第47回午後第15問の類似問題

第37回午前:第34問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。 ア.断酒の決意について聞く。イ.夫との関係について聞く。ウ.趣味について聞く。エ.作業種目について希望を聞く。オ.病室での一日の過ごし方を聞く。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第51回午前:第17問

40歳の女性。長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。離脱症状が治まり、作業療法が開始された。作業療法士の支援で適切なのはどれか。  

1: SSTを実施する。

2: 他者との協調行動を促す。

3: 酒害に関する心理教育を行う。

4: 作業療法士への依存は容認する。

5: 作業に対する頑張りを強化する。

第53回午後:第15問

39歳の男性。アルコール依存症。前回退院後に連続飲酒状態となり、妻からの依頼で2回目の入院となった。入院の際、妻からお酒をやめないと離婚すると告げられた。離脱症状が治まるのを待って作業療法が開始された。用意されたプログラムには自ら欠かさず参加し、特に運動プログラムでは休むことなく身体を動かしていた。妻には「飲酒による問題はもう起こさないので大丈夫」と話している。この患者に対する作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。  

1: 運動プログラムを増やす。

2: さらに努力を続けるよう伝える。

3: 支持的に接し、不安が示されたら受け止める。

4: 離婚されないためということを動機付けに用いる。

5: 過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおく。

  • 答え:3
  • 解説:アルコール依存症患者は、自分の問題を認めない防衛機制が働いていることが多い。この患者も、妻からの離婚の危機を回避するためにプログラムに参加し、「大丈夫」と言っているが、これも防衛機制の一つである。作業療法士は、患者が不安を示すときに支持的に接し、不安を受け止めることが最も適切な対応である。
  • 運動プログラムを増やすことは、患者の過度の頑張りを助長する可能性があり、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • さらに努力を続けるよう伝えることも、患者の過度の頑張りを助長する可能性があり、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 患者が不安を示すときは、自身の問題に直面している状態と考えられるため、その際は支持的に接し、不安を受け止めることが適切である。
  • 離婚されないためということを動機付けに用いることは、危機が回避された後に断酒の理由がなくなるため、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおくことは、患者が自分自身で飲酒の問題を認めないままで、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午前:第14問

50歳の男性。アルコール依存症。大学を卒業後、就職したころから飲酒が始まる。転勤で一人暮らしになってから飲酒量が増加し、仕事もやめ昼夜問わずに飲み続けるようになった。その後、精神科病院を受診し入退院を繰り返す。主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた。作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが、退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう。何とかしてほしい」と話す。この患者の心理状態として最も適切なのはどれか。  

1: 否 認

2: 共依存

3: 両価性

4: 自己中心

5: 刹那主義

  • 答え:3
  • 解説:この患者はお酒をやめたい気持ちとそれでも飲んでしまうという両方の気持ちがあるため、両価性が最も適切な心理状態と言えます。
  • 否認は、人が不快な事実に直面した際に、それを真実だと認めず拒否することです。この患者はお酒をやめたいという気持ちを表明しているため、否認ではありません。
  • 共依存は、依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様を指します。この患者自身が依存症者であり、共依存ではないため、この選択肢は適切ではありません。
  • 両価性は相矛盾した2方向の心的内容が同時に認められる精神心理症状です。この患者は「飲みたい気持ち」と「やめたい気持ち」の2方向の心的内容を話しているため、両価性が最も適切な心理状態と言えます。
  • 自己中心は、物事を自分の都合のよいように解釈し、他の人に配慮しないことを指します。この患者はお酒をやめたいという気持ちを表明しており、自己中心ではないと言えます。
  • 刹那主義は、過去も将来も考えず、現在の瞬間の感情のままに生きようとする考えを指します。この患者はお酒をやめたいという気持ちを持っており、刹那主義ではないと言えます。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第48回午前:第16問

53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。作業療法場面でみられやすいのはどれか。  

1: 柔軟な判断

2: 高い目標設定

3: 共感的な感情表出

4: 熟慮に基づく行動

5: 円滑な対人関係の構築

第39回午前:第40問

50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。当面の身体活動の負荷量で適切なのはどれか。  

1: 2 METs

2: 4 METs

3: 6 METs

4: 8 METs

5: 10 METs

第37回午前:第35問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。退院前の作業療法施行時に、泣き出すなど情緒不安定になった。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聴いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 作業終了後、情緒不安定になった事を主治医に報告した。

