第47回午後第16問の類似問題

第38回午前:第35問

13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。デイケア開始時に治療者が留意する点で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 年齢を考慮し他のメンバーには紹介しない。

2: 年齢を考慮しプログラムはスタッフが決める。

3: 発作時の対処をスタッフ間で話し合う。

4: 患者と治療設定を確認し合う。

5: 不登校と発作の関係を聴く。

第52回午前:第16問

67歳の女性。作業療法中に傾眠傾向が続いた日があるかと思えば、声かけにはきはきと受け答えをする日もある。部屋の間違いや道に迷うことも多い。あるとき突然「カーテンの陰に人がいる」と話し怯えだした。この患者の原因疾患として最も可能性が高いのはどれか。  

1: Alzheimer型認知症

2: Lewy小体型認知症

3: 前頭側頭型認知症

4: 正常圧水頭症

5: 血管性認知症

第40回午前:第3問

65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ベッドサイドでの作業療法の評価として適切でないのはどれか。  

1: 起座時には血圧を測定する。

2: 病棟でのADLについて情報を得る。

3: 端座位の保持は左側から介助する。

4: 言語機能のスクリーニングを行う。

5: 左手の物品操作能力を確認する。

第41回午前:第29問

65歳の女性。アルツハイマー型認知症。2年前から物忘れがひどくなった。散歩に行って自宅に帰れなくなってから、抑うつ的となり自宅から出たがらなくなった。日中の臥床傾向が強く、夜中に徘徊するようになったため入院となった。昼夜逆転はなくなり介助で食事がとれるようになり、退院することになった。退院後の支援で適切でないのはどれか。  

1: 通所介護(デイサービス)の利用

2: 訪問看護の利用

3: 介護老人保健施設への入所

4: 訪問介護(ホームヘルプサービス)の利用

5: 福祉ホームへの入所

第46回午前:第19問

55歳の男性。うつ病。職場で苦手なパソコン操作を行う業務を担当するようになり、不眠、意欲低下および抑うつ気分がみられるようになった。希死念慮も認められたため入院となった。入院後1か月経過し、作業療法が開始された。初回評価で優先度が高いのはどれか。2つ選べ。  

1: 家族関係

2: 睡眠障害

3: 思考障害

4: 作業能力

5: 職場環境

第41回午前:第33問

40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この患者の入院初期の治療として適切でないのはどれか。  

1: 対人技能訓練を行う。

2: 隠れた身体疾患を検索する。

3: 睡眠薬を処方する。

4: 抗うつ薬を処方する。

5: 充分な休息を与える。

第41回午前:第35問

28歳の女性。精神科クリニックで境界型人格障害と診断され精神療法と薬物療法を受けていた。母親と口論となり睡眠薬を大量に摂取して自殺を図った。意識回復後、希死念慮を認めるために精神科に入院となった。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: パラレルな場での個人作業療法を行う。

2: 参加する時間帯を自由にする。

3: 刃物やはさみの使用を禁止する。

4: 家族関係について聞く。

5: 自信が持てる作業を行わせる。

第57回午後:第8問

47歳の女性。多発性硬化症。30歳で発症し、寛解と増悪を繰り返した後、完全寛解していた。1週前に視力低下と小脳症状が出現し、入院となった。視神経と右小脳半球に脱髄を認める。過回内テストで図のような動きが観察された。この患者にみられる所見はどれか。 

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1: 振 戦

2: 運動分解

3: 測定異常

4: 協働収縮異常

5: 反復拮抗運動不能

第57回午前:第20問

35歳の男性。母親との2人暮らし。大学卒業後に就職した。統合失調症を発症したために退職し、精神科に外来通院しながら自閉的な生活をしていた。主に家事を行っていた母親が体調を崩したために同居生活が困難となり、精神科に入院した。入院6か月で自宅退院となり、母親の負担軽減のために日中の家事援助を受けることになった。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に規定されるサービスの中でこの患者が利用できるのはどれか。  

1: 共同生活援助

2: 居宅介護(ホームヘルプ)

3: 重度訪問介護

4: 短期入所(ショートステイ)

