。

4: 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う。

5: 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。

  • 答え:2
  • 解説:この問題では、Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳの脳卒中患者における適切な治療方法を選択することが求められています。正しい選択肢は、立位時に麻痺側下肢に荷重を促すことです。
  • 緊張性頸反射を利用する方法は、このケースには適切ではありません。緊張性頸反射は、頸部の筋緊張を利用して運動を促す方法であり、上肢や手指の機能改善には直接的な効果がありません。
  • 立位時は麻痺側下肢に荷重を促すことが正しい治療方法です。これにより、麻痺側下肢の筋力や関節可動域の改善が期待できます。
  • 長下肢装具使用による歩行訓練は、下肢の機能がさらに低下している患者に適用されることが多いため、このケースでは適切ではありません。
  • 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う方法は、筋力の向上を目的とした治療法ですが、このケースでは適切ではありません。上肢の機能改善には、より機能的な運動やタスク指向訓練が適切です。
  • 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる方法は、CI療法と呼ばれますが、このケースでは適切ではありません。CI療法は手指の随意伸展が可能な患者に適用されるため、手指の機能が低下しているこのケースには不適切です。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午後:第89問

分娩麻痺で正しいのはどれか。  

1: 低出生体重児に多い。

2: 下位型は頸部が伸展されて起こる。

3: 頭位分娩による上位型の予後は良い。

4: 頭位分娩では上位型よりも下位型が多い。

5: 両側例は骨盤位分娩よりも頭位分娩に多い。

第38回午前:第81問

脳性麻痺の運動療法で誤っているのはどれか。  

1: 痙直型片麻痺では患側の連合反応を強化する。

2: 痙直型両麻痺では両下肢のキッキング(蹴り運動)を促す。

3: 痙直型四肢麻痺では関節に体重負荷刺激を与える。

4: アテトーゼ型では同一の運動パターンを繰り返し行う。

5: 弛緩型では同時収縮を促すよう刺激を与える。

第56回午後:第19問

8歳の男児。幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。小学校に入学してからは、授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。  

1: 感覚統合療法を実施する。

2: ペアレントトレーニングを実施する。

3: 社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。

4: 学校を訪問して授業の様子を観察する。

5: 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。

  • 答え:5
  • 解説:この男児は注意欠如・多動性障害の特徴的な行動があり、適切な介入が必要です。選択肢1~4は作業療法士が行うべき対応ですが、選択肢5は適切でない対応です。
  • 感覚統合療法は、周囲からの知覚情報を調整して患児の注意欠陥多動に対応する介入法として適しているため、適切な対応です。
  • ペアレントトレーニングは、家族と保護者を対象に、子どもへの肯定的な働きかけと環境調整を学ばせ、保護者の認知を肯定的に修正するものであり、適切な対応です。
  • 社会生活技能訓練〈SST〉は、自分の行動と他者の行動とを比較して、行動のレパートリーを増やしたり修正したりするものであり、適切な対応です。
  • 学校を訪問して授業の様子を観察することは、デイサービスでの作業療法支援計画の参考にできるため、適切な対応です。
  • 担当教員から行動修正を促されるだけでは、男児はどのように行動してよいかわからず、混乱の原因にもなる。適切な介入が必要であるため、選択肢5は適切でない対応です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第52回午後:第42問

Duchenne型筋ジストロフィーについて誤っているのはどれか。  

1: 小学校3~4年では書字動作は保たれる。

2: 小学校高学年ではトイレ動作に介助が必要である。

3: 小学校高学年での歩行消失後は四つ這い生活を積極的に指導する。

4: 小学校高学年から中学校では美術の時間に補助具の工夫が必要である。

5: 中学校から高校ではパソコンの入力装置に工夫が必要である。

第53回午後:第40問

脳卒中後の左片麻痺の患者が車椅子からベッドへの移乗動作を行う際の介助方法として適切なのはどれか。  

1: 装具は外して行う。

2: 車椅子の後方から介助する。

3: 車椅子上で殿部を前方に移動させておく。

4: ベッドに対して車椅子を平行に設置する。

5: ベッドの高さは車椅子の座面より高くしておく。

第39回午前:第98問

脳卒中片麻痺のADL指導で正しいのはどれか。  

1: 前方いざり移動では健側上肢を殿部の前に置く。

2: 歩行用の手すりは引っぱるように誘導する。

3: 便器の高さは車椅子の座面よりも低くする。

4: ベッドは健側が壁側にくるようにする。

5: 椅子からの立ち上がりでは、まず健側足部を引き寄せる。

第46回午前:第9問

78歳の女性。脳梗塞発症後に中等度の左片麻痺を呈した。回復期リハビリテーション病棟を経て自宅での生活に戻っている。現在、家族の促しがあれば1 kmの歩行が可能であるが、日常生活ではあまり外出しない。この患者への理学療法で適切なのはどれか。  

1: トレッドミル歩行

2: 電動車椅子の導入

3: 屋外での歩行練習

4: 左片麻痺の回復促進

5: 不整地でのバランス練習

第43回午前:第25問

56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。 

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1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。

