24歳の男性。てんかん。生活のリズムの崩れから、発作が頻発するため入院。発作はすぐコントロールされ、2か月後に単身生活での退院予定となった。これまでに何度か保護的就労を試みるものの、次第に服薬が不規則になり、知人からパチンコなどに誘われると断わることができず、金銭管理も不可能となって生活の維持が困難となっていた。今回、退院準備の目的で作業療法に参加した。退院のための技能獲得として適切でないのはどれか。
1: 服薬管理
2: 時間管理
3: 金銭管理
4: 就労準備
5: 対人関係
40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。初期の対応で適切なのはどれか。
1: 飲酒しないように繰り返し指導する。
2: 心理教育により依存症の理解を促す。
3: AA〈Alcoholics Anonymous〉を紹介する。
4: 10 METsの運動で身体機能の回復を促す。
5: 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す。
統合失調症患者の退院時指導で適切でないのはどれか。
1: 再入院しないよう約束する。
2: ストレスへの対処法を再確認する。
3: 利用する施設の担当者に情報を提供する。
4: 困ったときの援助の求め方について確認する。
5: 再燃のサインを見つけたときの行動について確認する。
43歳の女性。アルコール依存症。高校卒業後、就職。20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった。40歳ころから酒量が増え、二日酔いのまま出勤するようになった。上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり、最近、泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった。離脱症状が落ち着いた後、作業療法が処方された。この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか。
1: 基礎体力
2: 対人関係技能
3: 断酒への意志
4: 復職への意欲
5: 問題解決能力
アルコール依存症患者への抗酒薬に期待できる効果はどれか。
1: 不眠の改善
2: 不安感の軽減
3: 離脱症状の緩和
4: 飲酒に対する嫌悪
5: 幻覚妄想状態の改善
アルコール依存症の患者の家族が作業療法中面会に来た。家族への対応で適切でないのはどれか。
1: 作業場面を見学させる。
2: その患者の作業内容を説明する。
3: 作業療法への参加状況を説明する。
4: 家族に見学の感想を面会後に尋ねる。
5: 家族の協力体制についてその場で話し合う。
アルコール依存症患者の作業療法で最も重要なのはどれか。
1: 運動能力を向上させる。
2: 本人の意志を優先する。
3: 協調性を体験させる。
4: 単独行動を促す。
5: 依存性を高める。
薬物依存の患者に対する作業療法の目的でないのはどれか。
1: 退行の促進
2: 身体機能の改善
3: 衝動のコントロール
4: 日常生活能力の改善
5: 心理的耐久力の向上
アルコール依存症で正しいのはどれか。
1: 女性に多い。
2: 病期の進行に伴い、以前よりも少量の飲酒で酔いが回る。
3: 振戦せん妄は飲酒中止後12時間以内にみられることが多い。
4: Wernicke 脳症はアルコールの毒性が原因である。
5: 集団療法が有効である。
アルコール依存症患者との関わりで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 本人の行動には指示的に接する。
2: 焦燥感の表出には受容的に接する。
3: 身体機能の評価を行う。
4: 個人的な要求を優先する。
5: 作業量の調節は本人に任せる。
アルコール依存症の治療について正しいのはどれか。
1: 本人や家族に対する心理教育が有効である。
2: 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。
3: Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。
4: 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。
5: 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。
アルコール依存症の患者の離脱症状を示す発言はどれか。
1: 「自分は飲酒量を減らさなければならない」
2: 「二日酔いで子供の運動会に行けなかった」
3: 「飲酒した晩の翌朝、迎え酒をすると汗がおさまる」
4: 「妻が自分の飲酒についてあれこれ言うのが不愉快だ」
5: 「自分は昔に比べて、ずいぶん酒が強くなったと思う」
アルコール離脱直後の作業療法で最も優先すべきなのはどれか。
1: 内省
2: 仲間づくり
3: 体力づくり
4: 治療への動機付け
5: 生活設計の立て直し
アルコール依存症の離脱期の症状で誤っているのはどれか。
1: けいれん発作
2: 粗大な振戦
3: 幻 視
4: リープマン現象
5: 思考途絶
アルコール依存症で正しいのはどれか。
1: 身体依存はない。
2: 慢性硬膜下血腫を生じやすい。
3: 離脱症状は断酒後3時間で生じる。
4: Korsakoff症候群では遠隔記憶が障害される。
5: 夫婦がアルコール依存になることを共依存と呼ぶ。
認知症患者に対する作業療法の目標で適切でないのはどれか。
1: 場に慣れる。
2: 作業を継続する。
3: 作業工程を覚える。
4: 生活リズムをつくる。
5: 自己のペースを維持する。
40歳の女性。長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。離脱症状が治まり、作業療法が開始された。作業療法士の支援で適切なのはどれか。
1: SSTを実施する。
2: 他者との協調行動を促す。
3: 酒害に関する心理教育を行う。
4: 作業療法士への依存は容認する。
5: 作業に対する頑張りを強化する。
45歳の男性。アルコール依存症。最近連続飲酒となり、今回、極度の疲労感を自覚し、希望により入院した。入院後、離脱症状を示した。離脱症状で誤っているのはどれか。
1: 睡眠障害
2: 幻視
3: 昏迷
4: 手指振戦
5: 発汗
統合失調症の回復期前期での目標について適切なのはどれか。
1: 現実生活への移行
2: 施設内生活の自立
3: 生活の質の向上
4: 生活技能の改善
5: 社会への参加
統合失調症維持期の作業療法の課題で適切でないのはどれか。
1: 休息援助
2: 資源利用
3: 生活維持
4: 再発防止
5: 就労支援