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第39回午前:第35問

24歳の男性。てんかん。生活のリズムの崩れから、発作が頻発するため入院。発作はすぐコントロールされ、2か月後に単身生活での退院予定となった。これまでに何度か保護的就労を試みるものの、次第に服薬が不規則になり、知人からパチンコなどに誘われると断わることができず、金銭管理も不可能となって生活の維持が困難となっていた。今回、退院準備の目的で作業療法に参加した。退院のための技能獲得として適切でないのはどれか。  

1: 服薬管理

2: 時間管理

3: 金銭管理

4: 就労準備

5: 対人関係

第54回午後:第96問

統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。  

1: 考想伝播

2: 作為体験

3: 妄想気分

4: 妄想知覚

5: 連合弛緩

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状は、妄想気分です。妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。
  • 考想伝播は、自分の考えが他人に伝わると感じるもので、作為思考の一つです。この症状では、患者は自分の考えが他人に知られていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 作為体験は、自我意識の能動性が障害され、自分の思考・感情・行動が他人や外部の作用により支配されていると認識する症状です。患者は自分の行動が他者によって操作されていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。この症状は、統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状で正しい選択肢です。
  • 妄想知覚は、正常な知覚がある場合に、それに対して突然了解不可能な特別な意味付けがなされ、それが強く確信されるものです。この症状では、患者は特定の知覚に対して異常な意味を見出しますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 連合弛緩は、患者の話はだいたいわかるがまとまりがない状態で、思考を構成する概念の間に関連性が乏しい症状です。この症状では、患者の話が支離滅裂になりますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午前:第19問

26歳の女性。衝動的な浪費や奔放な異性交遊の後に抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 患者の申し出に応じて面接を行う。

2: 初回面接で自殺企図について話し合う。

3: 攻撃性がみられた場合には治療者を替える。

4: 患者の希望に合わせてプログラムを変更する。

5: 治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、境界性パーソナリティ障害の症状がある患者に対する作業療法で適切な方法を選ぶことが求められています。境界性パーソナリティ障害は、情緒の不安定性や自己の空虚感が目立つため、治療目標や治療上の契約を繰り返し確認することが適切です。
  • 患者の申し出に応じて面接を行うのは適切ではありません。パーソナリティ障害患者との面接は、時間や頻度などの枠組みを決めて行い、患者の希望に合わせることは避けるべきです。
  • 初回面接で自殺企図について話し合うのは適切ではありません。初回の面接では治療の枠組みについて説明し、行動のルールを話し合うべきです。自殺企図については、初回面接では話し合わない方が良いです。
  • 攻撃性がみられた場合に治療者を替えると、患者の感情の向くままに人を操作しようとするパーソナリティ障害の不適応な行動を助長する可能性があるため、適切ではありません。
  • 患者の希望に合わせてプログラムを変更するのは適切ではありません。導入時に取り決めた枠組みは、患者の希望だけで安易に変更してはならない。プログラムを変更する理由として、他者の意見を含む妥当的で合理的な理由がある場合には変更しても良いです。
  • 治療目標や治療上の取り決めを患者と繰り返し確認することは、患者に対して安定した枠組みを維持する点で適切であるため、この選択肢が正解です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第40回午前:第36問

23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。治療計画として適切でないのはどれか。  

1: 個別プログラムを設定する。

2: 欲求充足から実用性のある作業に移行する。

3: 自由度の高い作業場面を設定する。

4: 共同作業で所属感をもたせる。

5: 結果が明確な作業種目を選ぶ。

第37回午前:第31問

19歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校卒業後スーパーマーケットに就職した。約1年経ったころから情緒不安定となり、幻覚・妄想に支配された異常な言動が活発になったので入院した。薬物療法によって入院3か月で一応の安定が得られたので作業療法の依頼があった。作業療法中に、「居ても立ってもいられない。じっとしていられない」と訴えて落ち着かなくなった。考えられる要因はどれか。2つ選べ。 ア.パーキンソニズムイ.遅発性ジスキネジアウ.急性ジストニアエ.アカシジアオ.精神症状の悪化  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第39回午前:第38問

