65歳の男性。脳卒中左片麻痺発症後3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指II、下肢II。左肩関節は一横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。左肩関節可動域は屈曲80°、外転60°、外旋10° と痛みを伴う制限がある。左半側空間無視があり、座位は患側前方へ傾き自立保持は不可能である。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 肩手症候群に対するアームスリング装着
2: 座位での健側上肢体重支持練習
3: 長下肢装具を用いた平行棒内立位訓練
4: 患側下肢の随意運動促通
5: 患側片肘立ちの起き上がり動作練習
頸髄損傷者の起き上がり動作を図に示す。この患者において機能していると推測される筋はどれか。
1: 円回内筋
2: 深指屈筋
3: 上腕三頭筋
4: 長母指伸筋
5: 尺側手根伸筋
22歳の男性。身長170 cm、体重70 kg。外傷性頸髄損傷後6か月経過。MMTは、肘関節屈曲5、肘関節伸展2、手関節屈曲1、手関節伸展4、手内筋0、下肢0。ベッドへの移乗が自立したので、屋内で使用する車椅子を検討した。車椅子作製上の留意点で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 背もたれの高さを肘台と同じ高さにする。
2: 駆動輪の車軸を標準よりも前方に移動する。
3: 14インチの駆動輪を使用する。
4: トグル式ブレーキを使用する。
5: 足台をスイングアウト式にする。
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重となっているが、背屈制限が著しく、外果周囲に組織の肥厚と癒着がある。他動的関節可動域訓練前の物理療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: アイシング
2: 水温36℃の渦流浴
3: 連続波で1 MHzの超音波療法
4: 2,450 MHzの極超短波療法
5: 51℃のパラフィン浴
25歳の男性。上腕骨骨幹部骨折。肘関節を含む固定を5週施行後、肘関節可動域訓練を開始した。その3週後から訓練時、肘関節に疼痛が増加し、熱感と腫脹とが出現した。原因として考えられるのはどれか。
1: 骨折部偽関節
2: 異所性骨化
3: 肘関節強直
4: 肩手症候群
5: 血栓性静脈炎
25歳の男性。外傷性頸髄損傷。現在は図のような動作で食事を行っている。この患者に対して急性期に行った呼吸理学療法で誤っているのはどれか。
1: 胸郭モビライゼーション
2: 肋間筋強化
3: 息こらえ練習
4: 介助咳嗽練習
5: 体位排痰法
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、下肢Ⅳ。座位にて、肘関節伸展位で肩関節90°屈曲運動を指示したところ、屈曲共同運動パターンがみられた。この患者で促通すべき筋はどれか。
1: 棘下筋
2: 広背筋
3: 大菱形筋
4: 上腕二頭筋
5: 上腕三頭筋
40歳の男性。右橈骨神経麻痺で長橈側手根伸筋の徒手筋力テストは1(Trace)。EMGバイオフィードバック療法で誤っているのはどれか。
1: 治療法の原理を十分説明する。
2: 静かな室内で実施する。
3: 前腕肢位を中間位で行う。
4: 記録電極を前腕尺側に設置する。
5: 筋電波形の閾値設定は細かく調節する。
脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)患者に対して図のような順序でトランスファーの指導を行った。誤っているのはどれか。
1: 肘屈筋で体幹をハンドルに固定する。
2: 肘屈筋で大腿を持ち上げる。
3: 手関節伸筋で下腿をベッドに乗せる。
4: 肘伸筋で身体を前方に移動する。
5: 肩甲骨下制筋で殿部をベッドに押し上げる。
32歳の女性。交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存)。上腕能動義手の適合検査で、肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 左肩屈曲の可動域低下
