40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 痙性歩行の改善
2: 下肢の筋力増強
3: 胸部絞扼感の軽減
4: 上肢の感覚障害の改善
5: 骨盤底筋群の筋力増強
62歳の女性。多発性硬化症。発症から3年経過。寛解と再燃とを繰り返している。四肢筋力は軽度低下し、表在・深部感覚ともに鈍麻している。最近、疲労の訴えが多い。作業療法で適切なのはどれか。
75歳の男性。右視床出血による左片麻痺。発症後3週でブルンストローム法ステージ上肢II・下肢III。平行棒内立位で図のような症状がみられた。運動療法で適切でないのはどれか。
1: 立位で治療者が左側から繰り返し押し返す。
2: 座位でのバランス訓練を行う。
3: 鏡を見せて立位保持訓練を行う。
4: 健側下肢への体重負荷訓練を行う。
5: 高い座面の椅子から立ち上がり訓練を行う。
45歳の女性。2~3年前から上肢の筋力低下の進行と嚥下障害が認められ、筋萎縮性側索硬化症と診断された。現在、上肢の筋力はMMTで肩関節周囲2-、手指筋2、頸部・体幹筋と下肢は3。移動は車椅子介助、車椅子への移乗も軽介助を必要とする。食事はポータブルスプリングバランサーを使用して自立しており、その他のADLは全介助となっている。発声によるコミュニケーションは可能だが、呼吸機能は徐々に低下している。この患者に今後導入が予想されるコミュニケーション機器はどれか。2つ選べ。
9歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。介助なしに歩行可能で、椅子からの立ち上がりも可能であるが、階段昇降はできない。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力維持訓練
2: 体幹装具装着での歩行訓練
3: 下腿三頭筋の伸張運動
4: 四つ這い移動運動
5: 徒手的胸郭拡張訓練
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
53歳の女性。脳出血による右片麻痺で、発症後6週経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。両足をそろえた位置から理学療法士を両上肢で押しながら図のように左足を一歩前に出す運動を行っている。この目的として誤っているのはどれか。
1: 歩幅の拡大
2: 歩隔の拡大
3: 右側の殿筋強化
4: 右側の下腿三頭筋の強化
5: 右側上肢肩甲帯の安定化
70歳の男性。頭部CTを示す。この患者の慢性期の症状で最も重度なのはどれか。
1: 着衣失行
2: 感覚障害
3: 運動麻痺
4: 不随意運動
5: 半側空間無視
72歳の男性。Parkinson病でHoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。60歳代前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。自宅の見取り図を示す。転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。
1: リビングでは椅子(A)を使用する。
2: トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
3: 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
4: 浴槽内(D)に台を設置する。
5: ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。
25歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面を示す。片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
1: C5A
2: C6A
3: C6B3
4: C7A
5: C8B
68歳の男性。妻と2人暮らし。脳血管障害による右片麻痺。発症後11か月経過。軽度の失語症と全身の持久力低下とがみられる。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指II、下肢III。短下肢装具装着で介助歩行が可能である。住居は平屋の日本家屋である。家庭復帰を目的とした作業療法を実施することとなった。この患者の浴室の環境調整で適切でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
35歳の男性。幼少時に右上腕骨外顆を骨折した。現在、右手は図のようである。右手で可能な動作はどれか。
1: 雑巾を固くしぼる。
2: 示指でスイッチを押す。
3: ペンチで針金を切る。
4: 食事で箸を使う。
5: 手掌で水をすくう。
12歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢで、立位では図のような姿勢を示す。治療方針として優先されるのはどれか。
1: 長下肢装具を作製する。
2: 体幹筋の同時収縮を促す。
3: 選択的後根切断術を検討する。
4: 歩行練習での介助量を減らす。
5: 上肢での支持能力を向上させる。
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。
7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢ。床上を前方へ移動する様子を示す。考えられる状態はどれか。
1: 頭部保持能力の低下
2: 両側上肢の支持能力の低下
3: 下部体幹の支持能力の低下
4: 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
5: 左右股関節の交互分離運動能力の低下
62歳の男性。脳出血による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。左下肢のブルンストローム法ステージはIII。平行棒内にて片脚立位で図のような肢位を認めた。健側下肢の前方振り出し動作の指導過程を順番に示した。適切でないのはどれか。
1: 患脚前で両脚均等に体重をかけて立つ。
2: 患側膝関節は軽度屈曲位にする。
3: 体重を患側に移動する。
4: 上体を患側に回旋する。
5: 重心を残して患側片脚立位になる。
68歳の女性。変形性股関節症。発症して10年が経過し、右人工股関節全置換術を施行することとなった。術前評価として歩行分析を行ったところ、右立脚期にDuchenne歩行が観察された。この患者に行う検査として重要度が低いのはどれか。
1: 筋力検査
2: 形態計測
3: 疼痛検査
4: 反射検査
5: 関節可動域検査
62歳の女性。約半年前から歩行中にふらつき、しゃべりにくいことに気付いていたが、最近これらの症状が悪化してきた。その他、四肢協調運動障害、頭部CTで小脳および脳幹萎縮を指摘されている。この症例の評価指標として適切でないのはどれか。
1: FBS
2: 踵膝試験
3: 鼻指鼻試験
4: FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
5: SARA〈scale for the assessment and rating test〉
26歳の男性。20歳ころから乗り物のつり革を握ると放しにくいことを自覚し始め、四肢遠位筋優位の筋力低下を自覚するようになった。母親にも同様の症状がある。前頭部に脱毛があり、側頭筋や咬筋が萎縮し、顔の幅が狭く頬がこけた顔貌をしている。認められる可能性が高いのはどれか。
1: アテトーゼ
2: Gowers徴候
3: ミオトニア
4: Lhermitte徴候
5: Romberg徴候
70歳の男性。パーキンソン病。ヤールの重症度分類ステージV。この時期のリハビリテーションで誤っているのはどれか。
1: 関節可動域訓練
2: 発声訓練
3: 呼吸訓練
4: 歩行訓練
5: 電動ベッドの導入