20歳の男性。統合失調症(精神分裂病)。 1か月前、街中で「誰もがお前を殺してやると言っている。やられる前にやらなければ」と言って暴れたため入院。入院後も「お前なんか殺してやると言われるので不安で落ち着かない」という訴えが続いている。「やられる前にやらなければ」という考えのもとにある症状はどれか。  

1: 自閉

2: 強迫観念

3: 被害妄想

4: 作為体験

5: 感情鈍麻

第44回午前:第40問

33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。  

1: 作業を続けさせる。

2: 母親へ電話をかけさせる。

3: 横に寝かせて安静を保つ。

4: 緊張緩和のために話しかける。

5: 不快感をとるためにうがいをさせる。

第55回午後:第17問

34歳の女性。掃除と整理整頓が趣味というほど几帳面な性格である。職場での昇進によって仕事量が増え、そのため夜遅くまで残り、懸命にこなすように努力していた。しばらくして、抑うつ状態になり、早朝覚醒、体重減少などの身体症状も出現し、精神科を受診した。抑うつ気分は朝方に強く、夕方に軽くなる傾向が認められる。この患者でみられやすいのはどれか。  

1: まわりくどく説明する。

2: 他人からの依頼を断れない。

3: 早朝から友人に電話をかける。

4: 他人からの評価を気にしない。

5: 不必要なものをいろいろと買い込む。

  • 答え:2
  • 解説:この患者は、朝方に強い抑うつ状態、早朝覚醒、体重減少などがみられることから、うつ病と考えられる。うつ病患者は、本来もっている執着性格や几帳面さから、責任感が強いことが多い。そのため、他者からの依頼も断れない傾向がある。
  • まわりくどく説明することは、知能障害やてんかん性性格変化でみられやすい。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢1は正しくない。
  • 他人からの依頼を断れないことは、うつ病患者にみられる特徴である。彼らは本来もっている執着性格や几帳面さから、責任感が強いことが多い。そのため、他者からの依頼も断れない傾向がある。この患者の症状からも、うつ病が考えられるため、選択肢2が正しい。
  • 早朝から友人に電話をかけるなど、相手の状況を考えずに行動を起こすのは、双極性障害の躁病相でみられる。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢3は正しくない。
  • うつ病患者は、人との上下関係に気を遣いすぎたり、他者評価に対する過剰な意識や依存がみられたりする傾向がある。この患者の症状からも、うつ病が考えられるため、選択肢4は正しくない。
  • 不必要なものをいろいろと買い込むなど、乱費、浪費傾向を生じるのは、双極性障害の躁病相でみられる。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢5は正しくない。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第37回午前:第35問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。退院前の作業療法施行時に、泣き出すなど情緒不安定になった。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聴いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 作業終了後、情緒不安定になった事を主治医に報告した。

4: 退院後の生活への不安が情緒不安定の原因と本人に告げた。

5: 今後も患者の行動に注意することを他のスタッフと確認した。

第47回午前:第18問

30歳の女性。大学卒業後就職したが、すぐに退職した。その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え、2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった。作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった。音に過敏に反応し、他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり、家族に当たり散らすようになった。通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため、外来作業療法を紹介された。この患者で考えられるのはどれか。  

1: 注意欠陥/多動性障害

2: Asperger症候群

3: 学習障害

4: 行為障害

5: 自閉症

第53回午後:第17問

21歳の女性。大学生で単身生活。日中は講義に出席しているが、帰宅すると過食と自己誘発性嘔吐に時間を費やし、睡眠時間がとれず、遅刻するなど日常生活に支障をきたしている。心配した母親に連れられて精神科を受診した。過食後の自己嫌悪感も強く、抗うつ薬を処方されたが、最近ではリストカットなどの自傷行為もみられるようになった。ある日作業療法室で本人が近況について報告をしてきた。そのときの作業療法士の本人への対応として最も適切なのはどれか。  

