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第50回午後:第15問

48歳の男性。アルコール依存症。30歳ころから仕事上のストレスにより飲酒量が増えてきた。40歳ころから遅刻や欠勤を繰り返すようになり2年前に会社をやめた。2か月前から連続飲酒状態となったため妻に付き添われて精神科を受診し、入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 家族同伴で心理教育を行う。

2: 集団内で仲間意識を育てる。

3: 自助グループへの参加を促す。

4: プログラムでの頑張りを促す。

5: 退院後の生活について助言する。

第50回午後:第20問

25歳の男性。Asperger症候群。うつ病を合併していたが最近になり改善した。就労意欲が高まったため就労に向けた評価を実施することになった。この患者に実施する評価で適切でないのはどれか。  

1: SDS

2: HRS

3: PANSS

4: マイクロタワー法

5: VPI職業興味検査

第48回午後:第19問

26歳の男性。Asperger症候群。小学校でいじめに遭い、以後、学校では友人はほとんどできなかった。大学卒業後、建築関連の会社に就職したが、同僚からは「融通がきかない、人の気持ちを逆なでする」などと責められることが多く、ストレスから徐々に抑うつ気分が強くなった。欠勤が続いたため、上司が精神科クリニックを紹介し、復職を目標にデイケアに通うことになった。この患者にみられやすい特徴はどれか。  

1: 運動が得意である。

2: 興味・関心の幅が広い。

3: 予定が変わると混乱する。

4: 相手の気持ちに敏感である。

5: 決められたルールを守れない。

第43回午前:第28問

47歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事のストレスのために飲酒量が増え、40歳ころから高脂血症と肝機能障害とがある。年末年始に連続飲酒の状態となり、妻と両親に付き添われて精神科を受診した。アルコール専門病棟へ入院し、2週目に作業療法が開始された。この時点での作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 体力の向上を図る。

2: 合併症に関する心理教育を行う。

3: 仕事のストレスについて話し合う。

4: 生活技能訓練(SST)を行う。

5: 自助グループを紹介する。

第44回午前:第92問

神経性無食欲症の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: ボディイメージのゆがみを扱う。

2: 身体運動を通して発散を促す。

3: 対人交流を楽しめるよう促す。

4: 食事についての話題を促す。

5: 体重の自己チェックを促す。

第53回午後:第20問

71歳の男性。うっ血性心不全。2週間前から顔面と下肢とに浮腫がみられるようになり、安静にしていても呼吸困難があるため入院となった。入院2日後、離床練習開始となった。医療面接における質問で重要性が低いのはどれか。  

1: 「咳や痰はないですか」

2: 「仰向けで寝られますか」

3: 「喉が渇きやすいですか」

4: 「息切れは少なくなりましたか」

5: 「手足のむくみは少なくなりましたか」

第40回午前:第40問

16歳の女子。てんかん。IQ 80。5歳時に大発作が出現した。中学卒業までの間に数回の発作があったが、服薬で発作はコントロールされてきた。卒業後、アルバイトを始めて4か月経過した時点で、発作が出現した。その直後から自室に引きこもって何もしなくなり、外来受診も嫌がるようになった。本人は主治医に「自分には何もできない」「定時制高校で勉強したいが自信がない」と話し、本人と相談の結果、週3回の個人作業療法に参加することとなった。両親は「家事でもしてくれれば」と希望している。導入時の目標で適切なのはどれか。  

1: 休まず作業療法に参加する。

2: 家事手伝いをするようになる。

3: 個人作業療法の場で同年齢の友人を作る。

4: アルバイトを再開する。

5: 定時制高校入学の準備を始める。

第47回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の患者の回復状態はどれか。  

1: 急性期

2: 亜急性期

3: 回復期前期

4: 回復期後期

5: 維持期

第56回午後:第20問

32歳の男性。統合失調症。これまで院内の外来作業療法に参加していたが、友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった。担当の作業療法士が院内のカンファレンスで、この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要なのはどれか。  

