75歳の男性。転倒した後の股関節エックス線写真正面像を示す。骨折部位はどれか。
1: 臼蓋部
2: 大腿骨頸部
3: 大腿骨転子部
4: 大腿骨転子下
5: 大腿骨顆部
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重が可能となっているが、足関節の背屈制限が残存している。関節可動域訓練前の物理療法で適切でないのはどれか。
1: ホットパック
2: パラフィン浴
3: 極超短波
4: 渦流浴
5: 超音波
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真AとMRI写真Bを示す。この患者がベッド上で行う理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側下肢への弾性ストッキングの着用
2: 背臥位で砂のうを用いた両上肢の筋力強化
3: 足関節の底背屈自動運動
4: 重錘バンドを用いた下肢伸展挙上運動
5: コルセットを装着しての背臥位での殿部挙上運動
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会、足の外科学会基準による)の運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか。
1: 股屈曲 ── 下腿中央線
2: 股内旋 ── 大腿骨
3: 股外転 ── 大腿中央線
4: 膝屈曲 ── 脛 骨
5: 足底屈 ── 第1中足骨
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で参考可動域角度が10°とされているのはどれか。2つ選べ。
1: 肩甲帯屈曲
2: 肩甲帯引き下げ
3: 股伸展
4: 足部外転
5: 足部外がえし
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。
1: 肩屈曲 ――― 前腕回外位
2: 股内旋 ――― 膝関節伸展位
3: 股外転 ――― 股関節伸展位
4: 膝屈曲 ――― 股関節伸展位
5: 足底屈 ――― 膝関節伸展位
65歳の男性。脳卒中左片麻痺発症後3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指II、下肢II。左肩関節は一横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。左肩関節可動域は屈曲80°、外転60°、外旋10° と痛みを伴う制限がある。左半側空間無視があり、座位は患側前方へ傾き自立保持は不可能である。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 肩手症候群に対するアームスリング装着
2: 座位での健側上肢体重支持練習
3: 長下肢装具を用いた平行棒内立位訓練
4: 患側下肢の随意運動促通
5: 患側片肘立ちの起き上がり動作練習
両膝関節の屈曲可動域が0〜90°に制限されている患者に指導する床からの立ち上がり方法はどれか。
1: 背臥位→蹲踞位(しゃがんだ姿勢)→立位
2: 背臥位→蹲踞位(しゃがんだ姿勢)→高這い位→立位
3: 四つ這い位→高這い位→立位
4: 四つ這い位→膝立ち位→片膝立ち位→立位
5: 横座り位→膝立ち位→片膝立ち位→立位
40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。最近、肺炎を2回起こしている。この患者の作業療法として適切でないのはどれか。
1: 四肢の関節可動域訓練
2: ちぎり絵による手指筋力維持
3: 体操による上肢近位筋の筋力維持
4: 飲み込みやすい食物の紹介
5: モビールを用いた呼吸筋強化
65歳の男性。4歳時に急性灰白髄炎に罹患し右下肢麻痺となった。歩行時には右膝を右手で押さえながら歩いていた。55歳ころから腰痛を自覚するようになり、最近は歩行時の疲労が増し下肢の冷感が強くなってきたため受診した。身長160 cm、体重75 kg(30歳時と比較して20 kg増加)。筋力はMMTで、右大腿四頭筋と右前脛骨筋は段階1である。ポリオ後症候群と診断され、理学療法を行うことになった。理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
2: 右下肢装具を装着しての歩行練習
3: 右大腿四頭筋の筋力増強運動
4: 四つ這いでの移動練習
5: 車椅子による移動
72歳の女性。歩行中に転倒して右手をついた。診療所で良好な整復を得て、ギプス固定を受けた。ギプス固定後の状態を示す。3週後に巻き直しのため受診した際、右前腕から手指に強い運動時痛と浮腫とを認めた。大学病院に紹介され、複雑性局所疼痛症候群の診断を受けた。この症例において初期治療で考慮すべきであった点はどれか。2つ選べ。
1: 日常生活では右手の安静を指導する。
2: 前腕・手指の等尺性収縮を行わせる。
3: 中手指節関節は動かせる固定とする。
4: 手関節の固定は背屈位にする。
5: 前腕から遠位の固定とする。
70歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは下肢Ⅲ。関節可動域制限はない。ダブルクレンザック足継手付き両側金属支柱型短下肢装具を用いて歩行練習を実施している。足継手を背屈0~20度で可動するように設定すると左立脚中期に膝折れが出現した。装具の調整で正しいのはどれか。
1: 足継手の可動範囲を背屈0~5度に設定する。
2: スウェーデン式膝装具を併用する。
3: Tストラップを追加する。
4: 外側ウェッジを入れる。
5: 装具の踵を高くする。
68歳の男性。作業中に脚立の上から転落したため搬入された。強い腰痛を訴え、下肢の運動麻痺が認められる。脊椎MRIを示す。同日、脊椎固定術を行い、リハビリテーションを開始した。受傷3か月後のMMTによる筋力を表に示す。この時点で、下肢に使用する装具として適切なのはどれか。
1: MSH-KAFO
2: 右KAFO
3: 右KO
4: 右AFO
5: 右足底装具
右変形性股関節症で人工股関節置換術を受けている。この患者に対する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
46歳の女性。BMIは29.0である。両側の変形性股関節症で、股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 杖を用いた歩行練習
2: 水中歩行による有酸素運動
3: 背臥位での下肢筋のストレッチ
4: 階段昇降による筋力増強トレーニング
5: 自転車エルゴメーターでの筋持久性トレーニング
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真AとMRI T2強調像Bとを示す。この患者の病態で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 骨粗鬆症
2: 脊椎分離症
3: 脊柱管狭窄症
4: 椎間板ヘルニア
5: 脊椎椎体圧迫骨折
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真(別冊No. 3A)とMRI(別冊No. 3B)とを別に示す。この患者の病態で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 骨粗鬆症
2: 脊椎分離症
3: 脊柱管狭窄症
4: 脊椎椎体圧迫骨折
5: 椎間板ヘルニア
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。最近、「箸が使いにくい」と訴えるようになった。上肢機能の維持を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 陶芸の菊ねりによる上肢筋力の維持
2: 機織りの整経による上肢可動域の維持
3: 銅板細工による協調運動の維持
4: 革細工のカービングによる手指筋力の維持
5: クロスステッチ刺繍による手指巧緻性の維持
義足装着側の立脚期に図のようなアライメント異常がみられた。異常の改善のために義足装着者に行う必要があるのはどれか。
1: 脊柱起立筋群の強化
2: 右股関節屈曲可動域の増大
3: 右股関節伸筋群の強化
4: 左股関節外転筋群の強化
5: 左膝伸筋群の強化