1: 過食の理由を尋ねる。

2: 今後の自傷行為を禁じる。

3: 講義の出席状況を把握する。

4: 心配している気持ちを伝える。

5: 日々のスケジュール管理方法を指導する。

  • 答え:4
  • 解説:この問題では、過食症(BN)の症状を持つ患者に対して作業療法士がどのように対応すべきかを問うています。適切な対応は、患者の感情表出を促し、受容的・支持的に接することです。
  • 選択肢1は不適切です。作業療法士は、患者の病理そのものに直接触れるべきではありません。過食の理由を尋ねることは、患者の心理的負担を増やす可能性があります。
  • 選択肢2は不適切です。BN患者は自己嫌悪を感じており、自傷行為を禁じることは、患者にとってさらに自尊心を損ねることになります。止めたくても止められない心理に「禁止事項」を他人から加えられることは適切ではありません。
  • 選択肢3は不適切です。問題文からは、患者の困りごとや葛藤が講義から生じているのか、友人関係などから生じているのか読み取ることができません。患者は講義に出席していることがわかっているため、出席状況を把握する必要はありません。
  • 選択肢4は適切です。自傷行為がみられる患者に対しては、受容的・支持的に対応し、患者の感情表出を促すことが重要です。心配している気持ちを伝えることで、患者に安心感を与え、信頼関係を築くことができます。
  • 選択肢5は不適切です。BN患者には強迫的な性格傾向がみられることがあり、自己管理を強く求めることはかえって心理負担になります。日々のスケジュール管理方法を指導することは、患者にとって適切な対応ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午前:第10問

65歳の男性。多系統萎縮症。日常生活活動では一部に介助を要するが、明らかな廃用症候群はみられない。最近、起床して布団から立ち上がるときに、ふらつきを強く感じるようになった。ふらつきの原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。  

1: 運動麻痺

2: 視覚障害

3: アテトーゼ

4: 協調運動障害

5: 起立性低血圧

第34回午前:第28問

40歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。日常生活能力には問題なく、退院を勧められているが、「退院後の生活が不安で自信がない」と退院に踏み切れないでいる。この患者への作業療法士の働きかけで適切でないのはどれか。  

1: 作業療法場面での成功体験を積み重ねる。

2: 多少の失敗はおそれないように励ます。

3: 作業検査や知能検査など、客観的データを用いて自信をつけさせる。

4: 退院の不安に対して相談にのる。

5: 外来での作業療法の利用方法を説明する。

第37回午前:第36問

25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この時期の実施上の留意点で適切でないのはどれか。  

1: 参加に当たっての約束事を確認する。

2: 種目は患者に任せる。

3: 短期間で行えるものを選ぶ。

4: 手順と結果が明確なものを選ぶ。

5: 場面設定を一定にする。

第47回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の患者の回復状態はどれか。  

1: 急性期

2: 亜急性期

3: 回復期前期

4: 回復期後期

5: 維持期

第49回午前:第20問

38歳の女性。1年前から夫が単身赴任。中学2年生の息子のことで心労が重なっていた。1か月前から眠れなくなり食欲も低下した。その後、気分が落ちこみ口数が減り、もともと好きであったテレビドラマも楽しめなくなった。母として妻としての自分を責め、涙をこぼすようになり、夫に付き添われ精神科を受診し、入院となった。患者は「料理の作り方が分からなくなりました」と訴えた。薬物療法と休息によって症状に軽快傾向がみられた。入院7日目に作業療法が処方された。導入時の作業種目で適切なのはどれか。  

1: 家計簿作り

2: 献立表作り

3: 生活技能訓練

4: 短時間のストレッチ

5: パソコンでの文書作成

第53回午前:第15問

23歳の男性。2か月前から職場の業務がシフト勤務になり夜勤が入るようになった。1か月前から日中の眠気を取るために、カフェイン入りの栄養ドリンクを1日4本以上飲むようになった。妄想や抑うつ感などは特に訴えてはいないが、不眠といらだちを主訴に精神科を受診した。この患者に対して初期にすべき介入はどれか。  

