第57回午前第15問の類似問題

第44回午前:第37問

24歳の女性。幼少時に母親から虐待を受けていた。高校中退後から仕事を転々としている。男性との関係は不安定で別れ話のたびに大量服薬を繰り返した。いつもむなしくて死にたい気持ちがあると自覚して、精神科クリニックを受診した。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 退行の促進

2: 枠組みの提供

3: 依存欲求の促進

4: 衝動の適応的発散

5: 失敗しない作業の提供

第44回午前:第34問

48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法の初期評価で把握すべき内容として適切でないのはどれか。  

1: 興味関心

2: 身体症状の有無

3: 病前の生活状況

4: 現在の睡眠状態

5: 集団への参加技能

第47回午後:第17問

21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: デイケアでの集団活動を促す。

2: 自宅での過ごし方を指導する。

3: 復学準備の開始時期を話し合う。

4: 作業遂行の特徴を家族に伝える。

5: 外来作業療法で支援を継続する。

第50回午後:第16問

24歳の女性。高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり、「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。  

1: 社交(社会)不安障害

2: 全般性不安障害

3: パニック障害

4: 強迫性障害

5: 身体化障害

第42回午前:第32問

32歳の女性。躁うつ病。18歳で発病。24歳で結婚し、2児をもうけ、スーパーで仕事をしていた。長男が小学校へ入学し、PTAの役員を引き受けた頃から仕事も忙しくなり、気分が高揚し外出や買い物が頻繁となった。心配した夫とともに受診し、入院となった。入院2週目、高揚気分は徐々に治まり、本人から「手芸がしたい」という希望があり、作業療法が開始された。1か月後に集団作業療法を行うことになった。面接で「子供たちのために早く退院したい」と希望を述べた。このときの評価すべき内容で適切でないのはどれか。  

1: 疲労度

2: 集中力

3: 感情のコントロール

4: 対人関係

5: 就労能力

第56回午後:第15問

18歳の男子。幼少時から一人遊びが多かった。運動や言語の発達に目立った問題はないが、視線が合わないことが多い。急な予定変更や大きな音でパニックになることがあった。中学校や高校では場の空気が読めないことでいじめられた経験があり、現在は自室に引きこもり、ほとんどの時間をインターネットに接続したパソコンでアニメやゲームなどに興じている。心配した親が相談機関を訪れ、作業療法士が対応した。この男子の特徴としてみられやすいのはどれか。  

1: 手先が器用である。

2: 特定の物事にこだわる。

3: 特定の領域の学習が苦手である。

4: 特定の場面で発語が困難になる。

5: 意思を伝える際に身振りを多用する。

  • 答え:2
  • 解説:この男子の症状から、自閉スペクトラム症(ASD)が考えられます。ASDの特徴として、特定の物事にこだわることが多いため、選択肢2が正解です。
  • ASDでは、特定のものに興味を示すことはあるが、手先が器用という特徴はありません。この選択肢は間違いです。
  • ASDでは、限局した情動的で反復的な関心と活動の幅があるため、特定の物事にこだわることがみられやすい。この選択肢が正解です。
  • 特定領域の学習が苦手なのは学習障害であり、この男子には運動や言語の発達に目立った問題はないため、この選択肢は間違いです。
  • 特定の場面で発語困難になる症状は、場面緘黙(選択性緘黙)とよばれる。しかし、この男子について不安症を特徴付けるエピソードの記載はないため、この選択肢は間違いです。
  • ASDでは、身振りによる意思伝達が苦手であるため、この選択肢は間違いです。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第39回午前:第36問

22歳の女性。統合失調症(精神分裂病)。17歳時、周囲から悪口を言う声が聞こえ初回入院し、退院後はアルバイトの生活を続けていた。今回、突然2階から飛び降りた。けがは軽症で済んだが、興奮と幻覚妄想が顕著となり、2回目の入院。入院3週目で症状は軽減したが、疲弊状態が前面に出ている。主治医から、再発後の疲れやすさへの対処を目的とした作業療法が指示された。導入時の身体活動として適切なのはどれか。  