4: 退院後の生活への不安が情緒不安定の原因と本人に告げた。

5: 今後も患者の行動に注意することを他のスタッフと確認した。

第52回午前:第14問

32歳の女性。アルコール依存症。美容師として働く兼業主婦。25歳ごろから飲酒量が増えた。現時点では、仕事や家事に大きな支障はない。このまま飲酒を続けていると大変なことになると思い、飲酒量を減らそうと努力しているが、飲み始めるといつも深酒してしまう。1人の力では断酒できないと悩み、自ら精神科病院を受診して入院治療を受けることになった。回復を目的とした作業療法の評価で最も重要度が高いのはどれか。  

1: 見当識

2: 基礎体力

3: 金銭管理

4: 自己評価

5: 日常生活能力

第54回午後:第14問

45歳の男性。アルコール依存症。家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい、翌日に強い罪悪感を覚えることが増えている。反省して飲酒を減らそうとしたがうまくいかなかった。このままではいけないと思い、精神科を受診した。患者は妻の強い希望を受け入れて、しぶしぶ入院治療を受けることにした。治療プログラムの1つとして作業療法が処方された。初回の面接で、患者は、断酒しなければならないのはわかるが、コントロールして飲みたいという気持ちもあると述べた。治療への動機付けの目的で、面接の中で取り上げるべき話題として最も適切なのはどれか。  

1: 妻との関係

2: 作業療法の必要性

3: 飲酒による身体的な問題

4: 断酒について迷っている気持ち

5: ストレス発散のための飲酒の必要性

  • 答え:4
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、断酒と節酒の間で揺れている。治療への動機付けの目的で取り上げるべき話題は、患者本人の酒に対する問題意識であり、断酒について迷っている気持ちに焦点を当てることが適切である。
  • 妻との関係は、治療の意思を他人に責任転嫁させる危険があるため、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 作業療法の必要性は、患者が酒による実際の生活上の問題を直視させることが重要であり、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 飲酒による身体的な問題は、問題文に記載がないため、治療の動機付けにはなりにくい。
  • 断酒について迷っている気持ちに焦点を当てることで、患者が酒の問題を「自分の問題」としてとらえられるように関わることが必要であり、動機付けの話題として適切である。
  • ストレス発散のための飲酒の必要性は、アルコール依存症の治療は断酒であるため、飲酒以外の手段で行えるように支援することが重要であり、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第40問

36歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒をしていた。昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、薬物療法と作業療法で症状は安定した。主治医から退院を勧められた後、作業療法場面で泣き出すなど情緒不安定になった。この患者への対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聞いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 情緒不安定になったことを作業終了後に主治医へ報告した。

4: 作業療法終了後も行動観察をした。

5: 作業療法の実施回数を増やした。

第36回午前:第38問

49歳の男性。アルコール依存症。40歳から通院でカウンセリングを受けていた。今回、連休中に連続飲酒となり、医師の勧めで専門病院に入院した。入院後、離脱症状が出現した。離脱症状から回復した後、作業療法が処方された。作業療法の初回面接で両足下腿のしびれ感を訴えた。この時期の作業種目で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.散 歩イ.ストレッチ体操ウ.ソフトボールエ.卓 球オ.バレーボール  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第36回午前:第37問

49歳の男性。アルコール依存症。40歳から通院でカウンセリングを受けていた。今回、連休中に連続飲酒となり、医師の勧めで専門病院に入院した。入院後、離脱症状が出現した。離脱症状から回復した後、作業療法が処方された。作業療法の初回面接で両足下腿のしびれ感を訴えた。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。 ア.しびれ感の状態を聞く。イ.目の前で歩行動作をしてもらう。ウ.感覚検査を行う。エ.その場で担当医師に連絡する。オ.しびれ感を考慮し面接を中止する。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第42回午前:第79問

