第56回午後第15問の類似問題

第36回午前:第32問

17歳の男子高校生。恐怖症。2人兄弟の兄。弟とふざけていて、弟が持つボールペンの先が本人の手掌部に突き刺さった。傷は短期間で治癒したが、それ以後ボールペンや包丁などの先の尖ったものを怖がるようになり、勉強も手につかず、不登校となった。弟に対する暴力も時々みられた。通院を開始し、3か月が経過したが、尖端に対する恐怖心や不登校は持続している。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始後2か月、見学に来た両親から「母親にひどく甘えたりするようになった」という話があった。この時期の対応で適切なのはどれか。  

1: 退行ととらえて作業療法を継続する。

2: 作業種目の変更を考慮する。

3: 本人に主治医との面接を勧める。

4: 本人と面接し弟への攻撃性を解釈する。

5: 本人、両親および作業療法士の3者面談を行う。

第49回午前:第80問

中学生の心理発達における特徴はどれか。  

1: 性の相違を理解する。

2: 自我同一性が完成する。

3: 教師や指導者に従順である。

4: 第二次性徴への戸惑いがある。

5: 友人関係より親子関係を重視する。

第57回午後:第19問

22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。

2: 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。

3: 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。

4: 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。

5: 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。

  • 答え:2
  • 解説:注意欠如・多動性障害(ADHD)の患者で、不注意傾向から業務上の問題行動があって職場の指導では改善が見られない。患者は自信を喪失して欠勤していることから、自尊心の回復が対応すべき課題である。
  • 患者は営業職に就いていたが、不注意傾向はどのような業務にも影響があり、転職しても解決にはならない。失敗が続いて自信を喪失している患者に転職を勧めると、自尊心を傷つけることになる。
  • 入院した時期に作業療法が処方されており、急性期にあると推察される。急性期には休息させ心身の回復を図ることが重要である。この選択肢が正しい。
  • 患者に現在の状況が母親の責任だと伝えたとしても、患者が損なった自尊感情を回復することにはならない。母親は自戒の念を述べているが、これが患者の能力と欠勤の原因と判断することは困難。
  • 上司の指導方法が、患者の不注意と業務失敗の誘因とは言えない。また、業務上の失敗が患者の責任でないことが事実だとしても、それを急性期の患者に伝えても、患者は失敗を思い出しては内省を繰り返す危険がある。
  • 急性期には、患者が逃避した職場への復帰を直接的な目的とした作業を勧めることはできない。患者は自信を失っている状態であり、職場復帰を想像することがストレスとなる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第17問

3歳の男児。アテトーゼ型脳性麻痺。知的障害はない。運動発達年齢は9~10か月。非対称性緊張性頸反射、頸からの立ち直り反射、足底把握反射が残存している。運動療法で適切でないのはどれか。  

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第39回午前:第29問

68歳の男性。アルツハイマー型痴呆。数年前から道で迷ったり、電話できちんと受け答えしたのに、その内容を家人に伝えられなかったりした。最近では夜間になると興奮して動き回り、昼間はうとうとしている。半年ぶりに会った息子に初対面の人に挨拶するように対応したため、家人が心配して受診させ入院に至った。作業療法の導入で適切でないのはどれか。  

1: 単純で繰り返しの多いものから始める。

2: 時間を要するものから始める。

3: 個別プログラムから始める。

4: 自信が得られるものから始める。

5: 得意であったものを取り入れる。

第50回午後:第48問

Asperger症候群患者の作業療法にみられる特徴はどれか。  

1: コミュニケーションが得意である。

2: 流動的状況を好む。

3: 独自の手順がある。

4: 曖昧条件を好む。

5: 臨機応変である。

第56回午後:第18問

23歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊張が強まることがあった。大学進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦にしていた。卒業後に病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。考えられるのはどれか。  

1: 解離性障害

2: 強迫性障害

3: パニック障害

4: 社交(社会)不安障害

5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は人前での緊張や不安を感じることが多く、自律神経症状が現れることが特徴的であり、社交(社会)不安障害が考えられます。
  • 解離性障害は、無意識のストレスや葛藤が身体症状に変換される反応であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 強迫性障害は、不合理な考えが頭から離れず、同じ行動を繰り返すものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • パニック障害は、突然の動悸や恐怖感、息苦しさが特徴的であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 社交(社会)不安障害は、人前での緊張や不安を感じることが特徴的であり、この患者の症状と一致します。このため、答えは4です。
  • PTSDは、強烈な出来事の後に様々な症状が現れるものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • 科目:その他の精神障害
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第57回午後:第16問

