第52回午後第4問の類似問題

第35回午前:第18問

70歳の男性。肺癌で左肺下葉切除術後2日経過。左上葉の痰貯留が多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 吸気筋に対する抵抗運動

2: ファーラー位での体位排痰

3: 腹式呼吸

4: 全身リラクセーション

5: 四肢の自動運動

第55回午前:第28問

自宅で電話の対応ができないといった認知症症状の進行があり、意思疎通の困難さがあるが、介助者が注意していれば日常生活は自立できている。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。  

1: Ⅱa

2: Ⅱb

3: Ⅲa

4: Ⅲb

5: Ⅳ

  • 答え:2
  • 解説:認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、意思疎通の程度や症状・行動に着目して評価されます。この問題では、意思疎通が困難であるものの、介助者が注意していれば日常生活が自立できる状況が示されています。これは、ランクⅡbに該当します。
  • Ⅱaは、認知症の症状が進行しているものの、まだ意思疎通が可能であり、日常生活がほぼ自立できる状態を指します。この問題では、意思疎通が困難であるため、Ⅱaではありません。
  • Ⅱbは、認知症の症状が進行し、意思疎通が困難であるものの、介助者が注意していれば日常生活が自立できる状態を指します。この問題の状況は、Ⅱbに該当するため、正解です。
  • Ⅲaは、認知症の症状がさらに進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において部分的な介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅲaではありません。
  • Ⅲbは、認知症の症状が進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において全般的な介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅲbではありません。
  • Ⅳは、認知症の症状が最も進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において常時介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅳではありません。
  • 科目:認知症・高齢者障害
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第35回午後:第77問

躁病でみられないのはどれか。  

1: 多 弁

2: 多 動

3: 注意転導

4: 睡眠障害

5: 思考伝播

第47回午後:第4問

28歳の男性。交通事故による頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。今日の日付を聞くと、カレンダーを見てようやく答えることができる。病棟と作業療法室の行き来では、今いる場所や行き先が分からなくなるので見守りが必要である。現時点の頭部CTを示す。この患者の状態を評価するのに適切でないのはどれか。 

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1: TMT

2: MMSE

3: WCST

4: 線分抹消検査

5: 線分2等分検査

第57回午後:第14問

60歳の男性。7年前から歩行時にふらつきを自覚し、6年前から話し方が単調で途切れ途切れとなり膀胱直腸障害と起立性低血圧を認めた。四肢の固縮や振戦が徐々に進行し、2年前から車椅子で移動するようになった。最近、声が小さくなり呼吸困難感を訴えるようになった。頭部MRIのFLAIR画像で水平断(A)および矢状断(B)を示す。この疾患で合併する可能性が高いのはどれか。 

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1: 失 語

2: 拮抗失行

3: 声帯麻痺

4: 下方注視麻痺

5: 他人の手徴候

第50回午後:第15問

48歳の男性。アルコール依存症。30歳ころから仕事上のストレスにより飲酒量が増えてきた。40歳ころから遅刻や欠勤を繰り返すようになり2年前に会社をやめた。2か月前から連続飲酒状態となったため妻に付き添われて精神科を受診し、入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 家族同伴で心理教育を行う。

2: 集団内で仲間意識を育てる。

3: 自助グループへの参加を促す。

4: プログラムでの頑張りを促す。

5: 退院後の生活について助言する。

第43回午前:第82問

統合失調症患者の作業療法場面での行動特徴で誤っているのはどれか。  

1: とっさの判断を求められると戸惑う。

2: 特定の作業活動に執着する。

3: 同時に二つの課題を与えられると混乱しやすい。

4: 新しいものに慣れるまで時間がかかる。

5: 計画的に物事を進めることが困難である。

第37回午前:第23問

6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児の作業活動の姿勢で適切でないのはどれか。  

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第51回午後:第8問

70歳の男性。肺癌末期だが意識は清明で四肢筋力も保たれている。感覚障害や四肢の浮腫もない。最近徐々に嗄声が出現した。原因として最も考えられるのはどれか。  

1: 反回神経麻痺

2: Raynaud現象

3: Pancoast腫瘍

4: 上大静脈症候群

5: Lambert-Eaton症候群

第38回午前:第37問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での目標で優先度の低いのはどれか。  

1: 自ら作業療法士に相談することができる。

2: 他患の作業に協力することができる。

3: 大グループに参加することができる。

4: 身体的回復を優先することができる。

5: 欠席の理由を伝えることができる。

第40回午前:第39問

15歳の男子。アスペルガー症候群。成績は良いが、最近、小さなことで級友を罵倒したり、机を蹴飛ばしたり、教師に対する攻撃的な言動も目立つようになった。家でも些細なことへのこだわりが強まり、親が対応に困り精神科外来受診となった。当面、週1回の個人作業療法に参加することとなった。本人は「ここには母親に連れてこられた」と受身的な参加態度を示す。当面1か月の作業療法の目的で適切なのはどれか。  