1: シャッフルボード

2: バレーボール

3: テニス

4: バスケットボール

5: ソフトボール

第38回午前:第27問

42歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。25歳時に「お前は泥棒だ」という声が聞こえるようになり初回入院した。今回も幻聴と被害妄想が出現し3回目の入院。入院5週目で病状は落ち着き作業療法が依頼された。疲れやすさと抑うつ傾向が目立つ。開始後まもなく「退院して就職したい」と言ってきた。作業療法士の対処として適切でないのはどれか。  

1: 職種の検討

2: ストレス対処技能の訓練

3: 方針確認の会議の開催

4: 現在の障害の確認

5: 主治医との話し合い

第55回午前:第15問

24歳の女性。高校生のころ、授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。  

1: 社交(社会)不安障害

2: 全般性不安障害

3: パニック障害

4: 強迫性障害

5: 身体化障害

  • 答え:1
  • 解説:この患者は、人前で発表することに恐怖感を抱くようになり、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになった。これらの症状は、社交(社会)不安障害によく見られるものである。
  • 社交(社会)不安障害は、この患者の症状に適切に当てはまります。社交的な場面や社会の中で他人から否定的な評価を受けることに不安を感じることが特徴です。
  • 全般性不安障害は、長期にわたって理由が定まらない不安が続き、日常生活にも影響を及ぼすことがある。この患者の症状は、特定の状況(人前での発表)に限定されているため、全般性不安障害ではありません。
  • パニック障害は、パニック発作とその発作が起きるのではないかという予期不安により、生活に支障をきたす状態である。この患者の症状は、パニック発作ではなく、特定の状況での不安に関連しているため、パニック障害ではありません。
  • 強迫性障害は、強迫観念や強迫行為が特徴的な症状である。この患者の症状には、強迫観念や強迫行為が見られないため、強迫性障害ではありません。
  • 身体化障害は、器質的な病因のない身体症状が繰り返し起こる。この患者の症状は、特定の状況での不安に関連しているため、身体化障害ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午前:第20問

52歳の男性。統合失調症で精神科入院歴があるが、この9年間は治療中断しており、時々幻聴に影響された言動がみられる。医師の往診の後、何とか本人の同意を得て訪問支援開始となった。初回訪問時、居間で20分ほど落ち着いて話ができる状況である。初期の訪問において、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。  

1: 服薬勧奨を積極的に行う。

2: 1日に複数回の訪問を行う。

3: 身の回りの整理整頓を促す。

4: 毎回違うスタッフが訪問する。

5: 本人の興味や関心事を把握する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、統合失調症の患者に対して作業療法士が初期の訪問で最も留意すべきことを選ぶ必要があります。患者との関係性を築くことが重要であり、本人の興味や関心事を把握することが適切な作業活動選択に繋がります。
  • 服薬は必要であるが、治療中断の理由が不明であり、薬物の種類と量が確定していない時期であるため、積極的な勧奨はできません。
  • 患者は落ち着いて話せるのは20分程度であり、この時期に1日複数回の訪問を行うことは、患者にとって精神的負担が大きいため適切ではありません。
  • 問題文には患者が身の回りの整頓をできていない様子は書かれておらず、この時点で患者の問題にないことは、初期の訪問で促す必要性はありません。
  • 毎回違うスタッフが訪問に行くと、患者との治療的関係性を築きにくくなるため、適切ではありません。
  • 初期の訪問では、適切な作業活動選択のために、本人の興味や関心事を把握する必要があります。これにより、幻聴に影響された言動などを作業活動によって抑えられる可能性があります。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第39回午前:第31問

10歳の男児。幼少時期から内気で、友達と遊ぶ時も受身な態度が多かった。学校では全く口をきかないため仲間はずれになり、不登校となった。家族との会話もあるが、学校のことに触れられると物を投げつけたりするようになったため、両親に連れられ外来受診。週2回の個別作業療法が開始された。学校での状態はどれか。  

1: 抑うつ反応

2: 失声

3: 選択性緘黙(かんもく)

4: 拒絶症

5: チック

第40回午前:第39問

15歳の男子。アスペルガー症候群。成績は良いが、最近、小さなことで級友を罵倒したり、机を蹴飛ばしたり、教師に対する攻撃的な言動も目立つようになった。家でも些細なことへのこだわりが強まり、親が対応に困り精神科外来受診となった。当面、週1回の個人作業療法に参加することとなった。本人は「ここには母親に連れてこられた」と受身的な参加態度を示す。当面1か月の作業療法の目的で適切なのはどれか。  