2: 左肩伸展の筋力低下
3: 左肩甲骨下制の筋力低下
4: 右肩甲骨外転の筋力低下
5: 右肩甲帯挙上の可動域低下
上腕切断者の作業療法で誤っているのはどれか。
1: 健側の筋力強化を行う。
2: 弾性包帯は末梢側ほどきつく巻くように指導する。
3: 義手を健側の母指までの長さと同じにする。
4: 操作効率が悪い場合はハウジングを長くする。
5: 鏡を見て姿勢をチェックするように指導する。
24歳の男性。バイクに乗っていて乗用車と衝突し救急搬送された。頸椎脱臼骨折の診断で手術を受けた。MMTの結果を表に示す。機能残存レベルはどれか。
1: C5
2: C6
3: C7
4: C8
5: T1
8歳の男児。転倒して橈骨遠位端骨折と診断され、6週間のギプス固定が行われた。固定除去後、関節可動域制限と筋力低下を認めた。物理療法で適切なのはどれか。
1: 機能的電気刺激
2: 極超短波
3: 超音波
4: 紫外線
5: 渦流浴
56歳の男性。左片麻痺。脳梗塞発症後3 か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指III、下肢IV。認知や感覚に問題はない。この患者の動作指導で適切でないのはどれか。
1: 寝返りでの肩甲帯の前方突出と肩関節内転
2: 前開きシャツの袖通しでの肘伸展
3: ファスナー開閉での母指と示指での側腹つまみ
4: 食事中のテーブル上での上肢保持
5: 小物入れ保持での肩内旋・肘屈曲
60 歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。下肢の痙縮が強く、介助歩行でははさみ足の傾向がある。手指は鷲手変形を呈し、上肢近位部の筋力は2。最近、嗄声が進行している。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上動作を容易にするため滑りやすい布をシーツとして使う。
2: 夜間家族を呼ぶため足スイッチコールを設置する。
3: PSBと万能カフを用いて食事をする。
4: ストロー付カップで補水をする。
5: 1スイッチ入力コミュニケーションエイドを使う。
75歳の女性。左膝痛を訴え、関節可動域が伸展-10°、屈曲95°に制限されている。来院時のエックス線写真を示す。膝関節拘縮に対する治療で正しいのはどれか。
1: CPMを行う。
2: 大腿を固定して伸張を加える。
3: 疼痛を感じるレベルの矯正力を加える。
4: 動的膝装具は用いない。
5: 連続ギプス法では1日ごとに5°ずつ矯正位を強める。
35歳の男性。実業団の長距離選手だったが、ランニング中の交通事故で左脛骨中央部での下腿切断となった。切断術後4週が経過し、左膝関節に軽度の側方不安定性と軽度の筋力低下があるものの、断端は成熟し皮膚の状態は良好となった。スポーツ復帰を念頭に義足を製作することとした。義足での歩行練習開始後、義足側の立脚初期に過度の膝屈曲がみられた。原因として考えられるのはどれか。
1: 左股関節に伸展制限がある。
2: 義足足部の底屈制動が強すぎる。
3: 義足足部のtoe-out角が大きすぎる。
4: ソケットの初期屈曲角が小さすぎる。
5: ソケットに対して足部が前方に位置しすぎている。
35歳の男性。幼少時に右上腕骨外顆を骨折した。現在、右手は図のようである。右手で可能な動作はどれか。
1: 雑巾を固くしぼる。
2: 示指でスイッチを押す。
3: ペンチで針金を切る。
4: 食事で箸を使う。
5: 手掌で水をすくう。
野球肘と診断された患者が、スポーツ復帰を目指して、外反ストレスに対する肘関節保護を目的とした筋力訓練を行うことになった。対象とすべき筋はどれか。
1: 尺側手根屈筋
2: 橈側手根伸筋
3: 腕橈骨筋
4: 円回内筋
5: 指伸筋
28歳の男性。脊髄損傷(第5頸髄節まで機能残存)。食事動作を指導する際に必要な装具・自助具はどれか。2つ選べ。 ア.フォーク付きカフベルトイ.スプリングバランサーウ.手関節駆動式把持装具エ.短対立装具オ.太柄のスプーン
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