5: 同行援護

  • 答え:2
  • 解説:この患者は日中の家事援助が必要であり、入浴や排泄などのADLの介助は必要ないため、居宅介護(ホームヘルプ)が適切なサービスとなります。
  • 共同生活援助は、共同生活を営む住居で夜間の相談や入浴・排泄・食事の介護などが行われるサービスです。この患者は家事援助が必要ですが、ADLの介助は必要ないため、適切ではありません。
  • 居宅介護(ホームヘルプ)は、家事援助を行うサービスで、家事が難しい対象者に支援を提供します。この患者は日中の家事援助が必要であり、適切なサービスです。
  • 重度訪問介護は、重度の障害を持ち常に介護が必要な者を対象に、自宅を訪問し生活全般にわたる援助を行うサービスです。この患者は外来通院が可能であり、重度訪問介護は適さないサービスです。
  • 短期入所(ショートステイ)は、自宅での介護が一時的に困難な場合に、被介護者を施設に短期間入所させ、必要な介護を行うサービスです。この患者は日中の家事援助が必要ですが、短期入所は適切ではありません。
  • 同行援護は、視覚障害等により移動に困難を持つ障害者が外出時に、情報提供や移動の援護を受けるサービスです。この患者は家事援助が必要ですが、同行援護は適切ではありません。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第48回午後:第17問

19歳の女性。大学入学後、ファッションモデルに憧れてダイエットを始めた。身長は162 cm、体重は半年間で52 kgから33 kgに減少した。ランニング中に意識を失って救急搬送された。その後、精神科に入院し、作業療法が開始された。この疾患の特徴はどれか。  

1: 活動性が低い。

2: 病識を有する。

3: 躁状態になりやすい。

4: 自分の感情に鈍感である。

5: 人からの評価を気にしない。

第53回午前:第16問

67歳の女性。認知症。2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常会話で相手の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。  

1: 転倒しやすい。

2: 情動失禁がみられる。

3: 手続き記憶が損なわれる。

4: 時刻表的生活パターンがみられる。

5: 「部屋にヘビがいる」といった言動がある。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は常同行動や社会規範を逸脱した行動を気にしないことから、前頭側頭型認知症(Pick病)であると考えられます。Pick病の特徴的な症状は時刻表的生活パターンです。
  • 歩行時の動揺や転倒は、運動麻痺を伴うことの多い脳血管性認知症の特徴である。この患者は買い物に出かけている様子が問題文にあるが、歩行障害などの記述はなく、転倒しやすいとは判断できない。
  • 情動失禁は脳血管性認知症にみられやすい。前頭葉の機能低下により、感情の抑制が衰えるとともに生じる。問題文には、感情の起伏を伴った問題行動の記載はない。
  • 手続き記憶やエピソード記憶の障害は、Alzheimer型認知症の特徴である。この患者は、問題はあっても調理や買い物ができることから、手続き記憶が損なわれた状態ではない。
  • 時刻表的生活パターンなどの常同行動は、Pick病の特徴的な症状である。この患者の症状から、Pick病であると判断できる。
  • 幻覚(特に幻視)はLewy小体型認知症でみられやすい。しかし、この患者の症状からはLewy小体型認知症を示唆する証拠は見られない。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第51回午前:第16問

37歳の女性。境界性パーソナリティ障害。高校卒業後、アルバイトをしていたが、気に入らないことがあると急に家出することを繰り返すため仕事は長続きしなかった。薬物療法と同時に外来作業療法が開始となった。作業療法の目的で適切なものはどれか。2つ選べ。  

1: 居場所をつくる。

2: 情緒の安定を図る。

3: 治療者への依存を促す。

4: 衝動性の行動化を促す。

5: 治療者への理想化を促す。

第55回午前:第11問

51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。  

1: 静かな環境で行う。

2: 新規課題を毎日与える。

3: 複数の作業療法士で担当する。

4: 不適切な言動には繰り返し注意する。

5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。

  • 答え:1
  • 解説:この患者は外傷性脳損傷により記憶障害、前頭葉機能障害、遂行機能障害が見られるため、静かな環境で行う作業療法が適切である。
  • 静かな環境で行うことは、感情のコントロールが難しい患者にとって適切であり、外界からの刺激量を調節し感情の高ぶりが生じにくくなる。
  • 新規課題を毎日与えることは、この患者にとって混乱を招く可能性があるため適切ではない。長期的に慣れ親しんだ活動が適する。
  • 複数の作業療法士で担当することは、患者が混乱する可能性があるため適切ではない。担当する作業療法士は一人とし、作業の指示も統一した方法で行うべきである。
  • 不適切な言動に対して繰り返し注意することは、患者の感情を逆なでする可能性があるため適切ではない。注意する際は、自尊心を損なわないように配慮するべきである。
  • 集団でのレクリエーション活動は、作業が複雑になりやすく、処理すべき情報も過多となるため、個別対応のほうが望ましい。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第49回午前:第97問

