28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
1: BADS
2: SLTA
3: SPTA
4: VPTA
5: CBS〈Catherine bergego scale〉
45歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。感覚障害は中等度。非麻痺側機能はおおむね良好。裸足での歩行は可能であるが、安定性が低下し速度も遅い。麻痺側の遊脚相で分回し歩行と強い内反尖足が出現する。立脚中期の膝ロッキングがみられる。この患者に適した装具はどれか。
1: 長下肢装具
2: 金属支柱付膝装具
3: クレンザック足継手付短下肢装具
4: プラスチック短下肢装具(足継手なし)
5: 靴型装具(長靴)
65歳の女性。右利き。右被殻出血による左片麻痺。発症後4か月が経過した。Brunnstrom法ステージは左上肢IV、左手指IV、左下肢VI。両手で可能な動作はどれか。
1: 網戸を取り外す。
2: 掃除機をかける。
3: 天井の蛍光灯を変える。
4: 豆腐を手掌の上で切る。
5: エプロンの腰ひもを後ろで結ぶ。
74歳の女性。左片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。患側の筋緊張は低く、随意的な筋収縮もわずかにみられる程度である。平行棒内立位は中等度介助が必要で、左下肢は膝伸展位を保持することが困難で、体重をかけると膝折れが生じる。診療録の問題指向型医療記録の記載でassessment(評価)はどれか。
1: 左下肢の筋力が低下している。
2: 左下肢の筋力増強練習を行う。
3: 左下肢の筋緊張が低下している。
4: 左下肢に長下肢装具を使用し立位練習を行う。
5: 左下肢の筋緊張低下により体重支持力が低下している。
59歳の女性。脳梗塞発病後、小梗塞の再発を繰り返し精神症状が前景化したため、精神科病院に転院になった。記銘力障害があるが、理解力や判断力は日によって波がある。言語がやや不明瞭で、移動は小刻み歩行である。この患者の病態で正しいのはどれか。
1: 仮性認知症
2: 早発認知症
3: まだら認知症
4: 全般性認知症
5: 視床性認知症
37歳の女性。5年前に多発性硬化症と診断。発症当初は再発寛解型であったが、2年前に二次進行型に移行し右痙性片麻痺がある。2週前から右内反尖足位の痙縮が増悪し、MAS(modified Ashworth scale)で段階2である。右足の痙縮に対する治療で適切なのはどれか。
1: 赤外線療法
2: ホットパック
3: 電気刺激療法
4: アキレス腱延長術
5: 経頭蓋磁気刺激法
70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIII。AFOとT字杖とで屋内歩行が自立した。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 自宅室内ではAFOを使用しない。
2: 浴槽への出入りは座位移動で行う。
3: セーターは座位で着脱する。
4: ズボンは立位で着脱する。
5: 洗顔は立位で行う。
66歳の女性。左中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞でBroca失語と重度の右片麻痺を認める。理学療法実施の際、コミュニケーションに対する配慮で正しいのはどれか。
1: 使用頻度の低い単語を用いる。
2: 出にくい言葉は先回りして言う。
3: できるだけ長い文章で話しかける。
4: 意思伝達には易しい漢字を用いる。
5: ジェスチャーは可能な限り用いない。
脳血管障害の症状と理学療法との組合せで適切でないのはどれか。
1: 関節拘縮-モビライゼーション
2: 下肢共同運動-ブリッジ運動
3: 肩手症候群-ホットパック
4: 肩関節亜脱臼-肩関節周囲筋の同時収縮
5: 非対称性座位姿勢-体幹装具の作製
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。上左図の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、上右図のように描いた。病巣部位として考えられるのはどれか。
80歳の男性。3年前に脳梗塞による右片麻痺を発症したが、独歩は可能であり、ADLは自立していた。肺炎のため1週間の安静臥床が続いた後、伝い歩きはできるものの独歩は困難となった。最も考えられる原因はどれか。
1: 褥瘡
2: 脳梗塞の再発
3: 下肢筋力低下
4: 呼吸機能低下
5: 精神機能低下
50歳の女性。脳出血後の左片麻痺。発症後2か月経過し、Brunnstrom法ステージ上肢Ⅴ、手指Ⅴであった。図の作業活動のうち、この患者が困難なのはどれか。
60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
82歳の女性。右利き。脳梗塞を発症して1か月が経過した。頭部CTを示す。この患者にみられる症状で正しいのはどれか。
1: Broca失語
2: 他人の手徴候
3: 半側空間無視
4: Gerstmann症候群
5: 超皮質性感覚性失語
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。
1: 健側上肢を拘束する。
2: 慢性期例は適応とならない。
3: 理学療法士の近位監視下で行う。
4: 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom 法ステージⅡで適応となる。
脳卒中片麻痺患者のADL指導で適切でないのはどれか。
1: 寝返り時、患側上肢を腹部の上に保持する。
2: ベッドからの立ちあがり時、体幹の前傾運動を入れる。
3: 立位での方向転換は患側下肢を軸に行う。
4: 階段の降り動作は患側から行う。
5: 昇りのエスカレーターへの乗りこみは健側から行う。
55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。
1: 股関節の関節可動域
2: 棘果長
3: 下肢の徒手筋力テスト
4: 下肢深部腱反射
5: 大腿周径
56歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは左上肢Ⅲ、左手指Ⅲ、左下肢V。この患者で実用的にできる動作はどれか。
70歳の女性。右利き。脳梗塞を発症し搬送された。発症後2か月の頭部MRI示す。この画像で認められる脳梗塞の部位はどれか。
1: 視床
2: 内包
3: 被殻
4: 尾状核
5: 放線冠
14歳の女子。痙直型四肢麻痺によって座位保持ができず座位保持装置を使用している。最近側弯が増強したため外来を受診した。脊椎エックス線単純正面像(別冊No. 3A)と骨盤エックス線単純正面像(別冊No. 3B)とを別に示す。座位姿勢を改善させる方法で適切でないのはどれか。
1: 軟性コルセットを使用する。
2: 右側臥位での体幹ストレッチを強化する。
3: ヘッドレストを付けて頭部を保持する。
4: 座面に傾斜をつけ左坐骨を挙上させる。
5: 座位保持装置に右体幹パッドを加える。