臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
乳幼児の体外循環では、体重当たりの代謝・酸素需要が成人より高く、循環血液量は少ないため、回路充填による血液希釈や体液移動の影響が大きい。したがって、無輸血体外循環は容易ではなく、体重当たりの適正灌流量は成人より多めに設定するのが一般的である。また、乳幼児の生理的平均動脈圧は成人より低いため、目標灌流圧は低めに設定される。さらに、細胞外液量の割合が高く腎機能も未熟であることから体液バランスは崩れやすく、厳密な管理が必要となる。温度管理では、急速な冷却は循環動態の不安定化や不均一冷却、酸塩基平衡の変動などを招きやすいため望ましくない。
選択肢別解説
誤り。乳幼児は循環血液量が少なく、人工心肺回路の充填量の占める割合が大きくなるため血液希釈が強くなる。適切なヘマトクリット維持のために輸血併用が必要となることが多く、無輸血体外循環は容易ではない。
誤り。乳幼児は体重当たりの代謝・酸素消費量が高く、組織灌流の確保のため体重1 kg当たりの目標灌流量は成人より多めに設定するのが一般的である。
正しい。乳幼児の生理的血圧(平均動脈圧)は成人より低く、臓器灌流の至適域もそれに合わせて低く設定されるため、目標灌流圧は成人より低めに管理される。
正しい。乳幼児は細胞外液の割合が高く、毛細血管透過性や腎機能も未熟で、さらに回路充填による希釈や水分負荷の影響を受けやすい。このため浮腫や電解質異常など体液バランスの不均衡を来しやすく、厳密な入出量管理が必要となる。
誤り。急速な冷却は循環動態の不安定化、不均一な温度分布、酸塩基平衡の急変、徐脈や不整脈の誘発などのリスクがあり、特に乳幼児では侵襲が大きい。安全のため冷却・復温はいずれも緩徐に行う。
解説
乳児・新生児では基礎代謝量と酸素消費量が高く、体表面積当たりの必要心拍出量(=体外循環灌流量の目安)も成人より高めに設定するのが一般的である。チアノーゼ性心疾患では体循環から肺循環への側副血行路(例:大動脈肺動脈側副血行)が発達し、体外循環中に体循環側から肺へ血液が逃げやすくなるため、同じ灌流圧を保ち全身の酸素送達を確保するには非チアノーゼ性よりも総灌流量を多めに設定するのが妥当である。一方,小児開心術では正確な低流量制御と逆流対策の容易さからローラポンプが選択されることが多く、遠心ポンプの使用率は成人ほど高くない。さらに、乳児は循環血液量が小さく人工心肺回路の充填量比率が大きいため希釈が著明となり、無輸血手術は成人より困難である。灌流圧目標も乳児の生理的動脈圧に合わせて成人より低めで管理するのが一般的で、単に流量を増やしても動脈圧は大きく上がらず、必要時は血管作動薬を用いて調整する。
選択肢別解説
正しい。チアノーゼ性心疾患では体循環から肺循環への側副血行路が発達し、体外循環中に系統血圧が下がりやすく全身灌流が不足しやすい。側副血行への“逃げ”を見越して、非チアノーゼ性より総灌流量を多めに設定して全身の酸素送達を確保する。
誤り。乳児は酸素消費量が高く、体表面積当たりの必要灌流量(流量指数)は成人より高めに設定するのが一般的である。従って少なく設定するのは不適切。
誤り。小児開心術では、きわめて低い流量域での安定性・正確な拍動量管理・逆流防止の容易さなどの理由からローラポンプが多用され、遠心ポンプの使用率は成人ほど高くない。遠心ポンプは低流量域での安定性や後負荷依存性、逆流対策などに留意を要する。
誤り。乳児は循環血液量が少なく、人工心肺回路の充填量が相対的に大きくなるため希釈が顕著でHb低下を招きやすい。これにより無輸血手術(無輸血充填)は成人より難易度が高い。血液管理や低体温・低流量戦略など多くの配慮が必要。