1: 罹病期間

2: 幻聴の頻度

3: 病識の程度

4: 就労への意欲

5: 統合失調症の病型

  • 答え:4
  • 解説:就労移行支援事業所利用を提案する際に最も重要な要素は、患者の就労への意欲です。患者が一般就労や起業を希望し、適正な職場への就労が見込まれる場合、支援を受けることができます。
  • 罹病期間は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。罹病期間に関係なく、事業の利用ができます。
  • 幻聴の頻度は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。症状の頻度や重症度は支援を受ける条件に含まれていないため、幻聴の頻度によって就労が妨げられる状況とは考えにくいです。
  • 病識の程度は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。職場への就労が見込まれる場合、病識の程度に関係なく、支援を受けることができます。
  • 就労への意欲は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素です。患者が一般就労や起業を希望し、適正な職場への就労が見込まれる場合、支援を受けることができます。
  • 統合失調症の病型は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。病型に関係なく、事業の利用ができます。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第40問

68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。開始時の作業活動で適切なのはどれか。  

1: 籐細工

2: 園 芸

3: 音楽鑑賞

4: 絵 画

5: 文化刺繍

第35回午前:第26問

18歳の女性。統合失調症。高校入学後成績が低下して不登校となり、自室に閉居しがちとなったため入院した。入院後3か月経過。時折、院内を徘徊しているが、日中は自室に閉じこもりがちである。この時点で作業療法が処方された。導入期に利用する作業種目で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.簡単な構成的作業イ.軽い身体運動ウ.創造的作業エ.肉体労働的作業オ.ゲーム・競争的作業  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第55回午前:第18問

22歳の女性。幼少期から聞き分けの良い子だと両親に評価されてきた。完全主義であり、社交的ではないものの仲の良い友人はいた。中学生の時に自己主張をして仲間はずれにされ、一時的に保健室登校になったことがある。その後は優秀な成績で高校、大学を卒業したが、就職してからは過剰適応によるストレスで過食傾向になった。体重増加を同僚に指摘されてから食事を制限し、身長は170 cmだが体重を45 kg未満に抑えることにこだわるようになった。この患者への外来での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか。  

1: 幼少期の母子体験に触れる。

2: 作業療法の目的は半年間かけて伝える。

3: 体重測定の結果をグラフ化するのを手伝う。

4: 作業に失敗しても大丈夫であることを伝える。

5: 本人の作業療法での作品の背景にあるものを分析して伝える。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は摂食障害であると考えられるため、作業療法士の関わりは患者の適応的な自己表現を保障し、自己評価を高める機会を提供することが重要です。選択肢4が最も適切な関わりです。
  • 幼少期の母子体験に触れることは、患者を病的部分に直面させることとなり、心理的動揺を生じる危険があるため、適切ではありません。
  • 作業療法の目的は早期に決定し、患者や他スタッフと共有すべきであり、半年間かけて伝えることは適切ではありません。
  • 体重測定の結果をグラフ化させると、患者のこだわりが強まる危険があるため、適切ではありません。
  • 作業に失敗しても自己の尊厳を損なうことはないことを伝え、患者の適応的な自己表現を保障することが、摂食障害患者に対して適切な関わりです。
  • 作品の背景にあるものを分析して伝えることは、患者を病的部分に直面させることとなり、心理的動揺を生じる危険があるため、適切ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午後:第100問

薬剤とその典型的副作用との組合せで正しいのはどれか。  

1: 抗うつ薬-不安発作

2: 抗不安薬-脱力

3: 抗精神病薬-幻覚

4: 抗てんかん薬-錐体外路症状

5: Parkinson病治療薬-無月経

第45回午前:第18問

25歳の会社員。通勤中に電車内で突然の心悸亢進、発汗、身体のふるえ及び窒息感におそわれ搬入された。心電図、脳波および血液検査で異常を認めなかったため自宅に戻った。その後も週2、3回同様の発作が生じ、外出が困難となったため精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 生活リズムを整える。

