36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
統合失調症の症状で、薬物療法によって比較的改善しやすいのはどれか。
1: 1日中何もしない。
2: 喜怒哀楽を表さない。
3: 自分の殻に閉じこもる。
4: 身だしなみを気にしない。
5: 他人の声が自分に呼びかけてくる
精神分裂病(統合失調症)の陰性症状でないのはどれか。2つ選べ。 ア.感情の平板化イ.自発性の低下ウ.思考途絶エ.対話性幻聴オ.思考の貧困化
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
作業療法の場面で躁状態とうつ状態に共通してみられるのはどれか。
1: 他者への干渉
2: 焦燥感の表出
3: 自殺に関する言動
4: 他罰的な言動
5: 自己評価の低下
回避がみられるのはどれか。
1: 心気障害
2: 身体化障害
3: 強迫性障害
4: 全般性不安障害
5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉
統合失調症患者の退院を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
1: 生活のリズムを整える。
2: 体力を向上させる。
3: 症状の自己管理能力を向上させる。
4: 依存欲求を満たす。
5: 家族調整を行う。
躁状態の患者への作業療法を行っているときの特徴として誤っているのはどれか。
1: 集中力に乏しい。
2: 依存心が高まる。
3: 関心が拡散する。
4: 干渉が多い。
5: 脱線しやすい。
精神分裂病(統合失調症)患者の作業場面で観察されるのはどれか。2つ選べ。 ア.注意の狭さイ.疲れやすさウ.興味の拡散エ.探索行動オ.他者への介入
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。治療計画として適切でないのはどれか。
1: 個別プログラムを設定する。
2: 欲求充足から実用性のある作業に移行する。
3: 自由度の高い作業場面を設定する。
4: 共同作業で所属感をもたせる。
5: 結果が明確な作業種目を選ぶ。
突然に「自分は全能の神である」と確信する精神分裂病(統合失調症)の症状はどれか。
1: 妄想気分
2: 妄想知覚
3: 妄想着想
4: 被害妄想
5: 関係妄想
25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者の作業療法場面でしばしばみられるのはどれか。2つ選べ。
1: 一人で作業をやりたがる。
2: 一つの作業に執着する。
3: 作業手順が覚えられない。
4: 病棟スタッフの悪口を言う。
5: 些細なことで自傷行為をする。
気分(感情)障害の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: うつ病は男性に多い。
2: うつ病の生涯有病率は約1%である。
3: 身体疾患を有する患者でうつ病の有病率が高い。
4: 双極性感情障害はうつ病より遺伝的素因の関与が強い。
5: 双極性感情障害はうつ病より平均初発年齢が高い。
統合失調症(精神分裂病)の作業場面での特徴はどれか。
1: 作業能力の変動が少ない。
2: 援助によって達成量が増える。
3: 同じ間違いが少ない。
4: 同時並行の作業が得意である。
5: 全体を見て判断することができる。
障害受容で誤っているのはどれか。
1: 社会環境によって影響される。
2: 障害者同士の交流により促進される。
3: 抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う。
4: 混乱している患者の怒りは医療者にも向く。
5: ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。
神経症性障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 全般性不安障害では疾病利得がみられる。
2: 強迫行為では不合理と思いながらも繰り返し手を洗う。
3: 離人症では自分がとても重い病気ではないかと心配する。
4: 社交恐怖では自分が見捨てられるのではないかと心配する。
5: 予期不安ではパニック発作がまた起きるのではないかと心配する。
正しい組合せはどれか。
1: 統合失調症-情動失禁
2: パニック障害-思考散乱
3: 解離性障害-作為体験
4: 摂食障害-被毒妄想
5: 躁病-行為心迫
アルコールによる精神障害に関連が強いのはどれか。
1: 解離
2: 過食
3: 健忘
4: 強迫
5: 離人
境界型人格障害の患者への作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
1: 支持的態度を維持する。
2: チーム間でかかわりの合意をしておく。
3: 指示的態度を維持する。
4: 物事を一緒に考えていく姿勢を示す。
5: 実施時間の取り決めは明確にする。
亜昏迷状態にある精神分裂病(統合失調症)患者の作業療法の導入で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.病室まで行き声をかける。イ.作業療法場面を見学させる。ウ.共同作業へ参加させる。エ.作業内容を決めさせる。オ.作業時間を決めさせる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での目標で優先度の低いのはどれか。
1: 自ら作業療法士に相談することができる。
2: 他患の作業に協力することができる。
3: 大グループに参加することができる。
4: 身体的回復を優先することができる。
5: 欠席の理由を伝えることができる。