誤り。乳児の目標灌流圧は生理的な動脈圧水準に合わせ成人より低めに管理するのが一般的である。流量を増やしても動脈圧は大きく上がらず、圧を上げたい場合は血管収縮薬などで対応する。
解説
$体外循環中の至適灌流量(灌流指数)は、生体の酸素消費量と温度に依存して設定する。一般的な成人では、常温(あるいは軽度低体温上限)ではおおむね2.2〜2.6 L/min/m^2程度、軽度〜中等度低体温ではこれより低めで十分となる。常温の方が代謝率 \cdot 酸素消費量が高いため、低体温時より灌流量を高めに設定するのが基本である。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、成人より高い灌流指数が必要となる。また至適灌流圧は、平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgを目安に維持し、少なくとも50 mmHgを下回らないよう注意する。腎機能低下例など臓器灌流を重視すべき症例では、灌流量や灌流圧をやや高めに維持して臓器保護を図る。$
選択肢別解説
$不正解。正常生体の心拍出量指数は約3.0 L/min/m^2だが、体外循環中は酸素消費量に見合う流量を設定し、常温〜軽度低体温の成人では一般に2.2〜2.6 L/min/m^2程度で管理されることが多い。常に3.0 L/min/m^2を維持する必要がある、という言い方は過大で不適切。$
正解。体温が高いほど代謝率・酸素消費量が増えるため、常温体外循環では低体温時よりも灌流量を高めに設定して酸素供給を確保する。
不正解。腎機能低下例では腎灌流を確保する目的で、灌流量や灌流圧を通常よりやや高めに維持することが臓器保護の観点から推奨される。低めに設定するのは不適切。
不正解。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、必要な灌流指数は成人より大きい。したがって『成人の方が大きくなる』という記載は誤り。
不正解。体外循環中の至適灌流圧は平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgが目安で、少なくとも50 mmHgを下回らないようにする。100 mmHgを下回らないことを必須とするのは高すぎる基準で一般的でない。特別な高リスク例を除き、過度な高圧は不要である。
解説
人工心肺下では、体温管理や血液希釈などによって血液の物性や酸素運搬能が変化する。低体温では気体(酸素)の溶解度は増えるため、血漿中に物理的に溶け込む酸素量は温度低下で増加する。一方、ヘモグロビンの酸素解離曲線は左方移動し(P50低下)、ヘモグロビンの酸素結合力が高まる。また低体温は血液粘稠度を上昇させる。血液希釈は粘稠度を下げ、末梢血管抵抗を低下させる方向に働く。小児は体重あたりの代謝量・酸素消費量が成人より高いため、体重(あるいは体表面積)あたりの適正灌流量を多めに設定する。以上より、低体温で血中酸素溶解度が低下するという記述(選択肢3)は誤りである。
選択肢別解説
正しい。小児は基礎代謝量と酸素消費量(VO2)が体重あたりで成人より高いため、体重(または体表面積)あたりの適正灌流量は成人より多めに設定するのが原則である。臓器灌流・酸素供給を十分に確保する目的による。
正しい。血液希釈でヘマトクリットが下がると血液粘稠度が低下し、末梢血管抵抗(SVR)は低下する方向に働く。体外循環中の充填液による希釈は灌流圧の低下や組織血流の維持に寄与する。
誤り。低体温では気体の溶解度が増す(ヘンリーの法則に基づく)ため、血中の酸素溶解度は低下ではなく増加する。したがって記述は不正確であり、この選択肢が誤り。
