65歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。診察時のJCSⅢ-200、血圧210/120 mmHg、脈拍90/分であった。搬送時の頭部CTを示す。意識を回復した際に認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 左半側空間無視
2: 右上肢麻痺
3: 左下肢失調
4: 相貌失認
5: 失語症
56歳の男性。発症時に明らかな運動麻痺はないが、歩くとすぐによろけて物につかまっていないと立っていられなくなり、頭部CT検査で脳出血と診断された。頭部CT画像を示す。この患者の頭部CT画像として最も可能性が高いのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
疾患と自助具の組合せで正しいのはどれか。
1: 片麻痺――――――――――ボタンエイド
2: 片側上肢の切断――――――プルトップオープナー
3: 脊髄小脳変性症――――――リーチャー
4: 両側上肢の切断――――――台付き爪切り
5: アテトーゼ型脳性麻痺―――ソックスエイド
急性期脳卒中片麻痺の合併症とその対策との組合せで適切でないのはどれか。
1: 浮腫-弾性包帯
2: 尖足-関節可動域訓練
3: 肺炎-体位排痰法
4: 誤嚥-飲水による嚥下訓練
5: 起立性低血圧-傾斜台
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1: 幻視の訴えを正す。
2: 身体の活動量を減らす。
3: リズムのある反復動作は避ける。
4: 転倒しやすいことを本人に伝える。
5: 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
65歳の女性。左被殻出血。発症後4日。ベッドサイドでの作業療法が開始された。JCS(Japan Coma Scale)はⅠ‐1だが問いかけに対する返答に間違いが多い。初回の作業療法評価として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: STEF
2: 関節可動域測定
3: 三宅式記銘力検査
4: カナダ作業遂行測定(COPM)
5: Brunnstrom法による運動検査
38歳の男性。交通事故による右腕神経叢損傷。肘屈曲を指示したところ、抗重力位では、回外位、中間位、回内位とも自動運動はみられなかった。そのため図のように重力を除いた肢位にしたところ、手関節の伸展、前腕の回内を伴いながら全可動域屈曲した。しかし前腕回外位のままでは肘屈曲ができなかった。この患者の肘屈曲について正しいのはどれか。
1: 上腕二頭筋の筋力は2(Poor)である。
2: 上腕二頭筋の筋力は3(Fair)である。
3: 腕橈骨筋の筋力は3(Fair)である。
4: 除重力位での肘屈曲は主として長橈側手根伸筋で行っている。
5: 除重力位での肘屈曲は主として橈側手根屈筋で行っている。
60歳の男性。仕事中に意識障害を発症したため、救急車で搬入された。緊急手術を行い順調に経過していたが、術後7日目に突然右片麻痺が出現した。入院時の頭部CTを示す。麻痺の原因として最も考えられるのはどれか。
1: 正常圧水頭症
2: 血管攣縮
3: 脳内出血
4: 脳挫傷
5: 脳膿瘍
30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。この患者に行う評価で必要性が低いのはどれか。
1: RBMT
2: 前頭葉機能検査(FAB)
3: Trail making test(TMT)
4: 標準高次動作性検査(SPTA)
5: Mini mental state examination(MMSE)
外傷性の前頭葉損傷による高次脳機能障害の患者に対する動作指導として適切なのはどれか。
1: 床からの起き上がりは、起き上がる方向を次々と変えながら練習する。
2: 歩行では、股・膝・足関節の運動に同時に注意を払うよう指導する。
3: 車椅子操作は、手順を1つずつ確認しながら進めるよう指導する。
4: 動作の手順を間違えた場合は、自分で気付くまで指摘しない。
5: 更衣動作では、上衣と下衣を交互に練習する。
70歳の女性。左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時、手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した。理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 右膝関節の自動屈伸訓練
2: 左膝関節の他動屈伸訓練
3: 両足関節の自動底背屈訓練
4: 右大腿四頭筋の等張性収縮訓練
5: 左下肢伸展位挙上訓練(SLR訓練)
80歳の女性。右利き。脳梗塞急性期の頭部MRI拡散強調像を示す。この患者の症状で考えられるのはどれか。
1: 失行
2: 失語
3: 体幹失調
4: 右片麻痺
5: 左半身の感覚障害
問題6の連続問題28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。 現時点で最も導入を検討すべき装具はどれか。
1: 長対立装具
2: ナックルベンダー
3: IP関節伸展補助装具
4: 母指Z変形用スプリント
5: コックアップ・スプリント
4歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。図のような理学療法を行っている。訓練目的として誤っているのはどれか。
1: 上肢パラシュート反応の促通
2: 股関節内転筋の緊張抑制
3: 股関節伸展筋の促通
4: 体幹伸展筋の促通
5: 膝屈曲筋の促通
20歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。食事の際のフォークの把持と口元へのリーチの場面を示す。この動作が獲得できる頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
1: C5A
2: C6A
3: C6B2
4: C7A
5: C8B
左半側無視の症状がある回復期の左片麻痺患者への生活指導で誤っているのはどれか。
1: 本人の関心があるものを左側に置くようにする。
2: 見落としがちなものはメモする習慣をつける。
3: 鏡を見せて体幹の傾きに気付かせる。
4: 入浴時に左上下肢をしっかりこするようにする。
5: 食事の始めにお盆のふちをたどるようにする。
誤っている組合せはどれか。
1: 脳卒中片麻痺-台付き爪切り
2: 慢性関節リウマチ-ソックスエイド
3: 頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)-トランスファーボード
4: アテトーゼ型脳性麻痺-ボタンエイド
5: 変形性股関節症-リーチャー
17歳の女子。転換性障害。高校1年の2学期終了前にボーイフレンドと別れてから欠席がちとなり、頭痛、肩こり、無気力を訴えた。進級後も欠席が多く大学病院を受診したが、症状の改善がみられず2か月入院した。入院中に手首を切ったことがある。その後、復学したが教室で頻回に倒れ再入院となった。復学を目的に作業療法が処方された。作業療法開始後、1か月経過。作業療法室で突然に転倒することが頻回にあるが、けがはない。転倒時の作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 倒れた状態を確認してそのまま観察する。
2: ベルトをゆるめたり、ボタンをはずしたりして呼吸を楽にする。
3: 抱き起こして意識の有無を確認する。
4: すぐに主治医を呼び手当をしてもらう。
5: 周りの患者に手伝ってもらい別室に運び休ませる。
48歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3。ADLの維持・向上のための指導で誤っているのはどれか。
1: 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
2: 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
3: 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
4: ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
5: 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。
25歳の男性。交通事故による頚髄損傷。受傷後8か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋 4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋0、手関節背屈筋4(Good)、手関節屈筋0、下肢筋群0であった。この患者の移乗動作の自立を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。