1: こだわりの修正

2: いらいら感の発散

3: 行動化の内省

4: 学習の場の提供

5: 級友関係の修復

第50回午前:第16問

55歳の男性。うつ病。3か月前に昇格し研修部門の責任者となった。最近になり睡眠障害と気分の落ち込みとが出現した。職場では研修予定が立てられない、報告書の提出が遅れるなど仕事がこなせなくなった。心配した上司に勧められて精神科を受診し、休職することになった。この時点の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 楽しい体験を勧める。

2: 休息の重要性を伝える。

3: 作業活動時間は短くする。

4: 生活課題への取り組みを始める。

5: 能力向上のための課題を提供する。

第51回午前:第16問

37歳の女性。境界性パーソナリティ障害。高校卒業後、アルバイトをしていたが、気に入らないことがあると急に家出することを繰り返すため仕事は長続きしなかった。薬物療法と同時に外来作業療法が開始となった。作業療法の目的で適切なものはどれか。2つ選べ。  

1: 居場所をつくる。

2: 情緒の安定を図る。

3: 治療者への依存を促す。

4: 衝動性の行動化を促す。

5: 治療者への理想化を促す。

第43回午前:第36問

18歳の女子。高校生。好意を寄せている男性について「彼はスマートな子が好きらしい」という話を友人から聞いたことをきっかけにダイエットを始めた。食べたいという気持ちと痩せたいという気持ちを両立させるため、“食べた直後に故意に吐く”という行為を繰り返すうち、食べ物の量と食べる回数とが増えていった。冷蔵庫の中身の異常な減り方に気付いた母親に連れられ精神科病院を受診した。この時期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 作品の自己管理を促す。

2: 患者の得意な作業種目を提供する。

3: 工程数が多い作業を取り入れる。

4: その都度作業の進め方を指示する。

5: 集団作業療法を導入する。

第46回午後:第16問

25歳の女性。対人関係が不安定で、母親に甘えたかと思うと急に怒り出すなど、感情が変わりやすく、時に激しく落ち込むことが多かった。漠然とした不安感を訴え、自傷行為を繰り返すため精神科外来を受診し、入院することとなった。入院後2週経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。  

1: 特定の相談相手を決める。

2: 作業療法の目標を話し合う。

3: チームで一貫した対応を行う。

4: 集団プログラムへの参加を促す。

5: 実施頻度と時間を明確に決める。

第49回午後:第17問

28歳の女性。電車を待つホームで突然動悸が激しくなり、死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ、しゃがみこんでしまった。後日精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この患者の疾患として適切なのはどれか。  

1: 解離性障害

2: 強迫性障害

3: パニック障害

4: 注意欠陥/多動性障害

5: 境界性パーソナリティ障害

第42回午前:第36問

25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者の作業療法場面でしばしばみられるのはどれか。2つ選べ。  

1: 一人で作業をやりたがる。

2: 一つの作業に執着する。

3: 作業手順が覚えられない。

4: 病棟スタッフの悪口を言う。

5: 些細なことで自傷行為をする。

第42回午前:第33問

18歳の男子。大学入学後、サークル活動時に不潔恐怖が出現し、手洗いが頻回となり、1時間以上も続けるようになった。本人の希望で精神科を受診し、入院となった。1週後に作業療法が開始された。開始時の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 疲労軽減のため音楽を聴く。

2: 作業療法中の手洗い行為を禁止する。

3: 対人関係改善のためSSTを行う。

4: 意欲向上を目的として運動を行う。

5: 大学生活の過ごし方を話し合う。

第36回午前:第30問

42歳の女性。躁うつ病。高校卒業後からスーパーマーケットに勤務。30歳のとき躁状態で入院した。以後、躁状態またはうつ状態で6回入退院を繰り返した。今回は、パートタイムで働いていたが次第に不眠、抑うつ気分を呈するようになり入院した。入院から1か月後、作業療法が開始された。作業療法開始後1か月で「早く退院したい」という申し出があった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。 ア.主治医に報告する。イ.理由を尋ねる。ウ.作業種目を変更する。エ.就労訓練を始める。オ.退院の意志を確かめる。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