正しい。低体温は酸素解離曲線を左方移動させ、ヘモグロビンの酸素親和性を高める(P50低下)。その結果、同一の酸素分圧でもヘモグロビンに結合する酸素が増えやすくなる。
正しい。温度低下に伴い血液粘稠度は上昇し、微小循環での流動性が低下しやすい。体外循環中の低体温管理では、この粘稠度上昇による臓器血流低下に留意する必要がある。
解説
成人の人工心肺(体外循環)の基本的操作目標は、全身酸素供給と臓器灌流を十分に保つことにある。代表的な指標として、灌流量は体重あたりおおむね60〜80 mL/分/kg、平均大動脈圧(MAP)は60〜80 mmHg、混合静脈血酸素飽和度(SvO2)は70%以上、ヘマトクリット(Ht)は少なくとも20%以上が広く用いられる。中心静脈圧(CVP)は心腔の減圧・良好な脱血を反映し、体外循環中は0〜5 mmHg程度の低値が目安である。よってCVP 20 mmHgは明らかに高すぎ、脱血不良や容量過多、カニュラ位置不良などを疑うべき不適切な条件である。他の選択肢は一般的な至適範囲内で適切と判断できる。
選択肢別解説
SvO2 75%は全身の酸素需給バランスが保たれている目安であり、体外循環中は概ね70%以上を目標とする。したがって適切である。
灌流量70 mL/分/kgは成人CPBの一般的目標(約60〜80 mL/分/kg)の範囲内で、体表面積換算でも通常の目安に相当するため適切である。
平均大動脈圧60 mmHgは目標範囲(おおむね60〜80 mmHg)の下限であり、臓器灌流を維持するうえで妥当な設定といえるため適切である。
中心静脈圧20 mmHgは体外循環中として高すぎる。CPBでは心腔減圧・良好な静脈還流を得るためCVPは0〜5 mmHg程度が目安であり、20 mmHgは脱血不良、容量過多、カニュラ位置不良などを示唆する不適切な条件である。
ヘマトクリット20%は成人CPBにおける希釈の下限目標として一般的に用いられる(おおむね20%以上、Hbで7 g/dL以上を目安)。したがって適切である。
解説
人工心肺(体外循環)の適正灌流は、臓器灌流と酸素供給を十分に保つことが目的で、一般的な指標として平均動脈圧(MAP)60〜80 mmHg、混合静脈血酸素飽和度(SvO2)70%以上などが用いられる。低体温下では全身代謝・酸素消費量が低下するため、常温より灌流量は少なく設定できる。一方、右→左短絡を伴うチアノーゼ性心疾患で側副血行路が発達している場合は、体外循環血流の一部が側副路に逃げやすく全身有効灌流が不足しやすいため、むしろ灌流量を増やして全身灌流を確保する必要がある。小児は体重当たりの代謝率が高いため、体重当たり灌流量は成人より多く設定するのが原則である。以上より、選択肢2と3が不適切(誤り)である。
選択肢別解説
正しい。体外循環中は臓器灌流を確保するために、一般に平均動脈圧60〜80 mmHg程度を目標に維持する。過度な高圧や低圧はいずれも臓器灌流障害のリスクとなる。
誤り。右→左短絡疾患で側副血行路が多い場合、体外循環の送血が側副路に逃げやすく全身有効灌流が不足しやすい。全身灌流を確保するためには、灌流量は“少なめ”ではなく、むしろ増やして目標MAPやSvO2を満たすよう調整する。
誤り。低体温体外循環では全身代謝・酸素消費量が低下するため、常温時より灌流量は少なく設定できる。記載の『多くする』は逆である。
正しい。SvO2は全身の酸素供給と需要のバランス指標であり、70%以上を目標に灌流量(必要に応じて血圧、Hb、FiO2なども)を調整して適正灌流を図る。
正しい。小児は成人に比べ体重当たりの代謝率・酸素消費量が高いため、体重当たり灌流量(mL/kg/min)は成人より多く設定する。