統合失調症について正しいのはどれか。  

1: 男性が女性より3倍多い。

2: 緊張型では昏迷がみられる。

3: 病前性格は循環気質が多い。

4: 死亡率は健常者と同じである。

5: 妄想型は破瓜型より発症年齢が低い。

第44回午前:第39問

20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者への作業療法の目的で最も適切なのはどれか。  

1: 体力の向上

2: 自尊心の回復

3: 見当識の改善

4: 行動の自己洞察

5: 生活リズムの回復

第48回午後:第5問

86歳の女性。脳梗塞による左片麻痺、発症後1年半が経過した。ADLは介助すればおかゆなどの調理食を食べる以外は全介助、ドーナツ型の枕を使用してベッド上で臥床している。全身の筋萎縮、筋短縮と関節拘縮を著明に認める。退院時に介護保険を利用してベッドやマットを準備したが、体圧分散マットのような特殊マットは利用していない。作業療法士が自宅訪問したときのベッド上での肢位を示す。褥瘡予防と姿勢保持のために背臥位でポジショニングを行う。クッションを置く部位で正しいのはどれか。 

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1: 後頸部

2: 肩甲骨背面

3: 腰背部

4: 右大転子部

5: 両大腿内側

第39回午前:第33問

20歳の女性。境界性人格障害。中学時代から拒食、嘔吐、極端なやせとリストカットが始まり、不登校となった。摂食行動や不登校を注意されると、「自分の気持ちを誰も分かってくれない」と言い、リストカットをする。高校中退後もその状態が続いた。職に就かないことを母親に指摘されたのをきっかけに、薬物による自殺企図で入院となった。入院3か月後には、一応の安定がみられたため作業療法が開始された。初回面接で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: 参加することの目的ついて同意を得る。

2: 作業療法参加のルールを確認する。

3: 病棟スタッフと連絡を取り合うことを本人に伝える。

4: 作業の種目は本人の選択に任せる。

5: スタッフへの不満について相談にのる。

第36回午前:第36問

63歳の女性。脳血管性認知症。55歳の頃、一過性脳虚血発作で倒れたことがある。最近、そのような事実はないのに、「息子たちが無断で家の売却の話を進めた」と被害的になり、興奮状態となった。また、日中から雨戸を閉めきり、「家中に虫がいる」と言うようになり入院した。入院後は、問題行動も消失し、作業療法の導入が計画された。この患者の導入時の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.共同作業から参加させる。イ.作業の間違いはすぐに指摘するウ.作業内容は変化の多いものにする。エ.短時間でできる作業を選ぶ。オ.毎回同じ作業療法士が指導する。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第39回午前:第38問

20歳の男性。統合失調症(精神分裂病)。 1か月前、街中で「誰もがお前を殺してやると言っている。やられる前にやらなければ」と言って暴れたため入院。入院後も「お前なんか殺してやると言われるので不安で落ち着かない」という訴えが続いている。「やられる前にやらなければ」という考えのもとにある症状はどれか。  

1: 自閉

2: 強迫観念

3: 被害妄想

4: 作為体験

5: 感情鈍麻

第54回午後:第43問

統合失調症の予後を予測する因子で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 病識

2: 身体的愁訴

3: 低ナトリウム血症

4: 初回入院時の処方薬の種類

5: 発病してから治療を開始するまでの期間

  • 答え:1 ・5
  • 解説:統合失調症の予後を予測する因子として、病識と発病から治療開始までの期間が重要である。病識がある患者は服薬コンプライアンスが良好であり、予後が良好であるとされる。また、発症から治療開始までの期間が短いほど予後が良いことが報告されている。
  • 病識を持つ患者は、自分の病気に対する理解があり、治療に対するコンプライアンスが良好であるため、予後が良好であるとされる。これは統合失調症の予後を予測する因子の1つである。
  • 身体的愁訴の有無は、一般的に統合失調症の予後予測には関連しない。身体的愁訴は患者の症状や体調に関連するが、統合失調症の予後を直接予測する因子ではない。
  • 低ナトリウム血症は、統合失調症患者が抗精神病薬を服用する際の副作用で生じることがあるが、これは統合失調症自体の予後予測因子とはならない。低ナトリウム血症は薬物治療の副作用として起こる可能性があるが、統合失調症の予後を直接予測する因子ではない。
  • 初回入院時の処方薬の種類は、初期治療における症状の回復や変動に影響を及ぼすが、統合失調症自体の予後予測因子とはならない。処方薬の種類は治療効果や副作用に関連するが、統合失調症の予後を直接予測する因子ではない。
  • 発症から受診・治療開始までの精神病未治療期間が短いほど、予後が良いことが報告されている。早期治療が統合失調症の症状の改善や予後に良い影響を与えるため、これは統合失調症の予後を予測する因子の1つである。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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