気分障害(うつ状態)の患者の作業療法中にみられないのはどれか。
1: 疲れやすい。
2: 頑張り過ぎる。
3: 失敗にこだわる。
4: 興味が移りやすい。
5: 意思決定が苦手である。
がんのリハビリテーションの緩和期の対応で正しいのはどれか。
1: 余命延長が目的である。
2: 骨転移があれば安静臥床とする。
3: 鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する。
4: 余命3か月未満と診断された後開始する。
5: PS (Performance Status)4では運動中止とする。
注意欠如・多動性障害の患者の就労に関して適切な助言はどれか。
1: 優先順位にこだわらないようにする。
2: 多彩なやり方で物事を行うようにする。
3: 周囲の人に配慮を求めないようにする。
4: 自分だけの時間や場所を作るようにする。
5: 便利なハイテク機器などは利用しないようにする。
22歳の男性。統合失調症。作業療法の開始後、しばらくして「周りの人が自分の悪口を言っている気がする」と訴えてきた。作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 訴えを助長しないよう聞き流す。
2: 個室に移動させ、作業を継続させる。
3: 休憩を取り入れ、周りの人たちの様子を観察させる。
4: 勘違いであることを説明し、気にしないよう説得する。
5: 周りの人たちに、悪口を言ったかどうかを1人ずつ確認する。
50歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 退職を勧める。
2: 気晴らしを勧める。
3: 十分な休息を勧める。
4: 自信回復のために激励する。
5: 集団認知行動療法を導入する。
家族や友人を亡くしたことを嘆き悲しみ、その後回復していく過程はどれか。
1: トラウマ
2: 喪の仕事
3: 対象喪失
4: パリアティブケア
5: スピリチュアルペイン
境界型人格障害の患者に対する作業療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 衝動発散を促す。
2: 依存欲求を満たす。
3: 有能感を高める。
4: 退行を促す。
5: 試行錯誤を促す。
てんかん患者の作業療法で発作がみられやすい時期はどれか。
1: 開始時
2: 準備時
3: 会話時
4: 遂行時
5: 終了時
26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者への対応として適切なのはどれか。
1: 集団プログラムへの参加を優先する。
2: 自分で考えて行動するよう働きかける。
3: 逸脱行動にはすぐに介入せず様子を見る。
4: 患者の希望に応じてプログラムを柔軟に変更する。
5: 作業療法士を攻撃する言動が生じたら担当を変更する。
認知行動療法で対象となるうつ病の自動思考のうち「極端な一般化」にあたるのはどれか。
1: そのときの感情に基づいて現実を判断する。
2: 全てに対して白黒をつけて割り切ろうとする。
3: 着目していることだけから短絡的に結論付ける。
4: 「こうするべきだ」と行動を制限して自分を責める。
5: 少数の事実から全てが同じ結果になると結論付ける。
24歳の女性。幼少時に母親から虐待を受けていた。高校中退後から仕事を転々としている。男性との関係は不安定で別れ話のたびに大量服薬を繰り返した。いつもむなしくて死にたい気持ちがあると自覚して、精神科クリニックを受診した。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 退行の促進
2: 枠組みの提供
3: 依存欲求の促進
4: 衝動の適応的発散
5: 失敗しない作業の提供
転移・逆転移で正しいのはどれか。
1: 治療者に対する患者の怒りは逆転移の一種である。
2: 逆転移を認識したら治療を中断する。
3: 心理治療の目的は陽性転移の出現である。
4: 転移は行動化の原因となる。
5: 転移を起こしている間の出来事は想起できない。
26歳の女性。感情が不安定でリストカットを繰り返している。これまでいくつも職歴があるが、いずれも対人的なトラブルが原因で辞めている。大量服薬をしたため精神科病院に入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 実施時間を明確に決める。
2: 特定の担当者を決めない。
3: 集団で協力する活動を導入する。
4: 目標は複数回参加した後で決める。
5: 実施頻度は本人の要求に応じて変更する。
うつ病患者の作業適用で適切なのはどれか。
1: 自己決定の多い作業
2: 反復的な手順の作業
3: 競争的な集団作業
4: 出来不出来が明確な作業
5: 対人交流の多い作業
境界性人格障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 集団作業への参加を促す。
2: 柔軟な枠組みを提供する。
3: 主観的体験内容を把握する。
4: 攻撃衝動の適応的発散を促す。
5: 退行を促進するようにかかわる。
認知症患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 慣れた作業環境で行う。
2: なじみのある作業を選ぶ。
3: 理解力に応じた指示にする。
4: 休憩の取り方は患者に任せる。
5: 単純な行程の種目を選ぶ。
境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 退行を許容する。
2: 集団作業への参加を促す。
3: 柔軟な枠組みを提供する。
4: 攻撃衝動の適応的発散を促す。
5: 主観的な苦悩を共感的に理解する。
PTSD〈外傷後ストレス障害〉に関する対応で適切なのはどれか。
1: 曝露療法は短期間に留める。
2: 外傷体験の直後は詳しく体験を語らせる。
3: 集団の中で体験を語り合うことは避ける。
4: 心的外傷体験の一般的な心理反応を説明する。
5: 心理的動揺がある程度収まってから心理的応急処置を実施する。
前頭側頭型認知症患者への作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
2: 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
3: 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
4: 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
5: 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
25歳の女性。境界型人格障害。手首の自傷行為の反復、睡眠薬遊びや万引きがある。「何でも良いからやれる仕事をやってはどうか」と言う母親に暴力を振るい、止めに入った父親の前で「死んでやる」と言って再び手首の自傷行為に及び入院した。入院後、穏やかになり作業療法が開始された。作業療法を開始する上で適切でないのはどれか。
1: チームの間でかかわり方の合意をしておく。
2: 実施時間を明確に決めておく。
3: 短期間で結果が得られるものを選ぶ。
4: 作業種目の選択を本人に任せる。
5: グループ作業を勧める。