注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 女児に多い。
2: 気が散りやすい。
3: 会話時に視線を合わせない。
4: 順番を待つことができない。
5: 症状は小学校に入学してから現れることが多い。
26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。
1: 余暇活動
2: 集団内行動
3: 金銭管理能力
4: 作業遂行能力
5: 交通機関の利用
27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。2か月後、この患者が職場復帰を前提として退院することになった。退院支援として適切でないのはどれか。
1: 服薬自己管理プログラムを実施する。
2: 体力回復のため運動プログラムを実施する。
3: 手がけていた設計の準備を開始する。
4: 家族を心理教育プログラムに誘う。
5: 職場や地域スタッフとのケア会議を実施する。
42歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。25歳時に「お前は泥棒だ」という声が聞こえるようになり初回入院した。今回も幻聴と被害妄想が出現し3回目の入院。入院5週目で病状は落ち着き作業療法が依頼された。疲れやすさと抑うつ傾向が目立つ。この時点で、作業適用を決める上で優先度の低いのはどれか。 ア.対人刺激の量イ.作業の難易度ウ.本人の希望エ.幻聴の有無オ.退院後の生活
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。この患者は、家事ができないことで夫に罪責感を持っており、早く家事ができるようになることを希望した。作業療法導入期のプログラムとして適切でないのはどれか。
1: 小物の洗濯
2: 献立表作り
3: ベッド周りの私物整理
4: 同年代患者の茶話会参加
5: 散歩
36歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒をしていた。昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、薬物療法と作業療法で症状は安定した。主治医から退院を勧められた後、作業療法場面で泣き出すなど情緒不安定になった。この患者への対応で適切でないのはどれか。
1: 支持的な態度で患者の訴えを聞いた。
2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。
3: 情緒不安定になったことを作業終了後に主治医へ報告した。
4: 作業療法終了後も行動観察をした。
5: 作業療法の実施回数を増やした。
30歳のてんかん患者。陶芸作業中、突然動作が止まりぼんやりして口をもぐもぐさせていた。しばらくして、再び陶芸作業を始めた。作業療法士が尋ねると「昔見た光景がありありと目に浮かんできた」と答えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 様子を注意深く観察する。
2: 緊急に主治医に連絡する。
3: 光景の内容を詳しく聞く。
4: 作業種目を変更する。
5: その日の作業を中止する。
50歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 退職を勧める。
2: 気晴らしを勧める。
3: 十分な休息を勧める。
4: 自信回復のために激励する。
5: 集団認知行動療法を導入する。
66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。
1: Creutzfeldt-Jakob病
2: Alzheimer型認知症
3: Lewy小体型認知症
4: 意味性認知症
5: 正常圧水頭症
姿勢保持障害の原因で痙直型脳性麻痺児の特徴はどれか。
1: 注意集中困難による多動
2: 身近な感覚遊びによる常同行動
3: 全身の低緊張による耐久性低下
4: 身体接触面から受ける触覚の異常
5: 全身の不随意運動による調節困難
28歳の男性。統合失調症。持続性の幻聴や被害妄想のため、21歳から入退院を繰り返していたが「働きたい」という本人の希望を尊重して、一般就労を目指して支援することになった。作業療法士を含めた多職種によって生活を支援する一方、地域障害者職業センターやハローワークと協力して、マッチングを図りながら24か月を限度に支援を行っている。この患者が受けている就労支援サービスはどれか。
1: 就労移行支援
2: 職場適応訓練
3: リワーク支援
4: 就労継続支援A型
5: 就労継続支援B型
2歳の女児。痙直型四肢麻痺。臥位では頭部コントロール良好で、背臥位から腹臥位への寝返りが可能である。背臥位と腹臥位での様子を図に示す。この時期に優先して行う理学療法で最も適切なのはどれか。
1: 下肢の筋力増強
2: 介助下での歩行練習
3: 椅子からの立ち上がり練習
4: 立位での陽性支持反射の促通
5: 座位での体幹の立ち直り反応の促通
24歳の女性。高校の授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり、「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。
1: 社交(社会)不安障害
2: 全般性不安障害
3: パニック障害
4: 強迫性障害
5: 身体化障害
24歳の女性。高校生のころ、授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。この患者の障害として適切なのはどれか。
1: 社交(社会)不安障害
2: 全般性不安障害
3: パニック障害
4: 強迫性障害
5: 身体化障害
小児の精神障害で正しいのはどれか。
1: 多動性障害は女児よりも男児に多い。
2: 選択性緘黙は言語理解の障害を伴う。
3: 吃音は複雑性音声チックに分類される。
4: 乳児期の虐待は自閉症の原因となる。
5: 周産期の脳損傷はDown(ダウン)症の原因となる。
25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。考えられるのはどれか。
1: 自閉症
2: 学習障害
3: Rett症候群
4: Asperger症候群
5: 注意欠陥多動性障害
25歳の男性。事務職。外傷性脳損傷後5か月経過。明らかな麻痺はなく、いつも落ち着きなく動き回る。些細なことですぐに怒り出し、軽度の記銘力障害がある。作業療法の指導で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.メモを利用する。イ.怒ったときは本人に詳しく理由を聞く。ウ.慣れたことより目新しい課題を設定する。エ.定期的に受傷前の職場に通う。オ.作業工程を短く区切って指示する。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者への作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 自殺企図に注意する。
2: 少量の飲酒を勧める。
3: 仕事を休むよう助言する。
4: 幼児期の体験を話題にする。
5: リラクセーションを指導する。
16歳の女子。6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。作業療法中にたびたび手洗いを続けている。対応として最も適切なのはどれか。
1: 手を汚す作業に参加を促す。
2: 作業療法をしばらく中断する。
3: なぜ手洗いをしてしまうのか話し合う。
4: 手洗い行動を見守りながら作業復帰を待つ。
5: 手洗い行動が出たときに水道の蛇口を閉める。
48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法導入時の留意点はどれか。
1: 得意であった作業を導入する。
2: 他者との交流を促す。
3: 休息の取り方を練習する。
4: 病気の体験を言語化する。
5: 自己決定の機会を増やす。