第56回午後第20問の類似問題

第34回午前:第27問

24歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。「死ね」という幻聴があり、自室に閉居して食事をとらなくなったため入院した。入院後、幻聴は軽減したが、不安が強く対人関係を避けて横になっていることが多い。作業中に幻聴に聞き入り、作業を中断した。作業療法士の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.「また聞こえてきたの」と声をかける。イ.「死ねと聞こえてくるの」と聞く。ウ.「どうしたの」と他患者から声をかけてもらう。エ.「別室で休んでいなさい」という。オ.「作業を続けましょう」と促す。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第34回午前:第26問

24歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。「死ね」という幻聴があり、自室に閉居して食事をとらなくなったため入院した。入院後、幻聴は軽減したが、不安が強く対人関係を避けて横になっていることが多い。入院3週目に対人関係の改善を目的に作業療法が処方された。この時点で協同で行える作業種目はどれか。  

1: 模造紙大のタイルモザイク

2: 10枚組みの陶板絵

3: 画用紙大のはり絵

4: 10枚組みのキルト

5: テレビゲーム

第34回午前:第28問

40歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。日常生活能力には問題なく、退院を勧められているが、「退院後の生活が不安で自信がない」と退院に踏み切れないでいる。この患者への作業療法士の働きかけで適切でないのはどれか。  

1: 作業療法場面での成功体験を積み重ねる。

2: 多少の失敗はおそれないように励ます。

3: 作業検査や知能検査など、客観的データを用いて自信をつけさせる。

4: 退院の不安に対して相談にのる。

5: 外来での作業療法の利用方法を説明する。

第44回午前:第31問

20歳の男性。統合失調症。1週前、精神運動興奮にて精神科病院を受診して入院した。入院後、「盗聴器が仕掛けられている。お前は駄目だという声が聞こえるので不安で落ち着かない」と言う。この症状はどれか。2つ選べ。  

1: 幻 聴

2: 強迫観念

3: 被害妄想

4: 作為体験

5: 感情鈍麻

第39回午前:第37問

22歳の女性。統合失調症(精神分裂病)。17歳時、周囲から悪口を言う声が聞こえ初回入院し、退院後はアルバイトの生活を続けていた。今回、突然2階から飛び降りた。けがは軽症で済んだが、興奮と幻覚妄想が顕著となり、2回目の入院。入院3週目で症状は軽減したが、疲弊状態が前面に出ている。主治医から、再発後の疲れやすさへの対処を目的とした作業療法が指示された。開始後まもなく「退院してアルバイトをしたい」と訴える。作業療法士の働きかけで適切でないのはどれか。  

1: 主治医の判断を確認する。

2: 作業療法の当面の目的を説明する。

3: 退院後の生活の見通しを尋ねる。

4: 作業種目の内容を一緒に考える。

5: 厚生労働省編一般職業適性検査を実施する。

第49回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学に進学後1人暮らしをしていたが、4年生になっても就職先が決まらず、不眠と焦燥感が出現した。その後、他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め、アパートに閉じこもるようになった。母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった。外来受診を継続し1か月半が経過したところで、外来での作業療法が処方された。この患者に対する作業療法計画の留意点として適切なのはどれか。  

1: 復学の時期を決める。

2: 職業適性を評価する。

3: 集団活動の利用を重視する。

4: 日常生活の行動目標を話し合う。

5: 実施作業種目は作業療法士が選択する。

第43回午前:第30問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 職場復帰に向けての訓練

2: 他患者との場の共有

3: 対人交流技能の訓練

4: 金銭管理の練習

5: リラクセーション

第50回午後:第19問

25歳の男性。統合失調症。大学卒業後、営業職に就いたものの、まもなく発症して入院となった。退院後、就労支援を受けたいという本人の希望があり、現在は配食サービスを行う事業所に通っている。事業所とは雇用契約を交わしており、職業指導員の下に調理と配達業務を担当し、業務以外の悩みについては生活支援員に相談している。この患者が利用している就労支援サービス事業所として適切なのはどれか。  

1: 障害者就業・生活支援センター

2: 就労継続支援A型事業所

3: 就労継続支援B型事業所

4: 障害者職業能力開発校

5: 就労移行支援事業所

第57回午後:第20問

33歳の男性。ミュージシャンを志していたが、21歳時に統合失調症を発症し、2回の入院歴がある。3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。この患者に行われているプログラムはどれか。  

1: CBT〈Cognitive Behavioral Therapy〉

2: IPS

3: NEAR

4: SST

5: WRAP

  • 答え:2
  • 解説:この患者に行われているプログラムはIPS(Individual Placement and Support)である。IPSは就労支援の方法で、従来の訓練をしてから仕事に就くのではなく、仕事の場において訓練するという方法である。
  • CBT(Cognitive Behavioral Therapy)は、認知の歪みや偏りを修正して問題解決を図る精神療法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • IPS(Individual Placement and Support)は正解であり、就労移行支援事業所を通じて職場での訓練を行い、主治医やケースワーカーと連携して支援活動を行っている。
  • NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Rehabilitation)は、コンピューターゲームを用いて行う認知機能改善のためのプログラムであり、この患者の状況とは関係がない。
  • SST(Social Skills Training)は、対人関係など社会生活に必要な技能をロールプレイを用いて訓練する方法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • WRAP(Wellness Recovery Action Plan)は、具合が悪くなったときに回復を促すために自分で行動計画を作るものであり、この患者の状況とは関係がない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午前:第28問

27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。2か月後、この患者が職場復帰を前提として退院することになった。退院支援として適切でないのはどれか。  