2: 身体運動を取り入れる。

3: 外出の練習を取り入れる。

4: リラクセーションの練習をする。

5: 社会生活技能訓練(SST)を行う。

第50回午前:第14問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。  

1: 身体表現性障害

2: 気分変調性障害

3: 統合失調感情障害

4: 演技性パーソナリティ障害

5: 境界性パーソナリティ障害

第36回午後:第75問

うつ病の症状でないのはどれか。  

1: 思考制止

2: 食欲減退

3: 睡眠障害

4: 昏 迷

5: 感情鈍麻

第54回午前:第13問

76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。  

1: 些細なことで泣き出す。

2: 他人の物を勝手に持っていこうとする。

3: 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。

4: わからない質問に対し言い繕って答える。

5: 日によって意識レベルの低下度合いが異なる。

  • 答え:5
  • 解説:この患者は物忘れや歩行中の転倒、幻視が見られるため、Lewy小体型認知症が疑われます。Lewy小体型認知症では、抑うつ症状や易転倒性、反復する具体的幻視、注意・覚醒レベルの著明な変化を伴う認知機能の変動が特徴です。
  • 些細なことで泣き出すのは、脳血管性認知症で見られやすい感情失禁であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 他人の物を勝手に持っていこうとするのは、前頭側頭型認知症で見られやすい反社会的行動であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 時間どおりに来室し必ず同じ席に座るのは、前頭側頭型認知症で見られやすい常同行動であり、この患者の症状とは一致しません。
  • わからない質問に対し言い繕って答えるのは、Alzheimer型認知症で見られやすい「取り繕い」や「場合わせ反応」であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 日によって意識レベルの低下度合いが異なるのは、Lewy小体型認知症の特徴であり、この患者の症状と一致します。Lewy小体型認知症では、抑うつ症状や易転倒性、反復する具体的幻視、注意・覚醒レベルの著明な変化を伴う認知機能の変動が特徴となります。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第47回午後:第19問

35歳の女性。現在、6か月児の子育て中であるが、1か月前からテレビも新聞も見る気が起こらないほど周囲への興味・関心が低下し、子と触れ合うこともおっくうになった。物事の判断が鈍くなり、子育てに自信をなくし、自分を責め、ささいなことから不安になりやすくなったため、子を祖母に預けて精神科病院に入院した。入院翌日から不安の軽減を目的に作業療法が開始された。この患者に用いる作業活動で適切なのはどれか。  

1: 就労準備活動

2: 会話を促す活動

3: 創造力を要する活動

4: 決断力を要する活動

5: 短時間で完結する活動

第53回午後:第18問

20歳の男性。幼少期は一人遊びが多かった。小学校から高校までは成績は概ね良かったものの、正論的発言が多い、融通が利かないなどによって集団になじめず、いじめを受けることも多かった。大学に入ると、講義科目は問題ないが、演習科目のグループワークで相手に配慮した発言がうまくできず、メンバーから避けられることが多くなった。大学2年生になると、過去のいじめ体験を思い出してパニックになることが増え、自宅の自室に引きこもる状態となったため、母親に連れられて精神科を受診し、外来で作業療法が開始された。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: ルールや取り決めを明示しておく。

2: 興味や関心のある活動を導入する。

3: 作業手順を言葉で細かく伝える。

4: 心理教育プログラムを行う。

5: パラレルな場を用いる。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自閉スペクトラム症(ASD)が考えられるため、作業療法においては、ルールや取り決めを明示する、興味や関心のある活動を導入する、心理教育プログラムを行う、パラレルな場を用いるなどの対応が適切である。ただし、作業手順を言葉で細かく伝えることは、混乱を招くことがあるため適切ではない。
  • 自閉スペクトラム症に対する作業療法の導入では、あらかじめ約束事(ルール)を明示するとよい。これにより、患者が安心して活動に取り組むことができる。
  • 作業療法の導入には興味・関心のある活動を用いて、治療・援助の目標や約束などを具体的に取り決めることが望ましい。これにより、患者が自分の興味に基づいて活動に取り組むことができる。
  • 自閉スペクトラム症では、作業手順を言葉で細かく伝えても混乱することがある。言葉の場合はなるべく簡潔に、具体的表現で伝えたほうがよい。また、作業手順は図示するなど、言語以外の表記法を用いるとよい。この選択肢は適切でないため、答えとなります。
  • 心理教育プログラムは、患者に症状の自己理解を促す点で適切である。これにより、患者が自分の状況を理解し、適切な対応ができるようになる。
  • この患者は引きこもりがあるため、作業療法はパラレルな場で始めた方がよい。人と場を共有させつつ、人と同じことをしなくてもよい、制約の少ない場での作業を体験させ、他人との成功体験を重ねることで、集団の中で過ごすことに慣れていくと考えられる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第51回午後:第19問

69歳の男性。肺癌。これまで化学療法を行ったが病状は進行し、経過中に脳転移がみられた。胸部エックス線写真(A)と頭部造影MRI(B)とを示す。現在、呼吸に関する自覚症状はないが、全身倦怠感、食欲不振および悪心があり、外出する気分になれず自宅に閉じこもる傾向にある。この時期に適切な理学療法はどれか。 

51_1_19

1: 嚥下練習

2: 下肢促通運動

3: 屋外での歩行運動

4: 軽打法による排痰

5: 漸増的な持久性運動