アルコール依存症の離脱症状が消退した直後に行う作業療法で確認する事項はどれか。2つ選べ。  

1: 飲酒歴

2: 振戦の有無

3: 睡眠の状況

4: 職場復帰の意志

5: 自助グループ参加の意志

第44回午前:第81問

アルコール依存症で正しいのはどれか。  

1: 身体依存はない。

2: 慢性硬膜下血腫を生じやすい。

3: 離脱症状は断酒後3時間で生じる。

4: Korsakoff症候群では遠隔記憶が障害される。

5: 夫婦がアルコール依存になることを共依存と呼ぶ。

第53回午後:第14問

47歳の男性。幼少期からクラスメートとの喧嘩が絶えず、しばしば担任から注意を受けていた。中学校卒業後、暴行と傷害とで少年院に2回の入院歴、刑務所に4回の服役歴がある。最後の出所後、クリーニング工場に勤めたが、同僚への暴言によるトラブルをきっかけに飲酒量が増加し、飲食店で他の客と口論になって刃物を持ち出して逮捕された。その後、連続飲酒状態を繰り返すようになり、アルコール依存症と肝障害との診断を受けて入院した。作業療法では他の患者の発言に反応して威圧的な態度をとることが多く、指摘しても問題を感じている様子がない。合併するパーソナリティ障害として考えられるのはどれか。  

1: 強迫性パーソナリティ障害

2: 境界性パーソナリティ障害

3: 回避性パーソナリティ障害

4: 自己愛性パーソナリティ障害

5: 反社会性パーソナリティ障害

  • 答え:5
  • 解説:この患者は暴行や傷害など反社会的行動が以前からみられ、作業療法中も他患に対して威圧的な態度をとるなどの攻撃性がみられることから、反社会性パーソナリティ障害と考えられる。
  • 強迫性パーソナリティ障害は、過度の秩序意識や完全主義で頑なな態度が特徴的であるが、この患者の症状とは一致しない。
  • 境界性パーソナリティ障害は、情緒の不安定性、自己の空虚感が目立つが、この患者の症状とは一致しない。
  • 回避性パーソナリティ障害は、自信のなさ、低い自己評価により、他人の評価を過度に気にする特徴があるが、この患者の症状とは一致しない。
  • 自己愛性パーソナリティ障害は、度を越した自負心を持つ特徴があるが、この患者の症状とは一致しない。
  • 反社会性パーソナリティ障害は、他者に対する攻撃性や、社会規範を守れないことが特徴であり、この患者の症状と一致するため正しい選択肢である。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第52回午後:第40問

アルコール依存症の患者の離脱症状を示す発言はどれか。  

1: 「自分は飲酒量を減らさなければならない」

2: 「二日酔いで子供の運動会に行けなかった」

3: 「飲酒した晩の翌朝、迎え酒をすると汗がおさまる」

4: 「妻が自分の飲酒についてあれこれ言うのが不愉快だ」

5: 「自分は昔に比べて、ずいぶん酒が強くなったと思う」

第56回午前:第44問

アルコール依存症の作業療法を行うにあたって、適切でないのはどれか。  

1: 酒害教育と並行して行う。

2: 退薬症候群が遷延しているか把握する。

3: 家族が健康になるよう支援する視点をもつ。

4: 本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入する。

5: 回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要である。

  • 答え:4
  • 解説:アルコール依存症の作業療法では、酒害教育や家族の支援、症状の観察などが重要です。しかし、本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入することは、治療意志を阻害してしまうため適切ではありません。
  • 酒害教育はアルコール依存症の治療の根幹であり、作業療法と並行して行うことが適切です。
  • 退薬症候群の状況を把握することは、作業療法を行う上で重要であり、適切な対応です。
  • アルコール依存症は家族にも影響を及ぼすため、家族の健康を支援する視点を持つことは適切です。
  • 本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入することは、治療意志を阻害してしまうため適切ではありません。
  • 回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要であり、アルコール依存症者の心理特性を考慮した関わりが適切です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第97問

老年期アルコール依存症の作業療法導入時の留意点で適切でないのはどれか。  

1: 身体機能の評価を行う。

2: 記銘力障害の有無を確認する。

3: 合併症の有無を確認する。

4: 疲れやすい作業は避ける。

5: 工程の細かな作業を導入する。

第47回午後:第96問

アルコール依存症で正しいのはどれか。  

1: 女性に多い。

2: 病期の進行に伴い、以前よりも少量の飲酒で酔いが回る。

3: 振戦せん妄は飲酒中止後12時間以内にみられることが多い。

4: Wernicke 脳症はアルコールの毒性が原因である。

5: 集団療法が有効である。

第40回午前:第79問

入院を反復するアルコール依存症患者の退院時の目標で適切でないのはどれか。  

1: 再就職活動

2: 断酒の維持

3: 外来通院の継続

4: 生活リズムの維持

5: 抗酒薬服用の継続