1: 服薬自己管理プログラムを実施する。

2: 体力回復のため運動プログラムを実施する。

3: 手がけていた設計の準備を開始する。

4: 家族を心理教育プログラムに誘う。

5: 職場や地域スタッフとのケア会議を実施する。

第50回午前:第17問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。この患者の回復指標として適切なのはどれか。  

1: 億却さを訴える。

2: 発語が減少する。

3: 退屈感を訴える。

4: 異常体験を訴える。

5: 作業手順が混乱する。

第43回午前:第29問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。作業療法導入時の面接事項で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 症状の内容

2: 睡眠の状態

3: 職場のストレス

4: 過去の親子関係

5: 現在困っていること

第52回午前:第20問

43歳の男性。統合失調症。幻聴と妄想が消失せず9年間の入院生活を送っていたが、入院患者の地域生活移行を進める方針の下、地域のアパートを借りて退院することになった。そこで、本人の地域生活を支えるため、作業療法士、看護師、精神保健福祉士、医師らがチームを組み、24時間365日体制で相談や訪問のサービスを開始した。このサービスに該当するのはどれか。  

1: Assertive Community Treatment〈ACT〉

2: Illness Management and Recovery〈IMR〉

3: Individual Placement and Support〈IPS〉

4: Intentional Peer Support〈IPS〉

5: Wellness Recovery Action Plan〈WRAP〉

第42回午前:第29問

60歳の男性。統合失調症。21歳時に発症し、過去に5回の入院歴があった。35歳時に被害妄想が再燃し、6回目の入院となって以来、父親との折り合いが悪く退院先が決まらないまま25年間入院していた。父親が亡くなったことを契機に、一人暮らしとなった84歳の母親と本人の希望により、自宅退院に向けた支援を行うことになった。この時期の作業療法の目的で適切でないのはどれか。  

1: 服薬管理

2: 金銭管理

3: 外出体験

4: 対人関係の改善

5: 自宅での役割の検討

第56回午前:第20問

45歳の男性。統合失調症。25年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。  

1: ICFモデル

2: 作業適応モデル

3: 人間作業モデル

4: ストレングスモデル

5: CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉

  • 答え:4
  • 解説:この問題では、患者の強みとしての性格、才能、希望、環境に焦点を当て、退院後の目標を立てるアセスメントが行われています。このようなアプローチはストレングスモデルに基づいています。
  • ICFモデルは、心身機能・構造、活動、参加、個人因子、環境因子が相互に影響し合う障害構造を説明したモデルです。この問題では、患者の強みに焦点を当てているため、ICFモデルではありません。
  • 作業適応モデルは、作業システムを人間-機械系として見た場合、作業システムが作業者にとって適応し、調和の取れたものとしたときのモデルです。この問題では、患者の強みに焦点を当てているため、作業適応モデルではありません。
  • 人間作業モデルは、何らかの作業に関する問題を体験している人を対象に、作業への参加を通して作業適応を促進するためのモデルです。この問題では、患者の強みに焦点を当てているため、人間作業モデルではありません。
  • ストレングスモデルは、疾患や障害のような問題点ではなく、個人の持つ強さ(長所)に焦点を当てたモデルです。この問題では、患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について確認し、退院後の目標を立てているため、ストレングスモデルが適切です。
  • CMOP(Canadian Model of Occupational Performance)は、作業遂行や作業との結びつきを理解するための概念モデルです。この問題では、患者の強みに焦点を当てているため、CMOPではありません。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第36回午前:第27問

55歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。29歳時に「『修道院に行けばお金をたくさんもらえる』という声が聞こえる」と言うようになり初回入院した。現在、4回目の入院中で、最近は病的な体験を述べることは減少したが、無為傾向が強いため、その改善を目的に作業療法が開始された。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。  

1: 病的体験の影響

2: 対人関係の範囲

3: 興味・関心の内容

4: 指示理解の程度

5: 作業の巧緻性

第38回午前:第28問

36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第49回午後:第15問

21歳の女性。統合失調症。大学に進学後1人暮らしをしていたが、4年生になっても就職先が決まらず、不眠と焦燥感が出現した。その後、他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め、アパートに閉じこもるようになった。母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった。外来受診を継続し1か月半が経過したところで、外来での作業療法が処方された。この患者の作業療法導入時の面接内容として優先すべき項目はどれか。  

1: 悪口の内容を確認する。

2: 家族に対する思いを尋ねる。

3: 一日の過ごし方を確認する。

4: 就職の不安について尋ねる。

5: 興味のある授業について尋ねる。

第52回午後:第20問

19歳の男性。統合失調症。幻覚妄想がみられ、両親に付き添われて精神科病院を受診した。病識は曖昧であったが、外来医師と両親の説得で本人が入院に同意した。入院2日目の夜になって「こんなところにいては、お前はダメになる。薬を飲むと頭が変になってしまうぞという声が聞こえる。一刻も早く退院したい。入院時の同意は取り下げる」と強く訴え興奮したため、精神保健指定医の判断によって、両親の同意の下、非自発的な入院形態に変更された。この患者の変更後の入院形態はどれか。  

1: 医療保護入院

2: 応急入院

3: 緊急措置入院

4: 措置入院

5: 任意入院

第35回午前:第27問

22歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校1年時にうつ状態で3か月入院した。その後、毎年入退院を繰り返し5回目の入院となった。入院後1か月が経過したが、自発性の減退および引きこもりがみられる。また「私の結婚相手を姉に取られた。私の考えがすべて他人に分かってしまい自分がなくなってしまうみたいで困る。他人の声が左の頭に聞こえる。」と訴えている。その時点で作業療法が処方された。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。  

1: 姉の結婚に対する気持ちを聞く。

2: 日常生活の過ごし方について話し合う。

3: 作業種目について希望を聞く。

4: 参加の意思について聞く。

5: 病棟での他の患者との交流について話を聞く。