21歳の男性。2か月前から「自分しか知らないはずのことを皆が知っている」と訴えるようになった。1か月前から自室にこもるようになり、一人きりで誰かに応答しているような様子がみられた。1週前から「変な味がする」と言い、母が作る食事を食べなくなった。家族が精神科の受診を勧めたが、本人は「自分はどこも悪くない」と言って頑なに拒んだ。この患者にみられない症状はどれか。  

1: 観念奔逸

2: 思考伝播

3: 対話性幻聴

4: 被毒妄想

5: 病識欠如

  • 答え:1
  • 解説:この問題では、患者の症状から統合失調症が示唆されています。統合失調症は幻覚や妄想などの症状が特徴的であり、病識欠如もよく見られる症状です。問題文の症状から、思考伝播、対話性幻聴、被毒妄想、病識欠如が当てはまりますが、観念奔逸は該当しません。
  • 観念奔逸は、思考プロセスが異常に亢進し、さまざまな考えがとめどなく湧いてくる状態で、躁病の症状です。問題文の患者の症状には観念奔逸は見られません。
  • 思考伝播は、自分の考えが他人に知られてしまうと感じる症状です。「自分しか知らないはずのことをみんなが知っている」という訴えはこれに当たります。
  • 対話性幻聴は、自分に話しかける声や自分の噂話をする声などがあり、それに反応することです。「一人きりで誰かに返答している様子」という部分が当てはまります。
  • 被毒妄想は、「食べ物に毒を入れられている」と思い込む妄想です。「変な味がする」という部分がこれに当たります。
  • 病識欠如は、自己を客観視できず、少なからず病的体験に不安定さを感じ、妄想的に認識しているとされており、統合失調症ではあらわになりやすい症状です。「自分はどこも悪くない」という部分が病識欠如に当たります。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第51回午後:第14問

16歳の女子。6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。この患者が示す症状はどれか。  

1: 心気妄想

2: 強迫行為

3: 常同行為

4: チック障害

5: 精神運動興奮

第44回午前:第40問

33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。  

1: 作業を続けさせる。

2: 母親へ電話をかけさせる。

3: 横に寝かせて安静を保つ。

4: 緊張緩和のために話しかける。

5: 不快感をとるためにうがいをさせる。

第46回午後:第18問

22歳の男性。統合失調症。作業療法の開始後、しばらくして「周りの人が自分の悪口を言っている気がする」と訴えてきた。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 訴えを助長しないよう聞き流す。

2: 個室に移動させ、作業を継続させる。

3: 休憩を取り入れ、周りの人たちの様子を観察させる。

4: 勘違いであることを説明し、気にしないよう説得する。

5: 周りの人たちに、悪口を言ったかどうかを1人ずつ確認する。

第55回午前:第18問

22歳の女性。幼少期から聞き分けの良い子だと両親に評価されてきた。完全主義であり、社交的ではないものの仲の良い友人はいた。中学生の時に自己主張をして仲間はずれにされ、一時的に保健室登校になったことがある。その後は優秀な成績で高校、大学を卒業したが、就職してからは過剰適応によるストレスで過食傾向になった。体重増加を同僚に指摘されてから食事を制限し、身長は170 cmだが体重を45 kg未満に抑えることにこだわるようになった。この患者への外来での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか。  

1: 幼少期の母子体験に触れる。

2: 作業療法の目的は半年間かけて伝える。

3: 体重測定の結果をグラフ化するのを手伝う。

4: 作業に失敗しても大丈夫であることを伝える。

5: 本人の作業療法での作品の背景にあるものを分析して伝える。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は摂食障害であると考えられるため、作業療法士の関わりは患者の適応的な自己表現を保障し、自己評価を高める機会を提供することが重要です。選択肢4が最も適切な関わりです。
  • 幼少期の母子体験に触れることは、患者を病的部分に直面させることとなり、心理的動揺を生じる危険があるため、適切ではありません。
  • 作業療法の目的は早期に決定し、患者や他スタッフと共有すべきであり、半年間かけて伝えることは適切ではありません。
  • 体重測定の結果をグラフ化させると、患者のこだわりが強まる危険があるため、適切ではありません。
  • 作業に失敗しても自己の尊厳を損なうことはないことを伝え、患者の適応的な自己表現を保障することが、摂食障害患者に対して適切な関わりです。
  • 作品の背景にあるものを分析して伝えることは、患者を病的部分に直面させることとなり、心理的動揺を生じる危険があるため、適切ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
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第57回午前:第13問

22歳の女性。幼少期に両親と死別したが、祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした。学業成績は良かったが、感情が不安定で自傷行為を繰り返し、精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した。卒業後は事務職として就職したが、感情が不安定でしばしばトラブルを起こした。最近、些細なことで友人と喧嘩になり、激怒して大量服薬して入院となった。入院後、早期に作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。  

