50歳の男性。Parkinson病。4年前から右足のふるえが出現し、抗Parkinson病薬を服用している。ADLは自立し、家事を行うことはできているが、作業に時間がかかるようになった。最近、下り坂の途中で足を止めることができず、前方へ転倒するようになったという。自宅でバランス練習を行うことになった。練習方法として適切なのはどれか。
30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。この患者に行う評価で必要性が低いのはどれか。
1: RBMT
2: 前頭葉機能検査(FAB)
3: Trail making test(TMT)
4: 標準高次動作性検査(SPTA)
5: Mini mental state examination(MMSE)
脳卒中後の左片麻痺患者に対するADL練習として正しいのはどれか。
1: 上衣を右上肢から着衣する。
2: 浴槽に右下肢からまたいで入る。
3: 階段を上るときに左下肢を先に出す。
4: 階段を下りるときに右下肢を先に出す。
5: 車椅子からベッドに移乗するときに左半身をベッドに寄せる。
65歳の男性。Parkinson病。方向転換の不安定性や突進現象を伴う歩行障害が出現し始めた。ADLは動作に制限があるものの自立している。家業である洋裁店を妻や長男夫婦の手助けで行っている。この時点でのHoehn & Yahrの重症度分類ステージはどれか。
1: Ⅰ
2: Ⅱ
3: Ⅲ
4: Ⅳ
5: Ⅴ
25歳の男性。オートバイ運転中に乗用車と接触して頭部を強打し救急搬送され、外傷性脳損傷と診断された。理学療法が開始され2か月が経過した。FIMは92点。基本動作はすべて可能であるが、注意散漫になりやすい。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅵ、下肢Ⅴ、modified Ashworth scale 1、歩行速度は0.9 m/s、functional balance scaleは52点であった。現時点の理学療法で重点的に行う内容はどれか。
1: 痙縮の軽減
2: 平地歩行練習
3: 二重課題練習
4: 分離運動の促通
5: 立位バランス運動
80歳の女性。右大腿骨頸部骨折を受傷。人工骨頭置換術後6か月経過。室内ADLは自立し、在宅療養となった。室内環境整備として適切でないのはどれか。
50歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIであり、ベッド上座位保持が5分間可能となった。この時期のADLとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: トイレでの排泄を誘導する。
2: 食事の際、右手で食器を押さえる。
3: 日中は離床し車椅子に座る。
4: ズボン着脱は背臥位で介助する。
5: 左手で右手の清拭を行う。
70歳の男性。3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し、在宅で治療を行っている。ADLは自立していたが、1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり、歩行の際に一歩めが思うように前に出ず、歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという。在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 両下肢に弾性包帯を装着する。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: 一歩目を小さく前に出すよう指導する。
4: 床にはしご状の目印を付けてまたがせる。
5: かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する。
ADL評価の説明として正しいのはどれか。
1: FIMの項目で3点は中等度介助である。
2: Wee FIMの項目で10点は完全自立である。
3: Barthel Indexで合計50点はセルフケア要監視水準である。
4: 障害老人の日常生活自立度判定基準で、ランクAは自立である。
5: 認知症老人の日常生活自立度判定基準で、ランクⅠは全介助である。
70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。金属支柱付き短下肢装具とT字杖とで病院内歩行が自立した。退院に向けたADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 屋内では短下肢装具を使用しない。
2: 浴槽への出入りは座位移動で行う。
3: 自宅トイレに手すりを設置する。
4: ズボンは立位のまま着脱する。
5: 洗顔は立位で行う。
69歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症から4週が経過。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅲ。移乗とトイレ動作は手すりを使用して自立、車椅子駆動は自立している。歩行は短下肢装具とT字杖を使用して軽介助が必要であり、病棟では車椅子で移動している。病室を図に示す。この患者に適切なのはどれか。
80歳の女性。脳血管障害発症後5年、要介護2。杖歩行は自立しているが、転倒予防を目的に通所リハビリテーションでの理学療法が開始された。転倒リスクの評価として適切なのはどれか。
1: FBS
2: KPS〈Karnofsky performance scale〉
3: PGCモラールスケール
4: SIAS
5: WCST
38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
70代の女性。右利き。脳出血による重度の右片麻痺。長男の家族と同居している。発症後7か月で訪問による作業療法が開始された。初回評価のCOPMの結果を表に示す。適切なのはどれか。
1: 介入後に遂行度と満足度とを再評価する。
2: ADLである入浴から介入を開始する。
3: 麻痺側上肢での調理を実施する。
4: すべて12段階で評価する。
5: 猫の世話は家族に任せる。
図に示す動作を行う脊髄損傷患者について答えよこの患者のADLで正しいのはどれか。
1: 寝返りには手すりが必要
2: 長座位保持には手すりが必要
3: 食事には長対立装具が必要
4: 更衣はズボンを除いて可能
5: 洋式トイレの使用が可能
70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIII。AFOとT字杖とで屋内歩行が自立した。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 自宅室内ではAFOを使用しない。
2: 浴槽への出入りは座位移動で行う。
3: セーターは座位で着脱する。
4: ズボンは立位で着脱する。
5: 洗顔は立位で行う。
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。
脊髄完全損傷の機能残存レベルと到達可能なADLの組合せで誤っているのはどれか。
1: C3 ― 下顎による電動車椅子の操作
2: C7 ― 自助具なしでの書字
3: T1 ― プッシュアップ動作
4: T6 ― 床から車椅子への移乗
5: L2 ― 長下肢装具とクラッチとを用いての歩行
55歳の男性。突然のめまいを自覚し、歩行困難を呈したため搬送された。頭部MRIのTI強調像を示す。みられる所見はどれか。
1: JCSⅢ-100
2: 左顔面の痛覚低下
3: 左上肢の小脳失調
4: 右上肢の運動麻痺
5: 左下肢の深部感覚低下
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。