1: こだわりの修正

2: いらいら感の発散

3: 行動化の内省

4: 学習の場の提供

5: 級友関係の修復

第57回午前:第36問

全般性注意障害のある左片麻痺患者に対する動作指導について正しいのはどれか。  

1: 複数の方法を指導する。

2: 一連の動作を一度に指導する。

3: 外乱が少ない環境から開始する。

4: 動作の誤りは口頭指示のみで修正する。

5: 動作の誤りは何度も繰り返し修正する。

  • 答え:3
  • 解説:全般性注意障害のある左片麻痺患者に対する動作指導では、外乱が少ない環境から開始することが適切です。注意障害がある場合、複数の方法や一連の動作を一度に指導することは困難であり、動作の誤りを修正する際にも工夫が必要です。
  • 全般性の注意障害では、容量性の記憶障害が生じやすいため、複数の方法を指導することは適さない。
  • 注意障害では、一連の動作のように複数の動作を一度に覚えることが困難。その場合、一連の動作は区切って指導する。
  • 注意障害がある場合は、作業に集中できるように、余計な外乱が入りにくい環境から開始した方がよい。この選択肢が正しい。
  • 動作の誤りを口頭指示のみで修正しようとしても、口答指示に注意が向いていなかったり、口答指示に注意を払いながら動作修正のような複数の対象へ注意を持続させることが困難。動作の誤りを修正するためには口答指示に限らず、動作が誤りなくできる動作誘導をするなど、正しい動作の習得に集中できるようにするなど、工夫してもよい。
  • 持続性の注意障害があると、注意を一定に保つことができないため、誤りを繰り返すことが多く修正が困難である。動作の誤りを修正するには、動作手順を省略・単純化するなど、誤りが出にくい動作へ変更してもよい。
  • 科目:脳血管疾患
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第42回午前:第34問

32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者の病態として適切なのはどれか。  

1: 強迫性障害

2: 社会不安障害

3: 回避性人格障害

4: 身体表現性障害

5: 急性ストレス反応

第56回午前:第27問

発症後1か月の脳卒中片麻痺患者。2か月後に予定されている退院時の歩行能力の目標を設定するための情報として、優先度が最も低いと考えられるのはどれか。  

1: 画像所見

2: 糖尿病の合併

3: 発症前のADL

4: 歩行能力の回復経過

5: Brunnstrom法ステージの回復経過

第48回午前:第13問

54歳の女性。糖尿病性末梢神経障害。インスリンによる治療を受けている。低血糖発作の既往が指摘されている。作業療法中、この患者に現れる初期の低血糖症状で可能性が高いのはどれか。  

1: 発汗

2: 複視

3: けいれん

4: 行動異常

5: 意識障害

第57回午後:第46問

前頭側頭型認知症患者への作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。

2: 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。

3: 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。

4: 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。

5: 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。

  • 答え:5
  • 解説:前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉が萎縮する認知症で、常同行動や食べ物にこだわる行動が特徴的です。作業療法士は、患者の状況に応じて適切な対応を行う必要があります。
  • 前頭側頭型認知症では、注意機能や言語機能が低下するため、活動中に複雑な判断を求めると、作業への注意集中が途切れてしまう。この選択肢は適切ではありません。
  • 前頭側頭型認知症者では言語機能が障害されることがあるが、紙に書いて伝えたとしても、読字が障害された場合には有効ではない。この選択肢は適切ではありません。
  • 活動の内容を説明することも大切であるが、認知症の影響で理解が得られないことがある。この場合は、作業療法士側が柔軟に対応してもよいが、この選択肢だけでは適切な対応とは言えません。
  • 常同行動に対して無理に別の行動を促すと、こだわりが強くなって活動への拒否がみられるなど適応性を阻害することになる。この選択肢は適切ではありません。
  • 前頭側頭型認知症者には、偏食や過食が現れることがある。認知症があるため、説明しても理解できない。患者の健康維持のために、過食しないように食物が見えない環境を整備する。この選択肢が適切な対応です。
  • 科目:認知症・高齢者障害
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第41回午前:第79問

認知症の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 集団回想法

2: 見当識の訓練

3: 創作活動

4: ADL訓練

5: 数字の暗記

第45回午後:第17問

48歳の女性。うつ病。教育熱心な母親としてパート勤務をしながら2人の娘を育てた。娘達が家を離れた頃から何もする気がなくなり、抑うつ状態となった。希死念慮がみられたため夫に付き添われて精神科を受診し入院となった。「何かしていないと落ち着かない」と訴えたため入院後5日目から作業療法が開始された。作業療法開始時の評価項目で適切なのはどれか。  

1: 対人関係

2: 作業経験

3: 自己評価

4: 知的機能

5: 職業興味

第42回午前:第23問

65歳の女性。左片麻痺。短下肢装具と杖で歩行が可能。発症後6か月経過し自宅に帰ることになった。家屋改造で適切でないのはどれか。 

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1: ①:玄関の上がりかまちに踏み台を置く。

2: ②:便器に向かって左側に手すりを設置する。

3: ③:浴室出入り口の右側に手すりを設置する。

4: ④:浴槽の向かって左側にトランスファーボードを置く。

5: ⑤:自室の出入り口を引き戸にする。

第44回午前:第19問

75歳の女性。突然の意識障害で搬入された。発症当日の頭部CTを示す。発症3日目のJCS(Japan coma scale)は10点であった。この時点での理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 

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1: 体位変換

2: 座位訓練

3: 移乗訓練

4: 腹筋強化

5: 関節可動域訓練