老年症候群について誤っているのはどれか。
1: 虚弱な老人に特有の症候である。
2: ADLの阻害要因となる。
3: 活動性が低下しやすい。
4: 単一の原因で起こる。
5: 悪循環に陥る。
65歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。屋内歩行は伝い歩きをしている。薬物コントロールができ次第、退院予定である。運動機能維持を目的とした作業療法で優先順位が低いのはどれか。
68歳の男性。歩行中に転倒して歩けなくなり救急搬送された。上下肢に麻痺を認めたが骨傷はみられず、中心性頸髄損傷の診断を受けた。受傷5日後のADLは全介助であった。6か月後にFIMでADLを評価したときに、最も自立度が低いと予想される項目はどれか。
1: 更衣(上半身)
2: 排尿管理
3: トイレ移乗
4: 歩行
5: 階段昇降
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で適切でないのはどれか。
1: 前開きシャツは健側肢から着る。
2: 導入時にはニットのかぶり型上衣を用いる。
3: 長めのループ付きタオルで背中を洗う。
4: トイレ横壁のL字型手すりを使って移乗する。
5: 車椅子を健側上下肢で操作する。
アルツハイマー病に関して正しいのはどれか。
1: 老年期の痴呆の80%を占める。
2: 発症に男女差はない。
3: 症状は階段状に悪化する。
4: 記憶障害が初期からみられる。
5: CTで大脳白質の低吸収域病巣が散在する。
80歳の男性。3年前に脳梗塞による右片麻痺を発症したが、独歩は可能であり、ADLは自立していた。肺炎のため1週間の安静臥床が続いた後、伝い歩きはできるものの独歩は困難となった。最も考えられる原因はどれか。
1: 褥瘡
2: 脳梗塞の再発
3: 下肢筋力低下
4: 呼吸機能低下
5: 精神機能低下
60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。
1: 歩行の状態を把握する。
2: 日常生活の状況について尋ねる。
3: 発症に先立つ環境変化について情報収集する。
4: 高次脳機能検査を行う。
5: 患者が関心を持っている活動を聞く。
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
我が国の認知症対策として適切でないのはどれか。
1: 介護者への支援
2: 施設入所の促進
3: 若年性認知症施策の強化
4: 認知症に関する知識の普及
5: リハビリテーションモデルの研究開発
認知症の症状とその作業特徴の組合せで正しいのはどれか。
1: 失行 ― 手順に固執する。
2: 失語 ― 聞いてないことを始める。
3: 失認 ― 作業対象を取り違える。
4: 見当識障害 ― 作業の指示に泣き出す。
5: 遂行機能障害 ― 他人の作品を持ち帰る。
21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: デイケアでの集団活動を促す。
2: 自宅での過ごし方を指導する。
3: 復学準備の開始時期を話し合う。
4: 作業遂行の特徴を家族に伝える。
5: 外来作業療法で支援を継続する。
86歳の女性。脳梗塞による左片麻痺、発症後1年半が経過した。ADLは介助すればおかゆなどの調理食を食べる以外は全介助、ドーナツ型の枕を使用してベッド上で臥床している。全身の筋萎縮、筋短縮と関節拘縮を著明に認める。退院時に介護保険を利用してベッドやマットを準備したが、体圧分散マットのような特殊マットは利用していない。作業療法士が自宅訪問したときのベッド上での肢位を示す。褥瘡予防と姿勢保持のために背臥位でポジショニングを行う。クッションを置く部位で正しいのはどれか。
1: 後頸部
2: 肩甲骨背面
3: 腰背部
4: 右大転子部
5: 両大腿内側
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ベッドサイドでの作業療法の評価として適切でないのはどれか。
1: 起座時には血圧を測定する。
2: 病棟でのADLについて情報を得る。
3: 端座位の保持は左側から介助する。
4: 言語機能のスクリーニングを行う。
5: 左手の物品操作能力を確認する。
Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか。
1: 階段よりも傾斜路を利用する。
2: 食事には手関節固定装具を用いる。
3: 下衣の更衣はできるだけゆっくり行う。
4: 浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる。
5: 起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する。
68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
高次脳機能障害と在宅での生活指導との組合せで正しいのはどれか。
1: 半側空間無視-車の免許証を返納させる。
2: 観念失行-病前からなじみのある方法を用いる。
3: 手指失認-料理でナイフを用いない。
4: 構成失行-場面にあった服装の指導をする。
5: 喚語障害-トーキングエイドの使用を指導する。
36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