1: 完璧主義

2: 作為体験

3: 衝動行為

4: 脱力発作

5: 振戦せん妄

  • 答え:3
  • 解説:この患者は感情が不安定で自傷行為や衝動行為が見られるため、境界性パーソナリティー障害が予想されます。
  • 完璧主義は全か無か思考とも言われ、うつ病の患者に見られる特徴です。この患者の症状とは一致しません。
  • 作為体験は、他者や外部の力によって自分の意志とは無関係に行動や感情が操られていると感じる症状で、統合失調症に見られます。この患者の症状とは一致しません。
  • 衝動行為は、感情のコントロールができずに突発的な行動をとることで、境界性パーソナリティー障害の特徴的な症状の一つです。この患者の症状と一致します。
  • 脱力発作は、突然の筋力喪失による倒れる症状で、睡眠障害の一種であるナルコプレシーに見られます。この患者の症状とは一致しません。
  • 振戦せん妄は、手足の震えや錯乱状態を伴う症状で、アルコールの離脱症状の一つです。この患者の症状とは一致しません。
  • 科目:その他の精神障害
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第50回午後:第16問

24歳の女性。高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり、「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。  

1: 社交(社会)不安障害

2: 全般性不安障害

3: パニック障害

4: 強迫性障害

5: 身体化障害

第46回午後:第13問

46歳の男性。脊髄小脳変性症。最近、歩行が不安定となり、壁を伝うことが多くなってきた。片脚起立は困難。複視と眼振が強く、日常生活でも気分不良となる。理学療法として適切なのはどれか。  

1: 継ぎ足歩行

2: Frenkel体操

3: 号令を用いた歩行

4: バランスボードを用いた起立訓練

5: リズミック・スタビリゼーション

第53回午後:第79問

中学生の心理発達における特徴はどれか。  

1: 性の相違を理解する。

2: 自我同一性が完成する。

3: 教師や指導者に従順である。

4: 第二次性徴への戸惑いがある。

5: 友人関係より親子関係を重視する。

  • 答え:4
  • 解説:中学生の心理発達の特徴は、第二次性徴への戸惑いがあることです。この時期は、身体的な変化や性的な興味が高まることから、戸惑いや不安を感じることが多いです。
  • 性の相違を理解するのは、幼児期の特徴です。この時期には、自分と異性の違いを認識し始めますが、中学生の心理発達の特徴ではありません。
  • 自我同一性が完成するのは、青年期後半の特徴です。この時期には、自分のアイデンティティを確立し、自己と他者との関係を理解するようになりますが、中学生の心理発達の特徴ではありません。
  • 教師や指導者に従順であるのは、学童期の特徴です。この時期には、規則や権威を尊重し、従順な態度を示すことが多いですが、中学生の心理発達の特徴ではありません。
  • 第二次性徴への戸惑いがあるのは、思春期の中学生の特徴です。この時期は、身体的な変化や性的な興味が高まることから、戸惑いや不安を感じることが多いです。この選択肢が正しい答えです。
  • 友人関係より親子関係を重視するのは、幼児期から学童期の前半の時期の特徴です。この時期には、親や家族との関係が重要であり、友人関係はそれほど重視されませんが、中学生の心理発達の特徴ではありません。
  • 科目:臨床心理学
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午後:第57問

中学生の心理発達における特徴はどれか。  

1: 性の相違を理解する。

2: 自我同一性が完成する。

3: 教師や指導者に従順である。

4: 第二次性徴への戸惑いがある。

5: 友人関係より親子関係を重視する。

第42回午前:第34問

32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者の病態として適切なのはどれか。  

1: 強迫性障害

2: 社会不安障害

3: 回避性人格障害

4: 身体表現性障害

5: 急性ストレス反応

第37回午前:第85問

8歳の男児。作業療法室に入室後、いつも同じ所を歩き、同じ遊具や道具だけに何度も触ったり遊んだりする。このような行動はどれか。  

1: 児戯性

2: 強迫性

3: 多動性

4: 常同性

5: 衝動性

第42回午前:第33問

18歳の男子。大学入学後、サークル活動時に不潔恐怖が出現し、手洗いが頻回となり、1時間以上も続けるようになった。本人の希望で精神科を受診し、入院となった。1週後に作業療法が開始された。開始時の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 疲労軽減のため音楽を聴く。

2: 作業療法中の手洗い行為を禁止する。

3: 対人関係改善のためSSTを行う。

4: 意欲向上を目的として運動を行う。

5: 大学生活の過ごし方を話し合う。