解説
体外循環ではプライミングや輸液により血液が希釈され、血漿蛋白(特にアルブミン)濃度が下がるため膠質浸透圧は低下し、浮腫を助長し得る。体表面積あたりの至適灌流量は代謝需要の高い小児・新生児の方が成人より大きく設定される。低体温は交感神経緊張と末梢血管収縮を介して末梢血管抵抗(SVR)を上昇させる。心停止液(心筋保護液)は高K+・低Ca2+が基本で、Ca2+を積極的に用いて停止させるものではない。ヘパリン中和は一般にヘパリン量に対しプロタミン等量〜1.5倍程度(mg/100 U換算)から開始し、ACTなどで効果を確認しながら調整する。よって1と5が正しく、2〜4は不適切。
選択肢別解説
正しい。体外循環の血液希釈によりアルブミンなどの膠質成分が低下し、血漿膠質浸透圧は下がる。これにより血管内から間質への水移動が増え、浮腫や肺水腫のリスクが高まるため、必要に応じてアルブミンや膠質製剤で補正する。
$誤り。体表面積あたりの灌流量(L/min/m^2)は、小児 \cdot 新生児の方が成人より多く設定されるのが一般的である。小児は代謝率 \cdot 酸素需要が高いため、成人より高い指標流量が必要になる。$
誤り。低体温は交感神経優位と血管平滑筋の収縮をもたらし、末梢血管抵抗を増加させる。したがって低体温によりSVRは通常上昇する。
誤り。心停止液は高K+により脱分極性心停止をもたらし、心筋内Ca2+はむしろ低く抑える(低Ca2+または含有しない設計が基本)。Ca2+を用いて心停止させるわけではなく、高Ca2+は心筋障害のリスクとなる。
正しい。ヘパリン中和は一般に投与したヘパリン量に対してプロタミンを等量〜1.5倍程度(目安として1 mgプロタミン/100 Uヘパリン、状況により最大1.5 mg/100 U)で投与し、ACTなどで過不足を調整する。臨床では初期投与量や総投与量を基準にし、患者の反応で微調整する。
解説
人工心肺(CPB)では、低体温管理と希釈灌流が生体に特有の影響を与える。低体温では代謝率と酸素消費量が低下するため、必要な灌流量(至適灌流量)はむしろ減らせる方向となる。CPB中はストレスホルモンの上昇や低体温の影響で膵β細胞からのインスリン分泌が抑制されやすく、高血糖傾向を来す。希釈および低体温は酸素解離曲線を左方移動させ(酸素親和性増大)、一方で回路内のせん断応力や陰圧吸引・異物接触により溶血が生じ、血中遊離ヘモグロビンが増加する。さらに液体一般と同様に、体温低下は血液粘ちょう度を上昇させる。以上より、正しい選択肢は4と5である。
選択肢別解説
誤り。低体温では組織代謝と酸素消費量が低下するため、必要灌流量(至適灌流量)は増加ではなく低下方向に調整できる。体温を下げるほど多く流す必要はなく、むしろ過灌流を避ける。
誤り。CPBと低体温はストレスホルモン優位や膵分泌低下を介してインスリン分泌を抑制しやすく、血糖は上昇傾向となる。よって血中インスリン濃度が上昇するとは言えない。
誤り。体外循環に伴う血液希釈(プライミングによる急性希釈など)や低体温は、酸素解離曲線を左方へ移動させ酸素親和性を増大させる方向に働く(2,3-DPG低下や温度低下の影響など)。右方偏位とは逆。
正しい。人工心肺回路内でのポンプやチューブによるせん断、陰圧吸引、人工材料への接触などで溶血が生じ、血中遊離ヘモグロビンが増加する。溶血は腎機能障害や黄疸のリスクとなるため監視が重要。
正しい。液体の粘度は温度低下で上昇する性質があり、血液も同様に体温の低下で粘ちょう度が上昇する。CPBでは希釈により粘ちょう度を下げて血流維持を図ることがあるが、本設問の記述自体は正しい。
解説