2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。

3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。

4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。

5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。

第37回午前:第39問

11歳の女児。小学5年時の2学期から不登校となった。家から出て行くが校門に近づくと嘔気が出現し、校内に入れない状態が続いた。母親が付き添って登校したが、教室には入れず保健室登校となった。担任教師の依頼で相談医が母親とともに数回面接したのち、作業療法が必要と判断され開始された。作業療法を実施する上で適切でないのはどれか。  

1: 気楽に取り組める作業を選ぶ。

2: 出来栄えをほめる。

3: 作業の進歩を本人に示す。

4: 授業の遅れを取り戻す。

5: 言語的な表現に留意する。

第48回午前:第10問

45歳の女性。2~3年前から上肢の筋力低下の進行と嚥下障害が認められ、筋萎縮性側索硬化症と診断された。現在、上肢の筋力はMMTで肩関節周囲2-、手指筋2、頸部・体幹筋と下肢は3。移動は車椅子介助、車椅子への移乗も軽介助を必要とする。食事はポータブルスプリングバランサーを使用して自立しており、その他のADLは全介助となっている。発声によるコミュニケーションは可能だが、呼吸機能は徐々に低下している。この患者に今後導入が予想されるコミュニケーション機器はどれか。2つ選べ。

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第39回午前:第7問

85歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後8か月。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIII。短下肢装具を自立装着し、T字杖で室内移動は自立。入浴は浴室内移動介助。この患者の福祉用具・住環境指導で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: ベッドは健側を壁側にくるように設置

2: ベッドに立ちあがりバーを設置

3: 浴室内に手すりを設置

4: 浴槽内にバスリフトを設置

5: 玄関に手すりを設置

第56回午前:第4問

7歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィーの患者で、下肢筋力が低下し、椅子からの立上がり、階段昇降ができない。手すりを利用し、5 mほど歩行可能である。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類のステージはどれか。  

1: ステージII

2: ステージIII

3: ステージIV

4: ステージV

5: ステージVI

第55回午前:第20問

32歳の女性。8歳の娘が担任の先生の勧めで1週前に精神科を受診し、注意欠如・多動性障害と診断を受けた。放課後等デイサービスを利用することになり、作業療法士がこの女性と面接したところ「集中力が続かないし、物忘れもひどかったけど、まさか自分の子どもが障害児なんて思っておらずいつも叱っていた。お友達ともうまくいっていない状況が続いており、とても心配していた。これからどうしたら良いでしょうか」と話す。この時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: 娘への不適切な対応を指摘する。

2: 障害の特徴について解説する。

3: 他の障害児の親に会わせる。

4: 障害は改善すると伝える。

5: 不安を受け止める。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、注意欠如・多動性障害と診断された娘を持つ母親が不安を抱えている状況に対して、作業療法士がどのように対応すべきかを問うています。最も適切な対応は、まず母親の不安を受け止めることです。
  • 娘への不適切な対応を指摘することは、母親をさらに精神的に追い詰めることになり、望ましくありません。また、叱ることは母親としての愛情でもあり、これが不適切な対応かどうかはわからないため、この選択肢は適切ではありません。
  • 障害の特徴を解説することは、母親の不安を解消するためには不十分です。母親はすでに娘の特徴をある程度把握しており、現在の不安はそれだけではぬぐえません。まずは母親の気持ちに共感し、不安を受け止めることが重要です。
  • 他の障害児の親に会わせることは、母親が落ち着いてから行うべきです。現在の不安と混乱がある状態では、他のケースの理解は困難であり、この選択肢は適切ではありません。
  • 障害は改善すると伝えることは、作業療法士が行うべきではありません。予後などの診断に関連することは、作業療法士から説明することは避けるべきです。また、注意欠如・多動性障害の症状は徐々に改善することもあるが、完全に改善するという保障はないため、この選択肢は適切ではありません。
  • 不安を受け止めることは、最も適切な対応です。作業療法士が母親の気持ちを受容したことが母親自身で理解できれば、信頼関係を構築するきっかけとなります。まずは母親の不安を受け止め、その後で適切なサポートを提供することが重要です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午前:第37問

5歳のDuchenne型筋ジストロフィー児に認められるのはどれか。2つ選べ。  

1: 指這いでの上肢移動

2: 足関節背屈制限

3: 動揺性歩行

4: 心不全徴候

5: 動脈血二酸化炭素分圧の上昇

第51回午後:第6問

65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 両手で用いたループ付きタオルによる洗体

2: 立位で左手を用いたズボンの引き上げ

3: 両手で頭上の高さの棚に衣類を収納

4: 左手を用いたテーブルの雑巾がけ

5: 両手を用いたタオルたたみ

第56回午後:第1問

正常な小児の背臥位からの立ち上がりプロセスを図に示す。このプロセスを辿る月齢はどれか。 

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1: 8か月

2: 13か月

3: 24か月

4: 30か月

5: 60か月

第49回午前:第5問

30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。このような症状がある時期に適切な作業療法はどれか。  

1: 調理

2: 日記

3: 買い物訓練

4: 職業前訓練

5: 電車乗車訓練

第44回午前:第47問

脳血管障害片麻痺患者の更衣指導で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 靴下は座位ではく。

2: 靴下の着脱の導入はソックスエイドを用いる。

3: 下衣は非麻痺側下肢から先に通す。

4: 前開き式上衣は先に麻痺側の上肢を通す。

5: かぶり式上衣は先に非麻痺側の上肢を通す。