1: 精神分析療法

2: 認知行動療法

3: グループワーク

4: 抗精神病薬の投与

5: 栄養ドリンクの減量

  • 答え:5
  • 解説:この患者はカフェイン入りの栄養ドリンクを多量服用しており、不眠が生じていることから、カフェインによる物質依存の可能性が考えられる。初期対応としては、栄養ドリンクの減量が適切である。
  • 精神分析療法は現時点では時期尚早であり、まずは栄養ドリンクの減量を行うべきである。
  • 認知行動療法は、患者が栄養ドリンク摂取量を自分で減量できないときや、勤務時間の調整ができないときに次善策として用いる。しかし、まずは栄養ドリンクの減量を行うべきである。
  • グループワークは積極的治療期に行われる。認知行動療法と同様に、課題の自己解決ができないときに、集団の中で行動を修正するきっかけをつかむことが期待できる。しかし、まずは栄養ドリンクの減量を行うべきである。
  • 抗精神病薬は精神症状が重いときに用いられる。この患者は妄想や抑うつ感がないため、抗精神病薬の適用ではない。
  • 依存物質の低減を図るための受診後の初期対応では、患者の症状の原因と、見込まれる物質の摂取量を減らすことを優先する。また、睡眠の妨げとなった夜間のシフト勤務を調整するなど、行動上の修正を行って様子をみてもよい。物質依存には、生活習慣の行動変容を目指す、短時間の行動カウンセリングであるBrief Intervention(ブリーフインターベンション)が行われる。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午後:第16問

21歳の男性。2か月前から「自分しか知らないはずのことを皆が知っている」と訴えるようになった。1か月前から自室にこもるようになり、一人きりで誰かに応答しているような様子がみられた。1週前から「変な味がする」と言い、母が作る食事を食べなくなった。家族が精神科の受診を勧めたが、本人は「自分はどこも悪くない」と言って頑なに拒んだ。この患者にみられない症状はどれか。  

1: 観念奔逸

2: 思考伝播

3: 対話性幻聴

4: 被毒妄想

5: 病識欠如

  • 答え:1
  • 解説:この問題では、患者の症状から統合失調症が示唆されています。統合失調症は幻覚や妄想などの症状が特徴的であり、病識欠如もよく見られる症状です。問題文の症状から、思考伝播、対話性幻聴、被毒妄想、病識欠如が当てはまりますが、観念奔逸は該当しません。
  • 観念奔逸は、思考プロセスが異常に亢進し、さまざまな考えがとめどなく湧いてくる状態で、躁病の症状です。問題文の患者の症状には観念奔逸は見られません。
  • 思考伝播は、自分の考えが他人に知られてしまうと感じる症状です。「自分しか知らないはずのことをみんなが知っている」という訴えはこれに当たります。
  • 対話性幻聴は、自分に話しかける声や自分の噂話をする声などがあり、それに反応することです。「一人きりで誰かに返答している様子」という部分が当てはまります。
  • 被毒妄想は、「食べ物に毒を入れられている」と思い込む妄想です。「変な味がする」という部分がこれに当たります。
  • 病識欠如は、自己を客観視できず、少なからず病的体験に不安定さを感じ、妄想的に認識しているとされており、統合失調症ではあらわになりやすい症状です。「自分はどこも悪くない」という部分が病識欠如に当たります。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第50回午前:第14問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。  

1: 身体表現性障害

2: 気分変調性障害

3: 統合失調感情障害

4: 演技性パーソナリティ障害

5: 境界性パーソナリティ障害

第42回午前:第38問

16歳の男子。高機能広汎性発達障害。友人との交流は少ないが、学校では大きな問題もなく普通高校に進学した。高校1年の夏休み後から登校できなくなり、思春期外来を受診した。通院しながら外来作業療法を実施することになった。開始時の作業で適切でないのはどれか。  

1: 単純なもの

2: 短時間で完成できるもの

3: 本人の興味があるもの

4: 他者と共同で行うもの

5: 粗大動作が多いもの