30歳の男性。アテトーゼ型脳性麻痺。頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 貼り絵をする。
2: 木工で鋸を使う。
3: ドミノを並べる。
4: 版画で彫刻刀を使う。
5: 革細工でスタンピングをする。
強迫性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 自由度の高い作業を提供する。
2: 正確さを必要とする作業を提供する。
3: 強迫行為が始まれば作業を中止させる。
4: 強迫行為の原因についての洞察を促す。
5: 作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行う。
17歳の女子。統合失調症。授業中に突然叫び声をあげ、教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた。両親が付き添い精神科病院に入院し、陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり、精神科ショートケアに紹介された。通所2か月目から復学に向けた支援を開始した。適切でないのはどれか。
1: 心理教育に参加させる。
2: 特別支援学校に転校させる。
3: 再発防止プランを作成させる。
4: 修業年限の延長を視野に入れた計画を立てる。
5: 担当教師、家族および本人を交えたケア会議を開催する。
48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法の初期評価で把握すべき内容として適切でないのはどれか。
1: 興味関心
2: 身体症状の有無
3: 病前の生活状況
4: 現在の睡眠状態
5: 集団への参加技能
13歳の男子。幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた。小学校に入ると、しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり、級友からいじめられるようになった。最近、級友の話し声に過敏に反応したり、家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった。この患者の診断として考えられるのはどれか。
1: 自閉症
2: 統合失調症
3: Rett症候群
4: Asperger症候群
5: 注意欠陥/多動性障害
9歳の男児。自閉症。外来通院時に作業療法を実施することとなった。作業療法室では落ち着きなく歩き回り、周囲の物音や人の数などの環境の変化によって自分の手を噛んだり、手で頭を打ったりすることがある。紙折りに取り組ませてもごく短時間しかできない。開始当初の留意点として適切でないのはどれか。
1: 作業手順を単純にする。
2: 粗大動作を多くする。
3: 作業台を整頓しておく。
4: 短時間で完成する作業にする。
5: 共同作業に参加させる。
27歳の女性。20歳ころに友人に勧められて覚醒剤を使用した。その後、常用するようになり、逮捕および服役を経験した。釈放後に民間のリハビリ施設を利用しながらアルバイトをしていた。1か月前から同僚とのトラブルが続き、最近になり幻覚妄想様の発言が出現したため、父親に連れられて精神科を受診し、入院となった。入院後3週目に作業療法が処方された。導入初期のプログラムとして適切でないのはどれか。
1: 疾病について学習する。
2: 生活技能訓練に参加する。
3: ピアサポーターと交流する。
4: 軽運動プログラムに参加する。
5: グループリーダーを体験する。
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。
精神科作業療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 作る喜びの体験
2: 意欲の向上
3: 現実検討能力の向上
4: 職業技能の習得
5: 生活技能の習得
45歳の男性。統合失調症。25年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。
1: ICFモデル
2: 作業適応モデル
3: 人間作業モデル
4: ストレングスモデル
5: CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉
17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。
2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。
3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。
4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。
5: 外泊訓練を試みる。
強迫神経症患者の作業療法で確認行為がみられたとき、作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する。
2: 作業を中断させる。
3: その日の作業療法を中止する。
4: 行為をやめるように話す。
5: 行為を静観する。
神経症性障害の作業療法で正しいのはどれか。
1: 集団行動を優先する。
2: 感情表現の機会をもつ。
3: 症状出現の理由を言語化させる。
4: アンビバレンツな言動を指摘する。
5: 身体化症状が増える場合は中止する。
55歳の男性。営業部の部長職に就いていたが、物や人の名前や地名が出てこないことを自覚し、その後は部下を同伴して仕事を継続していた。好きな日曜大工で使用していた工具を目の前にしてもそれを呼称できなくなり妻同伴で物忘れ外来を受診した。WAIS-IIIでは言語性IQが79、動作性IQは131、全検査IQは103であった。その後も徐々に言いたいことが言葉にならず、仕事で著しく疲弊するようになり退職した。徐々に誰に対してもなれなれしくなり、節度を失うような人格変化も認められるようになった。この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位はどこか。
1: 側頭葉内側部
2: 前頭葉眼窩面
3: 頭頂連合野
4: 側頭葉前部
5: 後頭葉
精神科デイケア・スタッフの対応として適切なのはどれか。
1: 職種の役割を優先した活動を行う。
2: プログラムの作成はスタッフが行う。
3: スケジュール通りの活動を重視する。
4: 個別の対応よりも集団の維持を重視する。
5: 家族指導・援助を重視する。
38歳の女性。1年前から夫が単身赴任。中学2年生の息子のことで心労が重なっていた。1か月前から眠れなくなり食欲も低下した。その後、気分が落ちこみ口数が減り、もともと好きであったテレビドラマも楽しめなくなった。母として妻としての自分を責め、涙をこぼすようになり、夫に付き添われ精神科を受診し、入院となった。患者は「料理の作り方が分からなくなりました」と訴えた。薬物療法と休息によって症状に軽快傾向がみられた。入院7日目に作業療法が処方された。導入時の作業種目で適切なのはどれか。
1: 家計簿作り
2: 献立表作り
3: 生活技能訓練
4: 短時間のストレッチ
5: パソコンでの文書作成
24歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか。
1: 常に本人を監視するように伝える。
2: 本人の再就職を促すように伝える。
3: 家の中の消毒を徹底するように伝える。
4: 病気の原因を本人と話し合うように伝える。
5: 本人からの確認の要求に応じないように伝える。
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。この障害への対応として適切でないのはどれか。
1: 食事場面で患側にある食物を意識させる。
2: 体幹は健側方向への回旋を意識させる。
3: 理学療法士は患側に立って治療を行う。
4: 車椅子での集団風船バレーに参加させる。
5: 車椅子の患側のブレーキレバーに目印をつける。
14歳の男子。8歳時に軽度の注意欠陥・多動を伴う学習障害の診断を受けた。中学校(普通学級)に入学したが、最近、登校しないことが多くなった。進学準備の時期を迎えているが、生活リズムも乱れがちとなり、思春期外来への通院時に作業療法を実施することになった。初回面接の事項として適切でないのはどれか。 ア.不登校の理由イ.学校の友人関係ウ.一日の過ごし方エ.最近の興味オ.将来の進路
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
40歳の男性。うつ病。意欲低下と睡眠障害が出現し会社を休職した。アパートで1人暮らしをしながらデイケア通所していたが、この1週間、デイケアも休みがちになり訪問の指示が出た。訪問が継続されることになった。訪問時の対応で正しいのはどれか。
1: 退職を勧める。
2: SSTを勧める。
3: 心配事を聞く。
4: 服薬の変更を勧める。
5: 職場適応訓練を開始する。