$成人の人工心肺(CPB)中の代表的な管理目標は、酸素運搬と臓器灌流を十分に確保しつつ、過度な血液希釈や低灌流を避けることにある。具体的には、ヘマトクリットはおおむね20~30%(少なくとも20%以上、ヘモグロビン7~8 g/dL以上)を維持、送血流量は体表面積あたり約2.2~2.6 L/min/m^2(常温時の心係数相当)、平均動脈圧は60~80 mmHg、混合静脈血酸素飽和度は60%以上(しばしば70%以上を目標)などが目安として用いられる。これらは提示値(Ht 25%、Flow 2.4 L/min/m^2、MAP 70 mmHg、SvO2 75%)であれば概ね適切と判断できる。一方、中心静脈圧は体外循環中に静脈還流を良好に保つため0~5 mmHg程度の低値に管理されるのが一般的であり、20 mmHgは高すぎて還流不良やうっ血を示唆し不適切である。$
選択肢別解説
ヘマトクリット25%は、体外循環時の推奨範囲(概ね20~30%)内であり、酸素運搬能と粘稠度のバランスが取れた設定として適切。20%未満まで希釈されると酸素運搬が不足しうるため、25%は安全域にある。
混合静脈血酸素飽和度(SvO2)75%は、全身酸素需給バランスが確保されていることを示す。CPB中は一般に60%以上(しばしば70%以上)を目標とするため、75%は適切。40%付近まで低下すると嫌気代謝の危険が高まる。
$送血流量2.4 L/min/m^2は、成人CPBの標準的な心係数(約2.2~2.6 L/min/m^2)に合致し、常温管理で臓器灌流を保つのに適切。低体温時は代謝低下に合わせて流量を調整するが、提示値は一般的条件で妥当。$
平均動脈圧70 mmHgは、CPB中の目標範囲(約60~80 mmHg)の中間に相当し、多くの症例で臓器灌流を維持するのに適切。動脈硬化が強い場合など個別に高めを選ぶことはあるが、70 mmHg自体は妥当。
中心静脈圧20 mmHgは不適切。CPB中は静脈還流を良好に保つためCVPは0~5 mmHg程度の低値が望ましい。20 mmHgは過大で、静脈還流障害、カニュラ位置異常、容量過多やうっ血を示唆し、肝うっ血や臓器灌流不均衡のリスクとなる。したがって操作条件として適切でない。
解説
人工心肺(体外循環)では、回路の充填液が体内の循環血液と混ざるため初期に血液希釈が生じる。希釈率は概ね「希釈率=充填液量/(患者循環血液量+充填液量)」で表せ、回路の充填量が患者の循環血液量に対して大きいほど高くなる。血液希釈により血液粘度は低下して末梢循環抵抗が減少する一方、酸素運搬を担う赤血球(ヘモグロビン)が減るため酸素運搬能は低下する。安全側の管理目安としてヘマトクリットはおおむね20%程度(Hb約7 g/dL)を下回らないように運用されることが多い(体温・灌流量・臓器リスクで最適値は変動)。小児では体重あたり循環血液量は大きいものの、回路の相対的充填量が成人より大きくなりやすく、結果として希釈率は高くなる。
選択肢別解説
正しい。希釈率はおおむね「充填液量/(患者循環血液量+充填液量)」で規定されるため、同じ患者で比較すれば充填量の大きい人工心肺ほど希釈率は高くなる。
誤り。小児は体外循環回路の充填量が循環血液量に対して相対的に大きくなるため、成人よりも希釈率は高くなる傾向にある。
誤り。血液希釈の安全側の管理目安は一般にヘマトクリット約20%(Hb約7 g/dL)程度とされることが多く、10%は低すぎて酸素運搬能の著しい低下や臓器虚血のリスクが増す。
誤り。希釈率が高いほど赤血球(ヘモグロビン)濃度が下がるため、酸素運搬能(DO2)は低下する。粘度低下で流れは良くなっても、酸素キャリアの減少が優位となる。
正しい。希釈率上昇により血液粘度が低下し、粘性抵抗が減るため末梢循環抵抗(全身血管抵抗)は減少する。