33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。
1: 作業を続けさせる。
2: 母親へ電話をかけさせる。
3: 横に寝かせて安静を保つ。
4: 緊張緩和のために話しかける。
5: 不快感をとるためにうがいをさせる。
40歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。日常生活能力には問題なく、退院を勧められているが、「退院後の生活が不安で自信がない」と退院に踏み切れないでいる。この患者への作業療法士の働きかけで適切でないのはどれか。
1: 作業療法場面での成功体験を積み重ねる。
2: 多少の失敗はおそれないように励ます。
3: 作業検査や知能検査など、客観的データを用いて自信をつけさせる。
4: 退院の不安に対して相談にのる。
5: 外来での作業療法の利用方法を説明する。
アルコール依存症の離脱期の症状で誤っているのはどれか。
1: けいれん発作
2: 粗大な振戦
3: 幻 視
4: リープマン現象
5: 思考途絶
32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者への作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 自殺企図に注意する。
2: 少量の飲酒を勧める。
3: 仕事を休むよう助言する。
4: 幼児期の体験を話題にする。
5: リラクセーションを指導する。
48歳の男性。妻と二人暮らし。昇進後しばらくして、不眠・食欲不振等の体調不良を訴え始めた。些細な事を気にして「考えがまとまらない。楽しいと感じることがない」などと言ってふさぎ込むようになった。近くの精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院となった。入院後1か月で睡眠が取れるようになったが、抑うつ気分は続いている。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 病状認識の促し
2: 病前生活への復帰
3: 生活リズムの回復
4: 社会的役割の提供
5: 不安の軽減
アルコール依存症の離脱期の症状として誤っているのはどれか。
1: せん妄
2: けいれん発作
3: 粗大な振戦
4: 多量の発汗
5: 思考奪取
アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。
1: 生命への危険性は低い。
2: 羽ばたき振戦がみられる。
3: 抗酒薬を速やかに投与する。
4: 飲酒停止後72~96時間に多くみられる。
5: アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。
48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法導入時の留意点はどれか。
1: 得意であった作業を導入する。
2: 他者との交流を促す。
3: 休息の取り方を練習する。
4: 病気の体験を言語化する。
5: 自己決定の機会を増やす。
アルコールによる精神障害について正しいのはどれか。
1: 振戦せん妄は酩酊中に生じる。
2: Wernicke脳症はビタミンB12の欠乏による。
3: 急性中毒は長期のアルコール摂取により生じる。
4: アルコール依存症の治療には集団療法が有効である。
5: アルコール摂取を続けると、少量の酒でも酔いやすくなる。
アルコール依存症に合併しやすい症状とそれに対する治療との組合せで正しいのはどれか。
1: アルコール幻覚症――抗不安薬の投与
2: Wernicke脳症――――ビタミンDの投与
3: 再飲酒―――――――断酒会
4: 振戦せん妄―――――抗酒薬の投与
5: 人格変化――――――修正型電気けいれん療法
25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。
1: 状況対応力の低さ
2: 過度の緊張
3: 不安の発現
4: 複雑部分発作の前兆
5: 注意集中の困難
19歳の男性。統合失調症。大学入学後、授業中に突然大声で叫ぶようになり、幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった。治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが、疲労感が強く半年間引きこもっていた。このため、復学を目標として外来作業療法が開始された。この時期の患者の状態はどれか。
1: 要安静期
2: 亜急性期
3: 回復期前期
4: 回復期後期
5: 社会内維持期
治療者を操作しようとしたり、独占しようとしたりする可能性が最も高い疾患はどれか。
1: 1. アルコール依存症
2: 2. 双極性感情障害
3: 3. 境界性人格障害
4: 4. 広汎性発達障害
5: 5. 統合失調症
23歳の男性。2か月前から職場の業務がシフト勤務になり夜勤が入るようになった。1か月前から日中の眠気を取るために、カフェイン入りの栄養ドリンクを1日4本以上飲むようになった。妄想や抑うつ感などは特に訴えてはいないが、不眠といらだちを主訴に精神科を受診した。この患者に対して初期にすべき介入はどれか。
1: 精神分析療法
2: 認知行動療法
3: グループワーク
4: 抗精神病薬の投与
5: 栄養ドリンクの減量
22歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校1年時にうつ状態で3か月入院した。その後、毎年入退院を繰り返し5回目の入院となった。入院後1か月が経過したが、自発性の減退および引きこもりがみられる。また「私の結婚相手を姉に取られた。私の考えがすべて他人に分かってしまい自分がなくなってしまうみたいで困る。他人の声が左の頭に聞こえる。」と訴えている。その時点で作業療法が処方された。この患者の作業療法の目的として適切でないのはどれか。
1: 自発性の改善
2: 作業習慣の定着
3: 幻聴の消失
4: 対人関係の拡大
5: 生活自己管理能力の向上
45歳の男性。統合失調症。自宅で単身生活をしている。精神症状は安定しているが、買い物に行くときを除き自宅に引きこもっている。週3回のヘルパーによる食事のサービスと惣菜による食事摂取をしている。偏食と間食が多く、身長167 cm、体重92 kgと肥満である。最近の血液検査の結果、脂質異常症と診断された。訪問作業療法における健康管理支援として適切なのはどれか。
1: 自炊を目指した調理訓練を提案する。
2: 抗精神病薬の変更を主治医に提案する。
3: 入院による生活リズムの改善を提案する。
4: 買い物はスタッフが代行することを提案する。
5: 散歩やストレッチなどの運動を取り入れることを提案する。
48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法の初期評価で把握すべき内容として適切でないのはどれか。
1: 興味関心
2: 身体症状の有無
3: 病前の生活状況
4: 現在の睡眠状態
5: 集団への参加技能
アルコール依存症の患者の家族が作業療法中面会に来た。家族への対応で適切でないのはどれか。
1: 作業場面を見学させる。
2: その患者の作業内容を説明する。
3: 作業療法への参加状況を説明する。
4: 家族に見学の感想を面会後に尋ねる。
5: 家族の協力体制についてその場で話し合う。
21歳の男性。統合失調症。高校2年ころから男女の声の幻聴や注察妄想が出現。精神科クリニックに通院しながら高校卒業。浪人2年目、突然予備校をやめて自室に閉じこもるようになった。家人に暴力を振るうなど問題行動が重なり、精神科病院へ入院した。1か月後、作業療法に参加となった。参加2週ころから女性患者と仲良くなり、プログラム中に抱きつくなど目に余る行動がでてきた。男性患者への適切な対処はどれか。
1: そのまま経過を観察する。
2: 他のメンバーから様子を聞く。
3: 直ちに男性患者の家族に連絡する。
4: 面接で男女の付き合い方を話し合う。
5: 作業療法を中断する。
36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