44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
1: 頸部:中間位
2: 肩関節:外転位
3: 右前腕:回内位
4: 体幹:軽度屈曲位
5: 膝関節:軽度屈曲位
21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
55歳の男性。トラックの荷台(2 m)から転落して受傷した。来院時の足関節エックス線単純写真(A)及び冠状断CTとCTの模式図(B)を別に示す。保存的に加療したとき、今後最も起こりやすい合併症はどれか。
1: 凹足
2: 踵足
3: 内反尖足
4: 変形性関節症
5: 無腐性骨壊死
65歳の男性。脊髄小脳変性症。四肢の企図振戦があり、起立および歩行は可能であるが、方向転換ではバランスを崩しやすい。適切な運動療法はどれか。
1: 棒体操
2: ロフストランド杖による4点歩行
3: 手拍子のリズムに合わせた歩行
4: ボール上座位バランス
5: モンキーウォーク
55歳の女性。乳癌。ステージⅣ。今回、両下肢の脱力を認めて受診した。腰椎と肋骨の多発病的骨折と診断された。L2以下の不全対麻痺を認め、放射線治療終了後に作業療法開始となった。ベッド上生活で食事以外には介助を要していた。Performance Statusは4である。患者は「足が動かないが、家族と暮らしたい」、家族は「できれば家につれて帰りたい」と希望した。この患者への作業療法について適切なのはどれか。
1: 退院の時期を決定する。
2: 下肢機能訓練は行わない。
3: 福祉用具の適応を検討する。
4: 現時点から積極的な離床を図る。
5: ADL訓練時にはコルセットは装着しない。
32歳の女性。交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存)。上腕能動義手の適合検査で、肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 左肩屈曲の可動域低下
2: 左肩伸展の筋力低下
3: 左肩甲骨下制の筋力低下
4: 右肩甲骨外転の筋力低下
5: 右肩甲帯挙上の可動域低下
23歳の女性。交通事故による頸髄損傷。受傷後6か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋3(Fair)、手関節背屈筋3(Fair)、手関節屈筋0、体幹筋0、下肢筋群0であった。この患者の車椅子動作で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
52歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真を示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
1: 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。
2: 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。
3: 術後翌日から部分荷重を始める。
4: 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。
5: 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。
28歳の男性。交通事故による頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。今日の日付を聞くと、カレンダーを見てようやく答えることができる。病棟と作業療法室の行き来では、今いる場所や行き先が分からなくなるので見守りが必要である。現時点の頭部CTを示す。この患者の状態を評価するのに適切でないのはどれか。
1: TMT
2: MMSE
3: WCST
4: 線分抹消検査
5: 線分2等分検査
20歳の男性。交通事故による大腿骨骨幹部骨折。キュンチャー釘による内固定術後1週目である。仮骨形成良好なため3週目から部分荷重の許可が出された。この時期使用する松葉杖に関して誤っているのはどれか。
1: 脇当てと前腋窩ひだとの間は4~5 cmあける。
2: 握りの位置は肘屈曲約30゜となるようにする。
3: 握りの位置は大転子の高さとする。
4: 杖の全長は腋窩から足底までの距離に5 cm加える。
5: 杖の全長は身長の約65 %とする。
75歳の女性。自宅の浴室で転倒し右大腿骨頸部を骨折したため人工股関節置換術(後外側アプローチ)が施行された。担当医からは患側への全荷重が許可されている。この患者に対するADL指導で正しいのはどれか。
1: 割り座で靴下をはく。
2: 和式の畳生活を勧める。
3: 靴ひもを結ぶときはしゃがむ。
4: 椅子は座面の低いものを使用する。
5: 階段を下りるときは右足を先に下ろす。
24歳の男性。受傷後3か月の頸髄完全損傷。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類はC6B1。手関節の可動域制限はない。把持動作獲得のための装具として適切なのはどれか。
35歳の男性。生来健康であった。転倒し右肘頭骨折を受傷した。術後のエックス線写真(A、B)を示す。骨折部や全身の状態は良好である。この患者の作業療法で最も注意すべき合併症はどれか。
1: 偽関節
2: 変形治癒
3: 遷延治癒
4: 異所性骨化
5: Sudeck骨萎縮
65歳の男性。右大腿骨骨幹部骨折。プレート固定術後3週経過。右股関節拘縮がみられる。可動域増大を目的として超音波療法を施行した。誤っているのはどれか。
1: 1MHzの周波数を使用する。
2: 導子の速度は1~2 cm/秒である。
3: 照射面積は導子面積の約4倍である。
4: 2W/cm2の強度で行う。
5: 治療面に対し導子を垂直に当てる。
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
1: 踵部の補高
2: 短下肢装具の使用
3: 膝屈曲位での立位保持練習
4: 前脛骨筋の治療的電気刺激
5: 下腿三頭筋へのタッピング
32歳の男性。左利き。交通事故により右上腕切断となった。断端長は10.0 cmで、残存肢の上腕長は25.0 cmであった。能動義手製作のために選択する肘継手として最も適切なのはどれか。
1: 軟性たわみ式継手
2: 倍動肘ヒンジ継手
3: 能動単軸肘ヒンジ継手
4: 遊動単軸肘ヒンジ継手
5: 能動単軸肘ブロック継手
28歳の男性。脊髄損傷(第5頸髄節まで機能残存)。食事動作を指導する際に必要な装具・自助具はどれか。2つ選べ。 ア.フォーク付きカフベルトイ.スプリングバランサーウ.手関節駆動式把持装具エ.短対立装具オ.太柄のスプーン
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
40歳の男性。長時間の立位により右下肢の疼痛が生じるようになったため受診し腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立位で踵の挙上ができなかった。重度の感覚鈍麻が疑われる部位はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
50歳の男性。脳卒中発症後3か月経過した片麻痺。ブルンストローム法ステージは下肢III。中等度痙縮のため足部内反尖足を呈する。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 長・短腓骨筋の筋再教育
2: 後脛骨筋の徒手的伸張法
3: 後脛骨筋の筋力増強訓練
4: 下腿三頭筋の持続伸張法
5: 下腿三頭筋への寒冷療法
40歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から2年で、下肢には軽度の痙性麻痺が認められ、膝折れやつまずきなどの歩行障害が出現している。上肢は筋萎縮が著明で食事や衣服着脱は全介助。構音障害も出現している。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸訓練
2: 上肢のROM訓練
3: 上肢の抵抗運動訓練
4: 立位バランス訓練
5: 短下肢装具での歩行訓練